信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ワシル・ロマチェンコvsテオフィモ・ロペス!4団体統一戦を視聴!

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さて、いよいよ今年最大のビッグマッチともいわれるワシル・ロマチェンコvsテオフィモ・ロペスの一戦!

待ちに待っていました!

この一週間、私の脳内はこの興行で持ち切りでした。

まずはアンダーカードから!!

↓アンダーカードのプレビュー 

boxingcafe.hatenablog.com

 

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スーパーミドル級8回戦

エドガー・ベルランガ(アメリカ)14戦全勝全KO無敗

vs

ラネル・ベロウズ(アメリカ)29戦20勝(13KO)5敗3敗1NC

ベルランガはかなり体躯が大きく、ボクシングもしっかりしています。スピードもあり、これまで14連続1RKOという記録を打ち立てていますが、ゴングと同時に倒しに行くというスタイルではありません。この1RKOは、パンチ力というものは勿論、相手が弱みを見せた瞬間に襲いかかる、チャンスにおける嗅覚というのが秀でている結果なのかもしれません。

初回ゴング、ベロウズもなかなかに素早いですが、パンチは打ちっぱなしでガードが空きがちです。これまでKO敗けがないベロウズですが、ベルランガ相手にはこれは危ないのではないでしょうか。

 

ベルランガは力を込めてパンチを放っていきますが、スピードもあり、隙も少ない。1分過ぎから攻勢にでたベルランガ、一発一発日からを込めて打つスタイルですが、かなり的確に当てていきます。

相手はガードの上から効いてしまうので、守勢にまわってしまうとどうしようもないかもしれません。ベルランガがラッシュから左フックを当て、ベロウズがふらついた所でレフェリーがストップ。

やや早いストップにも思えましたが、力量を考えると妥当にも思います。

 

エドガー・ベルランガの1RTKO勝利

ベルランガは一発のパンチが強いですが、それが連打で打てる、そしてアングルも多彩。これは相対するとかなりやっかいですね。1RKOというのは試される部分も少ないため、まだ評価は定まりません。そろそろ名のある相手が必要ですね。

セミファイナル  スーパーライト級10回戦

アレックス・サウセド(メキシコ)31戦30勝(19KO)1敗

vs

アーノルド・バルボサJr(アメリカ)24戦全勝(10KO)

 

初回、バルボサがサウスポースタイルでスタート。サウセドがプレスをかけますが、バルボサはあまり足でかわさずにサウセドの踏み込みに対してストレートで対抗します。早くも近い距離でパンチを交換しあい、好試合の予感です。

2Rもバルボサはサウスポーからスタート。サウスポーのバルボサは左ストレートから入るパターンが有効。しかしサウセドが前に出て、ややサウセドの距離のように思います。両者ともに手数が多く、ずっと打ち続けます。

3R、バルボサが少し闘い方を変えたか、オーソドックススタイルから速いジャブを多用、ステップも滑らかに刻み始めます。サウセドのプレスに負けじとアグレッシブに攻め続けるバルボサ。

4R、変わらずサウセドはプレス。バルボサはスイッチしながらストレート系のパンチをノーモーションで突き刺します。しかし両者ともすごい手数です。

 

5R、バルボサがサイドステップを使い、上手く闘います。特にワンツーのあとの左ストレート、この3つ出すコンビネーションを上手く当てます。サウセドは体ごと突っ込んで距離をつぶしますが、なかなか手が出ません。

6R、苦しくなってきたサウセドですが、ここはチャージのラウンド。これまでよりも更にプレスを強め、接近戦を仕掛けます。これが奏効し、先程のラウンドと違いたくさん手数が出ます。サウセドは近い距離での打ち合いが非常にテクニカルで、ここに活路を見いだせそうです。

 

しかし、このラウンド後半にはまた手数が減ってしまい、なかなかバルボサの懐に踏み込めません。

7R、バルボサのフックをかわしたサウセド、左フックを当て前へ。ここでバルボサがダウン!と思いましたが判定はスリップ。

しかしこのインターバルでダウン判定に変更。

8R、前ラウンドでダウンを取られたバルボサ、ポイントを意識してか積極果敢に手を出します。非常にエキサイティングな打ち合い!9Rにもバルボサの右ストレートがヒット、サウセドはバルボサのスピードに対してガードを固めてしまい、手が出ません。

