信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

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【観戦記】ブランドン・フィゲロアvsスティーブン・フルトン!今後のスーパーバンタムを占う重要試合!

11/28(日)の興行の視聴も道半ば。

国内興行も大変興味深い試合が出揃ってはいるものの、やっぱり先に海外興行。

ここ数年は国内興行も見れる試合が増えてきましたが、基本、地方のおじさんボクシングファンの基地はWOWOWなので、やっぱりボクシング=海外、となってしまいますね。

ここ最近はオンデマンドでの生配信も出てきて、更にそれがアーカイブも残るようになって、嬉しい限りです。月額2,500円くらいでこれだけ見れるのは本当にありがたい。

さて、今回のブログは、WOWOWオンデマンドで生配信されたWBC・WBO世界スーパーバンタム級統一戦、ブランドン・フィゲロアvsスティーブン・フルトンをメインとしたPBC興行の観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

↓同日行われたロペスvsカンボソス、尾川堅一の戴冠試合はこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

11/28(日)ラスベガス

ゲイリー・アントニオ・ラッセル(アメリカ)18勝(12KO)無敗1NC

vs

アレクサンドロ・サンティアゴ(メキシコ)24勝(13KO)2敗5分

バンタム級、というと真っ先に思い浮かぶのは、「井上尚弥の対戦相手としどうか」ということ。ファン・カルロス・パヤノを負傷判定で破り、エマニュエル・ロドリゲスとは開始直後にノーコンテスト、それでもラッセル家のプロスペクトということで期待してしまうアントニオ。

なんとか良い勝ち方をして、井上尚弥に対しても、「このボクサーなら良い試合ができるんじゃないか」というところを見せて欲しい。

注目のバンタム級戦、ゴング。

 

ラッセルはかなり大きいですね。長い距離からのジャブでサンティアゴはなかなか中に入れません。サンティアゴは頭から入る等、工夫をしますね。ともにクリーンヒットはほぼありません。

2R、サンティアゴも非常に距離感に優れ、ラッセルの長いパンチも距離で外します。ただ、やはりサンティアゴとしては中に入らないと自分のパンチは届きません。

後半、ようやく訪れた接近戦のチャンスにはサンティアゴはパンチをまとめてその力を示します。ブルファイターではありませんが、このあたりの接近戦での戦闘は、やはりメキシカン。

3R、徐々にジリジリと下がってしまうラッセル、ロープには詰まりたくないところですね。終盤は接近戦を仕掛けるサンディアゴを迎え撃ったラッセル!打ち合いでこのラウンドが終了です。

4R、ラッセルの方がヒット率は上に見えますが、サンティアゴは退きません。このラウンドも終盤は打ち合いに発展、ラッセルも気が強いですね。

 

5R、徐々に近い距離での攻防が多くなってきます。サンティアゴはチャンス。

6R、それでもラッセルは思い切り振る分、ラッセルのカウンターは怖い。中盤にサンティアゴのボディがラッセルにヒット、これが少し効いたように見えます。その後ロープに詰まる場面が多いラッセル。

7R、前半に軽いワンツーを好打したラッセルですが、接近戦に巻き込まれると良くありません。ローブローによる中断もありますが、プレスをかけ続けるのはサンティアゴ。

8Rも同様にプレスをかけるサンティアゴ、やはり接近戦の時間が長く、その分ラッセルはロープを背負っています。

9Rはリラックスした状態からラッセルのカウンターが冴えます。サンティアゴはやや強引な踏み込みからの攻撃を敢行。

ラストラウンドはサンディアゴが前に出ますが、ラッセルもアグレッシブ。距離が詰まっての打撃戦の展開となります。後半、接近戦でのカウンターで左を効かせたラッセル、その後の打ち合いでも優位に立って最終ラウンドゴング。

判定は95−95のドローが1人、96−94が2人で勝者はゲイリー・アントニオ・ラッセル!

