11/14(日)はボクシング三昧。
私はというと、仕事だったのでちょくちょくと見ながらの一日。帰ってから本格的に視聴。
とりあえずDAZNで放映されたイギリス興行、アメリカ興行を視聴し、Showtimeはアーカイブが出るのが翌日なので、明日にまわします。
さて、今回のブログでは、11/14にイギリスで行われたキッド・ガラハッドvsキコ・マルティネスのIBF世界フェザー級タイトルマッチ、そして同日のアメリカ興行、ハイメ・ムンギアvsガブリエル・ロサドの観戦記です。
↓プレビュー記事
11/13(日本時間11/14)イギリス
セミファイナルではWBC女子世界スーパーフェザー級タイトルマッチが行われ、全勝王者、テリ・ハーパー(イギリス)がアリシア・バウムガードナー(アメリカ)に4RTKOで敗れるという大波乱。
ハーパーはIBF・WBO統一王者のミカエラ・メイヤー(アメリカ)との統一戦も期待されるボクサーだったということなので、非常にびっくりです。
ハイガードのハーパーはよく攻めますが、両手をリラックスした状態のバウムガードナーは攻め込むハーパーの攻撃をしっかりと見極め、ジャブをよく出し、カウンターもヒット。
4R序盤、ワンツーで踏み込んだハーパーのジャブに合わせて右ストレートをクリーンヒット、完全に動きが止まったハーパーを見てレフェリーがストップ。
その後、攻め込もうとしたバウムガードナーの攻撃からハーパーを救ったレフェリーはナイスストップだったと思います。あのまま攻撃にさらされていたら、事故が起こる可能性すらありました。
ハーパーは初黒星、そしてバウムガードナーは4RTKOで敵地で新王者となりました。
IBF世界フェザー級タイトルマッチ
キッド・ガラハッド(イギリス)28勝(17KO)1敗
vs
キコ・マルティネス(スペイン)42勝(29KO)10敗2分
さて、そんなアップセットの余韻が残るメインのリング、先に登場したのは老雄・マルティネス。7年前に日本のリングにも登場したキコ・マルティネスは、勝ったり負けたりしながらもまだ頑張っております。
そして、前戦でとうとう念願の世界王者となったキッド・ガラハッド。英国人の期待を一心に受けて、リングイン。
スイッチを駆使し、リングを自由に動き回るガラハッドと、力強く殴るということにしか活路を見いだせないであろうマルティネス。
下馬評は圧倒的にマルティネスが不利でしょう。
さて、ゴング。
ガラハッドがフェイントを交えつつ、まっすぐの左ジャブをヒット。低い体勢のマルティネスに対して、アッパーも打ち込んでいきます。
マルティネスはガラハッドのジャブをなかなか外せず、またサイドに回られ、右ストレートをヒットされ、初回中盤には既にコーナーに詰まっています。
やはりガラハッド相手にボクシングでは勝てないですが、強く振るう右には当たりはしないまでもパワーを感じます。
2R、ガラハッドはスイッチを繰り返し、それぞれのスタンスでしっかりと前手のジャブをヒット。しかし臆さないマルティネスは、頭を振りつつ前進、大きなパンチを狙っていきます。
3R、やはり光るのはガラハッドのジャブ。低く入ってくるマルティネスをしっかりと見て、ストッピングジャブを打ち、入ってくればアッパーで応戦。
なかなか得意な距離に詰めきれないマルティネス。
サウスポースタンスのガラハッドに対して、右ボディストレートを狙うマルティネスの狙いは良いですが、打ち終わりにガラハッドの左ストレートがヒット、少し腰が落ちるマルティネス。
ここまでの全ラウンドで、ガラハッドが少なくとも一発は印象的なパンチを入れているという印象。
4R、プレスを強めたマルティネス。そして徐々にガラハッドのジャブを外せるようにもなってきました。
しかしガラハッドはコンビネーションも良い。軽いパンチながら、素早いコンビネーションを打たれるとマルティネスは苦しい。
それでも物ともせずしつこくしつこく追っていくマルティネス。気づけばガラハッドはかなりアウトボクシング寄りの戦法を選択、ロープ際で戦うシーンも目立ってきました。
