信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】フランプトン、べナビデス、ロメロ。海外戦を視聴。

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イギリスでのトップランク興行、アメリカのPBC興行の観戦記です。

まずはイギリスのトップランク興行、メインはカール・フランプトンの再起戦、無観客試合です。

ライト級10回戦

アーチー・シャープ(イギリス)vsジェフ・オフォリ(イギリス)

第一試合では無敗のプロスペクト(18勝9KO)、アーチー・シャープ(イギリス)が登場。相手のオフォリは10勝(3KO)2敗1分。WBOスーパーフェザー級の世界ランクで上位に入っているプロスペクトですが、これまで名前のある選手との対戦経験は、、ありましたかね?

スピードがあり、器用な選手というイメージではありますが、何か突出したものがあるか、というとちょっと微妙です。かなり前からセンスがあるプロスペクトという事で名前は挙がっていたように思いますが、最後のほうはかなり疲れも見えましたし、今日は良い所はあまり出ませんでした。

 

10R判定でアーチー・シャープの勝利。

フェザー級10回戦

マイケル・コンラン(アイルランド)vsソフィアン・タコウシュ(フランス)

続いて無敗のプロスペクト、コンランは13勝7KO。相手のタコウシュは35勝(13KO)4敗1分という戦績。フェザー級10回戦ですが、コンランは今後スーパーバンタムで王座を狙っていくそうです。

↓公式のハイライト動画

タコウシュというボクサーはサウスポー、ディフェンスは主にガード。ファイティングポーズの構えの時点ではガッチリとしたガードですが、結構強引にパンチを振るっていく選手です。

コンランは非常に余裕を持って戦います。パンチを打つとガードの上からでも当たるので、リズムには乗りやすいでしょう。オーソドックスからサウスポーにスイッチしたりと、やりたい放題です。

 

コンランの良さばかりが目立つ試合。コンビネーションも多彩ですし、近い距離でも落ち着いて空いているところに当てていきます。3Rにコンランはローブローの注意を受けますが、全然低くないように思います。

コンラン、プレッシャーをかけながら、4Rにはこれまでコツコツ打ってきたボディを効かせます。このラウンド、ローブローでコンランが1点減点。

コンランはかなり長い間サウスポーで闘っていますね。5Rにまたもコンランのローブローで試合が中断。今度は低かったかな。そしてまたも1点減点。

ローブロー以外は完全にコンランのワンサイド。

この試合は早々に大勢が決したような試合で、コンランは最後まで冷静。最終10R、ボディ、顔面のコンビネーションを効かせたコンランは、ラッシュをしかけ、ガードがおぼつかなくなったタコウシュをみてレフェリーがストップ。

マイケル・コンランの10RTKO勝利

ここで判定まで行かずに決着をつけれたことは、コンランにとって非常に良かったのではないかと思います。

今回も順当勝ち、スーパーバンタム級転向により既にWBO世界ランクでは3位、次戦にも世界挑戦が叶うのかもしれません。

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メインイベント ライト級10回戦

カール・フランプトン(北アイルランド)vsダレン・トレイナー(スコットランド)

我々からみるとともに「イギリス」のボクサーですが、北アイルランド、スコットランドという表記になっていたところは興味深かったのでそのまま表記。

歴戦の雄、元2階級制覇王者のフランプトンが、3階級目を目指して再始動。WBO世界スーパーフェザー級王者、ジャメル・ヘリング(アメリカ)への挑戦する意向を表明しているフランプトンでしたが、2019年11月の試合で両手それぞれの中手骨を骨折(左手は再骨折)。そこからの復帰戦になりますが、拳の怪我はくせになりやすい分、心配ですね。

相手のダレン・トレイナーは16勝(7KO)3敗という戦績のボクサーで、フランプトンの相手としては役不足か。ただライト級での試合なので、フランプトンも本調子に持っていく事は難しいでしょうから、妥当な所かもしれません。

↓公式のハイライト動画

 

フランプトン、ライト級のウェイト(もしかするとキャリア最重量??)ですがかなり軽快です。調子は良さそう。相手のトレイナーはでかいですね。

フランプトンは相手のうち終わりに飛び込んでパンチを当てたり、相打ちのタイミングで外から回すフックを当てたり、と流石の上手さ。しかしこの身長差だから大丈夫ですが、もし相手がジャメル・ヘリングとなると10cm以上の身長差。フェイントを駆使して、相手の裏をかき、どのように自分の距離に持っていけるかが鍵になりますね。

