信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

ライト級世界挑戦の歴史。世界の扉にたどり着いた日本人挑戦者たち。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

ライト級。ヘビー級と並び、最も古い階級であるこの階級は、世界的に大きな人気を誇る階級です。

↓今も大変なタレントが揃っている激戦区の階級。

boxingcafe.hatenablog.com

 

現在の状況をみると、およそ日本人の手の届かないところにあるイメージすらあります。

これまでの歴史をみても、日本人選手がこの階級で世界王者に輝いたのはガッツ石松、畑山隆則、小堀佑介のたった3人。1階級下のスーパーフェザー級(9人)と比べても、その壁の厚さがわかります。

↓畑山隆則のキャリアを追ったブログ

boxingcafe.hatenablog.com

今回のブログでは、ライト級の世界タイトル戦へ辿りついた日本人ボクサーたちをピックアップしていきたいと思います。

1962年12月3日
カルロス・オルティス(プエルトリコ)vs小坂照男(帝拳)

日本人としてはじめてライト級の世界タイトルに挑んだのは、半世紀以上前、帝拳ジムの小坂照男。場所は日本、蔵前国技館でした。

1R開始ゴングと同時にラッシュをしかけた小坂ですが、いなされ、逆にオルティスの連打の餌食に。2Rにダウンを奪われ、何もできずに5RKO負け。

1969年10月4日
アルマンド・ラモス(アメリカ)vs沼田義明(極東)

スーパーフェザー(当時ジュニアライト)級王座を陥落した沼田が、2階級制覇を狙い敵地アメリカへ渡り王者に挑んだ一戦。

「精密機械」と呼ばれた沼田は巧さを随所に発揮しましたが、5Rにダウンを奪われ、6Rに更に3度のダウンを奪われ、力尽きてしまいます。

 

1970年6月6日
イスマエル・ラグナ(パナマ)vs鈴木石松(ヨネクラ)

この試合は、ジャガー柿沢の世界前哨戦のアンダードッグとして呼ばれた石松が番狂わせの勝利、石松がシンデレラボーイのように世界初挑戦を叶えたという一戦。

鈴木石松の世界初挑戦は敵地パナマ。初回からラグナのハードパンチを打ち込まれ、ボロボロになりながらも王者に向かっていった石松でしたが、13Rにストップ負け。

ただ、この試合で石松はその勇敢さ、タフネスを証明しました。

1973年9月8日
ロベルト・デュラン(パナマ)vs鈴木石松(ヨネクラ)

「ライト級のデュラン」という、歴代最強ともいわれるライト級王者に敵地パナマで挑んだ石松。この日も石松は滅多打ち、9Rに2度、10Rに3度のダウンを奪われ完敗。

世界ライト級の王座は、果てしなく遠く感じるような出来事です。

1974年4月11日
ロドルフォ・ゴンサレス(メキシコ)vsガッツ石松(ヨネクラ)

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デュラン戦で完敗を喫してから半年と少し。今度は日本にWBC王者を呼び寄せ、挑戦。「幻の右」で見事ゴンサレスをKO、日本人初のライト級世界王者となりました。

その後、チュリー・ピネダ(メキシコ)を2度、前王者のゴンサレス、技巧派ケン・ブキャナン(イギリス)、アルバロ・ロハス(コスタリカ)を退け5度の防衛。

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1974年12月21日
ロベルト・デュラン(パナマ)vs高山将孝(ピストン堀口)

石松の在位期間中、WBA王者のデュランに挑戦したのが高山。コスタリカでの1戦でした。

高山は小学生でボクシングと出会った元トップアマ。しかしデュランはその高山を1Rで粉砕、世界のトップオブトップとの差を痛感させられる結果となってしまいました。

1976年5月8日
ガッツ石松(ヨネクラ)vsエステバン・デ・ヘスス(プエルトリコ)

5度の防衛を果たした石松でしたが、デュランに初黒星を与えた事でも有名な(この時点で1勝1敗)デ・ヘススにポイントアウトされ、王座陥落。

1977年2月12日
エステバン・デ・ヘスス(プエルトリコ)vsバズソー山辺(船橋)

そのデ・ヘススの2度目の防衛戦の相手が、バズソー山辺。ハワイを主戦場にし、前年の1976年にはスーパーフェザー級で2度の世界挑戦も実らず、ライト級にあげての挑戦。

プエルトリコで行われたこの試合は、デ・ヘススがカウンターを主武器として6RTKO勝利。

 

 

そしてそこから長い間、日本人ボクサーはライト級の世界王座に挑戦することすらままなりませんでした。その状況を打ち破り、世界挑戦へこぎつけたのが坂本博之。

1997年7月26日
スティーブ・ジョンストン(アメリカ)vs坂本博之(角海老宝石)

平成のKOキング、坂本博之の世界初挑戦。そのハードパンチを武器にジョンストンの牙城に迫りますが、ジョンストンのボクシングに空転。

坂本は稀にヒットを奪い、打ち勝ったりと見せ場はつくるものの、全体的にジョンストンに及ばず、12R判定負け。

1998年8月23日
セサール・バサン(メキシコ)vs坂本博之(角海老宝石)

1年1ヶ月ぶりに世界戦のリングに帰ってきた坂本。前戦同様、坂本は前進し、そのハードパンチに全てをかけて臨みます。

その坂本の前進に対しバサンはカウンターで対抗、終盤は脚を使って逃げ切ります。

坂本はまたも世界に届かず、12R判定負け。

2000年3月12日
ヒルベルト・セラノ(ベネズエラ)vs坂本博之(角海老宝石)