ファイナルラウンド、バルボサが先程のラウンド同様、かろやかなステップからスピーディなコンビネーション。サウセドもこれが最後と気合を入れて攻め込みます。

 

ハーフタイム、左フックの相打ち!バルボサの方がダメージがあるように見えましたが、サウセドも攻め込む事はできませんでした。

3-0の判定で、ジャッジはバルボサを支持。(96-93、97-92×2)

アーノルド・バルボサJrの10R判定勝利。

素晴らしい闘いとなったこのセミファイナル。ともに好戦的であり、距離も似たようなものです。至近距離ではサウセドに分があるように見えましたが、バルボサはジャブ、ストレートを上手く突き刺し、更にステップワークを織り込んで至近距離で闘うのを極力避けました。

 

思ったよりもポイントに差は開いてはいたものの、バルボサの勝利は順当でしょう。

そしてこの激戦区、スーパーライト級の世界ランカー対決を経て、おそらく次期世界挑戦者としての地位を確立したと思われるアーノルド・バルボサJr。これからも楽しみなボクサーです。

サウセドも好きなボクサーなので、まだまだ頑張って欲しいですね。

 

そしていよいよメインイベント!!

↓ロマvsロペスのプレビュー

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WBAスーパー・WBCフランチャイズ・WBO世界ライト級王者

ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)15戦14勝(10KO)1敗

vs

IBF世界ライト級王者

テオフィモ・ロペス(アメリカ)15戦全勝(12KO)無敗

 

事前のインタビュー映像で、KO宣言ならぬ判定宣言が飛び出したロマチェンコ。

技術、キャリアで勝るロマチェンコ相手に、必殺の一撃を決めたいロペス。

判定でロマチェンコ、ロペスが勝つならKOというのが大方の予想でしょう。

初回、ロペスはプレッシャーをかけ、速いジャブで様子を探ります。ロマチェンコはステップと上体の動きのみで相手を観察。ロマチェンコはロペスの一発を警戒し、まずはかなりディフェンシブな闘い方です。

ロペスのハンドスピードはかなり速いですね。ロマチェンコは速いというよりも動きの効率が最短で効率が良い。

2Rに入ってもロマチェンコはまだロペスを観察。ロマチェンコはテクニカルに左のダブルを当てますが、ロペスはケロリとしていますし、全く気に留めない様子です。その後もロマチェンコのコンビネーションがロペスにヒット?速すぎて見えません。

 

3R、まだ慎重に闘うロマチェンコ。。。ロペスは常にプレスをかけ続けますが、ロマチェンコはまるでタッチゲームのようなボクシングです。ロペスは右をボディに持っていくのですが、これは顔面へ打つよりも届く確率が高く、有効に見えます。

ともにクリーンヒットはほぼないですが、ロペスの左目付近は腫れてきているようです。時折出すロマチェンコの右フックが当たっているようです。

4R、ロマチェンコはいつものサイドステップを駆使した波状攻撃が出せません。これはロペスのパワー、プレッシャーがそうさせるのでしょう。時折攻めるロマチェンコですが、ロペスはそのスピードに動じることなく対応しますので、それ以上踏み込めません。

 

5R、相変わらず手が殆ど出ないロマチェンコ。これは大丈夫なのでしょうか。。。?どんなファイトプランかわかりませんが、パンチを出さなければポイントは奪えないような気がします。

ロマチェンコは警戒しすぎなのか、ほとんどの時間をディフェンスに使い、時折ロペスの打ち終わりにジャブを当てます。しかしこの闘い方ではロペスを疲れさせる事もできないと思われますが。。。

6R、もう半分!アクションが少なく、凡戦といっても差し支えないと思うのですが、緊張感はものすごいという不思議な試合でもあります。あっという間に時間が過ぎていきますね。

ロマチェンコはロペスの攻撃をほぼ見切っているように見えます。最小の動きでロペスの攻撃をかわし、いなし、ガードします。しかしロマチェンコもほぼジャブしか当たりませんし、稀に当たるストレートも浅い。