 

これはラッセルにとってかなりの苦闘。サンティアゴはアップセットを起こす気満々で挑んできて、それをラッセルが辛くも退けた、という感じの内容でした。ラッセルには井上尚弥への挑戦という意味で大勝を期待していましたが、ちょっと難しそうですね。

ライース・アリーム(アメリカ)18勝(12KO)無敗

vs

エドゥアルド・バエス(メキシコ)20勝(7KO)1敗2分

WBA世界スーパーバンタム級暫定王者となるも、WBAの都合で剥奪されてしまったアリーム。暫定王者は王座剥奪とともにトップコンテンダーとなり、指名挑戦権を獲得できるはずでしたが、このアリームに対しては指名挑戦者決定戦の指令が降りました。

 

その指令(アザト・ホバニシャン戦)はこの試合の直前にオーダーされ、アリームはこれを受けず。WBAのランクは下がってしまうことが予想されます。

ホバニシャンを回避したのか、WBAに叛旗を翻したのか、心持ちはよくわかりませんが、この難敵バエス戦を選んだアリーム。ここは力を示してもらいたい一戦。

初回からアリームはスピードを活かし、ステップワークとコンビネーションで攻め込みます。きっちりとガードを固めたバエスは打ち合いの得意なメキシカン、攻め込んでくる方がやりやすいでしょう。

2R、アリームの上下の打ち分け、アッパーを含めたアングルを変えたコンビネーションは素晴らしいですね。しかしバエスも隙をついて右ボラードをヒット、意地を見せます。

 

3R、基本的にはアリームが試合を作っているイメージですが、バエスは単発ながら強いパンチを返します。中盤にアリームは右から左をヒット、バランスを崩してぐらついたバエス。

4R、アリームはやや大振り気味か。フォロースルーを効かせていますが、ミスブローの後にバエスは反撃。バエスのパンチもかなり大きいですが、アリームはこの外側から回すパンチにあまり反応がよくありません。

5R、ともにかなり大振りになってきて、単発のパンチの交換。ともに上体を使って相手の大きいパンチを外します。互いに単発、かなり大味な試合になってきました。

6R、バエスは良くも悪くも変わらず、ハイガードから大きなパンチを振るいます。このラウンドバッティングでバエスがカット。カットの後は少々集中力が切れたように見えるバエス。もしかすると、アリームの左ボディの効果もあるかもしれません。

 

7R、このラウンド序盤にはアリームが思い出したようなコンビネーション。バエスはバックステップが多くなっており、そうするとアリームが俄然勢いに乗ってきます。

8Rも同様に、アリームのコンビネーションが目立ちます。しかし9R、バエスがかなりプレストを強め、攻め入ります。しかしこのバエスの突進に対してアリームがカウンターをヒット!ぐらついたバエスはかなりのダメージを被ります。

しかし、アリームもかなり苦しそう。攻め入るパンチに勢いはありません。

ラストラウンドも前半にバッティング、バエスがまたも出血か。ともに疲労、ダメージでヘロヘロになりながらも意地でパンチを出し合い、終了。

判定は95−95、96−94、98−92の2−0の判定でライース・アリーム。

 

今回のアリームは一言で言うと非常に雑でしたね。もっともっとポテンシャルのあるボクサーだと思っていましたが。

倒してやろう、力の差を見せつけよう、とする思いが強すぎて、単発気味になり、本来の出来とは程遠かったように思います。折角獲ったWBA暫定のタイトルを剥奪されて自棄になっている、とかではないと思いますが、今後どこかの王座へ挑むとするならば心配となるレベル。

WBAはホバニシャンが指名挑戦者、その次に亀田vsパレホの勝者と順番待ち。IBFは勅使河原弘晶(とマーロン・タパレスの勝者)が控えていますので、挑むならWBCかWBO、つまりはメインのフィゲロアvsフルトンの勝者、でしょうか。

WBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ

ブランドン・フィゲロア(アメリカ)22勝(17KO)無敗1分

vs

スティーブン・フルトン(アメリカ)19勝(8KO)無敗

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さて、いよいよ注目の一戦。日本のヒーロー、ブランドン・フィゲロアが統一戦に臨む大一番。評価の高いフルトンの方がオッズは有利ですが、きっとフィゲロアがやってくれる、と信じて応援します。

初回、フルトンは意外と距離を取ってこず、フィゲロアは頭の位置を細かく動かしながら前進。距離が詰まるとフルトンはフィゲロアの腕を絡みとり、フィゲロアのショートパンチを封じます。初回から頭を付け合うくらいの距離、距離としてはフィゲロアですが、クリーンヒットはほとんどありません。

2R、フィゲロアは前進しますが、この入り際にフルトンのパンチが入ります。それでも気にしないフィゲロア、この圧はやはりすごい。スロースターターのフィゲロアにとって、この辺りでパンチをもらうことはまだ想定の範囲内でしょう。

後半、フィゲロアが体ごとロープに押し込む場面が増えてきますが、フルトンも押し返して終了。

 

