信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

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【観戦記】アンソニー・ジョシュアvsオレクサンドル・ウシク!スタジアムファイトonDAZN!

日本時間では9/26(日)、早朝。

イギリスのトッテナム・スタジアムに集まった観衆はなんと65,000人。羨ましい。。。のひとことですね。

ちなみにこの試合のチケットはたった24時間で完売とのこと。とんでもない人気です。

日本にもはやくボクシングに満員の観客が戻ってほしいと思いますし、12/28はスタジアムファイトを期待しています。

さて、今回のブログではアンソニー・ジョシュアvsオレクサンドル・ウシク、WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一タイトルマッチをメインに据えた、マッチルーム興行の観戦記です。

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↓プレビュー記事1

boxingcafe.hatenablog.com

↓プレビュー記事2

boxingcafe.hatenablog.com

9/25(日本時間9/26)DAZN

カラム・スミス(イギリス)27勝(19KO)1敗

vs

レニン・カスティーリョ(ドミニカ共和国)21勝(16KO)3敗1分

カネロに敗れて以来の再起戦となるスミス。あまり話題になっていないのは、対カネロに期待されたスミスが、結果何も出来ずに敗れ、期待外れに終わったからなのでしょうか。

再起戦はライトヘビー級に転級しての初戦、ドミトリー・ビボルに挑戦(ほぼフルマークの判定負け)経験のあるカスティーリョが相手。

 

初回。スミスの体格は、ライトヘビー級に上げても全く見劣りしないどころか、カスティーリョよりも大きく見えます。そもそもスミスはこの階級が適正か?カネロ戦とは違い、強気のプレス。

ハイガードのスタイルからきれいなジャブを飛ばし、ワンツー、近づいては左右のフック。カスティーリョの反撃はしっかりとブロッキング、やはりこのボクサーは平均的な能力が高いボクサーです。

カスティーリョはやや腹がタプついた感じ、スミスのプレスにジリジリと下がり、アップセットの機運はありません。

2R、スミスはジャブ、ジャブで攻め込み、開始30秒を過ぎたところで飛び込みざまの右ストレートをヒット!

倒れたカスティーリョは脚が痙攣、そのままレフェリーはストップ!!

カラム・スミス、2RTKO勝利!

 

スミスはライトヘビー級転級初戦、再起戦で見事なTKO勝利を飾りました。カスティーリョは世界トップレベルに挑戦したこともある、それなりに評価されるボクサーであり、この勝利は大きいですね。

この階級でやっていけることを証明、そしてこのライトヘビー級をかきまわせる選手になれる可能性を見いだせた一戦だったと思います。

カスティーリョの具合は心配ですが。この次の試合ではキャンベル・ハットンが登場、辛くも判定勝利をあげますがこれは非常に微妙な判定。。。

 

WBO世界クルーザー級タイトルマッチ

ローレンス・オコリー(イギリス)16勝(13KO)無敗

vs

ディラン・プラソビッチ(モンテネグロ)15勝(12KO)無敗

ウシク後のクルーザー級を背負って立つ漢、オコリー。パンチングパワーに優れたこの巨人は、非常に面白いボクサーです。前戦のグロワキ戦は本当に見事でした。

クルーザー級で4団体統一を目指すオコリーは、今回も強さの証明ができるか。ただの防衛戦でつまずいている場合ではありません。

初回、オコーリーは右のガードをしっかりと顎につけ、プラソビッチの左を警戒しているように見えます。私も数少ないプラソビッチの映像を確認したところ、左フックに威力がありそうだ、と思ったので、そういうことかもしれません。

事実、プラソビッチの左フックのスイングは鋭い。

 

210cmのリーチを活かし、まずは長いジャブを投げていくオコーリー。プラソビッチは勿論、距離を詰めるタイミングを窺っています。

オコーリーのあの厄介なジャブに続いて飛んでくる迫力満点の右ストレートは、まだ当たりはしないまでも脅威。

2R、プラソビッチはやはり飛び込みながらの左フックを使ってきます。オコーリーも明らかに脚をつかったアウトボクシングをするわけではないので、距離が詰まりすぎてクリンチになってしまうこともしばしば。

終盤、右を打って飛び込んだプラソビッチに対して、オコーリーが右カウンター!かすったようなパンチに見えましたが、プラソビッチは効いてしまい、ダウン!

出た、理不尽パンチ。

最終盤にもオコーリーの巻き込むようなショートの右フックを被弾したプラソビッチ、ゴングに救われますが決着は近そうです。

 

3R、こくなるとオコーリーは強い右を狙っていきます。それでもちゃんと左を突いて、ボクシングをしようとしているところは個人的に好感が持てますね。

オコリーはクリンチ際、ボディを叩いて痛めつけたあと、大きなワンツーを空振り。そのあとに返しで非常に雑な左ボディ!

このボディが効いてしまって、なぎ倒されるようにリングに放り出されたプラソビッチ、レフェリーが10カウントを数え上げるうちに立つことはできませんでした。

ローレンス・オコリー、3RKO勝利!

