週末は注目試合が目白押し、忙しい週末になりそうですね。
日程は日本時間で全て6/20(日)、テオフィモ・ロペスvsジョージ・カンボソスJrの一戦は、ロペスがコロナ陽性により延期となってしまいましたが、WBAスーパー・IBF世界バンタム級タイトルマッチ・井上尚弥vsマイケル・ダスマリナスをはじめ、WBC世界ミドル級タイトルマッチ・ジャモール・チャーロvsファン・マシアス・モンティエル、ハイメ・ムンギアvsカミル・シェルメタと次から次へと注目試合。
国内では中日本新人王準決勝、西部日本新人王戦という興行もあり、中日本新人王準決勝はsakanaさんのYoutubeチャンネルで生配信(配信主はボクシング選手名鑑管理人のせきちゃん)、西部日本新人王戦はBoxingRaiseで録画配信。その日のうちにはたどりつけそうにありませんが、後日、改めて見たいと思います。
そしてそんな嵐のような週末が終わったあとも、ボクシングの火種は消えるどころか更に激しく燃え上がります。
本日のブログでは、この週末のあと、盛り上がる国内興行をプレビュー。
6/21(月)DANGAN
メインイベント
WBOアジアパシフィック・日本スーパーフライ級タイトルマッチ
福永亮次(角海老宝石)13勝(13KO)4敗
vs
藤井貴博(金子)12勝(3KO)6敗1分
リトルパッキャオ、福永。2013年にデビューした福永は、2016年に2度目の挑戦で全日本新人王となりました。
その後、連敗を経験した福永が掴んだチャンスは、2020年2月14日、WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級タイトルマッチ。
この日は比嘉大吾(当時は白井・具志堅)の復帰戦の翌日で、前日の後楽園ホールとは打って変わって観客は少なめ。私は別のボクサーの応援で連日、後楽園ホールへ行きましたが、そこで目にしたのは「昭和のボクシング」ともいえるど根性ボクシングでした。
前半から王者、フローイラン・サルダール(フィリピン)にボクシングで敵わず。サルダールは世界挑戦経験もある、格上のボクサーでした。
苦しい苦しい展開が続く中でも前に出続ける福永は、サルダールのパンチを浴び続けほとんど右目がふさがった状態。それでも諦めることなく強いパンチを打ち続け、なんと7Rに大逆転KOを演出。
これは本当に素晴らしかったし、感動しました。あの瞬間に立ち会えて本当に良かった。
やや荒く、ボクシングに穴があるとも思いましたが、2020年12月に行われた日本王者、中川健太(三迫)戦ではテクニックも魅せてくれました。
サウスポーのハードパンチャー同士の王座統一戦。福永の持つWBOアジアパシフィックのベルトと、中川の持つ日本のベルト、そこにOPBFの王座統一戦がくっついて3冠統一戦として開催されたこの一戦で、福永はパンチングパワーだけでなくオフェンス面での当てるテクニックでも中川を上回り、この大激闘を制しました。
↓観戦記
プレスをかけつつパンチを当て、チャンスと見るや一気呵成に攻め立てるボクシングは、勝利のすべてをノックアウトで飾っています。非常に魅力的なボクサーで、寡黙なその人柄と違い、そのボクシングは非常に雄弁。
対して藤井は、相手からすると非常にやりづらい、変則的なサウスポー。福永とは正反対、KO率こそ低いものの、ポイントをピックアップする術に長けているためか、接戦をものにする力が強いです。
藤井のYoutubeチャンネルは大好きでよく見ていますが、映像のつくりはかっこいいですし、自身のドキュメンタリーなんかを見ていても非常にIQの高いボクサーだと感じます。
当然、この大きなチャンスを掴むためにハードな練習に励み、そして試合中も考えに考えて戦うのでしょう、「曲者」という表現が一番似合うかもしれません。
プレスをかけて前に出てくる、ある種真正直なボクシングをする福永に対して、迎え撃つタイプのボクサータイプで、試合もまさにそのような展開になるでしょう。
両者のコントラストがはっきりしているこの一戦は、ファイターvsボクサーというわかりやすい構図ながら、藤井がどのような策を秘めてくるのか、というのが見どころの一つ。パワー、スピード、見た感じ「強い」と感じる要素は福永ですが、曲者藤井が無策で臨むはずはありません。
充実の3冠王者、福永が藤井をノックアウトする、というのが順当な構図ではあるものの、藤井の試合巧者ぶりが発揮され、判定までもつれ込むとわかりません。アップセットが起こりうる時というのはこういう時ではなかろうか。
仮に、序盤から中盤にかけて藤井にポイントが流れたとするならば、福永に闘い方を変えるという器用なことができるのか。できなければ倒しに行くしかない、という展開になることも考えられます。
個人的には、福永亮次というロマン溢れるボクサーを応援していますが、真正面から来てくれて、双方の良い面が出た中川戦と違い、一抹の不安を覚えるのも事実。非常に楽しみな一戦です。
この一戦は、BoxingRaiseさんで生配信!!素晴らしい、ありがとうございます!!
