先週末は注目試合の数こそ少なかったものの、クロフォードの圧巻KO劇を見ることができました。
セミで行われたフランコvsマロニーの一戦は煮え切らない結果にはなってしまいましたが、次戦に期待ですね。
↓クロフォードvsブルックの観戦記
さて、今週末〜来週にかけても、海外での注目ファイトは少ないです。BoxRecを確認したところでは、世界タイトル戦は一つもないようです。
しかしながら、これは注目しておきたいという試合があります。
【海外編】
11/21(日本時間11/22)イギリス
WBAコンチネンタル・ウェルター級タイトルマッチ
コナー・ベン(イギリス)vsセバスチャン・フォルメラ(ドイツ)
↑コナー・ベンのハイライト。
元世界王者、ナイジェル・ベンの息子であるコナー・ベン。16戦全勝(11KO)無敗のプロスペクトであり、父譲りのナチュラルなファイターです。
そして相手のセバスチャン・フォルメラは8月にショーン・ポーターの復帰戦の相手を務めたボクサーであり、22勝(10KO)1敗という戦績を持っています。
これはベンが世界戦線に殴り込みをかけるためのテストマッチの役割を果たすマッチメイクだと思います。
フォルメラは前戦、ポーターに全く歯が立ちませんでした。
↓ポーターvsフォルメラの観戦記
このフォルメラに苦戦するようであれば、ベンにはまだ強豪揃いのウェルター級での活躍の場はまだ先であり、圧勝、もしくはタフなフォルメラをKOできるようであれば、そのハードパンチに十分期待が持てるとも言えます。
ベンはまだ24歳と年齢も若いだけにそのボクシングも若く、もう少し経験も必要かもしれません。今回はどんなボクシングを見せてくれるのか非常に楽しみな一戦です。
そして週末〜来週にかけては、国内の方がアツい!!
【国内編】
11/21(土) DANGAN(BOXING RAISEで生配信!)
メインイベント OPBF東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチ
内藤律樹(E&Jカシアス)vs今野祐介(角海老宝石)
OPBF王者、内藤に今野が挑む一戦!一時、WBOアジア・パシフィックとの2冠戦になるという報道もなされましたが、OPBF戦のみに再変更となりました。
スーパーライト級に上げてから、なかなか勝ちきれない感じのある内藤でしたが、前戦の防衛戦では敵地・韓国でダウンを奪っての判定勝ち。ようやく階級にフィットしてきた感じもします。
対する今野は内藤が大苦戦を強いられた中国のバイジャンボ・ナスイウラを敵地で11RKOで沈め、WBAのアジアタイトル(JBC未公認)を獲得した、という経緯があります。
ナスイウラを通して3段論法でみると、今野優位という予想にもなるかもしれませんが、今野はサウスポー苦手を公言してもいます。
そして内藤は「ザ・サウスポー」の闘い方をするボクサー。
もちろん、今野もその「サウスポーが苦手」をそのままにはしないはず。
内藤はWBCの世界ランキングに下位ながらランクインもしており、しかもOPBF王者とあって今野としてはメリットしかない、モチベーションは高いでしょう。
この階級では国内で戦っていてもチャンスはやってこないので、どこかで海外でチャンスを掴む事が必要になってきます。その辺りは、ともに海外での試合経験も豊富であり、期待も持てます。
技術に勝る内藤が優位にボクシングをしていくと思いますが、今野の内藤対策が如何ほどか。
楽しみな一戦です!
そしてこの試合はセミファイナルも大注目!
スーパーフェザー級8回戦
木村吉光(Ambition)vs仲里周磨(ナカザト)
12勝(7KO)2敗の木村と、10勝(7KO)1敗2分の仲里、ともに24歳のホープ対決!
木村の2敗はリチャード・プミクピック(フィリピン)の持つWBOアジア・パシフィック王座へのアタックと、三代大訓(ワタナベ)の持つOPBF東洋太平洋王座へのアタックで喫したもの。ともに王者を大いに苦しめました。
仲里の1敗は、A級トーナメントで当時まだ無冠だった三代大訓に喫したもの。
サバイバルマッチというにはともに若すぎる二人ですが、ここで雌雄を決します。
コンビネーション、連打の回転力、そしてキャリアの上では木村、父親譲りのパンチングパワーを持つ仲里は一発の威力では勝っていると思います。
同い年には負けたくない、という思いもあるでしょう。三代大訓がもしライト級に階級アップをするならば、この一戦の勝者が国内のスーパーフェザー級を牽引していく存在ともなり得ます。
ともに意地がぶつかり合う、好試合になりそうな予感がしますね。
更にセミセミも楽しみ!
日本ユース・スーパーフライ級タイトルマッチ
高山涼深(ワタナベ)vs矢代博斗(帝拳)
アマ51戦、プロ3戦全勝全KOのユース王者・高山に、アマ91戦、プロ2戦全勝全KOの矢代が挑む一戦!
ハイレベルな攻防が予想されるサウスポー同士の一戦です。
アマ時代に対戦経験がある両者は、高山の0勝3敗。王者で迎え撃つ立場ながら、リベンジを期す高山。
前戦では真正ジムのホープ、大橋哲郎にプロ・アマ通じて初となるダウンを奪われますが、最終ラウンドに大逆転のTKO勝利。技術だけでなく、強靭なメンタルも証明してみせました。
そして矢代にとっては、アマ時代に3勝しているとはいえ、下位なから日本ランクを持ち、ユース王者である高山は一歩先を行く存在。
同学年であることも、肩書を奪いに行けることも、やはりモチベーションには関わってくるでしょう。
ちなみに高山の叔父は元日本・東洋太平洋王者である渡辺雄二。
そして、矢代の父の従兄弟は元日本王者の矢代義光。
ちょっと時代を感じてしまいますが、素晴らしいボクサーたちのDNAが対決するこの一戦は、長くボクシングを見ているファンからするとやはり何か感慨深いものがありますね。
そしてこのDANGAN興行には、その他にも元日本王者の田村亮一(JBS)が賞金マッチで登場する等、見どころたくさんです!
BOXING RAISE – ボクシング動画配信サービスで11/21(土)18:00〜生中継!
11/22(日)BOXING.BEAT
バンタム級8回戦
西田凌佑(六島)vs大森将平(Woz)
元日本王者、世界挑戦経験者の大森に、プロ3戦目で西田がアタック。
非常に冒険的なマッチメイクに思いますね。
元トップアマの西田ですが、大森は2019年8月の勅使河原戦で敗北を喫したあと、フィリピン人を相手に2020年1月に復帰。この試合では素晴らしいボクシングを披露しました。
西田はデビュー戦でタイに遠征してTKO勝利、2戦目は地元大阪でフルマークの判定勝利を、それぞれ外国人相手に収めています。実力のほどは未知数です。
順当にいけば大森の勝利で問題ないのですが、3戦目でこのマッチメイクというのは六島ジム陣営は自信があるのでしょうか。
ちなみにこの試合もBOXING RAISEさんで(生配信ではありませんが)配信してくれます。アップは、メインに限りだいたい当日の深夜か翌日の朝くらいにはアップされているので、1日だけ情報遮断して楽しむのも良いと思います。私はそうします。多分。
さて、その翌日、11/23にも注目試合はありますが、ちょっと書ききれないのでまた次回にしたいと思います。