しかし打たれても打たれても前に出続けるマルティネス、スペインにそんな概念はないですがこれは昭和のボクサー。このラウンド終了後、ガッツポーズを見せたマルティネスは、やはりこのしつこい攻撃に勝機を見出したようです。
そして5R、先程のラウンド以上に猛チャージのマルティネス。飛び込んでの左フックはすんでのところで当たりませんが、ガラハッドはかなり嫌がっており、ストレート系のパンチのコンビネーションで突き放そうとします。
ここまでマルティネスが恐れずいけるのは、ガラハッドのパワーが問題なのかもしれません。アッパーをもらいながらも右ストレートを返し、顔面は紅潮しながらも一切前進をやめない、どころかより強くプレスをかけています。
相変わらずガラハッドのジャブはよく当たりますが、マルティネスのパンチもよく届くようになってきました。
ガラハッドのジャブを外して、または喰らいながらも右ストレートから入るパターンのマルティネス、まっすぐの右ストレートを多用したあと、残り15秒ほどのところで右オーバーハンド!!!
このオーバーハンドがかすったように見えましたが、これでガラハッドはダウン!!
再開後は時間がなく、ゴング!マルティネスはこのチャンスを逃したくありません。
6R、開始早々、マルティネスのファーストパンチがまたも同じ右オーバーハンド!これがまともに入ったガラハッドはそのままダウン、そしてレフェリーが試合をストップ!!!
キコ・マルティネス、6RTKO勝利でIBF世界フェザー級王者に!2階級制覇達成!!
これは素晴らしいアップセット、キコ・マルティネス!日本に馴染みのある王者が、このようなアップセットを起こす事は嬉しいですね!この試合は幸いにもリアルタイムで観戦できたので、本当に興奮しました。
で、その後仕事をしましたが。。。
さて、キコ・マルティネスはその年齢、図らずもBサイドとして長い期間を費やしたそのキャリア、そういったものをすべてひっくり返して見事な勝利。
ダメージをためているタイプのボクサーだと思うので、キャリアがこれで終了してもおかしくはありません。
これで有終の美でも全く問題ありませんが、きっと彼はまだまだ闘うのでしょう。
激闘男、キコ・マルティネスの勝利に乾杯です。
11/13(日本時間11/14)アメリカ・カリフォルニア
この放映の緒戦は、メキシコのライト級プロスペクト、ウィリアム・セペダ。ここまでで23勝21KO無敗というハードパンチャーです。177cmのライト級はガードを固めて前進してパンチを放つ、というメキシカン好みのエキサイティングなボクサー。
対戦相手のジョン・ビンセント・モラルデ(フィリピン)も負けん気が強く、アグレッシブなファイターではありますが、やはりパワーにも技術にも差がありあそうです。
セペダの速いコンビネーションにガード一辺倒になる場面も多かったですね。
最後まで諦めずに手を出し続けたモラルデでしたが、ギブアップか体ごとそむけてしまったところでレフェリーがストップを宣告。
戦意喪失かもしれませんね。ウィリアム・セペダは一発必中のパンチャーではありませんが、上下に打ち分ける素晴らしいコンビネーションを持っています。これで24勝22KO無敗、これからも注目です。
ハイメ・ムンギア(メキシコ)37勝(30KO)無敗
vs
ガブリエル・ロサド(アメリカ)26勝(15KO)13敗1分
ミドル級のタイトル、2階級制覇を目指す怪物、ムンギアと、前戦でベクテミル・メリクジエフ(ウズベキスタン)を相手に衝撃的なノックアウトでアップセットを飾った激闘男、ロサド。
打撃戦必至の大変興味深いマッチアップ。
果たして、ゴング。
まず調子よくジャブを飛ばすのはムンギア。リズムよく上へ下へとジャブ。ロサドは様子を見てから強いパンチを飛ばし始めますが、いかんせん単発気味のロサドに対して、ムンギアはコンビネーション、特に左のダブルが素晴らしい。
終盤、ようやくワンツーを放ち始めたロサドのパワーはやはり素晴らしく、ムンギアはしっかりと身を固めてブロッキングに逃げます。
2Rに入ると、早くもギアを上げてきたムンギア。上体を動かし、2段3段の攻撃を展開します。一方のろさ度はやや下がりながらカウンター狙いで応戦。ムンギアの攻撃はしっかりと見えているようですね。