↓17:30〜です。
セミファイナルには、フライ級6回戦で飯村樹輝弥(角海老宝石)が登場。デビュー戦ではソンブレロを被って登場した飯村は、A級昇格をかけてデビュー戦の川崎智輝(サンライズ)と対戦。
6回戦の試合、プロ2戦目の飯村とデビュー戦の川崎の試合ではありますが、ともにアマ経験豊富で技術力の高いボクシングが期待されますね。
6/24(木)SLUG FEST
メイン
WBOアジアパシフィック・フライ級タイトルマッチ
山内涼太(角海老宝石)7勝(6KO)1敗
vs
中山祐太(一力)8勝(5KO)3敗1分
前戦、戸高達(当時レパード玉熊)を3Rで棄権に追い込み、初タイトルを獲得した山内。唯一の敗戦は2019年、敵地中国でWBAインターナショナル王座決定戦に挑んだウラン・トロハツ(中国=その後、田中恒成に挑戦)戦。
メジャー4団体すべてで世界ランク入りを果たしている俊英で、とくにWBAで2位、WBOで7位と世界挑戦は目前。
ただ、実績的にはもう少しキャリアを積んだほうが良いのではないか、とも思います。
WBOアジアパシフィックの王者、というよりも、世界ランカーとして格の違いを見せつけたい山内は、ここでつまずいてはいられません。
対して中山は、勝又ジムから一力ジムへ移籍しての初戦。
地力では山内優位も、ジム移籍初戦、そしてタイトルのかかった試合でいうと2018年の日本ユース・ライトフライタイトル戦(大保龍斗にTKO負け)以来であり、ここに勝てば世界ランクも手にはいるということで、気合の入りは違うでしょう。
山内は勝てば世界に一歩近づく。中山は、勝てば大きく躍進できる大チャンス。
こちらも興味深い一戦ですね。
この興行は、A-SIGNのYoutubeチャンネルで録画配信だそうです。
ちなみに、アンダーカードでは角海老宝石ジムのホープたちが次々登場!
第1試合には2019年の全日本新人王、中西寛太郎が登場、第2試合にはデビュー2戦目の池側純、セミファイナルには日本ランカー(スーパーフライ級10位)となった廣本彩刀(いずれも角海老宝石)が登場します。
角海老宝石ジム、全勝なるか。
来週は角海老ウィークですね。これが両日とも、全勝だったらすごいこと。
近年、名門三迫ジムが大きく勢いを取り戻していましたが、今はまた角海老宝石ジムが逆襲している感じですね。先日の永田大士vs鈴木雅弘も然り。
しかし、週末の6/20から息をもつかせないこの注目興行の嵐。そして来週末はいよいよロマチェンコvs中谷ということでもっととんでもないし、それが終われば翌週は伊藤雅雪vs細川バレンタイン。そしてそのあとも。。。楽しみばかりです!