信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

蠢動、スーパーフライ級戦線。まずはシーサケットvsクワンタイ戦。【プレビュー】

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

3/13(日本時間3/14)は、WBA世界ライトフライ級スーパー王者、京口紘人(ワタナベ)の防衛戦。京口のアメリカデビューのこの一戦のメインは、ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)vsローマン・ゴンサレス(ニカラグア)のスーパーフライ級頂上決戦。

スーパーフライ級の頂上決戦とはいうものの、WBO王者の井岡一翔(Ambition)、IBF王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)も評価は高く、どのように絡んでも好勝負が予想される、激アツ階級のスーパーフライ級。

↓京口のアメリカデビュー戦のプレビュー!

boxingcafe.hatenablog.com

 

そして、その4人の王者たちに引けを取らない実力を持つと思われるシーサケット・ソールンビサイ(タイ)が、同日の3/13に世界前哨戦と銘打って登場します。

今回のブログは、シーサケットの世界前哨戦のプレビュー、そして今後のスーパーフライ級についてです。

 

シーサケット・ソールンビサイ(タイ)55戦49勝(42KO)5敗1分

vs

クワンタイ・シスモーゼン(タイ)60戦52勝(28KO)7敗1分

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このシーサケットvsクワンタイは、3/13にタイで行われます。タイと日本の時差は2時間ほど、日本での配信時間が11:30〜ということなので、現地は朝9:30〜興行が始まる計算になります。

これはアメリカのプライムタイムに合わせたものでしょう。

なので、それぞれの現地の時間ではこのシーサケットvsクワンタイ戦も、エストラーダvsロマゴン戦も3/13という表記にはなるのですが、日本時間でいうとシーサケットvsクワンタイ戦は3/13(11:30〜)、エストラーダvsロマゴン戦は3/14(10:00〜)となります。

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元WBC世界スーパーフライ級王者、シーサケット・ソールンビサイ。2017年、当時のPFPキング、ローマン・ゴンサレスを降した事で一気に世界的評価を得たボクサーです。

初戦、ロマゴンに挑んだシーサケットは、微妙な判定をものにします。

大いに議論を呼ぶ判定だったがために、ダイレクトリマッチが組まれましたが、ここで何とシーサケットはロマゴンを4RTKO、非常に衝撃的なノックアウトで切って落としました。

その後、ファン・フランシス・エストラーダの挑戦をも退けたシーサケットでしたが、4度目の防衛戦でエストラーダと再戦、小差判定負けでタイトルを失うとともに、それまでランクインしていたPFPランキングも奪われてしまいました。

そして2020年8月、かつて井岡一翔を破ったアムナット・ルエンロン(タイ)とのサバイバルマッチを制し、10月にもリングに上がりKO勝利を得て、今回の一戦を迎えます。

 

シーサケットのデビューは2009年3月、日本のリングでした。観光で来ていたという情報すらある当時のシーサケットの役割は、完全なアンダードッグ。

後の3階級制覇王者、八重樫東(大橋)の噛ませ犬としてその仕事を果たし、2戦目も同年6月に屋富祖裕信(琉球)に敗北。

3戦目で同国人とドロー、4戦目でようやく初勝利を上げたシーサケットでしたが、5戦目はまた日本に呼ばれ、大庭健司(FUKUOKA)を相手に判定負け。

ここまでデビューから約1年、5戦1勝(1KO)3敗1分という散々な戦績。

しかしここから脅威の17連勝(16KO、唯一KOできなかったのは負傷判定となったため)して当時のWBC世界スーパーフライ級王者、佐藤洋太(協栄)からタイトルを奪ったのが2013年5月のこと。

 

その後もノンタイトル戦を含めて精力的にリングに上がり、2014年に2度目の防衛戦でカルロス・クアドラス(メキシコ)に負傷判定で王座を譲り渡すまで結果26連勝(24KO)を記録。

その後15連勝(14KO)で前述のロマゴン戦にたどり着き、見事タイトルを奪い取りました。

正直、このロマゴン戦は誰もシーサケットの勝利を予想してはいなかったでしょう。

シーサケットのKO率、連勝記録はものすごいものがありますが、そのほとんどが無名相手、作られた記録と見られても仕方のないものでした。

しかし、ロマゴンとの接戦を制し、そして再戦では完膚なきまでに叩きのめしたこと、そして実力者ガジョ・エストラーダを一度は破ったこと。

 

