信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】中垣龍汰朗vs花田歩夢。若きホープ同士の至高の技術戦!

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7/8(木)、大注目のホープ対決はSNS上を大きく賑わせていました。

大橋ジムのチャンピオン候補、中垣龍汰朗と、メキシコ帰りの逆輸入ボクサー、花田歩夢(神拳阪神)。

日本ボクシング界の未来を担う若きボクサー同士の一戦は、このホープたちのどちらかに土がつく、ということを考えると少し複雑な気持ちになってしまったことも事実。

結果はもう、ボクシングファンであればご存知だとは思いますが、今回のブログではこのフェニックスバトル、フジボクシングで放映された興行の観戦記です。

 

↓7月の興行をまとめてプレビューしています。 

boxingcafe.hatenablog.com

↓中垣のデビュー前に書いた記事。本人のYoutubeへのリンクもあります。

boxingcafe.hatenablog.com

 

日本スーパーフライ級ユース王座決定戦

中垣龍汰朗(大橋)2勝(2KO)無敗

vs

花田歩夢(神拳阪神)6勝(4KO)無敗

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花田は15歳で単身メキシコに渡り、メキシコでプロデビュー。4連勝してJBCの認めていないWBFアジア太平洋フライ級王座を獲得。

6戦目で敗れるも、無効試合となっています。日本でのデビューは2020年12月、デビュー戦は1RKO勝利、2戦目でマンモス和則(中日)と激闘を繰り広げ6R判定勝利を飾っています。

中垣は高校8冠、豊富なアマキャリアを経て大橋ジムから2020年8月にプロデビュー。元世界3階級制覇王者、八重樫東の薫陶を受け、2連続KO勝利を挙げて今回の一戦を迎えます。

ともにA級初戦、いきなりのタイトル戦ですが、両者の実力、歩んできたキャリアを鑑み得ると至極全うにも思えます。

激戦、熱戦が多いユースタイトル戦、今回も楽しみです。

さて、ゴング。

 

様子見の序盤。オーソドックスの花田の方がやや積極的に攻め入ります。サウスポー中垣はサークリングしながら左ストレートを伸ばします。

ともに利き手のストレートを警戒しつつ、前手をしっかりと使うボクシングを展開しています。花田は右手がしっかりと顎の前に置かれ、かなり隙の少ないがっちりとしたファイティングポーズを取りますね。

2R、開始1分ほどのところで中垣の左ストレートが浅くながらヒット。非常に緊張感のある時間が続きますが、中垣のリターンの左ストレートは速く、ジャブを外から内から出すので花田は読みきれません。

打ち終わりにカウンターを取られるとなると花田は攻めづらくなってしまいますね。

3R、花田がプレス。前ラウンド後半からプレスを強めていた花田ですが、ここでよりプレスを強め、踏み込みも更に強くなります。

 

ここで花田の右が入り始め、とられそうになったペースをしっかりと引き戻しました。

4R、花田の方がアグレッシブ、ただその花田の右ストレートに中垣はしっかりと反応。両者の利き手のストレートが交錯しますが、このラウンドは中垣の右ストレートのようなジャブが花田の顎を跳ね上げます。

左ボディストレートも良いですね。

5R、前の手の使い方は中垣に分がありそうです。花田は思い切りよく右ストレートを振っていくので、被弾するとこれは危なそう。それをかわしてジャブをちょこんと当て、やはり足の位置を調整して内側外側両方からジャブを当てる中垣。

花田のアッパーにあわせたジャブ等、クリーンヒットは中垣の方が多いです。

6R、花田の強引な攻めに対して、中垣がこの試合初めてのクリンチ。花田陣営は、ポイントやや劣勢を意識してプレスを強めたようです。

 

しかし中垣はやはりジャブが良く、左ストレートも思い切りは振らないので、その分打った後の動きも速い。

しかし残り1分のところで花田の右が中垣にヒット、これは額で受けていますが、その後距離が縮まります。少々のダメージがあったかもしれません。距離が近くなったところで花田が得意のボディを打てるようになり、近い距離では花田が優位のように思います。

7R、開始20秒、花田の右ストレートがヒット!そして更に追撃の右もヒットさせた花田!ややスピードが鈍ったようにも見える中垣、ダメージがありそうです。

しかしどっしりと構えることとジャブでダメージの回復を図った中垣、簡単には追撃をさせません。

やはりダメージの残る中垣、接近戦に持ち込まれ、左ボディを効かされます!明らかに左ボディを守るガード位置になっている中垣に、花田が襲いかかります!

 

中垣はおそらく距離を取るべきでしょうが、足が動かないからか逆にくっつき、近い距離での打撃戦。このラウンドは明確に花田のラウンド、左ボディを効かされても心折れず、耐えきった中垣も素晴らしい。

ラストラウンド、中垣は身体のキレが戻っています。ただボディのダメージはそうそう回復しないでしょう。花田はボディを打ち込みたいところですが、ここでも中垣のジャブが活き、簡単には近づかせません。

ストレートの距離での攻防となっている両者の明暗を分けるのは、やはりジャブとステップ、そしてストレート。ポジショニング、ボディムーブの上手い中垣、鋭い踏み込みを持つ花田。そこが互角とすれば、中垣の方が前の手の使い方に中垣にやや分があり、ストレートもコンパクト。ただ、ストレートの勢いとしては花田。

判定は割れ、78-74、76-76✗2のドロー。

 

まさに互角という内容ではあったものの、7Rの花田の猛攻を考えると、印象としては花田勝利を推す声が多いかもしれませんね。ただ、ラストラウンド、ポイント的にそこまでの余裕がないにしろ盛り返したように思えた中垣もお見事。

終わってみれば、スーパーホープ同士の一戦は「敗者なき闘い」。「勝者がいない」というよりも「敗者がいない」と言ったほうがしっくりくる闘いでしたね。これは今後シリーズ化しても良いと思えるようなヒリヒリとしたハイレベルな技術戦でした。8Rが本当にあっという間。

期待にも、噂にも違わぬ好試合、この両者が激戦区、スーパーフライ級のランキングを賑わせてくれるころが非常に楽しみですね。日本ボクシング界の未来は明るい。

中垣は若干21歳、花田は若干19歳。昨今の選手生命の長さを考えると、まだまだ、少なくともあと10年は現役でいてくれるでしょう。

それまでの間、更に力をつけ、大きく成長を遂げたところで、もっと大きな舞台での再戦を期待しています。このように若く、技術のあるボクサーの台頭は本当に嬉しいものですね。

その他、応援している溜田剛士(大橋)の超豪快なノックアウト劇。体制を崩したところにフックを入れて、それいけ太一(湘南山神)が一回転するほどのダウンを奪取、そして2度目のダウンは見事な右クロス。

森且貴(大橋)vs小島蓮(江見)の全日本新人王対決は、ダイジェストながらこちらもかなりハイレベル。小島を応援していましたが、森はやはり強かった。

 

好試合連続のフェニックスバトル、素晴らしいマッチメイクばかりです。コロナショックとなってから、このフェニックスバトルのマッチアップには目をみはるものがありますね。

そして次のフェニックスバトルは、超大注目の日本フライ級タイトルマッチ。その他にもアンダーカードも盛りだくさんです。

フューリーvsワイルダーがなくなっても何のその、国内興行は楽しみだらけです。

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