あっという間に2月。今年も時の流れは早そうです。
今月の国内興行は、2/11の大注目の日本タイトルマッチの他、2/21の全日本新人王決定戦のみ。なんとも寂しいものです。
無観客、もしくは大幅に観客動員が制限された中では、どうしても興行は赤字となってしまい、試合を組みたくても組めない現状があるのでしょう。
早くコロナが落ち着いて欲しいと願うばかりです。
さて、2/21(日)に予定されている全日本新人王決定戦は、例年であれば昨年12月のクリスマス頃、行われるはずだった興行です。しかし、コロナにより新人王戦自体の開催が遅れたため、今年の2月まで伸びています。
昨年末、東日本新人王の決勝、そして西軍代表決定戦が行われ、東軍、西軍の代表が決定しています。
残すところあとわずかとなった全日本新人王決定戦に向け、2020年の全日本新人王候補たちの試合を振り返っていきたいと思います。
今回は、東日本新人王、12/20に行われた決勝戦のうちミニマム級〜バンタム級までを振り返ります。
ミニマム級
佐々木凌(レパード玉熊)vs平井雄士(宮田)
3度目の新人王挑戦の佐々木、2度目の新人王挑戦の平井、ともに7戦、5戦と新人王戦のなかではキャリアはなかなか。
初回、背が低く、ガッチリとした体躯の平井に対し、序盤は足を使いますが、中盤以降しっかりと迎え撃つ佐々木。2Rはサウスポー・佐々木はやや距離を取ります。接近戦でスイッチしたりとなかなか器用な佐々木、左ストレートをヒットしてから連打でダウンを奪います。再開後、更にダウンを追加した佐々木は、精神的にもかなり優位に立ちましたね。
3R、ガムシャラに攻める平井。佐々木は手数が減ってしまいましたが、時折カウンターを決めます。平井の強いパンチも入り、佐々木は厳しい展開ですが、ダウンはなく、おそらく平井は倒すしか勝てない展開。
4R、逆転KOを目指し前進する平井。佐々木はステップは良いが手はあまり出ません。しかし残り2秒、打撃戦の中で佐々木の右アッパーがヒット、平井は大きくぐらつき、佐々木が連打をまとめると平井はロープにふっとばされるダウン。
と同時に平井陣営はタオルを回して棄権の意思表示、佐々木凌が4RTKO勝利で東日本新人王に輝きました。
ライトフライ級
狩俣綾汰(三迫)vs青木勇人(協栄新宿)
青木が棄権、中止。
それにより狩俣が東日本新人王に。
フライ級
宝珠山晃(三迫)vs苗村修悟(SRS)
3戦全勝(2KO)の宝珠山(ほうしゅやま)、4戦全勝(4KO)の苗村(なむら)。無敗対決となった決勝戦。
4KO中3つが1RKOという苗村は初回から思い切りの良いパンチをフルスイングで振っていきます。一方、アマ経験のある宝珠山は苗村の入り際にパンチを合わせます。
そして苗村が攻め込んだ隙をついて、右フックをまわしてダウンを奪った宝珠山。ポイントで大きく優位にたちます。
2R、ダイナミックなパンチを振るっていく苗村に対し、宝珠山はリズミカルに動き、的確なパンチを加えていきます。苗村のハードパンチに怯まず、もらいながら打ち返していく宝珠山は、近い距離でも負けていません。
3Rも苗村は展開を変えられず、接近戦でも上体が立ってしまうのはもったいないですね。
最終ラウンドは激しい打撃戦が展開され、どちらも死力を尽くします。どちらも効いた場面もありますが、宝珠山はまっすぐにストレートを打ち、苗村のフック気味のパンチに比べて見栄えが良い。
判定はフルマークで宝珠山。宝珠山晃、見事東日本新人王に輝きました。
スーパーフライ級
久保春平(宮田)vs富岡浩介(REBOOT.IBA)
新人王トーナメント優勝候補筆頭、富岡(4戦全勝3KO)。対する久保も、5勝(3KO)1敗1分の好戦績。
初回、どっしりと構える富岡、リズムを刻む久保。久保は右ストレートを打ったあとのダッキング等はしっかりとサウスポー対策をしてきた感じが伺えます。
2R、富岡は相変わらず待ちのボクシング。パンチへの反応やハンドスピードは恐るべし。開始一分、富岡の左ストレートで久保がダウン!再開後もやや足元がおぼつかない久保。
ダメージのある久保に対しても、倒しに行く訳ではない富岡は、変わらずカウンター戦法。
3R、開始早々久保が攻め、富岡をロープに詰めた直後、強い右ストレートをヒット!富岡はダウン、立ち上がるもふらつき、そのままレフェリーがストップ!
久保春平、3RTKO勝利で東日本新人王に!
富岡は余裕を持ちすぎたように見えましたね。最後の右ストレートなんかはスウェーでかわせると思ったのか、完全にノーガードの状態。2Rでダウンを奪った後、自らストップを呼び込む事ができれば良かったと思いますが。
久保のバンザイアタック、素晴らしかったです。諦めない心、ハートがやっぱり大切ですね。
バンタム級
須藤龍揮(RK蒲田)vs神津徳臣(角海老宝石)
アマ28戦、プロではたった1戦で決勝にたどり着いた須藤。神津は6勝1敗、2016年に一度ボクシングから離れたものの、2020年にカムバックしてからは3連勝。
神津が攻め、須藤は下がりつつ応戦。しかし須藤はかなりワイルドなパンチながら、スピードもあります。
ともにクリーンヒットを奪いあう展開から、須藤の左フックがカウンターでヒット!危険な倒れ方をした神津を見て、レフェリーはすぐさまストップ。
須藤龍揮、1RTKO勝利で東日本新人王に!
須藤、かなり個性的なボクサーですね。とてもアマ上がりとは思えません。
思い切り振っていくタイプのボクサー、これからもおもしろい試合をしてくれると期待しています。
新人王戦を見返すのはなかなか大変です。ということで、スーパーバンタム級〜はまた明日以降。
そして西軍代表決定戦をまた見返せば、2/21(日)の全日本新人王戦がより楽しみになりますね。
新人王戦はラウンド数が少ない分、打撃戦が多く、好試合も多いです。
興行の少ない2月、数少ない楽しみをできる限り楽しんでいきましょう!
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