この頃には、シーサケットの実力を疑う者はいなくなりました。

シーサケットの強さは、フィジカルの強靭さ、それに由来するタフネス、スタミナと何よりもハードパンチ。

この手のボクサーは、おそらく体格に劣るロマゴンは非常に苦手でしょう。ロマゴンは前進しながらテクニカルに、且つ手数を多く出して攻めるのが戦い方なので、どうしてもフィジカルで負けると戦いづらいように思います。

そしてエストラーダであれば相性の差はなく、井岡であればシーサケット戦はイージーになるかもしれません。

ここはもうジャンケンみたいなものだと思っています。

さて、あとはシーサケットが、エストラーダとの再戦以降、プライベートの問題もあってブランクをつくり、その復調ぶりが如何ほどかは気になるところです。

復帰戦となったアムナット・ルエンロン戦は、身体で押していったシーサケットが順当勝ちしましたが、ただそれだけだったように思います。前戦は見ていないので何とも言えませんが、今回はDAZNが配信してくれるのでその復調ぶりをじっくり見ようと思います。

 

さて、対するクワンタイ・シスモーゼンも歴戦の雄。

デビューは2005年、2010年にWBA世界ミニマム級王座決定戦でピグミー・ゴーキャットジム(タイ)を僅差のスプリットで降し、初戴冠。しかし初防衛戦でKO負け(初黒星)を喫し、それ以降は世界タイトルとは無縁。

2013年には当時ライトフライ級のWBA王者だった井岡一翔に挑戦して7RTKO負け。

2015年には同じくWBAライトフライ級王者の田口良一(ワタナベ)に挑戦、8RTKO負け。

2017年にはWBOアジア・パシフィックフライ級王座決定戦に出場しますが、坂本真宏(六島)に3RKO負けと振るいません。

負けが込み、キャリア最終盤とも言えるボクサーですが、前戦(2020年12月)にはタイのスーパーフライ級王座決定戦を制し、この地域タイトルを獲得。

今回のこの一戦を迎えます。

シーサケットにとっては、非常にイージーな相手に見えるクワンタイ。

ここで少しでも苦戦するようなら、スーパーフライ級のトップ戦線に浮上するのは非常に厳しいと言わざるを得ません。

アムナット戦では、「その実力を遺憾なく発揮した」とは言い難い内容だったので、今度こそその持ち前のパワーで倒しきり、シーサケットここにありをアピールしてもらいたいです。

エストラーダ、ロマゴン、井岡、アンカハス。次点にシーサケット、そしてジョシュア・フランコ(アメリカ)とアンドリュー・マロニー(オーストラリア)、カルロス・クアドラス(メキシコ)。まだこの階級では一戦しかしていない田中恒成はその次くらいでしょうか。

 

スーパーフライ級のトップ戦線はここ数年かわることなく、新たに名前が出てきたのはフランコとマロニー、田中くらいです。

ここでトップとトップがぶつかりあう様は、さながらWBSS。

こうやってナチュラルに、スーパーフライ級最強を決める戦いが生まれているのは本当に歓迎すべきことです。

ここでおもしろいのは、それぞれのスタイルの違いから、おそらく相性という要素が非常に大きく作用しそうなところではないでしょうか。

 

エストラーダは誰とやっても僅差の判定をものにできそうですが、ロマゴンはおそらくシーサケットと相性が悪い。井岡はシーサケットには勝てるでしょうが、ロマゴンやエストラーダだとどちらに転んでもおかしくはありません。

あとアンカハスは、もう1年以上リングに上がっていないので、今の状態がわからない。減量苦で階級を上げると伝えられてから、もう2年が経ちそう。

筋書きの無いドラマだからこそ、おもしろい。

そしてこの対決は、このシーサケットvsシスモーゼンの翌日、アメリカで行われるエストラーダvsロマゴンを皮切りに、どんどん進んでいくのかもしれません。

 

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