1/22(日本時間1/23)は、WBC世界フェザー級タイトルマッチ、ゲイリー・ラッセルJr.vsマーク・マグサヨ。
元々活動的ではないラッセルJr.が約2年ぶりのリング登場。相手がハードパンチャーのマグサヨとあって、もしかするとこのWBC王座が久々に動くのではないか、という見方もあるでしょう。
ともあれ、下馬評はラッセルJr.優位は当然のこと、個人的にはマグサヨのアップセットを期待してしまいますが、果たしてどうなるか。
この一戦は日本での放送は2/21(月)WOWOWエキサイトマッチを待たなければいけませんが、VPNでFITEのPPVを購入すればライブ視聴が可能です。
そしてこのフェザー級という階級は、体格的には日本人にもチャンスのある階級。
今回はこのフェザー級、今後の世界戦線について書いていきたいと思います。
1/22(日本時間1/23)
WBC世界フェザー級タイトルマッチ
ゲイリー・ラッセルJr.(アメリカ)vsマーク・マグサヨ(フィリピン)
この記事を見るタイミングによっては、すでにこの一戦は終わっているかもしれませんね。非常に楽しみな一戦です。
↓こちらはプレビュー記事
3/12(日本時間3/13)
WBAレギュラー世界フェザー級タイトルマッチ
リー・ウッド(イギリス)vsマイケル・コンラン(アイルランド)
ラッセルJr.vsマグサヨから約2ヶ月後、イギリスで行われるのはWBAレギュラーのタイトルマッチ。ロンドン五輪の銅メダリストで、リオ五輪にも出場経験のある人気者コンランが、シュ・ツァン(中国)を攻略して王者となったウッドに挑みます。
コンランはWBAの暫定王座を獲得後、WBAが王座削減に動いたため指名挑戦者となりました。
ウッドは初防衛戦でいきなり評価の高い強豪を迎えますが、注目戦となるため逆にチャンスとも言えます。
下馬評はおそらく大きくコンラン優位と出るような気がしますが、苦労人とも言えるウッドと、エリートのコンランにさほど差もないように感じます。
— Eddie Hearn (@EddieHearn) 2022年1月15日
↑ちなみにちょっと笑ってしまったツイート。現在はウッドのツイッターから元のツイートは削除されているようです。ウッド、がんばれ笑
3/26(日本時間3/27)
IBF世界フェザー級タイトルマッチ
キコ・マルティネス(スペイン)vsジョシュ・ウォーリントン(イギリス)
かつて長谷川穂積(真正)から王座を守ったことで、日本でも知られるキコ・マルティネス。このマルティネスが、まさかキッド・ガラハッド(イギリス)に勝利して王座返り咲きを果たすなんて、誰が思ったでしょう。
あの日はたまたま早朝からDAZNを見ていたのですが、朝イチにびっくりしすぎて仕事が手につかなかった思い出があります。
そんなマルティネスの初防衛戦は、なんと元王者のジョシュ・ウォーリントン。
これはおかしいな、と思うことが普通だと思いますね。
ウォーリントンはかつてこのIBF王座を保持しており、WBA王者のシュ・ツァンに挑戦するためにIBF王座を返上、その後のノンタイトル戦でメキシコのマウリシオ・ララに9RTKO負け。再戦では負傷引き分けに終わり、結局ララへのリベンジは叶っていません。
何故か世界戦のチャンスが巡ってきたウォーリントン、ツァン戦も叶わなかったですし、もう何のための王座返上かわからなくなってしまいましたね。(一説によると、当時の指名挑戦者であるガラハッドを避けた、との見方もあるようです。)
ウォーリントンとしてはここで王座に返り咲いて、ララ戦を迎えたいのでしょうか?
