信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ジャーボンタ・デービスvsイサック・クルス!ライト級パンチャー対決!

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現地時間で11/27(土)から始まったライト級世界戦線の2週間!

テオフィモ・ロペスvsジョージ・カンボソスjrのビッグアップセットにはじまったこのライト級戦線は、12/4(土)にデビン・ヘイニーがジョセフ・ディアスを順当に撃破。

そして第3戦目、と言って良いのか、注目のタンクが登場です。

しかも相手は世界最強の闘犬、「ピットブル」のニックネームを持つイサック・クルス。ハードパンチの打ち合いが見られるであろうライト級最高のパンチャー対決、これは非常に楽しみですね。

ShowtimeのPPVでは全4試合ながら、WOWOWではセミとメインのみの2試合。しかし、80$近くするPPVをタダ同然で見せてくれる訳ですから、何の文句も言えません。

ということで今回のブログでは、タンク・デービスvsピットブル・クルスをメインに据えたShowtime興行、WOWOW観戦記です。

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WBC世界スーパーウェルター級挑戦者決定戦

セバスチャン・フンドラ(アメリカ)17勝(12KO)無敗1分

vs

セルヒオ・ガルシア(スペイン)33勝(14KO)無敗

「タワーリングインフェルノ」フンドラ、197cmという身長は、あのマッチルームのエディ・ハーンと同じくらいです!たとえを間違えましたが笑、ヘビー級並みです。リーチに至っては2m超えということで、とんでもない体躯を誇りますね。

そのリーチに頼らない不思議なボクシング。

対して33戦全勝というガルシア、ここのところアップセットを起こし続けているスペイン人ボクサー。

初回、ガルシアは最初からガンガン行きます。フンドラは定石通り右ジャブを飛ばし、入ってくるガルシアに左アッパー。痩身長躯のフンドラはフックも非常に遠くまで届きますね。これは脅威。

後半、フンドラは左アッパーから左ストレート!ガルシアは顔をのけぞらされます。そんな中でもガルシアは恐れなく踏み込み、強いパンチをコネクト。初回からバチバチです。

 

2R、ガルシアは体も強そうですね。ガードをしっかりと固めて大きなパンチを振っていきます。手数、アグレッシブネス、そしてパンチングパワーを持っている良いボクサーです。

フンドラはこのガルシアのしつこいアタックに、嫌がっているように見えます。

3R、フンドラはやや距離をとりながら対応。ジリジリと下がり、ストレート系のパンチでガルシアを突き放しにかかります。ガルシアは臆さず距離を詰め、フンドラの顔面にもパンチを届かせます。

4R、フンドラの長い右ボディ、そして左アッパーが印象的ですが、ガルシアのタフネス、ラッシングパワーとスタミナはなかなかのもの。中盤にガルシアは左フックをヒットしてフンドラを下がらせると、後半にも右をヒット!

ガルシアは左目上から出血も、その闘志は全くおとろえません。フンドラはやや押され気味か。

5R、序盤からフンドラはガルシアの距離からぬけだせません。あまりにも近い距離だとガルシアの方が自然と頭が低く、当然重心も低く、優位に接近戦を進められます。

後半に入るとフンドラがバックステップでスペースを作り、反撃。

 

6R、やはり序盤は距離が詰まり、後半にはガルシアの突進が衰えるのか、中間距離での攻防。

7R、フンドラはジャブを突き、右フックをつかってガルシアの突進をいなします。その後はまた接近戦、両者ゆずりませんが、押す体の強さはガルシアか。終盤にガルシアがチャージ。

8R、フンドラはジャブ、そしてステップワーク。やや不恰好には見えますが、恵まれた長身、リーチはやはりこういうボクシングがぴったりです。本来と違う戦い方をするガルシアは、若干鋭い踏み込みが落ちてきたか。

9R、フンドラのパンチは序盤の力強さを有していない、というかストレート系のパンチは突き放す系のパンチで、キレというものは少ない。ガルシアのパンチはまだまだパワフル、ただあまり接近戦をしかけられてはいません。

