本日はボクシングデー!
セルビーvsカンボソスJrから見ようと思って早起きしましたが、まだその前の前の試合くらいでした。全ての観戦記はしんどいので、この興行のセミファイナル、そしてメインのウシクvsチゾラの観戦記を書いていきたいと思います。
そしてその前に、ロシアで行われたムラト・ガシエフの復帰戦!
10/31ロシア(日本時間11/1)
ムラト・ガシエフ(ロシア)26勝(19KO)1敗1NC
vs
ヌリ・セフェリ(アルバニア)41勝(23KO)9敗
WBSS決勝でオレクサンデル・ウシクに敗れてから、2年近くのブランクを作ったガシエフ。ヘビー級でのテストマッチに臨みます。
調子はどうか、とか、ヘビー級にマッチしているか、とか、見たいところは色々とありましたが、開始早々にガシエフの右がヒット。
その後もガシエフはジリジリとプレスをかけ、またも右をヒットしたところでセフェリはダウン!立ち上がったセフェリでしたが、レフェリーがストップ。
見事初回TKOでガシエフが復帰を飾りました。
ムラト・ガシエフの1RTKO勝利。
びっくりする程相手にならなかったですね。ただ、ガシエフはウシク戦でパターンの少なさや、状況を打開できない、ということを見せてしまったので、やはり強豪相手、特にスキルに秀でた相手にどう闘うか、というのを見てみたいですね。
ヘビー級への挑戦は応援したいと思います。
10/31イギリス(日本時間11/1)
リー・セルビー(イギリス)28勝(9KO)2敗
vs
ジョージ・カンボソスJr.(オーストラリア)18勝(10KO)無敗
セルビーは素早い動きからサークリング、速いジャブを飛ばします。カンボソスはプレスをかけ、セルビーのジャブの打ち終わりにパンチをまとめます。まだ様子見の域を出ませんが、ややカンボソスのボディが良いようにみえました。
2R、セルビーはかなり警戒して、ほとんどジャブしか出しません。そのジャブは速いですが、クリーンヒットはありません。カンボソスもプレスをかけて攻めますが、こちらもクリーンヒットはほとんどなし。後半にはそろそろ試合が動きそうな雰囲気が出てきます。
3R、アクションが出てきました。なかなか緊張感のあるラウンドです。ともにハンドスピードが速く、気が抜けません。カンボソスの右がヒット、そのヒットを受けて逆にセルビーが前に出る場面もありました。
4R、ともに距離感が良い両者の一戦は、クリーンヒットは少なめ。しかしその中でもカンボソスがプレスをかけつつ優位に戦っている印象があります。
5R、少し距離が近くなってきました。序盤、セルビーの左フックがヒット。セルビーは回転力のある連打をよく出しますが、カンボソスは少し手数が少ない印象です。セルビーは終盤にも右をヒット。
6R、動き回るセルビー、カンボソスは強い一撃を狙います。ここまで同様、両者ともにクリーンヒットはほぼありません。
7R、先に仕掛けたのはセルビー。しかしセルビーの動きはやや落ちてきたかもしれません。止まると一発に秀でたカンボソスに分があります。
8R、展開は特に変わりません。このラウンド終盤に互いにヒットを奪います。相手に打たれたら、少しムキになって強引に攻める、というパターン。そうすればヒットを奪えるので、リスクをおって攻めてほしいですね。
9Rもともに警戒しながらの攻防。稀にあるヒット。ポイントはここまでカンボソスに流れているような気がします。セルビーはどこかで打開した方が良い用に思いますが。。。
10R、ここに来て両者手数が多くなってきました。しかしともにディフェンスが良く、パンチの的中率は低い。
11R、ポイント劣勢を意識してなのか、このラウンドはセルビーが前に出ます。足をつかいながら迎え撃つカンボソス。この戦い方の方がカンボソスは得意そう。セルビーが打ってきたところにパンチをまとめます。
12R、やはり迎え撃つ方が得意と思われるカンボソス、開始1分頃に右カウンターをヒット。若干、セルビーの腰が落ちたようにも見えました。セルビーは疲れているようにも見えます。
最終ラウンドのゴングがなり、勝利をアピールしたのはカンボソスJr。
採点は118-110、116-112、で2者がカンボソス、115-114で1者がセルビー。
2-1の判定でジョージ・カンボソスJrの判定勝利。
たしかに微妙なラウンドもありましたが、セルビーの勝ちはないかな、と思いましたが、ああ、そうか、ここはイギリスか。カンボソス、良いボクサーですね。相手がファイタータイプの場合はもっと良い試合ができそうな雰囲気。
相手の一発目をヘッドスリップでかわし、二発目にカウンターをあわせる、みたいな事ができそうなので、相手との相性によっては派手な倒し方ができそうな選手です。
今後も楽しみですね。