やっぱり強いですね、オコリー。雑な面は多分にありながら、結局はパンチングパワーでなんとかしてしまうあたり、非常にエキサイティングで面白い。

 

このオコリーの試合は、外れがないとも思います。

今後、IBF王者のマイリス・ブリエディス(ラトビア)と戦いたい、と勝利者インタビューで言ったとか。

このオコリーvsブリエディスというのは非常に興味深いマッチアップですね。ブリエディスはウシクにしか敗けておらず、その次の年のWBSSクルーザー級で優勝したボクサー。現時点で、一応このクルーザー級の頂点といって過言ではないでしょう。

さしずめ、オコリーvsブリエディスはクルーザ級の頂上決戦。

どちらかというとブリエディスのボクシングはオコリーに比べて非常に丁寧、技術力はブリエディスの方が高そうです。

そこにオコリーの荒々しくも美しいパワーパンチが炸裂するのか否か。ブリエディスはステップも良いボクサーですが、リーチのあるオコリーに対しては、自ら踏み込まざるを得ませんので、プレスが必要になってくると思われます。

実現したら、楽しみです。

 

WBAスーパー・IBF・WBO世界統一ヘビー級タイトルマッチ

アンソニー・ジョシュア(イギリス)24勝(22KO)1敗

vs

オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)18勝(13KO)無敗

そしていよいよ、本日のメインイベント。

リングアナウンサーがマッチルーム御用達のディアマンテさんから、マイケル・バッファー氏に変更です。

スタジアムを埋め尽くした観衆、ドローンでの撮影でしょうか、ものすごい人、人、人。

ウシクはフルフェイスのマスク?をかぶっての入場です。非常に落ち着いており、雰囲気がありますね。

続いてアンソニー・ジョシュア、AJの入場は非常に派手。アイドルのコンサートみたいです笑このスタジアムに集まった観客はほとんどがAJの応援、これは本当にすごい。

 

リングに揃った両雄、いよいよゴング。

初回。やっぱりサイズはかなり違う。動くウシク。AJもしっかりとガードを上げて、ウシクのスピードに対抗しようとしているように思います。

互いにジャブで様子を見ながら、ウシクはいくつか懐への入り方を試しています。ジョシュアは非常に基本に忠実なジャブ。

ラウンド後半、ウシクはサイドへのステップが出てきて、浅いながら踏み込んでの左をヒット。様子見の段階ですが、ヘビー級にあるまじきキビキビとした動きの両者、好試合が期待できます。

2R、ウシクは上体の動きも出てきて、ポジショニングもやはり絶妙。ボクシング全体のテクニックといえばウシクに分があります。しかしAJも悪いわけではなく、そしてやはり体全体のパワーはAJが上回る分、ペースを奪われたとしてもすぐにひっくり返せそうです。AJはジャブもよく出て、ウシクの前進を阻みます。

 

ただ、サウスポースタンスからのノーモーションの左ストレートはやはり効果的、最短距離でまっすぐでるこのウシクの左は幾度かヒットしています。

3R、AJの攻撃を小さなバックステップ、サイドステップで躱してからのウシクのコンビネーションが素晴らしい。このままいけばウシクは勝てそう、と思えるほど、中間距離での攻防を支配しているように見えます。

しかしここは敵地、ポイントはわかりません。

このラウンド終盤、ウシクの左ストレートで、ややよろめいたようにも見えたAJ!ここで詰めたウシク、完全にこのラウンドを支配しています。これはいけるんじゃないか??

もちろん、一発もらってしまえばわからなくなるので、細心の注意を払わなければいけませんが。

 

4R、少し落ち着いた展開、AJの右がウシクのガードの上に上がって、会場は大歓声。これが採点の影響を与えなければ良いな、と思いますが、ここまで、そんなに余裕はないものの、どちらかというと思い通りに戦えているのはウシクだと思います。

5R、ウシクはジャブも良いですが、AJのジャブにあわせるように打つクロスカウンターぎみの右フックも良いですね。AJはこれで攻めにくそう。

このラウンドは少々距離が近くなったのか、攻めなければならないウシクが打ち気に逸っているのか、AJのパンチも届くようになっています。

ガードの上からでも、致命打になりかねないAJのパンチは危険。とはいえ、ウシクにとってここは敵地であり、ディフェンシブだと勝てない可能性があります。

 

6R、おそらくはじめて明確に、AJのジャブできれいに顎を跳ね上げられたウシク。体格差、というのは後半に出てくることが多いように思いますが、様々な面を考慮すると、後半、苦しいのはウシクなのかもしれません。

ウシクのコンビネーションは素晴らしく、脚もよく動きますが、AJはリング中央にどっしりと構えてプレスをかけ、いくつかの右を痛打。ウシクはかなり厳しい展開です。

7R、このままAJのペースになるのか、と思いきや、このラウンドウシクは奮戦。サイドのステップを駆使、細かいコンビネーションでジョシュアを下がらせ、後半にはAJが体勢を崩したところに左ストレートをヒットさせAJは後退。効きはしないまでも、ジャッジ、会場の目には効果的に映ったと思います。

8R、あっと言う間に後半。AJはプレスを強めているように見えます。ウシクはAJの攻撃に対応したあと、間髪なくコンビネーションをリターン。しかしこのラウンド、ウシクのコンビネーションの的中率はあまりよくありません。