フランプトンの攻め方はどちらかというとシンプル。相手の反撃前提で踏み込んでいくパターン、ジャブを打つフェイントで相手を釣り、その後まとめるパターン、そしてそのまま打ち込んでいくパターン。その3つのパターンを上手く使い分け、攻め込んでいるように見えます。

4Rまで出入りのボクシングが主だったフランプトンですが、5Rの終盤、そして6Rの中盤以降はプレッシャーを強め、ボディーショットを中心に攻めていきます。

そして6R、右ボディーのクリーンヒットから左ボディーのコンビネーションでトレイナーはダウン!ここはラウンド終了のゴングが鳴り、追撃はできず。

 

7R、フランプトンは冷静に相手のダメージを見定め、プレッシャーを強めます。そして約1分が経過したところで、トレイナーのジャブをかわして左ボディー。ここでトレイナーはもう戦意喪失。レフェリーへアピールしたのでしょうか、レフェリーが試合をストップ。

カール・フランプトンの7RTKO勝利

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8/15(日本時間8/16)PBC興行

WBA世界ライト級暫定王座決定戦

ロランド・ロメロ(アメリカ)VSジャクソン・マリネス(ドミニカ共和国)

全勝同士の暫定王座決定戦ながら、やはり注目は11勝全KO無敗のプロスペクト、ロメロ。

↓フルファイト動画。

 

上背、リーチはマリネス。ロメロはジャブで踏み込み、マリネスは素晴らしい反応でバックステップ。ロメロは力強くパンチを振るっていき、マリネスはスピーディーじゃジャブ主体。好対照な両者です。

マリネスはステップもいいですが上体も柔らかく、ディフェンスが全体的に上手いです。接近された時もクリンチワークを駆使して後続打を打たせないようにしています。これを崩すのは非常に大変。

ロメロはジャブから入るパターンがほとんどで、パワフルではあるもののややワンパターンか。3Rに入っても展開は変わらず。この状況を打破できなければロメロにとって分が悪い気がします。

4Rに入ると、ロメロはよりプレッシャーを強めてきました。しかしマリネスのジャブのタイミングは絶妙。

6R、左フックを多用するロメロ。これは結構効果的な気がします。ロメロ、ガードをする際にL字ガードですが、これが身体がのけぞってしまってあまり見栄えがよくない。両者ともにクリーンヒットが少ないので、ここまでどちらにポイントが流れているのか微妙なところ。少ないながらマリネスのジャブは結構ヒットしているようにも見えます。

ロメロは後ろ足荷重(右足)なので、かわしてから打つとどうしてもワンテンポ遅れてしまいがちです。そこで打つとマリネスの上体の動きでかわされてしまっています。ロメロの踏み込みのスピードは速いとはいえず、そこも攻めきれない要因かもしれません。つまりはロメロにとって相性はあまり良くないように感じます。

 

後半に入ると、若干距離が詰まってきました。どちらかというとマリネスが打って出たというイメージですが。ロメロのジャブをかわし、そこからパンチを繰り出すマリネス。ロメロのパワーに慣れたのか、序盤よりも積極的にパンチを振っていきます。

マリネスはリード(左)の使い方が上手い。ジャブジャブフック、の攻撃面だけではなく、ダッキングした相手を押さえつける、パンチだけでなく様々な使い方をしてはぐらかします。しかしパワーレスか、あまり思い切り打つスタイルではないのか、9Rにはロメロのジャブに併せて右オーバーハンドがヒットしますが、びくともせず。逆にロメロの左フックは迫力充分で、ガードの上からでも効きそう(なイメージ)。

10R、マリネスはかなり余裕が出てきました。ロメロのパンチは完全に見きっているのかもしれません。ロメロはかなり強引に攻めていくものの、この待ちのボクシングを崩せません。後半に入ってほぼ毎回、ラウンド終了後に手を上げてアピールをするマリネス。こういう行動をとるという事は、ポイント面で不安があるということなのでしょうか?

