信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】BOXINGRAISEでユーリ阿久井政悟vs藤北誠也を視聴!&ロマvsロペス判定を思う。

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10/18はライト級4団体統一戦、ワシル・ロマチェンコvsテオフィモ・ロペスの一戦でしたが、それが終わったころ、ゴングが鳴った日本国内のチャンピオン・カーニバルもありました。

翌日10/19にはボクシングレイズにアップされていたので、早速視聴!ここまで結果を知りたくなくて、ネット断ちしていたので、ロマチェンコvsロペスの皆さんの反応を見つつ、判定について思うところも後半部分で書いていきたいと思います。

ということでまずはユーリ阿久井vs藤北の日本フライ級タイトルマッチ!

↓元々の日程のポスターですね。

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↓プレビュー記事はこちら

boxingcafe.hatenablog.com

10/18(日)

チャンピオンカーニバル日本フライ級タイトルマッチ

ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)17戦14勝(10KO)2敗1分

vs

藤北誠也(三迫)17戦13勝(6KO)4敗

開始ゴングと同時に頭を低くして攻め入る藤北!ユーリ阿久井はガードを固めて、フックで応戦です。藤北は近い距離に勝機を見出したい模様、ユーリ阿久井の右ストレートをベストな距離でもらいたくないという作戦の表れなのかもしれません。

ユーリ阿久井は下がりながらも的確なヒットを重ね、藤北は負けじと左ボディを中心とした力強い連打を繰り出していきます。

 

2Rも引き続き打撃戦!これはこのまま最終まで行くのか、どちらかが折れるのか。とんでもないタフファイトになりそうな予感です。

ユーリ阿久井は連打の回転力もあり、サイドへ回って打つ等接近戦でも技術がありますね。藤北のやっかいな左ボディをバックステップでかわし、打ち返します。そして接近戦からでもジャブをン発も出し、藤北の接近を阻む場面も。

対する藤北は左アッパーから左ボディのコンビネーション、打ち下ろすような左フック。連打はスムーズで力強いですが、ユーリ阿久井のほうがより回転力があり、パワーもあります。ユーリ阿久井の右でよろめく場面も多々、あります。

見ているほうも疲れてしまうような打撃戦の中、4Rにユーリ阿久井はジャブの連打を起点に距離をつくり、得意の右ストレートをヒット、左フックをフォロー。距離があれば溜めをつくり、フォロースルーの効いたパンチがパワフルなユーリ阿久井が優位にたちます。つまり、くっついて戦う藤北の作戦は間違っていなさそうです。

 

5Rもガードを固めて前にでる藤北、ユーリ阿久井もガードを固くして、しかしパンチの的中率でユーリ阿久井が上回ります。

ここでおそらく途中採点の発表があったかと思いますが、BOXING RAISEではインターバルがカットされているのでわかりません。

ボクシングモバイルで確認したところ、この時点で2-1でユーリ阿久井の優勢だったようです。

6R、強引に出てきた藤北に対しユーリ阿久井はワンツーを好打、そしてそのあとも攻め続けラッシュの場面を作ります。ストップに持ち込もうという意図があるほどの連打をお見舞いしますが、藤北は意地で膝をつかず、このラウンド後半には逆襲。ユーリ阿久井はここをガードとステップでいなしつつも反撃。

 

7Rに入っても展開は変わらず、我慢比べの展開。しかしユーリ阿久井のパンチを浴び続けている藤北のがんばりは称賛ものです。足元がふらつく場面もありながら、懸命にパンチを放っていきます。8Rにもユーリ阿久井は左フックで藤北を下がらせますが、仕留めきれず。

9R、ユーリ阿久井は左の使い方に進歩を感じますね。ジャブ連打からの左ボディ、左フック。このラウンドでもユーリ阿久井は藤北に打ち勝ち、ポイントをピックアップしていきます。終盤には距離をつくって右ストレートをヒット。

藤北のハートの強さも素晴らしく、一瞬でも距離が離れればすぐに距離をつぶし、あくまでも接近戦を挑み続けます。

ラストラウンドは両者死力を振り絞っての打撃戦。やはりユーリ阿久井のパンチに押される藤北ですが、諦めずに打ち合う姿には鳥肌が立ちます。10Rにわたりハードパンチに晒され、心が折れてもおかしくない場面が何度もありながら、ついには終了のゴング。

 

魂の震える、素晴らしいファイトでした。

両者に拍手を送りたいです。

バチバチとした打ち合いの中に、両者のハートの強さ、接近戦での技術、タフネス、スタミナ、フィジカル、すべてを総動員した打撃戦でした。

終了後、会場は(おそらく少ない人数ながら)大きな、そして暖かな拍手に包まれます。

ジャッジは三者ともにユーリ阿久井を支持。(98-92、97-93、99-91)

ユーリ阿久井政悟の10R判定勝利

ユーリ阿久井政悟の素晴らしい試合運び、そして藤北誠也のハートに感動しました。ユーリ阿久井は速攻型のパンチャーというイメージがあり、チャンスの時の詰めには定評がありますが、今回のような接近戦を軸にジャブをついてボクシングができたというのは大きな成長ではないでしょうか。

