信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

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フライ級大国、ニッポン。中谷潤人が見据える、世界王者のその先を考える。

白井義男、ファイティング原田、海老原博幸、大場政夫、大熊正二、花形進。

小林光二、レパード玉熊、勇利アルバチャコフ、亀田興毅、坂田健史、内藤大助、亀田大毅、井岡一翔、五十嵐俊幸、八重樫東、江藤光喜、田中恒成、比嘉大吾、木村翔、そして中谷潤人。

こうして数えてみると日本ジム所属選手の「世界フライ級王者」は21人。21人目の世界フライ級王者が、中谷潤人ということになります。

この21人という世界王者の数は、全階級通じて最も多い数です。

日本は、「フライ級王国」といって良いでしょう。

しかし、権威あるリング・マガジンのフライ級ランキングを見ると、4人の世界王者(暫定除く)のうち、現在、最も評価が低いのが中谷潤人。

 

ただ、そのポテンシャルは日本のボクシングファン誰しもが認めるところであり、個人的にも、中谷が「フライ級最強」の称号を得ることも十分に可能だと思っています。

白井義男から海老原博幸(1期目)までは世界王者は各階級でたったひとり、花形進まではフライ級が最軽量級、今ほど階級も多くありませんでした。身体が小さくても世界と戦えるボクシングという競技では、身体の小さかった日本人が、昔から世界と戦えています。これはおそらく、他のスポーツではなかなかない事でしょうね。

さて、「フライ級で名を売る試合」と語る中谷潤人が、いよいよアメリカのリングに登場します。相手は強敵、アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)。「フライ級で名を売る」ということは、フライ級でまだまだ今後がある、と解釈します。つまりは、フライ級最強を証明する戦いに打って出る、ということだと。

↓中谷vsアコスタ、プレビュー記事。

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

この難敵相手にも自信を示す中谷に期待しつつ、ここで名を売った中谷がフライ級最強を証明してくれる事を願い、今回のブログでは現在のフライ級トップ戦線をリング・マガジンのランキングをもとに見ていきたいと思います。

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王者は不在、1位にはフリオ・セサール・マルティネス(メキシコ)。攻撃力の高いボクサーで、2015年のプロデビュー戦でスプリットの判定負けを喫していますが、今となっては全くもって参考になりませんね。

ハードパンチを持つ上に旺盛な手数も持ち、ハートも強い凶暴な王者は、世界初挑戦ではチャーリー・エドワーズ(イギリス)をボコボコにして打ち倒しますが、ダウン後に加撃して結局ノーコンテストに。

しかしこれで懲りたエドワーズが再戦を回避する形で王座を返上、比嘉大吾(当時白井具志堅)を倒した元王者、クリストファー・ロサレス(ニカラグア)との決定戦で戴冠。

 

ちなみにこの決定戦の前に、汚染されたメキシカン・ビーフによるクレンブテロールが検出されるという汚点を残していますが、そこはWBCの裁量でゴニョゴニョ。。。

ともあれ、強い王者ですし、試合はエキサイティングで面白い。その後、3度の防衛に成功していますが、ドーピング検査の話はとりあえずは聞こえてきていません。(検査しているかは不明。)

2位にそのチャーリー・エドワーズの弟、サニー・エドワーズ(イギリス)。モルティ・ムザラネ(南アフリカ)をアウトボックスして攻略するという殊勲の勝利を挙げ、一気に評価の高まったボクサーですね。

 

アウトボックスの技術こそあれ、やはりパワーレス。ムザラネは年齢もあって突進力がなかったことを考えると、若く、勢いのある挑戦者であれば意外と陥落は早いかも、と思ってしまいます。実績は評価したい。

ジェイソン・ママ(フィリピン)との防衛戦を予定していましたが、残念ながらエドワーズの負傷により延期。

↓張り切ってプレビュー記事を書いたのに。。。

boxingcafe.hatenablog.com

 

3位はアルテム・ダラキアン(ウクライナ)。ウシクやロマチェンコと同年代のこのボクサーは、2018年2月にブライアン・ビロリア(アメリカ)との王座決定戦でWBAタイトルを獲得しており、ここまでで4度の防衛。ただ、2020年2月の防衛戦を最後に試合を行っていません。

ノーガードのスタイルから、ステップをつかってサイドに回り込み、思い出したように爆発的な攻撃力を見せるボクサーで、およそ捉え所がありません。

自由自在に動く姿はロマチェンコに代表されるウクライナのボクサー、というイメージではあるものの、ロマチェンコほど精密ではなく、やや雑。技術力は圧倒的に高く、そしてパンチングパワーも持っている、怖いボクサーです。

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4位に中谷潤人、王者の中で最も評価が低い、という位置に甘んじています。決定戦での戴冠であり、その時の相手もジーメル・マグラモ(フィリピン)という世界的には無名な相手、これは致し方ありません。

しかし、今度の相手は元世界王者で、名のあるアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)。このアコスタ相手に良い勝ち方をして、本場アメリカのボクシングファンに見せつけてもらいたいものです。