攻勢点でAJという雰囲気か。

 

9R、ハイレベルな攻防は、どちらにもクリーンヒットを生みません。AJのジャブは良いですし、ウシクが中に入った時のリターンも速い。

しかし、ウシクはAJのパンチにしっかりと対応した上でコンビネーションでリターン。

ここまでのポイント差は微妙ながらウシクが優勢でしょう。しかしここはイギリス、しかもセミセミでハットンJrは微妙な判定で勝利しています。ウシクはこのままで大丈夫、という保証はあまりありません。どちらかというと、ラスト3R勝負のような気がします。

10R、ウシクがプレスを強めます。非常に危険ですが、行くしかない、という判断かもしれません。

 

AJはまってましたとばかりに、入ってくるウシクに対して強いパンチを振るっていきます。ウシクはこの近い距離でも、AJのパワーパンチをもらうわけにはいきません。

11R、開始早々にウシクがチャージ。AJはどちらかというと手数で攻められて弱いところが散見されます。とはいえ、ウシクの手の届く距離はAJは当然届く距離、常に危険がつきまとう距離でもあります。

単発気味なAJに対して、ウシクはその後にコンビネーションで攻め込み、数段階で攻め込んでくるウシクにAJはディフェンスの反応が遅れます。終盤もいくつかの左ストレートをヒットしたウシク、ここは優勢に思います。

ラストラウンド!ウシクはAJのジャブを外し、サイドからしっかりと攻撃。AJはこの多角的、かつ連続的な攻撃に反応できず、明らかにクリーンヒットで上回るウシク。

 

後半、AJの危険な右を浅いながらも浴びたウシクですが、すぐさま左で逆襲。逆にAJを下がらせ、追いかけます。最終盤、いくつものパンチを効かせたウシクは、ラッシュ!!ここはAJは既にグロッギーか、レフェリーも近くにきて見守ります。

ここで最終ラウンド終了のゴング!!

判定は、117-112、116-112、115-113で、オレクサンドル・ウシク!!!

ウシクが3-0、ユナニマスの判定勝利を上げました!

いやこれは素晴らしい!

ウシクはその技術の高さを存分に発揮、体格では大きく上回るジョシュアに的確にパンチをヒットし、見事3団体統一王者に輝きました。

序盤、ややウシクのペースで進みましたが、中盤に入ってジョシュアも逆襲。ジョシュアに流れが傾きかけたところで攻勢に出てそれを許さず、最終回にはジョシュアを完全に打ち負かして見せました。

これでウシクが敗北したならば、目も当てられませんでしたが、イギリスのジャッジは公平でした。日本、イギリスのジャッジは信用出来るイメージですね。アメリカ、メヒコと違い。

 

しかし、敗北したAJはさっぱりし過ぎだと感じますね。

ウシクのことをしっかりとリスペクトしている、というのはあるかもしれませんが、最終盤、AJはもっともっと強引に出るべきだったのではないか、と思います。

体格の利を活かさず(もしくは活かせず)、ウシクのやりたいようにやられてしまったような感じ。もっと身体ごと押していき、多少ダーティに映ったとしても勝つためには行くべきではなかったか、と結果論ながら思います。それとも、勝てたつもりだったのか。

そしてウシク、これは「奇跡」と言ってはいけないのかもしれませんが、クルーザー級のボクサーが、ヘビー級「最強の一角」である王者を打ち破って王者になった、ということは過去に例はありません。

 

ヘビー級転級後のウシクのボクシングを見て、体格面でのディスアドバンテージは明らかであり、正直厳しい戦いになると思っていました。

勿論ウシクも楽勝ではなく、AJのパンチングパワーを警戒しながらのボクシングだったことは否めませんが、文句なしにヘビー級王座を奪ったこの功績は大きい。見事AJを攻略した、という言葉が正しいか。

ウシクはボクシングIQに優れ、ヘビー級のトップでも戦える、ということを証明しました。

今後、このヘビー級でも4団体統一をなし得るのであれば、史上初の偉業、そして今後もしかすると誰も届かない領域に入っていく可能性があります。

下の階級から、ヘビー級王座を獲得する、ということだけでも十分偉業。それも、なるべく与し易い相手を選ぶ、というのが定石ではありますが、時代が悪かったのか、もしくは良かったのか、ウシクの選んだ相手はAJだったのです。

この一戦には再戦条項があり、来年の2〜3月頃に再戦の可能性がある、とのこと。

 

AJがなにかを変えなければ、同じ結果になり得ます。

アンソニー・ジョシュア、勝ち続けることを課されたイギリスのスーパースターの、今後の決断や如何に。

個人的には、ウシクとの再戦よりも、2週間後に控えるフューリーvsワイルダーの敗者とAJ、そして勝者とウシクがやってくれれば一番良いと思ってしまいます。

ともあれ、ウシクは素晴らしかった。ところで、イギリスの観客は応援していたスーパースターが敗けても悲壮感がなくて良いですね。日本だとシーンとなっているところでしょう。こういうところは見習いたいものです。

 

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