信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ビバメヒコ!3人のプロスペクトはスター、ハイメ・ムンギアに続けるか。

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注目ボクシング興行だらけだった、2/19。

ロシアのエカテリンブルグではホルヘ・リナレスがザウル・アブドゥラエフと戦い、イギリスのマンチェスターではアミール・カーンvsケル・ブルックという因縁のライバル対決。

そしてメキシコ、ティファナでは、ハイメ・ムンギアの登場と、メキシカン・プロスペクトたちの競演。

今回のブログでは、ムンギア登場のDAZN興行の観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

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2/19(日本時間2/20)メキシコ・ティファナ

リングアナウンサーはジミー・レノンJr。そういえばマッチルームお抱え(?)のディアマンテアナは事故で怪我をしたとか。復帰が待たれますね。

DAZN放映のオープニングファイトは、長身のプロスペクト、ラファエル・エスピノサの登場です。

フェザー級10回戦

ラファエル・エスピノサ(メキシコ)17勝(14KO)無敗

vs

アリー・ローレル(フィリピン)18勝(11KO)6敗1分

並ぶとやっぱりでかい、エスピノサ。

サウスポーのローレルが思い切って左ストレートを振って行きますが、届かず。

エスピノサはジャブと前手のアッパー、多彩です。開始1分過ぎのところでエスピノサのコンビネーションで早くもローレルがダウン。ちょっと何のパンチが当たったのかはわかりませんでした。

再開後、攻め入ったローレルに対して、今度は左フックのカウンター?をヒットしたエスピノサ、またもダウンを獲得。

これでローレルはストップ負け。

スロー映像が流れますが、最初のダウンはエスピノサの左アッパー。(左アッパー→右ストレート→左ストレートのコンビネーションで、残りの二つはガードされています。)2度目のダウンは、左フックなのかジャブなのか微妙な軌道のもの。

この二つのパンチは、コツンと当たっているようなイメージで、力みもなかったし倒そうというパンチでもなかったと思います。

 

こういうナチュラルなノックアウトパンチャーというのは、同国のエマニュエル・ナバレッテを思い起こさせます。ナバレッテも、力を入れたパンチよりも腕だけで降ったアッパーやストレートでノックアウトをしているイメージ。

で、ナバレッテよりもガードポジションが良い上に、その恵まれた体格をよく活かしたボクシングだと思います。

このフェザー級には期待ですね。というか、脅威ですね。

スーパーライト級10回戦

ディエゴ・トーレス(メキシコ)13勝(13KO)無敗

vs

ジョナサン・エスコベド(メキシコ)8勝(2KO)2敗1分

13勝全KOの注目プロスペクト、トーレス。ジャブ、右ストレートは非常によく伸びるボクサーですね。エスコベドはトーレスの強打を警戒、ガードを高く掲げ、トーレスが攻めると大きくバックステップ。

体を振りながらグイグイと攻める、マッチョなタイプなよくいるメキシカンとは一線を画すトーレス、長いリーチを活かしたボクシングですね。しかし、左フックから左のボディ、こういうコンビネーションにはメキシカンらしさを見せます。

エスコベドはしつこいくらい体を振ってプレス。こちらはザ・メキシカン。

トーレスの13KO中、2R以内のKOは11個、速攻型のパンチャーだということがわかります。

 

3Rに入るとエスコベドはトーレスの強打を恐れず前進、的中率こそ悪いもののハートの強さ、タフネスが窺えます。

トーレスは下がりながらの戦いが上手い。ディフェンスはほとんどガードですが、優れた距離感も持っており、ガードしたほうの手ですぐさまリターンを返すという基本技術も保持しています。

これまでKO負けがないというエスコベドのタフネスも素晴らしい。カウンターで左フックがはいってもケロリとしています。5Rには左目尻から流血しながらも鬼気迫る勢いで攻め入り、トーレスを脅かします。

被弾もおかまいなしにブンブン振り回すエスコベド、ラウンドを追うごとにエスカレート。

7Rにはこのエスコベドの前進にトーレスは嫌がり、明らかに下がらされています。トーレスはエスコベドのプレスに疲れているようにも見えます。このラウンド中には口が空いているようにも見えます。

8Rには2度目となるエスコベドの傷のドクターチェック。会場はブーイング。「続けさせろ」の意味だと思いますが、エスコベドのがんばりに会場はエスコベド寄りか。トーレスがマウスピースを落とした時は、少なからずブーイングが。

すでに未知のラウンドに入っているトーレス、やはり疲れが見え、手数も減ってしまい、序盤のキレもありません。

 

9R、トーレスがマウスピースを落としますが、この試合3度目。レフェリーは減点を指示。やはりかなり疲れています。ラストラウンドもエスコベドの前進と手数は止まる事なく、トーレスが疲労から回復する時間はあろうはずはありません。

そして試合は終了、判定はディエゴ・トーレスを支持。

しかし今回、プロスペクト・トーレスには大きな試練となったことでしょう。さながら、アマで実績を残した選手がプロ転向し、受ける洗礼に似ています。

相手は想像以上にタフで、心が折れない。

序盤一方的だったトーレスですが、スタミナ不足、ペース配分等まだまだ向上の余地はありそうです。

 