10R、フンドラはジャブとストレートで突き放し、接近戦には付き合いません。終盤にも左ストレートをヒット、ガルシアは少し疲れてきたか。

 

11R、中間距離、接近戦と場所を変えつつも打撃戦。ともにクリーンヒットを奪いながらの3分間。フンドラもかなり苦しいか。ラストラウンド、ジャブ、ストレートを軸に接近戦では左アッパーから右フックをヒット。中盤にも左フックをヒット、遠い距離からの右フック、次々とパンチを当てるフンドラですが、ガルシアはタフ。

終盤、チャージをかけたガルシア、打ち合いの最中で左フックがカウンターとなってヒット、フンドラは腰が折れたようにも見えました。

シーソーゲームの一戦は、判定へともつれ込みました。

判定は、115−114、117−111、118−110でセバスチャン・フンドラ!!

 

かなりの接戦だったと思います。フンドラにとってはかなりの苦闘。しつこい圧に対してはやや弱く見えたフンドラ。スペイン人は非常に勇敢でした。

この戦い方を参考に、出入りが鋭い本物のブルファイターが来た時には、フンドラ危うし、となるかもしれませんね。

ところで採点はかなり割れましたね。セバスチャン・フンドラは生き残りましたが、この状態でチャーロへの挑戦と言われるとやはり心もとない。世界的に無名のガルシアは、フンドラへの善戦で評価を高めたとも言えます。

ガルシアは闘志、タフネス、スタミナを証明し、今後もアメリカのプロスペクトとの対戦で呼ばれる可能性があります。そうなった場合、フンドラよりも明確に勝利した、または負けた、様々あると思いますが、良い試金石のボクサーとなりそうです。

WBAレギュラー世界ライト級タイトルマッチ

ジャーボンタ・デービス(アメリカ)25勝(24KO)無敗

vs

イサック・クルス(メキシコ)22勝(15KO)1敗1分

選手コールの時から、会場はわれんばかりの大歓声。エキサイティングな両者による、ライト級タイトルマッチです。

KO必至のパンチャー対決、否が応にも盛り上がりますね。

クルスは初回からガンガンいくでしょうし、タンクはどこかでビッグパンチを当てるでしょう。大注目のライト級戦、ゴング!

 

初回、思った通りクルスがいきなり仕掛けます。飛び込んでの左フックをヒット!タンクはジャブをつきながらサークリング 。クルスはガッチリとガードを固めて前進、ジャブでの鋭い踏み込みから右ボディ、顔面への左フック!やはりこの圧は怖い。

タンクはクルスの入り際にアッパーで反撃、これも怖い。これは好試合となりそうですね。

2R、クルスの突進力は恐ろしい。大きな踏み込みでリングを横断します。タンクは左アッパー狙い、このアッパーも精度が非常に高い。中盤にはタンクが右アッパーもヒット。

後半にはクルスが右オーバーハンドから強い左フック!目まぐるしく変わる展開、ともに一発で倒すパンチがある分、本当に瞬き厳禁です。

3R、クルスはジリジリとプレス、ヘッドムーブも素晴らしい。タンクはこのラウンド、下がりながらの右フックを多用。ただ、どちらかというと下がっているというよりも下がらされている、という展開か。

 

終盤はタンクの左ストレートがヒット、ふとした瞬間に強いパンチを飛ばせるのはタンクの強み。

4R、クルスはプレスをかけて執拗なボディ。タンクのボディムーブ、ステップワークは良いですがクルスの踏み込みも鋭い分、このボディは届きます。

タンク、右から左にステップを切り替えながらのアッパー、その後のポジショニング変更などは本当に感嘆します。やはりタンクは強いだけでなく巧く、速い。

5R、サークリング するタンク、右で距離を測り左を飛ばします。クルスはこの右が邪魔で飛び込むタイミングを逸していますが、近づけばこれでもかというほどの闘争本能を見せます。タンクは打っては離れを繰り返し、まるでマタドールのように戦います。最後も左ストレートをヒットしますが、これは固いおでこ。