う〜ん、ここはマルティネスに頑張ってもらいたいですね。
WBO世界フェザー級王者
エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)
2020年10月、コロナショックの中で空位だったWBO世界フェザー級王座決定戦により戴冠、スーパーバンタム級に続き2階級制覇を達成したナバレッテ。
2021年は4月にクリストファー・ディアス(プエルトリコ)、10月にジョエト・ゴンザレス(アメリカ)を相手に防衛に成功しています。
ハイペースでリングに上がり続けるナバレッテですが、2021年は2試合、そして現在のところ次戦の情報はまだないと思います。
一時、清水聡(大橋)との対戦が噂されていましたが、このナバレッテvs清水というのは非常に面白い試合になりそうですね。
ナバレッテは、個人的に見ると「なぜ強いのかわからない」ボクサーでもあります。妙なところからにょろりと手を伸ばして、上半身だけで打っているかのようなあのアッパーカット。割と足元が弱そうなのに、強い体幹。あの効率の悪そうな動きを持ってしても、12Rを戦い抜けるスタミナも持っており、このフェザー級においてもラッセルJr.と並び称されるほどの強さを持っているのは明白ですが、その強さの根幹となる部分が分かりません。
今後、どのような挑戦者を迎えるか、非常に楽しみですね。清水聡であってほしい。
レオ・サンタ・クルス(メキシコ)
サンタ・クルスは次戦、3/5(日本時間3/6)にキース・サーマンvsマリオ・バリオスのアンダーカードでキーナン・カルバハル(アメリカ)を相手に復帰戦の予定。この試合はフェザー級リミットで行われ、この試合のあとにやろう、とゲイリー・ラッセルJr.へのラブコールを送っています。
マウリシオ・ララ(メキシコ)
2021年は飛躍の年となった、ララ。ジョシュ・ウォーリントンをストップしたことが評価され、あっという間にリングマガジンのフェザー級ランキングでは、ナバレッテに次いで2位の位置につけていますね。
3/5(日本時間3/6)のDAZN興行で、エミリオ・サンチェス(アメリカ)と戦います。
まだウォーリントン戦でしか結果を残していないララ、この一戦で評価を固められるか、注目です。
その他で世界タイトルに絡んできそうなのは、レイ・バルガス(メキシコ)。2021年に久々のリング登場でほぼフルマークの判定勝利を挙げています。
アイザック・ドグボエ(ガーナ)はフェザー級ではパワーが発揮できないものの、2021年はアダム・ロペス(アメリカ)、クリストファー・ディアス(プエルトリコ)を相手にサバイブ。
ナバレッテには敗北したものの、漢を見せたジョエト・ゴンザレス(アメリカ)もまだこれからのボクサーです。
エイブラハム・ノバ(アメリカ)のような無敗のプロスペクトもいますね。
やはりフェザー級はアツい。
日本のフェザー級
日本においてもフェザー級のトップは、現在のところ間違いなく清水聡(大橋)。一度はJBCの認めるアジア2冠を統一、名実ともに日本のトップとなりましたね。
今年、世界挑戦を成し遂げてほしいボクサーとしても期待しています。
清水に敗れた森武蔵(志成)の再起にも期待したいですね。この森は、清水に敗れたものの、無類のタフネスを証明しました。
身体は強そうですが、まさかあそこまでのタフネスを持つとは思いもしませんでしたね。あの清水戦で証明したことは非常に大きかったと思います。しかも森は弱冠22歳とまだ若く、伸び代も十分。これは今後に期待したいですね。
日本王者の丸田陽七太(森岡)も世界ランクは好位置につき始めており、次戦をクリアすればいつチャンスが回ってきてもおかしくない状態ですね。
日本タイトルは初防衛に成功、2度目の防衛戦はチャンピオンカーニバル、指名挑戦者の阿部麗也(KG大和)を迎えて行われる予定です。確かまだ日程は定まっていなかったと思いますが、2022年の前半には実施されるはず。
実力者、阿部を良い形で退けられれば、世界への道のりはそう遠くないかもしれません。
では、その阿部が簡単に負けるか、というとあまり想像できません。
素晴らしいセンスの持ち主である阿部も、下位ながら世界ランクを保持しています。阿部は3度目の日本タイトル挑戦、ここは絶対にものにしなければなりません。
この丸田vs阿部のチャンピオンカーニバルはなかなかの好カード、日本タイトル争いも目が離せません。
そして前日本王者となった佐川遼(三迫)。この佐川は丸田に日本王座を奪われた後、2021年10月に再起していますが、その内容は素晴らしかったですね。
デビュー2戦目で敗北を喫している小坂烈(サンライズ)を8RTKO。このリベンジは気持ち的に大きいでしょう。おそらく佐川が目指すのは丸田へのリベンジ。今後の佐川も楽しみです。
その他にもフェザー級には注目選手が多く、国内のフェザー級戦線は激戦です。
日本ランキングには、元世界王者、久保隼(真正)も名を連ねています。盟友で元世界王者の山中竜也(真正)の復帰にもきっと刺激を受けるでしょうから、ここからの巻き返しがあるかもしれません。
そして、2/8(火)のダイヤモンドグローブのセミファイナルに登場する、前田稔輝(グリーンツダ)vs木村蓮太朗(駿河男児)。次世代のフェザー級を背負ってたつかもしれない、そんなボクサー同士の魅力的なマッチアップ。
当初は12月に予定されていたこの一戦は、木村が負傷、延期となっていました。
ランキング上位の前田は、別の相手を探しても良さそうでしたが、木村との一戦を実現させるために待ち、ボクシングファンを喜ばせてくれました。先だって世界を獲った尾川堅一(帝拳)よろしく、日本拳法出身の前田。純粋なアマエリートの木村。これは非常に楽しみな一戦です。
そして日本ユース王者の英洸貴(カシミ)、ミライモンスター松本圭佑(大橋)も徐々にランキングを上げ、2022年中にはタイトル挑戦圏内へと上がってくる可能性もあります。
この熾烈な日本のフェザー級戦線を勝ち抜き、世界戦への名乗りを上げるのはどのボクサーなのか。ここから数年の日本フェザー級戦線にも大注目です。
ということで今回は、フェザー級の世界戦線と、そこに絡んでいってもらいたい日本のフェザー級について、でした。何度でもいいますが、是非清水聡には今年の世界挑戦を叶えてもらいたい。