ライト級10回戦

ウィリアム・セペダ(メキシコ)24勝(22KO)無敗

vs

ルイス・ビエダス(メキシコ)29勝(10KO)12敗1分

よくあることですが、いつの間にかセペダの相手は変わっていました。コスタリカの無敗の選手だったはずですが、おそらく急遽なのでしょう、同国人のビエダス。

初回、ビエダスはリングを大きくサークリングしてスタート。プレスをかけるサウスポー

セペダ。

悪くない動きの代役ビエダスですが、青コーナー付近で滑って転びます。どこかを痛めていなければ良いですが。

やや中断の後、ビエダスはサークリングから踏み込み、大きく踏み込んだら体ごとセペダを押していく、という戦い。ここまで42戦、流石のキャリアです。

セペダのプレスは強く、どんどん下がらされるビエダスですが、要所で出すコンビネーションは悪くありません。しかしパワー差は顕著。

 

2Rに入るとさらにプレスを強めるセペダ。手数も十分に出るので、動き回るビエダスは反撃のタイミングすら掴ませてもらえません。

開始1分のところでビエダスはダウン。

辛くも立ち上がったビエダスにセペダは襲い掛かります!しかしビエダスもここで応戦、初回に結構調子の良かったストレートを連打してセペダを脅かします。

それでも止まらないセペダでしたが、ビエダスはロープ側で左フックをセペダに引っ掛け、セペダは膝をついてしまいます。これがダウン判定。

引っ掛けられて滑ったようにも見えましたが、セペダにとっては不運にも思えるダウンです。

再開後、襲いかかるビエダス!そのビエダスをセペダはガードで防ぐと、押し返されたビエダスは仰向けに倒れます。スリップ裁定です。起き上がるのはかなり辛そうにしているビエダス、セペダはこれで減点。

その後もビエダスはリング上でスリップして転んでいます。青コーナーの側は本当に水でびっしょりですね。メキシコのリングがさすがのクオリティなのか、ともすればビエダスはあまり足に力が入らないのか。

 

3R、グイグイ攻めるセペダ、足を使って回るビエダス。開始1分ほどで揉み合いの中でビエダスはダウン。

その後も責め続けたセペダ、最後はボディでダウンを奪って試合を終わらせています。

ウィリアム・セペダ、3RKO勝利。

ダウン応酬、といえば激闘に聞こえるかもしれませんが、結果的にはセペダの圧勝。ただ、2R終了時のポイントでいうと、減点があったため「逆転KO」ともなるかもしれません。

 

WBOインターコンチネンタル・ミドル級タイトルマッチ

ハイメ・ムンギア(メキシコ)38勝(30KO)無敗

vs

ドミトリウス・バラード(アメリカ)21勝(13KO)1分

 

特に何の波乱もなく、メインまできました。メインも波乱の起こる確率は低いでしょう。

しかし、もちろんこのバラードはアップセットを起こす気が満々。

大歓声の中、初回がスタート。

まずは両者ともに慎重な立ち上がり、中間距離をキープしてジャブで攻め込みます。ムンギアはダブルジャブ、ボディジャブが非常に良いですね。

2Rに入るとやや前傾に構え、体を振り、プレスをかけ始めるムンギア。踏み込んでのコンビネーションも出しますが、上下の打ち分けは素晴らしい。

中盤には飛び込んでの左フックやコンビネーションでバラードを攻めます。

 

3R、開始早々にバラードがトリプルジャブから攻め込みます。落ち着いて対処したムンギアは、ガードを上げてプレス。バラードをロープに詰めると、上下、内外に打ち分けたコンビネーションでバラードにダメージを与えます。

中盤にはリング中央で相打ち気味の左フックカウンター、これでぐらりときたバラードを攻め立て、ダウンをゲット。

バラードは立ち上がりましたが、この機を逃すムンギアではありません。

勢いよく攻め込み、見かねたレフェリーは試合をストップ。

ハイメ・ムンギア、3RTKO勝利。

 

メインイベントも予想通りというか、やはりという内容ではありました。

ムンギアは非常に落ち着いていましたね。非常に若くして王者となりましたが、その王座を返上してもう2年以上。

その間、ミドル級にしっかりと順応したことと、よく見て、大人のボクシングをするようになってきたかもしれません。もちろん詰めは鋭く、良い部分は残したままですが。

ムンギアには、もう一つ上のステージを用意するべきでしょう。

次が世界タイトルマッチとなるのでしょうか。

ミドル級は結構停滞しています。

 

WBAスーパー王者の村田諒太(帝拳)はもう2年以上リングに上がってはいませんし、2021年5月に決定戦で戴冠したレギュラー王者、エリスランディ・ララ(キューバ)の防衛戦の話はまだ聞こえてきません。

WBC王者のジャモール・チャーロ(アメリカ)はスーパーミドル級でカネロ戦を目指していましたが、先日暴行で逮捕。

IBF王者のゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)は4月(?)に村田戦、9月にカネロ戦という噂で、2022年は普通の防衛戦が行われるかどうかは村田戦次第か。カネロ戦はスーパーミドル級戦となると思われますので、もしかしたら返上もあり得るかもしれません。

WBO王者のデメトリアス・アンドラーデ(アメリカ)は王座を返上予定(2月のランキングでは王者のまま)で、階級をスーパーミドル級に変更、カネロへの挑戦権をかけた王座決定戦に出場する意向を示しています。アンドラーデもかねてからカネロを挑発しておりますが、ガン無視されています。どうしてもカネロとやりたいようですね。

WBCとWBOではトップコンテンダー、WBAでは2位。3団体で上位にランクインするムンギアは、どの王者に挑戦するのでしょうか。果たして、今年中の挑戦は叶うのか。

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