1月のボクシング興行は、世界的にみても非常に少ない。これは毎年のことでもありますね。
「ビッグマッチがない」と嘆くなかれ、こういう時こそ普段あまりピックアップされないボクサーをピックアップするときです。Youtube、ネットに情報は溢れています。ビッグマッチじゃなくてもボクシングは楽しめます。
今回のブログでは、個人的に注目している1/7(日本時間1/8)に行われるフェザー級のプロスペクト対決、そして1/15(日本時間1/16)に行われるWBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ、ジョー・スミスJr.(アメリカ)vsカラム・ジョンソン(イギリス)のプレビュー記事を書いていきたいと思います。
1/7(日本時間1/8)フロリダ
ルイス・レイナルド・ヌネス(ドミニカ共和国)15勝(11KO)無敗
vs
カルロス・アリエタ(プエルトリコ)14勝(8KO)無敗
2018年に母国ドミニカ共和国でのアマチュア戦績を引っさげてプロデビュー。ユースの世界選手権に出場経験もあるようです。現在22歳とのことなので、プロ転向は18歳頃ということで、「ツイスト」というニックネームを持っています。
キレのあるパンチを放つタイプのハードヒッターで、結構グイグイとプレスをかけていきます。軽いコンビネーションというよりは一発一発を力強く打つ事が多く、その力強いパンチを連打できることも強みですね。
ディフェンスはバックステップとボディムーブ。ちょっとボディムーブ後に止まってしまう癖があるので、そこを狙い打ちされると被弾してしまいそうな感じがします。
前戦で無敗のプロスペクトだったジェイボン・ガーネット(アメリカ)との対決を制した分、アリエタよりも対戦相手の質で勝ります。
対戦相手のアリエタですが、こちらは映像を探しても30秒ほどの動画しかありませんでした。その中で見せていたのは、プレスをかけつつサイドステップで惑わし、逃げ道を塞ぎ、凶悪なボディで悶絶させたというフィニッシュ動画。これだけ見れば当然、素晴らしいボクサーに思いますね。対戦相手は負け越しのボクサーのようですけど。
ということで、アリエタにとっては真価を問われる一戦となりそうです。
いずれにしろまだまだ底を見せていないプロスペクト同士の一戦、これはなかなか好試合が期待できるのではないでしょうか。
放送・配信
残念ながら日本での放送・配信はなさそうですが、アメリカではShowtimeが生中継。今年一発目のShowtime興行ですね。
カードとしてはやや弱いですが、多くのプロスペクトが登場するこの興行は、ある意味新年一発目に相応しい、とも言えますね。
Showtimeでの放送カードは、「6名の無敗のプロスペクトが登場する」ということを売りにしているようです。
その他の放送予定のカードは以下の通りです。
ライト級8回戦
スターリング・カスティーリョ(ドミニカ共和国)16勝(12KO)無敗
vs
オタール・エラノシャン(ジョージア)10勝(6KO)無敗
スーパーフェザー級8回戦
エドウィン・デ・ロス・サントス(ドミニカ共和国)13勝(12KO)無敗
vs
ウィリアム・フォスター(アメリカ)13勝(9KO)無敗
メインに登場する二人を入れると、たしかに無敗のプロスペクトが6名登場します。
1/1(日本時間1/2)に行われたオルティスvsマーティンは見ていないので、私にとってはこの興行が2022年、最初にボクシング興行。
楽しみたいと思います。
↓どうしても海外試合を見たい、という奇特な方はこちらへ
2021年後半、見たい試合のほとんどをWOWOWが中継してくれたので、解約してしまっていたShowtime。再契約する時が来ましたね。(といっても、解約期間は1ヶ月に満たなかった笑)
続いて、2022年最初の世界タイトル戦、となるのでしょうか。WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ。
1/15(日本時間1/16)
WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ
ジョー・スミスJr.(アメリカ)27勝(21KO)3敗
vs
カラム・ジョンソン(イギリス)20勝(14KO)1敗
※1/7追記
カラム・ジョンソンにコロナ陽性反応。代役がたてられるとのことです。
※1/8追記
代役はスティーブ・ゲフラード(アメリカ)となったようです。18勝(12KO)2敗、デビュー2連敗から18連勝中。
もともと1/8に試合予定だったようですが、それをキャンセルして1/15のスミス戦に臨む、とのこと。
こんな試合を誰が組んだのか、というマッチアップ。ともに「超」がつくほどの激闘型のファイターであり、ディフェンス面にやや問題を抱え、ハードパンチと旺盛な手数、そして強靭なハートを持っています。非常に危険な戦いです。
間違いなく打撃戦になりますし、間違いなく根性比べのど付き合いになるでしょう。
スミスは2009年にプロデビューした32歳、2021年にマキシム・ウラソフ(ロシア)との決定戦を経て世界王座を初戴冠しましたが、これはものすごい大激闘でした。その前には元王者、エレイデル・アルバレス(コロンビア)を9RTKOで降すという殊勲を挙げています。
ジョンソンは2010年にプロデビュー、現在36歳。2018年にアルツール・ベテルビエフ(ロシア)に挑戦してダウンを奪う等健闘しますが、4RTKO負け。さすがにパワー差がありましたが、ベテルビエフ相手に臆する事なく前に出続けたジョンソンには、鬼気迫るものがありましたね。そこから3連勝して今回のチャンスを掴みました。
大激闘間違いなし、というこの一戦は、手数に勝るジョー・スミスJr.が若干有利かな?と思います。ジョンソンは守勢に回る場面があり、そうするとスミスはどんどん前に出てきます。
対してスミスはほとんど下がらず、接近戦のテクニックもあり、打ち合いの中でカウンターを取ったり打ち終わりを狙ったり、ということができますので、地力では上を行っていると思います。
ただ、スミスは嘱望していた世界王者となり、ジョンソンは2度目の世界挑戦、この「王者」と「挑戦者」という構図は、モチベーションの面において違いがあります。この試合に臨む意気込みとしては、ジョンソンの方が上、だからこそ侮れません。
とにかく、激闘必至のこの試合において、ふたりのボクサーがしっかりとリングを降りてくれる、それこそが一番の願いです。ともすれば危険を伴う、WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ、これは超楽しみです。
放送・配信
こちらの興行も、残念ながら日本での放送はありません(1/6現在)。アメリカではESPNでの放送なので、もしかしたら日本ではFITE.TVのPPVで放送されるかもしれません。最近はないですし、ベテルビエフvsブラウンが放送リストに乗りましたが直前でなくなる、ということもありました。
前日くらいにチェックすると良いかもしれません。
↓FITE.TVの配信試合のリストへのリンクです。
ちなみに、セミファイナルにはプロスペクト、20戦全勝14KOのエイブラハム・ノバ(アメリカ)が登場です。ノバは今回フェザー級リミットでのノンタイトル戦。基本的にはスーパーフェザー級、もしくはライト級リミットで戦ってきたノバですが、ここからはフェザー級でキャリアを築くのかもしれません。たぶんフェザー級では初戦だと思います。
ここ最近は2戦連続で判定決着、試合内容的にもあまりパっとしませんが、ここで大きく化けられるか。
対戦相手はサカリア・ルーカス(ナミビア)というボクサーで、37歳という年齢ですが25勝(17KO)1敗という好戦績。こちらも非常に楽しみですね!