上手く戦っている割にイラついているタンク。クルスのしつこさが原因でしょうか。

6R、タンクはステップワークを控えめに、やや近目の距離で応戦。クルスの攻撃に慣れてきた、見えてきた、ということでしょうか。

 

近い距離でも己のパンチのみを当て、クルスを空転させるタンク。近い距離でも押したり引いたり、上体をつかってかわしたりとタンクのスキルが光ります。

7R、タンクはちょっといつものように集中力が切れてきたか、リングサイドをチラ見。もしかしたらまたメイウェザーが怒っているのかもしれません。だからといって目の前の相手をないがしろにするわけではないのがこのタンクの不思議なところ。

やや距離を空けて、足を止めての打撃戦に突入したこのラウンド、クルスは鼻血を出す等ダメージを負ってきています。しかし右ボディアッパーは強烈。

8R、セコンド からの指示でしょうか、クルスのヘッドムーブが復活。しかしコンビネーションのスピードで勝るタンク、ワンツーフックをヒット。タンクはかなり狙っています。

 

クルスは、終盤にはアッパーを交えた良いコンビネーションを見せました。

9R、これはたぶんメイウェザーに怒られたタンク、プレス。しかしそれを感じたクルスが応戦、思い切り良くパンチを振り回します。

反撃にあったタンクはカウンター狙いに変更、今度はクルスがプレス。このラウンドも恐ろしいパンチが交錯するラウンド、この試合は本当におもしろい。映像に映ったメイウェザー、ご満悦笑

10R、開始と同時に攻め込むクルス。しかしちょっとスピードが足りないか。クルスの固いガードを打っても効率が悪いと感じているのかタンク、クルスの攻撃を待ちます。

後半にラッシュをかけたクルス、ここで左フックでタンクの顎を跳ね上げます!

11R、クルスはチャージを試みるも、タンクもプレス。クルスは疲労もダメージもあるでしょうが、しっかりとパンチを打っていきますね。この終盤にきて、やはり怖いボクサー。

 

中盤、利き手の左拳を痛めたのか、左手を振るそぶりを見せたタンク。それ以降、左は全く使いませんでした。

ラストラウンド、足を大きく使い始めたタンク。やはり左手は不調、タンクとしては早く終わってほしい心境か。

ほぼノーガードの状態からステップとボディムーブでかわし続けるタンク。クルスもカウンターを警戒する余り、攻め込みきれずに12Rが終了。

判定は、116−112が1人、115−113が2人、勝利はジャーボンタ・デービス!!

タンクは左拳を痛めていた、とのことでしたが、クルスによると5Rくらいから。。とのこと。真偽の程はわかりませんが、目に見えて左を使わなくなった11Rに、というよりも、その前から痛めていたのかもしれませんね。

ちょっとまた見返して見たいと思います。

イサック・クルス、この大舞台で出色の出来でしたね。素晴らしい圧はそのままに、スピーディな踏み込みと、今回はヘッドムーブが非常に良かった。タンクもカウンターはかなり打ちづらかったでしょう。

 

敗れたとはいえ、大方の予想を覆してフルラウンドを戦い抜いた事はきっと自信にもなり、これで過信になりさえしなければ、現在のライト級の4キングスとも名勝負を繰り広げてくれる可能性もあります。

タンクは今回、拳を痛めたということもありますが、クルスを相手に大苦戦という内容。特に序盤はクルスのプレスを持て余しているように見えましたね。ともあれ、今回の一戦でタンクが勝利できたのは、一番はタンクのボクシングIQにあると思います。

スピードにしろ、スキルにしろ、タンクが上回っているものは多いですが、やはり引き出しの多さとその引き出しを開けて、状況に応じて使い分ける事ができる、これを示せた一戦だったと思います。

もしタンクが、今後も階級を上げていくならばこの一戦は今後にとって非常に有益だったのではないでしょうか。いつかどこかで、パワーが通用しなくなったとしても、単発ながらもヒットアンドアウェーを繰り返し、勝利していくことができそうです。それくらい、速く、攻撃も防御もカンが良い。

今後も非常に楽しみですね!

来週のライト級戦は、ロマチェンコvsコミー!

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