 

もう随分昔の話になるのかもしれませんが、中谷潤人(M,T)に敗れた時は得意と思われた接近戦でも打ち負けていましたから。

確かそこから出稽古をはじめ、色々なところで様々な技術や知識を吸収していって今があるのでしょう。あの敗戦はやはり、無駄ではありませんでした。

勢いのある三迫ジムの刺客を真っ向から破り、待ちに待った初防衛戦をクリア。次戦は(というか次戦も)チャンピオン・カーニバル。来年春頃にできるといいですね。

 

そして藤北。出入りのボクシングもできるボクサーだったと記憶していますが、今回の作戦は徹底した接近戦。ここまで14勝10KO、そのうち9つの1RKO勝ちを誇るハードパンチャー相手に接近戦を仕掛けるというのは並のボクサーができることではありません。

強いハート、フィジカル、タフネスに今後も期待してみていきたいと思います。

 

ロマチェンコvsロペスの判定

↓WOWOWでの観戦記

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様々な反応を見ると、「ロペス勝利の判定は妥当だけれども、19-109はあり得ない」というものが多かったように思います。

私は初見、ロマチェンコの僅差判定勝ちかと思いました。ただ、アメリカという決戦の場所で、対戦相手がニックネームを「エル・ブルックリン」としている、ホンジュラスにルーツのある若きプロスペクト、テオフィモ・ロペスだとすると、「ドロー」という裁定が妥当かとも思ったのです。

 

地元贔屓、主観が入ってしまうのはある程度仕方のないこと、これまでも「?」がつく判定は腐るほど見てきています。

今回のWOWOWの中継を見ると、ジョー小泉氏、西岡利晃氏の解説に引っ張られた方も多かったと思います。私ももちろん、その一人です。小泉、西岡両氏や、ロマチェンコ愛が強い我々日本人がある程度ロマチェンコ贔屓になってしまうことも致し方のないこと。

伊藤雅雪(横浜光)が、解説陣のことを「言い方は悪いけど、ロマチェンコ信者みたいになっている」という言い方をしていましたが、それも否定できません。思い返せば私もそうなっていたかもしれません。むしろジョー小泉氏や西岡利晃氏の言うことに、ある程度同意してしまうことは永くエキサイトマッチにお世話になっているボクシングファンなら致し方のないことだとも思います。

 

Aが勝つだろう、とか、Aに勝ってほしい、と思って見ているだけでも、微妙なラウンドはAにつけてしまいがちです。人間ですから。

ファンの間で、もしくは実際に戦った陣営の間で判定にあーだこーだ言うのは自由でいいと思います。テレビや配信の解説陣が、公式と違う見解で解説をしても何の罪もないと思っています。公式ではありませんから。

何だったら今回のように意見が食い違う人たちがいるからこそ、それを巡ってある種盛り上がるのも醍醐味の一つであるも言えます。時に喧嘩になることもあるのかもしれませんが。。。(悲しいことに、私の周りには私と言い合えるボクシングファンはおりませんので、そんな話をしたこともありません。。。)

 

ただ、公式のジャッジだけは、なるべく主観を入れずに採点をしてほしいとは思います。

とはいえジャッジも人間ですので、見え方の違い、好き嫌いが入る、というのも否めません。そういう意味でいうと、アメリカではやらないWBCの公開採点なんかは非常に良いと思いますが。

たらればの話、今回前半ロマチェンコが取られていたのは明らかですが、もし4Rに公開採点があれば、ロマチェンコは無理してでももっと早めに仕掛けたかもしれません。

今回、たった一つの事実としてテオフィモ・ロペスは勝ちました。

そして残念ながら、ワシル・ロマチェンコは負けました。

 

ロペスはそのフィジカル、スピード、パワーを活かし、素晴らしい戦いを披露しました。ロマチェンコの得意を封じ、なんと23歳という若さにして、4団体統一王者に輝きました。前途は限りなく明るいです。

次戦、WBC王者のテビン・ヘイニー戦なのか、WBA王者のジェルボンタ・デービス戦なのか、それともスーパーライトに殴り込みをかけるのか。これは非常に楽しみなニュースターが誕生しました。

ボクシングを長く見ていると、大好きなボクサーもいつかは負け、若手の踏み台になることもしばしば。そしてそこからまた一つ輝くボクサーもいれば、それでキャリアを閉じてしまうボクサーもいます。

敗けはしましたが、私はまだまだロマチェンコのボクシングを見てみたいな、と感じます。ロペスとの再戦よりも、スーパーフェザー級時代の無敵だったロマチェンコを。

 

倒れたら立ち上がれば良いのです。

とはいえ、応援していたロマチェンコがまさかの敗戦を突き付けられたことで、私も立ち上がるのに少し時間がかかります。

今回のユーリ阿久井政悟vs藤北誠也戦は、私が立ち上がる大きな手助けの1戦になりました。本当に素晴らしい、エキサイティングなファイトでした。

最後に言わせていただきたいのは、「それでも119-109はないわー。」ということだけです。117-112も納得はいきませんが、泣く泣く許容することにいたします。

 

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