3R、ロサドはストレート系のパンチがよくでています。近接戦闘ではムンギアに分があると見たのか、中間距離で戦いたがっているように見えますね。
後半、ムンギアはロサドを追っていきますが、ロサドはステップワークもなかなか良く、しっかりと捕まる事はありません。
4R、かと思えばこのラウンド中盤に突如ヒートアップしたロサドは、近づいてかなり強引なパンチを振るっていきます。ムンギアはラビットパンチをアピールしたいのか、レフェリーの方を向いて注意をうながすもののレフェリーは無視。
攻め込まれたムンギアでしたが、その後は左フックと右アッパーを軸に逆襲。このあとは頭をつけての距離での打撃戦!両者引きません!
5R、今度はやや静かな立ち上がりから、中間距離での攻防。手数はムンギアが大いですが、ロサドは意外にもウィービング、ダッキングでかわし、ディフェンステクニックを披露。
そしてしっかりと打ち返します。
6R、このラウンドも序盤、ムンギアが素晴らしいコンビネーションでロサドを攻め立てれば、単発気味ながらロサドが返し、ロサドの右がムンギアにクリーンヒット!結構危ないタイミングだったように見えましたが、ムンギアはすぐさま強いコンビネーションを返して、ポイントを渡しません。
7R、ここまで、ムンギアのハードパンチをかなりの数浴びているロサド。顔面は紅潮し、ダメージを感じさせます。
ムンギアの手数、コンビネーションに劣勢の場面も大いですが、それでも打ち返し、カウンターを狙うロサドにはまだまだ怖さがあります。
ムンギアがコンビネーションで攻め立て、それをガードでしのいだロサドは「効いてない」アピール、そこから反撃。交互に攻撃をし合う非常にマッチョな展開です。
8R、ムンギアは序盤からチャージ、波状攻撃を仕掛けます。しかしロサドは時にブロッキング、時にもらいながらも打ち返し、多くのパンチをもらいながらもプレスをかけているのはロサド。ロサドのタフネスにはもう呆れてしまいます。
後半には右の相打ちのようなタイミングでダメージを被ったのはムンギア!ここまで、スリッピングアウェイも駆使してロサドの右を外していましたが、しっかりとクリーンヒットをもらいました。これはまたもアップセットがありうるのか。
9R、それでもムンギアはしっかりと回復してきて、やはり先手。このラウンドもムンギアはコンビネーションで大きな見せ場を作り、後半にはロサドがプレスをかけて単発ぎみながらパンチをコネクト。
終盤にはロサドがムンギアをロープに詰めて乱打、ムンギアも打ち返して終了。
とんでもない大激戦です。ゴング後、レフェリーと揉めているロサド。
10R、ロサドもいくつものパンチを当てていますが、ポイント的には厳しいでしょう。ロサドは前進して接近。
このラウンドも交互に攻撃をし合うような展開で、ともにクリーンヒットを奪い合います。
ブロッキングでしっかりと受け止めるロサド、上体の動きと腕でのカバーリングを駆使してダメージを逃がすムンギア。ムンギアもディフェンスは良いですね。特に接近戦でのディフェンスは素晴らしい。
後半ムンギアが攻め込み、コンビネーションをヒットさせますが何事もなかったかのように打ち返すロサド。
11Rも流れの中で先に山場を作るのはムンギア!並のボクサーならとっくに倒れていておかしくないほどのパンチをもらっているロサドですが、その気力は一向に衰えません。
ムンギアの攻撃に会場は大きく湧き上がり、ブロッキングで固まるロサド!もうストップ間近か、という場面が幾度となく訪れるわけですが、その度にしっかりと打ち返すロサド、これは止めようもありません。
12Rも同じく手数とコンビネーションで確実にポイントを奪っていくムンギア。ただ、勿論このパンチはポイントを奪うためのパンチではなく、倒しに行こうという強いパンチ。
それでもロサドは衰えるどころかその攻撃をしのいだ後は前にでて、体で押しながらムンギアにパンチをヒット。
ダウンシーンこそないものの、どちらも倒れてもおかしくないほどのパンチをいくつも交換した12Rが終了、勝負は判定へもつれこみました。
とんでもないタフファイト!
