楽しみで楽しみで、楽しみな4/9。
正式発表から余り時間がなく、しかもチケットの抽選結果発表からはもっと時間がなかったためか、本当にあっという間ですね。
私はというと無事にチケットを確保、発券も済まし、後は当日を待つのみです。チケットを忘れないように。。。
メインイベントのGGGvs村田は勿論のこと、セミの中谷vs山内、そしてセミセミの吉野vs伊藤に至るまで、楽しみな試合が続きます。楽しみな試合しかない、といっても過言ではありませんね。
会場に足を運ばれない皆さんも、是非とも放送開始からアマプラで見てもらいたいです。
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ということで今回は、セミセミ、吉野修一郎vs伊藤雅雪、蘇ったライト級ウォーズについてです。
OPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィック・ライト級タイトルマッチ
吉野修一郎(三迫)14勝(11KO)無敗
vs
伊藤雅雪(横浜光)27勝(15KO)3敗1分
現在のライト級アジア2冠王者、吉野修一郎。つい先日まで日本王座も保持していたから、実質3冠王者、間違いなく国内ライト級トップの一角です。
「一角」と言うのは、たとえ3冠を取ろうとも、ライト級での実績は中谷正義に及ばないように感じてしまうからですね。中谷正義は、アメリカのリングで既に活路を開いているので、国内のライト級戦線に戻ることはないでしょう。
とはいえ、吉野のこれまでのキャリアは、国内のライト級においてずば抜けています。
アマ104勝20敗という戦績を提げ、2015年にプロデビュー。確か三迫ジムにはスカウトとかではなくて自分で行った、と言っていたと思います。吉野はインタビューやYoutubeを見ても、非常に自然体な感じがしますし、純朴(失礼か?)な雰囲気を持ったボクサーだと感じています。
プロ4戦目で元王者の加藤善孝(当時角海老宝石)を破り、6戦目で日本ライト級王座決定戦に出場し、7RTKO勝利でこれを獲得。
このタイトルを4連続KO防衛後、OPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィックの王座決定戦に臨み、初回TKO勝利でこれも獲得し、見事アジア3冠王者に。
その後3度目となる日本王座の指名戦を8RTKO勝利でクリアし、3冠タイトルの防衛戦に臨むことになります。
その3冠タイトルの防衛戦の相手が、細川バレンタイン(当時角海老宝石)。2020年9月に行われたこの一戦は、吉野修一郎にとっても3年5ヶ月ぶりとなる判定勝利。
その後、2021年8月に仲里周麿(現オキナワ)に6RTKO勝利して日本タイトルの防衛記録を伸ばした後、日本タイトルのみを返上しています。
非常に体全体のパワーが強く、KO率が示す通りのハードパンチャー。万能型のオールラウンダーで、中間距離、接近戦での巧さも持ち合わせていますが、魅力はやはりその攻撃力にあります。
被弾は少なくはなく、ダウンを喫することもありましたが、ピンチにも非常に冷静で、盛り返せる力を持っている非常にクレバーなボクサーです。
対して、伊藤雅雪。元トップアマの吉野と違い、こちらは完全な叩き上げボクサー。
2009年、18歳でデビューした伊藤は、2011年の新人王トーナメントに出場。しかし溜田剛(当時ヨネクラ)とドロー、敗者扱いとなりトーナメントは敗退。翌年の同トーナメントに出場し、見事全日本新人王となりました。このトーナメントで、のちの日本王者、末吉大(帝拳)に初黒星をつけ、全日本新人王決定戦では現在の日本王者、坂晃典(仲里)に勝利しています。ともにアマでも実績を残していたのちの王者を、キャリアの浅い叩き上げが退けるというのは、圧倒的な才能を感じますね。
その後も順調に勝ち星を重ね、初のタイトル挑戦は2015年、内藤律樹(E&Jカシアス)の持つ日本タイトルへアタック。この頃、全く隙のないボクシングを展開していた内藤を追い詰めますが、2-0の判定で惜敗しましたが、次戦でOPBF東洋太平洋王座を獲得、このタイトルを3度防衛します。
その後、WBOアジアパシフィックタイトルを獲った伊藤は、2018年にWBO世界スーパーフェザー級王座決定戦に臨みます。
2018年7月、対戦相手は当時無敗のクリストファー・ディアス(プエルトリコ)。そして試合会場は、プエルトリカンが多く住むフロリダ州キシミー。完全アウェーのアンダードッグ、これが伊藤の立ち位置でした。
しかし、伊藤はこれまでのボクシングを数倍攻撃的にしたボクシングでディアスに打ち勝ち、4Rにはダウンを奪っての判定勝利。ディアスをダウンさせたシーンは、今も脳裏に焼き付いて離れません。それくらい鮮烈なダウンシーンでしたし、あの伊藤のコンビネーションは非常に美しかった。