ロペスがジャブを打った直後にロマチェンコがジャブを返すのですが、そのタイミングは素晴らしいですね。そこから攻められればもっといいのでしょうが、警戒心の強いロマチェンコはそれ以上は行きません。

7R、ロペスが速いコンビネーションをロマチェンコに打ち込みます。右ボディはロマチェンコにしっかりと届き、当たりませんが右アッパーは危険なタイミングで出されます。

 

8R、いよいよロマチェンコが前に出てきます。ここでロマチェンコはショートの左を当てますが、その後バッティング。攻め時でしたが。。。

ロマチェンコが前に行くのに合わせてロペスの右ストレートが繰り出されます。ロマチェンコはガードしますが吹き飛ばされるというパワーの差。

しかしロマチェンコはここからこの試合初めての波状攻撃をロペスに打ち込み、攻勢をアピールします。これぞロマチェンコ!

9R、活発になってきたロマチェンコ。左ストレートを多用するようになってきます。しかしここでロペスのカウンターもヒット。ロペスは体が強く、ロマチェンコのジャブでは全く止まらない辺りが非常に怖いです。

 

10R、ロマチェンコがプレッシャーを与えていきます。ジャブを打ってサイドから攻め、近い距離でパンチが交錯。ロペスはストレートで押しのけ、右アッパーを狙いますがロマチェンコのジャブで顔を跳ね上げられる事数度。

11R、早くもチャンピオンシップラウンドに突入。ロマチェンコはプレッシャーを強め、ロペスがロープにつまる場面も。ロマチェンコが強いジャブを起点にコンビネーションで攻め込み、ロペスが一発返してロマチェンコを押しのけるという展開。

ロマチェンコらしさは全開。しかしロペスは負けじと返し、ボディはやはり効果的に見えます。

ファイナルラウンドもロマチェンコがプレッシャーをかけます。それでもロペスの攻撃力はまだ健在なため、警戒を怠りません。特に顔面への攻撃は、12R通じてほとんどもらっていないと思いますが、逆に言うと1発でも当たると非常に危険なのでしょう。

ガードの上からでもダメージを与えられそうなロペスのパンチ、そのパンチ音も含めて見栄えが良いのかもしれません。

最後はともに打ち合い、終了のゴングを聞きました。

 

ジャッジは、3-0の判定でロペスを支持。

テオフィモ・ロペスの12R判定勝利(116-112、118-109、117-111)。

この判定を聞いて、非常にびっくりしました。前半は、クリーンヒットが少なかった、というかほぼなかったロペス。あまりにも少ない手数のロマチェンコ。どちらに割り振るか非常に難しい前半でした。

私は8R以降は、ロマチェンコが支配したといっていいと思うのですが、その前のラウンドについてはどちらに割り振ってもおかしくない、とも思います。

なので、ロペスびいきの判定をしたとしても、個人的には許容範囲は116-112までですね。。。

ただ、2Rや6Rもロマチェンコに与えて良いようなラウンドだと思っているので、私はドローが妥当かと思っています。いわゆる地元判定に近いものだと感じてしまいますが、どうなんでしょうか。(私はユーリ阿久井政悟vs藤北誠也を結果を知らずにBOXING RAISEで観戦するために10/19までネット断ち状態です。)

 

ロマチェンコを応援していた私としては、私がネットを見た時には採点の問題で物議を醸していることを少し期待しておきます。

いずれにしろ、結果が出てしまったのでテオフィモ・ロペスの勇気を讃えましょう。

フィジカルに勝り、スピード、パワーともに素晴らしかったロペス。ロマチェンコの最短距離で飛んでくるパンチに対しても反応も良かったですし、慌てず、一歩も退かず、ほとんどの時間を前に出続けました。

そしてロマチェンコ、敗けたとはいえこれまでの偉業がなかったことにはなりません。そして、警戒しすぎたという感じはありますが、スーパーフェザー級がベストとも言われるロマチェンコ、大きい相手に対してよく戦ったと思います。

ロペスが勝つとは本当に思っていなかったので、本当にビックリです。そして私も勿論大好きなロマチェンコ、正直とてもショックです。

 

 

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