DAZN興行。ムンギアのミドル級第二戦で迎えたのは、トリアーノ・ジョンソン。前戦ではジェイソン・クイグリーをアップセットで降している猛者です。
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DAZNでもようやく興味深いマッチアップが復活してきたので、これからも非常に楽しみですね。ではでは、本日はこのムンギアvsジョンソン戦の観戦記を書いていきたいと思います。
10/30 アメリカ(日本時間10/31)
ハイメ・ムンギア(メキシコ)35勝(28KO)無敗
vs
トリアーノ・ジョンソン(バハマ)21勝(15KO)2敗1分
ミドル級2戦目のムンギア、アップセットを目指すジョンソン。
ムンギアがどれほどミドル級にフィットしたか、注目の一戦です。
ゴングと同時に前に出て攻めるジョンソン。やる気満々です。すぐにムンギアをロープに詰め、近い距離でフックを振り回します。左手を下げ、肩で押すムンギア。やはりスーパーウェルター上がりのムンギアは、これまでのようにフィジカルで押せないか??
身長はムンギアの方が大きいですが、ジョンソンの方が体の厚みがあります。ガードを固めてグイグイと押していくジョンソン。対してムンギアは、コンビネーション、特に左のダブルが効果的に見えます。
2R、ここでもサウスポー、ジョンソンが前に出ます。ムンギアは押されながらも冷静に、アッパー、フック、そして右オーバーハンドで迎え撃ちます。もみ合いが多い展開です。
クリーンヒットはムンギア、しかしジョンソンの追い方はハートの強さを感じます。
ムンギアはジョンソンのプレスに慣れてきたか、このラウンドは入り際にアッパーを次々とヒット。このアッパーを何とかしないとジョンソンは厳しいですね。
3R、追い詰めて殴る、という単純戦法のジョンソン。ムンギアはコンビネーションも上手く使い、ボクシング。ムンギアは髪の毛が少し伸び、若干若返った(もともと若いですが)印象ながら、そのボクシングは大人びましたね。
4R、ムンギアはフィジカルで押してくるジョンソンに若干嫌がる素振りを見せながらも、アッパーを交えたコンビネーションをヒットします。距離を縮めようとするジョンソン、その中で少しスペースをつくり、コンビネーションを打ち込むムンギア。
このラウンド終盤に少し気を抜いたように見えたムンギアに、ジョンソンの左フックが浅くヒット。その後攻勢をかけるジョンソン。
5R、パンチをもらって苦しいのはジョンソン。しかしそのジョンソンのプレスを嫌がるムンギアも苦しいかもしれません。ムンギアが大きく後退すればジョンソンは大きく前進、かなりしつこいです。ムンギアは体をつかってジョンソンの前進を止めたところでアッパー。ガードをすり抜けるように当たるアッパーは素晴らしい。しかし諦めるそぶりのないジョンソン。追いかけて追いかけて追いかけ回します。
6R序盤、ムンギアがアッパーを起点に攻勢に出ます。ここでこの試合はじめて、ジョンソンがロープを背負うという状態。しかしジョンソンも負けじと押し返し、コンパクトな右フックをムンギアに叩き込みます。ムンギアは上体を倒し、まともには喰いませんが見栄えはあまり良くないかもしれません。
残り時間が少なくなったところでレフェリーがドクターチェックを求めます。どうやらこのラウンド終盤のムンギアのアッパーで、ジョンソンは唇を切り裂かれたようです。
再開後、チャージするムンギア。血だらけのジョンソン。
結果、このラウンド終了でストップ。
ハイメ・ムンギアの6R終了TKO勝利。
ムンギアのアッパーは素晴らしかったですね。下がりながらでもインサイドから打てるアッパー、それに続くフック(もしくはフックからアッパー)、あれは前進してくる相手に効果的であり、そして相手は嫌でしょう。
ジョンソンはそれでも負けじと前進してきましたが、入るのを躊躇ってしまうと今度はムンギアが前に出て、打ち据えるのでしょうね。
前に出た時の攻撃力、コンビネーションは回転力があり、パワーもありやはり脅威です。ディフェンス面では上体を柔らかく使い、ジョンソンのパンチの勢いを殺しているようにも見え、意外とクリーンヒットはもらっていないのかもしれません。
ただ、ジョンソンの前進を止められず、大きく後退しながらの戦いにはってしまったのも事実。勿論この試合ではポイントもとってはいましたが、やはりミドル級相手ではフィジカル面での厳しさはありそうです。
とはいえ、まだ24歳、伸びしろはまだ充分にあります。体だって大きくなっていくでしょう。
ミドル級のムンギア。まだもう少し、キャリアが必要そうです。
あの芯でもらわないディフェンスを見ていると、本人のモチベーション次第では息の長いボクシングができそうで、楽しみですね。
日本には来ないですかね?
尚、この興行の前座では、WBO世界ライトフライ級王者、エルウィン・ソト(メキシコ)がカルロス・ブイトラゴ(ニカラグア)相手に2度目の防衛戦。
ミニマム級時代、京口紘人(ワタナベ)にも挑戦経験のあるブイトラゴはなんと6度目の世界挑戦だったようです。しかし、6度目の挑戦も実らず。
序盤、ブイトラゴのジャブが機能し、優勢にも見えました。しかしその後はソトのプレスが強く、徐々に落ちていったブイトラゴ。ソトは攻撃的王者で、ガードを固めてフックを強振。
ブイトラゴも終盤までしっかりと足、上体を動かしてはいましたが、いかんせんジャブ以外のパワーパンチが少なかった印象です。
そしてソトは、そのよく動くブイトラゴを最後まで追い続け、最終的にポイントアウト。
ともにキビキビと動き、軽量級らしいファイトでした。
ところで、ソトの広背筋がすごい。
エルウィン・ソトの12R判定勝利。
ライトフライ級ということで、日本人が挑む可能性も充分にある王者です。軽量級大国の一つであるメキシコ、コロナさえなければこういう王者に矢吹正道(緑)が挑むのもおもしろいですね。
日本人対決も良いけど、いつかのようにライトフライ級王座を日本人が独占、というのもそれはそれでおもしろい。そしてそこからトーナメントで最強を決める、というのも夢があって良いと思いませんか?
何はともあれ、明日は井上vsマロニーを中心としたボクシング三昧の日。
デービスvsサンタ・クルスも気になりますが、やっぱりメインの時間はかぶるんでしょうか。あと、期待していたレジス・プログレイスがウェイトオーバーだとか。非常にショックです。