その後、伊藤は凱旋防衛戦となる初防衛戦をクリアしましたが、2度目の防衛戦でジャメル・ヘリング(アメリカ)を詰めきれずに敗北。タイトルを失ってしまいました。
その試合の直前に横浜光ジムへ移籍した伊藤は、再起戦を勝利で飾るも、その後自らプロデュースした「国内ライト級ウォーズ」で三代大訓(ワタナベ)に僅差の判定負け。
この時は三代のジャブにしてやられ、ヘリング戦同様に詰めきれませんでした。ディアス戦での成功以降、やや攻撃に比重が移っている感じのする伊藤。これはこれで、スピードも回転力もある伊藤にとっては戦いやすいのかもしれませんが、それがから回ってしまったのがヘリング戦、三代戦だと思います。
その後は横浜光ジムの胡トレーナーとコンビを組み、見事に復活、細川バレンタイン戦ではディアス戦と同等か、それともしのぐかと思われるパフォーマンスを披露して大復活を遂げたのは記憶に新しい。
前戦のパフォーマンスを比べれば、ダウンを奪われ、それを挽回した吉野よりも、プレッシャーファイターである細川バレンタインにストップ勝ちした伊藤のパフォーマンスが上回ります。但し、ライト級での実績を考えると、吉野のそれは突出していると言えます。
大接戦必至か
この一戦は、GGGvs村田、中谷vs山内と比べ、最も勝敗予想が競るのは、この試合だと断言できます。
オールラウンドファイターである吉野修一郎は、豊富なアマ経験を持ち、テクニックに優れます。そしてKO率が示す通りのハードパンチャーであり、フィジカルも強い。
ただ、ややスロースターターかと思う面があり、序盤に被弾して腰を落とす、もしくはダウンを喫する、ということもあります。
それでも、そこから盛り返す冷静さと、ハートの強さを持っているボクサーです。
そして伊藤雅雪は、非常に高い身体能力を持ち、スピード、キレのあるコンビネーションを持っています。作戦遂行能力も非常に高いイメージです。
タイミング的に、ヘリング戦、三代戦はその作戦をたててくれるブレーンがいなかった、もしくは関係性が希薄だったと考えられますが、いずれにしろアウトボクサーを追いかけるのは得意とはしていません。
吉野はおそらく前に出てきてくれる分、伊藤にとってはやり易いのではないか、と思います。
一発のパンチングパワーはおそらく吉野のほうが上。回転力はおそらく伊藤の方が上。
ディフェンスについては、どちらも差がないような気がします。
この試合に臨むモチベーションとしても、どちらも非常に高い事が予想されます。伊藤にとっては、国内トップの吉野に勝利することで大きなアピールとなり、三代戦の敗北をなかったことにして余りある地位を確立できるかもしれません。
そして吉野にとっては、久方ぶりのステップアップとなる一戦、世界ランクは下位といえども、元王者、国内では未だ名のある伊藤を敗れば、その注目度は一気に高まる事でしょう。
両者ともに、勝って開けるのは海外への道。どちらも負けられない理由、勝たなければ行けない理由があり、気持ちのこもった熱戦が予想されます。
そして攻撃力に自信のある両者だからこそ、その分距離が縮まる傾向にあり、打撃戦という流れが予想できます。
真向からの打ち合い、となると、ナチュラルなライト級であり、パワーに勝る吉野に分がありそうにも感じますが、伊藤にはスピードがあり、出入りもできます。伊藤が、スピードとコンビネーションを武器に、近い距離でのステップワークも含めて押し切っていく姿も想像ができます。
伊藤は吉野のあの明らかに重そうなパンチを、ブロッキングではなくてできれば空振りさせたいですし、吉野は伊藤のコンビネーションをしっかりと最後までディフェンスしたい。
どちらも勝利につながる武器をもっている両者の戦いは、ともにボクシングの幅が広いため、蓋を開けてみなければ展開すらもわかりません。
だからこそ、おもしろい。
ちなみに、これが第1試合、と思っていましたが、どうも違うみたいです。
第1試合には、ともにデビュー戦となる雨木拓翔(T&T)vs加藤大河(DANGAN越谷)の4回戦、第2試合には穴口一輝(真正)vs山本龍児(姫路木下)の6回戦が入っています。
その他、予備カードとして梶谷有樹(八王子中屋)vs佐藤友紀(極東)の4回戦も。
このC級、B級ボクサーたちがこの舞台に立つのは本当に誉れだと思いますし、それぞれのジムの期待のボクサーということもあるのでしょう。どうかこの大舞台で、実力を発揮できることを願います。
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