5位はお馴染みモルティ・ムザラネ(南アフリカ)。ノニト・ドネア(フィリピン)に敗北したものの、それは2008年と10年以上前の事。その後ゾラニ・テテ(南アフリカ)やジョンリエル・カシメロ(フィリピン)に勝利、先日まで保持していたIBFタイトルは日本人を相手に3度防衛と、未だ強さを見せていました。

 

しかしムザラネも39歳、引き際は近いはず。

2021年4月、サニー・エドワーズに虎の子のタイトルを明け渡し、今後は去就も注目されます。

6位はリカルド・サンドバル(アメリカ)。まだ22歳という若いボクサーで、2016年6月にプロデビュー、ハイペースで試合を続けた同年11月、5戦目で初黒星を喫しています。(2-0の判定負け)

ここから持ち直したサンドバルは、その後15連勝。フリオ・セサール・マルティネス相手に判定まで粘った世界挑戦経験者、ジェイ・ハリス(イギリス)を8RKOで沈めたのが最新試合で、2021年6月のことです。現在までで6連続KOを記録、とにかく超攻撃的、とりわけロープに詰めた時のフルスイングっぷりは見ていて爽快なものがあります。

 

こちらも試合が非常に面白いボクサー。

7位はクリストファー・ロサレス(ニカラグア)。比嘉からタイトルを奪ったロサレスは、2度目の防衛戦でチャーリー・エドワーズに敗北して陥落。そのエドワーズは前述の通り結果的に返上、ロサレスはフリオ・セサール・マルティネスとの王座決定戦のチャンスを掴むも、敵わず。その後2020年に2戦して2勝しています。

まだ27歳、巻き返しは可能だと思います。

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8位にアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)。前ライトフライ級の王者は、やはりリング・マガジンからも一定の評価を得ています。ただ、フライ級での実績はまだ1戦、初の判定勝利ということで階級への適応具合はどの程度か。

ライトフライ級からフライ級への転級は、重量級と違い体重幅は1.8kg。おそらくまだ、アコスタの強打は健在でしょう。

9位はマックウィリアムズ・アローヨ(プエルトリコ)。誰もが認める実力者で、強豪であるにも関わらず大事なところで星を落とし、結果に恵まれなかったアローヨは、前戦でとうとうWBC王座を暫定ながら獲得。プロキャリアはもう11年になるんですね。

WBAの代わりに王座を乱立しているWBCの恩恵を受けた形ですが、正直今の王者たち相手には厳しい戦いになるかもしれません。もうひと花、咲かせられるか。

 

10位はジャクソン・チャウケ(南アフリカ)。勉強不足でした。。。このボクサーは知らない。ということで映像を見ると、かなり大味なファイター。南アフリカのタイトルや、地域王座をコレクトしています。

身体能力は高そうで、最新試合こそ煮え切らない感じの試合をしているものの、結構なフルスイングで振っていくパンチには威力がありそうです。

映像はどの映像も、定点カメラで撮影しているような映像なので、臨場感は伝わりません。

メジャーではないにしろ、リング・マガジンのランキングで10位にピックアップされているということは、なにかを持っているボクサーなのかもしれません。

ただ、もう36歳。先はもう、そんなに長くないかもしれません。

さて、ということでリング・マガジンに認定されたフライ級の10傑を見てみました。それぞれの団体の王者たちの実力は非常に高い。

 

フリオ・セサール・マルティネス、サニー・エドワーズ、アルテム・ダラキアン、そして中谷潤人。中谷は、こうして4人の王者の名前を並べ立てても遜色はありませんが、まだ飛び抜けてはいない、とも感じます。

ムザラネはここから強くなる、という可能性はほぼないと思われますが、リカルド・サンドバルあたりはまだまだ化ける可能性もありますし、アコスタはもちろん、ロサレス、アローヨも衰えたわけではないのでまだまだ怖さもあります。

中谷は、アコスタを退けたあと(退ける前提で)、どのような道を歩むのか。

 

体格、年齢からするとまだまだ身体は大きくなり、おそらく日を追うごとに減量は苦しくなっていくのでしょう。

自然な形で階級をさっさと上げるのか(無理はしないでもらいたい)、それとも次戦、フライ級にとどまるのか。

仮にスーパーフライ級に上げたとしても、世界挑戦のチャンスはしばらく巡ってこないことは明白。それに拘って、無理をしてフライ級にとどまる、というもよくありません。

私が悩む事ではないことは重々承知ですが、悩ましいですね。

個人的には、もう少し、無理をしない範囲でフライ級に留まり、マルティネス戦も見てみたいし、ダラキアン戦も見てみたいし、サンドバル戦も見てみたい。

 

ともあれ、そう遠くないうちに階級アップを考えるであろう中谷潤人は、もしかするとフライ級最強を証明する前に、階級を上げなければならないかもしれません。

そうすれば、次に控えるのは、ユーリ阿久井政悟、山内涼太、畑中建人。これらのボクサーには、国内で潰し合う事なく、世界にたどり着き、世界のトップ戦線でしのぎを削ってもらいたいと思っています。

いずれにしろ、まだまだ楽しみなフライ級、今後も非常に楽しみです。

 

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