3R、当然前進するフィゲロアと、それを受けて立つフルトン。接近戦での上体のアクションではフルトンの方が上手く、フルトンのクリーンヒットの方が多い印象です。

しかし、フルトンはこのままフィゲロアの土俵で行くつもりでしょうか。

4Rもノンストップで攻め込むフィゲロア。フルトンは下がりつつ対応する序盤から、上体の動きとコンビネーションで打ち合う中盤、後半も足を使っているイメージ。フィゲロアは顔面にパンチをもらいながらもフルトンのボディを叩きます。

5Rもバチバチの打ち合い。フルトンは前半良いが、このフィゲロアの土俵ではやはりフィゲロアの方が馬力に優れ、ラウンド後半はフィゲロアに分があります。

6R、接近戦でも強弱のコンビネーションを打てるのはフルトンの強みですが、とにかくフィゲロアの手数は止まりません。フルトンはそのフィゲロアの手数に押され、この試合序盤のラウンドに比べ手数が減っているような気がします。

7R、このラウンドも頭をつけての打撃戦。フルトンも退きません。

 

8R、ラウンド前半はフルトンが微妙なバックステップを駆使してカウンターを巧打。疲れなのかダメージなのか、やや足元がふらつくフィゲロア!しかし後半はボディの打ち合い、終盤はフィゲロアがフルトンをコーナーに釘付けにしてボディを乱打!

なんというシーソーゲーム。。。

9R、頭をつけての打ち合い、フルトンはフィゲロアの入り際にパンチをヒット、印象的なパンチを当てるのはフルトンですが手数は圧倒的にフィゲロア。

10R、ここもやはり打撃戦、2分頃にとうとう下がったフルトンに対してフィゲロアはラッシュ。

11R、フルトンはサイドステップを多用、フィゲロアのプレスからエスケープを試みます。フルトンが本来のボクシングに戻しますが、中盤を過ぎた頃にはやはりフィゲロアに捕まり、ロープを背負う場面が多くなります。

 

ラストラウンド、フィゲロアはやはり前に出て、フルトンは前ラウンド同様にボクシング。しつこくしつこく追っていくフィゲロア、ロープを背に動き続けるフルトン、ともに素晴らしいスタミナを持っていますね。

会場は大歓声、12Rにわたる大熱戦が終了。

判定は、114−114が1人、116−112が2人でクールボーイ・ステフ。

判定はどちらに転んでもおかしくないかな、と思っていましたが、フルトンを支持。接近戦、押していたのはフィゲロアで、やりたいボクシングができていたのもフィゲロアでしたが、フルトンは近接戦闘でも頭の位置、コンパクトなコンビネーションを放っており、クリーンヒットでは上回っていたようにも見えました。

それにしてもフィゲロアの手数はやばい。

 

このフィゲロア相手にフルトンがなぜ、接近戦を受けて立ったのか。

ただの奇襲だったのか、それともあの距離でフィゲロアを打ちまかそうとしたのか。

いずれにしろ、11R、12Rあたりに見せたボクシングがフルトンの本来のボクシング。ステップとスピードを活かし、カウンターをとるやや待ちとも言える戦法で、これが現在アメリカでは主流とも言える戦法だと思います。

試合終了後、フィゲロアはフルトンに詰め寄っていましたが、気持ちはわかります。しかしフルトンに詰め寄ってもどうにかなる問題ではなく、文句があればジャッジやコミッションに正式に抗議をしなければいけませんね。

フィゲロアはとんでもないファイティングスピリットを見せましたが、フルトンに届かず。フルトンの戦略がどうあれ、きっと結果は変わらなかったと思います。残念ですが。

 

フィゲロア、あそこまでパンチをもらいながらも動きが落ちないスタミナと、あの痩身でのタフネスは説明がつかないほど。彼もまた、ある種の怪物の1人です。

フルトンは今後、4団体統一へ向かうのでしょうか。個人的には、vsアフマダリエフであれば、アフマダリエフ優位かと思います。フィゲロアのパンチはさほどでもありませんが、アフマダリエフは硬質なパンチを持っており、当て勘、スキルにおいてフィゲロアを大きく上回ります。そのアフマダリエフを12R空転させ続けることは、フィゲロアを空転させ続けることよりも難しく、後はフルトンのアゴの強さ(強そうですけど)次第のような気もします。

いずれにしろ、今後のスーパーバンタム級も楽しみです。

 

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