チャンピオンシップラウンド、もう後がないと思われるロメロですが、一発狙い。マリネスの打ち終わり、もしくは相打ちのタイミングで左フック、右ストレートを強振しますが当たりません。最終ラウンドにおいても基本的な展開は変わらず、終了のゴング。

判定は、ロランド・ロメロ。(115-113,116-112,118-110)

118-110って。あの12Rのうち、マリネスがとったのがたった2Rというのはどんな見方でしょうか。クリーンヒットは全体的に多くなかった分、どちらともいえないラウンドが多かった事は事実ですし、マリネスのクリーンヒットは軽めのパンチだったこともポイントが流れなかった要因なのかもしれません。いずれにしろ微妙な判定に思います。

 

WBC世界スーパーミドル級タイトルマッチ

デビッド・ベナビデス(アメリカ)VSローマー・アングロ(コロンビア)

挑戦者のアングロも好戦績ではありますが、べナビデスにはおそらく敵わない。そしてべナビデスにとっては、タイトルマッチといえども調整試合の域を出ず、今後のビッグマッチへ向けたマイルストーンの一つだったはずでした。

しかし、べナビデスが計量で体重超過。秤の上でタイトルを失いました。

2.8ポンド(約1.3kg)オーバー、水抜き失敗なのか、もう途中から落とす気なかったのか。。。いずれにしろ、当日のコンディションはどうでしょうか。本気で落とそうとして約3ポンドもオーバーなら、もうスーパーミドルに留まるべきではありませんし、もう全く動けないでしょう。しかし途中で諦めたのなら、本来であればもっと近づけられたはずなので、コンディションに大きく問題はない可能性もあります。まあべナビデスは骨格も大きいですからね。。。

 

いずれにしろべナビデスは王座剥奪、アングロが勝った場合のみ王者となる、という変則マッチでタイトルマッチが挙行されることとなりました。

↓ハイライト動画

アングロは体躯が良く、身体は強そうです。べナビデスの強打を警戒してかガードを高く上げ、がっしりとした構えからパワーパンチを打ち込んでいきます。突進力はありますね。

べナビデスはジャブを主体として攻めますが、ジャブが当たれば右が飛んできますのでアングロとしてはガードよりも外したいところです。

アングロは勇敢、フックを打ちながらの踏み込みはスピードもあり、べナビデスも警戒が必要そう。ただ、パワーはやはりべナビデスに分があります。

 

3Rにべナビデスは左フックから右ストレートを当て、アングロはダウン。かと思いきやスリップ判定。ダウン取られてもおかしくなかった程、その前から少し効いているようにも見えます。

4Rにはアングロはガードに割く時間が多くなり、手が出なくなってきました。しかしべナビデスのうち終わりにリングの端から端まで攻め込む場面も。

べナビデスのパンチはジャブもストレートも、アッパーでさえ非常によく伸びます。驚異的です。

アングロ、ストレートの距離では勝負になりません。至近距離まで近づきたいところではありますが、べナビデスが中間距離からストレート、フック、アッパーと多彩なパンチを放っていくのでなかなか近づけない。どころか、両手のガードを少しも外せないという展開。

べナビデスの攻撃力は本当に半端ない。7Rにはストレート主体の連打を放ちますが、パワーだけでなくスピードも十分。ガードの上からでもダメージを被りそうな連打。

もうフィニッシュシーンが近くなってきたと思わせる程のワンサイドゲーム。ここまでほぼフルマークでしょう。アングロは時折見せる、べナビデスの打ち終わりに踏み込んでの攻勢を何とかヒットさせたいところですが、その時には既にロープに詰まっているので逆側のロープまで追いかけなければなりません。

べナビデスは、スウェーバックや攻められた時に両腕を前に出して追撃を断つのが意外に上手い。

10R、も同様の流れ、このラウンドは更にべナビデスのアッパーがヒットした印象でした。いかにタフなアングロでも、終了後に棄権。

 

デビッド・べナビデスの10R終了TKO勝利

アングロはタフでしたね。しかし、べナビデスも無冠に。カレブ・プラントがべナビデスとやりたいと言っていて、非常に楽しみな一戦になると思っていたのですが、どうなるんでしょう。無冠となったべナビデスでもプラントが良いといえば良いかもしれません。

兎に角、ウエイトオーバーが残念でなりません。どうやったらウェイトオーバーってなくなるんでしょうかね。

 

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