オレクサンデル・ウシク(ウクライナ)17勝(13KO)無敗
vs
デレック・チゾラ(イギリス)32勝(23KO)9敗
前日計量、ウシクは約100kgで前回と変わらず、チゾラは115kgで前回よりもかなり増量らしいです。
チゾラはクルーザー上がりのウシクに対し、ヘビー級が何たるかを見せつけようとするように増量してきました。しかし重すぎて動けるのか。
さて、クルーザ級の絶対王者、ウシクが、正真正銘のヘビー級、チゾラに対してどのように戦っていくのかが注目される一戦です。怪物たちに争いを挑むウシク、頑張れ。
![](https://img.youtube.com/vi/pUiArKGINgA/mqdefault.jpg)
初回、まずはチゾラがジャブをつかって攻めます。ウシクはサークリング。チゾラは左手でウシクを抱えて右を何発も打ちます。ウシクは空転させたいところですが、離れたところからもチゾラの右がヒット。波乱が起きそうな1R、ウシクは距離が中途半端に思えます。
2R、チゾラの右は非常に棄権な雰囲気を持っています。ウシクは細かいパンチでチゾラの突進を止めようとしています。しかしチゾラのパンチが次々とウシクにヒット!ウシクはローブロをアピールしています。時折出すパンチも軽く、チゾラにダメージを与えられません。
警戒しているというよりも、チゾラの圧やパンチングパワーに驚いている、言い方を変えればビビっているようにも見えます。
3R、ようやくウシクのフットワークがいきてきました。ボディから顔面へのコンビネーションをヒット。チゾラは初回からの猛攻で速くも疲れが見えます。しかし、パワーパンチは健在で、これはガードの上からも受けたくないウシク。ウシクはここから挽回してほしいです。
4R、ウシクはチゾラの強打を警戒し、かなり慎重に戦っています。やはり体重差の影響でしょうか、近づいても押されたり、腕を掴まれると振りほどけません。ウシクもかなり消耗していくような印象。ただ、1Rや2Rに比べてウシクの動きは良くなってきています。
5R、開始早々、チゾラがチャージをかけますがここをさばいたウシク、リズムも出てきました。チゾラのパンチもしっかり見ているようで、カウンターもヒット。
6R、離れて戦っている分には完全に牛久のペース。しかしチゾラはグイグイと前に出て、フックを振り回します。なりふり構わずウシクの体をつかみ、もう片方の手でローブローも厭わず殴り続ける。これは怖い。(反則ですけど)
7R、ウシクはよく動き、サイドステップしながらカウンターを打ちます。手数も大い。自在に動くウシクにチゾラはついていけなくなり、右オーバーハンドに全てを託しているような感じです。終盤、ウシクのカウンターがヒット、チゾラは効いたように見えました。
8R、ウシクはこの試合序盤の頃の劣勢が嘘のようにプレスをかけ始めます。こうなってくると技術の差は明らか、完全にウシクペース。
9R、展開は変わらず。チゾラのビッグパンチに対して、ガードをしながらも足を使って空転させているウシク。とはいえ、やはり圧は相当なものなのでしょう。
10R、ロープかコーナー煮つめてビッグパンチを見舞いたいチゾラ。強くパンチを振るう姿は、まだまだ恐ろしさを秘めています。ウシクもけして楽な戦いではありません。必死で攻め入るチゾラに対し、ウシクも必死に捌き、そしてカウンターをヒット。この回もウシクの左ストレートがヒットします。
11R、プレスをかけるウシク、チゾラは疲れたかもしれません。もしくは最終ラウンドのために力を温存しているのか。いずれにしろこのラウンドは明確にウシク。
最終ラウンド、チゾラのビッグパンチはほとんど空をきるか、ガードの上。ウシクはステップを使いながら、チゾラの入るタイミングに合わせて左ストレートを打ったり、コンビネーションを打ったりとヒットを積み重ねていきます。
展開は変わる事無く、最終ラウンド終了のゴング。
採点は117-112、116-113×2でウシクを支持。
オレクサンデル・ウシクの12R判定勝利。
これがもし、クルーザー級の闘いであれば、ウシクは倒しに行かなければいけなかったでしょう。しかしヘビー級においては、やはりウシクは体格、そして耐久力においてまだフィットしていない感じがします。
特に序盤は非常に怖かったですね。ただ、その序盤で受けたであろう恐怖を克服し、自分のボクシングができるように立て直した、というのは大きかったと思います。序盤の劣勢を挽回し、非常に安定感のあるボクシングを展開できたことは、苦戦ともいえますが良い経験にはなったでしょう。
ただ、ちょっとこのパワーレス感には不安を感じざるを得ません。
ウシクの、ヘビー級制覇への道のりはまだもう少し、かかりそうです。
前日に行われたムンギアのミドル級戦はこちら↓