3度目の正直なるか、坂本。1Rに2度のダウンを奪い、KO奪取の期待も高まります。しかし坂本は目の下をカット、2R以降持ち直したセラノは多彩なパンチで坂本を痛めつけていきます。

そして5R、4度目のドクターチェックを受け、レフェリーガストップ。

坂本は5R負傷TKO負けで王座獲得ならず。

 

2000年6月11日
ヒルベルト・セラノ(ベネズエラ)vs畑山隆則(横浜光)

元スーパーフェザー級王者、畑山が復帰戦でライト級王座へ挑む。

boxingcafe.hatenablog.com

畑山が8Rに3度のダウンを奪い、KO勝利で2階級制覇。

その後畑山は、坂本博之(角海老宝石)、リック吉村(石川)を相手に2度の防衛。

2001年7月1日
畑山隆則(横浜光)vsジュリアン・ロルシー(フランス)

1Rから畑山は持ち前のコリアンスタイルでロルシーに接近戦を挑みます。ロルシーは王者をジャブでコントロール、多彩なパンチで畑山得意の乱打戦に付き合いません。

終盤にはロルシーは若干失速、畑山の動きは試合終了まで落ちる事はありませんでしたが、畑山のパンチがクリーンヒットする場面は少ないままでした。

畑山が12R判定負けにより王座陥落。

2006年5月20日
ホセ・アルマンド・サンタクルス(メキシコ)vs稲田千賢(帝拳)

元アマエリート、稲田がカリフォルニアに乗り込み、サンタクルスとの暫定王座決定戦に臨みました。

稲田は額や目尻をカットし流血、腫れもひどく、いつストップされてもおかしくない状況に陥ります。その状況下、普段のスタイルを捨て接近戦を挑むも、玉砕。

6RTKO負けで王座獲得ならず。

 

2008年5月19日
ホセ・アルファロ(ニカラグア)vs小堀佑介(角海老宝石)

20勝18KO(3敗)というハードパンチャーのアルファロに真っ向から打ち合いを挑んだ小堀。小堀はスーパーフェザーの選手で、おそらく期待は薄かった。小堀は2Rに右ストレートでノックダウンを奪われますが、3Rにダウンを奪い返し、その後のラッシュでレフェリーストップを呼び込みます。

小堀佑介、3R逆転KOで世界王者に。

 

2009年1月3日
小堀佑介(角海老宝石)vsパウルス・モーゼス(ナミビア)

小堀の初防衛戦は、アフリカからの刺客、モーゼス。スピードあふれるモーゼスのパンチにあわせようとする小堀でしたが、いかんせんパンチの正確さが違いました。

小堀は12R判定負け、王座陥落。

2009年7月25日
パウルス・モーゼス(ナミビア)vs嶋田雄大(ヨネクラ)

そんなモーゼスに敵地・ナミビアで挑んだ嶋田雄大。外気温3度、屋外リングという過酷な環境。2Rにリングの上でスリップした際に左太もも裏を痛めるというハプニング。

実力を出しきれないまま12Rを闘い抜きましたが、判定負けで戴冠ならず。

2011年6月25日
ウンベルト・ソト(メキシコ)vs佐々木基樹(帝拳)

曲者、佐々木基樹。なかなか日本人には珍しい部類の選手かもしれません。安定王者のソトに技術的には及ばなくとも、得意の乱戦に上手く引き込んでいき、ソトはかなり疲労とストレスがたまっていきました。

強靭なハートを見せてくれた佐々木でしたが、両者の膝がぶつかった時にソトが続行不能となり、11R負傷判定でソトの勝利。

 

2013年7月27日
オマール・フィゲロア(アメリカ)vs荒川仁人(ワタナベ)

前出の嶋田雄大に引導を渡した荒川が、テキサスでフィゲロアとの暫定王座決定戦に臨みました。この試合に多くの言葉は必要ありません。

とてつもないクリーンな打撃戦。ガッティvsウォードやカスティージョvsコラレスと比較しても遜色ないほどの打ち合いは、荒川の名を全米に轟かせました。

その奮闘は実らず、荒川は12R判定負け。

2015年5月1日
レイムンド・ベルトラン(メキシコ)vs粟生隆寛(帝拳)

ラスベガス。元2階級制覇王者の粟生と、王座決定戦にも関わらず体重超過したベルトラン。勝てばアメリカでスターダムにのし上がれるチャンスだった粟生ですが、あえなく2RTKOで撃沈。

粟生戦後、ベルトランから禁止薬物の使用が発覚、無効試合となりました。

 

色々と調べながらやっていたらかなり疲れてしまいました。もし漏れている試合があれば教えてください。。。(少し自信がありません。)

 

 

次は誰だ。

ここまで世界ライト級王座を射止めたのは、ガッツ石松、畑山隆則、そして小堀佑介の3人だけというのは前に述べた通りです。

そして次は、誰がこの階級の王座を獲得してくれるのでしょうか。

現在、国内・アジア無敵を誇る3冠統一王者、吉野修一郎(三迫)か。

それとも、その絶対王者に挑むベテラン、細川バレンタイン(角海老宝石)か。

はたまた元WBO世界スーパーフェザー級王者、伊藤雅雪(横浜光)なのか。

盛り上がる国内ライト級、そしてそこを勝ち進んでもまだまだ高くそびえる世界のライト級。勝っても勝っても本場で勝たなければ世界は遠い。それでも、また世界に挑んでくれるライト級日本人ボクサーが現れる事を強く願っています!

 

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