各ラウンドでポイントをピックアップ、そして総合的にみてもダメージの深さはロサドの方が大きく勝るでしょう。当然、ムンギア勝利は動きません。
判定は、119-109、118-110、117-111、3-0のユナニマス判定でムンギア。
それは致し方ないとはいえ、ガブリエル・ロサド、激闘王の大健闘が光りました。
この試合を含めて直近5戦では2勝3敗、直近10戦でも4勝5敗1分と負け越しのボクサーですが、このガブリエル・ロサドというボクサーは毎回のように感動的な試合を届けてくれます。
ゲートキーパーとしての役割をしっかり果たし、若手、上を目指すボクサーに大きな試練を与え続けるこのガブリエル・ロサド、今後も注目していきたいと思います。
そしてハイメ・ムンギア、残念ながらこのロサドを倒すことは叶いませんでした。
ただやはりその攻撃力は秀逸であり、あの波状攻撃は本当に恐ろしい。そして相手の攻撃に対してのディフェンス能力も秀でており、いくつものクリーンヒットをもらっていたはずですが、ダメージは感じられない顔をしていましたね。
改めて攻防に優れたファイターであり、そのムンギアと好勝負を繰り広げた井上岳志に対して、打倒ティム・チューに対する期待が間接的に高まった試合でもあります。
ムンギアにとっては、井上戦同様に大きな試練の一戦でも合ったと思います。ポイント差は開きましたが、ムンギアにも余裕は全く無かったはずです。
きっとまた一つ、強さを手に入れたであろうムンギア。今後のミドル級戦にも期待です。
ということで、アップセット・オブ・ザ・イヤー候補ともいわれるキッド・ガラハッドvsキコ・マルティネス、ともすればファイト・オブ・ザ・イヤー候補ともとれるハイメ・ムンギアvsガブリエル・ロサドの大激闘。
このふたつの試合は本当に素晴らしいボクシングでした。
特にムンギアvsロサドは筆舌に尽くし難く、私も書いていてまったくもってこの試合の魅力を伝えきれないと思いながら書きました。ぜひDAZNに入って皆さんに見てほしい。
今後のDAZNのラインナップは素晴らしく、11/20(土)にはデメトリアス・アンドラーデvsジェイソン・クイッグリー、ムロジョン・アフマダリエフvsホセ・ベラスケス、フリオ・セサール・マルチネスvsマックウィリアムス・アローヨ。
↓プレビュー記事
更に、その翌週11/28(日)にはテオフィモ・ロペスvsジョージ・カンボソスJr、アジンガ・フジレvs尾川堅一。
更にその翌週の12/5(日)には、デビン・ヘイニーvsジョセフ・ディアス。その翌週の12/11(日)にはコナー・ベンvsクリス・アルジェリといった注目カードが目白押し。
これから入会することで、今日紹介したキコ・マルティネスの2階級制覇の試合と、ムンギアvsロサドの激闘をアーカイブで視聴することができ、上記のカードを1ヶ月の視聴料で見る事ができますね。初めて登録する方は一ヶ月間の無料期間がありますので、全て無料で見られるわけです。
ボクシングファンになったばかりで、もしまだDAZNに手を出せていない、という方がいれば、今こそ入り時。是非ともDAZNで数々のボクシングを楽しみましょう。
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