信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

流れる季節の真ん中で、伊藤雅雪の現役続行宣言について思う。

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前WBO世界スーパーフェザー級王者、伊藤雅雪(横浜光)、復帰のニュース。

昨年12月、伊藤自身もプロデュース力を発揮した横浜光ジムの興行、A-SIGNで、日本の「ライト級ウォーズ」主役としてメインに登場、三代大訓(ワタナベ)のジャブを攻略できず、無念の判定負けを喫した伊藤。

↓観戦記

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「あれが最後じゃ絶対に嫌だ」

あの日の伊藤のパフォーマンスは、「主役である自分自身」が良いところを見せようと空回りしたように見え、逆に三代は下馬評不利の中、自分のボクシングを完遂するという氷のような意志の強さを見せました。

一般の人たちにどれくらい届いたのかはわかりませんが、ボクシングファンにとってはその前の舌戦から、当日、そしてその後のインタビュー記事等々まで非常に楽しめたと思いますし、三代大訓というボクサーを深く知るきっかけにもなった一戦だったと思います。

 

さて、その進退を保留にしていた伊藤は、SNSを通じて3/1に復帰することを宣言。

「あれが最後じゃ絶対に嫌だ。」まさにこれに尽きますし、伊藤を応援するファンとしても同じ思いだったと思います。

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出典↓

 

ボクサーには、おそらく引き際というものが存在します。

それは本人がいち早く感じるものもあれば、周りで支える人たちが感じるものもあるでしょう。そして我々ファンが感じるものもあります。(ファンは一番遅いでしょうが。)

ただそれでも、引退を決められるのはたった一人、そのボクサー当人のみです。

私は、伊藤には復帰してほしいと思っていましたし、あの試合を最後に終わるほど疲弊していないと思っていたので、嬉しかったです。というよりも、安心した、といった方が正しいかもしれません。

しかし、世界ランクも失ってしまった伊藤雅雪の門出は、苦難の道です。

伊藤雅雪の、現在のランキングは日本ライト級2位、OPBF東洋太平洋ライト級3位というもの。

日本ランキングに入っているということは、日本タイトルへの挑戦も視野に入れている、ということでしょうか。

日本もOPBFも、はてはWBOアジアパシフィックも、王者は吉野修一郎(三迫)。三代戦で敗北を喫した後に、吉野挑戦となると三代も黙ってはいられないでしょう。

 

伊藤としては、おそらくまた海外で戦いたいという思いはあるのでしょうが、現在のコロナ禍を考えるとなかなかハードルが高そうです。無理というわけではないのでしょうが、世界ランクにも入っておらず、アメリカに呼ばれてもファイトマネーは望む通りに手に入りそうにはないので、しばらくは日本での試合が現実的なような気もします。

ここから這い上がっていくには、コンスタントに試合をこなし、三代へのリベンジ、もしくは吉野への挑戦を経て、次の段階に進まなければならないかもしれません。

ただ、現在日本のライト級もなかなかの戦国時代。

頂点である吉野を筆頭に、日本ランキングには1位は横浜光ジムで同門の利川聖隆、3位に力石政法(緑)、4位に宇津木秀(ワタナベ)と皆若く、強い。

1位の利川は対戦可能性はありませんが、このランカー上位陣とやった場合、伊藤にとってはリスキーで、かつリターンの少ない一戦になりそうです。しかし、イージーな相手と戦うようなことはしないでもらいたい。

 

伊藤ももう30歳、まだまだこれから、というわけには行きません。

既に世界王者から陥落して2年が経とうとしている今、求められるものは本当のサバイバルマッチ。

あえて苦言を呈するのであれば、三代戦では絶対にしてはいけない「油断」、もしくは「慢心」というものがあったのだと思います。

三代には怖さがありません。少なくとも、そのボクシングを見た時に「怖い」と思えるようなボクサーでないことは事実。

 

しかし、その基本に忠実であり、派手なアクションを起こす事が無い代わりに、非常にわかりづらく、そして最も大事なパンチであるジャブをこれまでかというほど鍛錬し続けている三代は、「強者」というよりも「弱者」であり、そして曲者です。自分のストロングポイント、そしてウィークポイントをしっかりと分析し、自分の土俵で戦う事ができるボクサーです。

伊藤が、三代戦で学ぶべきところはそこであると思います。

伊藤の、もともと持っている身体能力の高さ、運動神経とも言いかえられるこの能力はストロングポイントですが、それに頼り、接近しての攻撃的ボクシングに固執しすぎているように感じます。

クリストファー・ディアス戦の良いイメージが抜けないままだからのような気がします。

 

その後、ジャメル・ヘリング、三代大訓といったボクサーに対し、相性が悪く感じさせてしまうのは、接近戦を挑もうとしてそれに失敗しているから。

伊藤の能力を考えると、もっと万能タイプの戦い方ができるでしょうし、接近戦に固執する必要はありません。三代戦でも、もし中間距離でのジャブを磨いていれば、結果は違ったかもしれません。

既に、日本のライト級は伊藤を中心に回っていません。

ここから伊藤が、どのような巻き返しを見せてくれるのか。それによって、この大きな大きな挫折が、よりよいスパイスになって、伊藤雅雪というボクサーの偉大さを高めてくれると思います。

伊藤雅雪のストーリーの終わりは、どこか。ただ、目指すべき場所は世界王座返り咲きであってほしいと切に願います。

いつか来るであろう、そんな日を楽しみにして、今後の伊藤雅雪を応援していきたいと思います。

 

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