信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】石澤開vs森且貴の日本ミニマム級戦!ホープたちが競演したフェニックスバトル!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

フジテレビが、フジボクシングの生配信に踏み切ってくれました。

最初は2021年11月の井上拓真vs和氣慎吾のタイトル戦でこれはメインのみ、そして続く12月は小原佳太vs玉山将也に加え、セミファイナルも生配信。

そしてとうとう、この1月からはアンダーカードを含む全試合の生配信。

これは非常にありがたいですね。

配信はFODプレミアムの配信なので、月額980円(税込)がかかりますが、やっぱり生配信はありがたい。

毎月の第二火曜日、奇数月はフェニックスバトル、偶数月はダイヤモンドグローブということで名言もしてくれているので、スケジュールも組みやすい。

今回のブログでは、1/11のフェニックスバトル、FODでの生配信の観戦記です。

 

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

1/11(火)フェニックスバトル

入場曲をちゃんと流してくれるのは気分を削がれなくて良いですね。このあたりはやはり、ネット配信とはいえどテレビがしっかりとつくってくれている感じがします。

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スーパーバンタム級8回戦

木村天汰郎(駿河男児)7勝無敗2分

vs

竹嶋海刀(勝輝)6勝(1KO)3敗1分

初回、まずはジャブの差し合い。木村は鋭いジャブから先手。ディフェンスも冴えています。竹嶋の入り際に左フックをバシバシと決め、ワンツーから左ストレートも良いですね。その他にもスウェー気味の体勢からの左フック等、竹嶋を寄せ付けません。木村、これは良い立ち上がり。

2Rも上体を引きながらの左フック、それが警戒されると右ストレートをヒットする木村。ここまで木村の良いところばかり、竹嶋は突破口を見つけたい。

攻めあぐねる竹嶋、入ろうとすれば左フック、中間距離では右ストレートをもらってしまっています。竹嶋がどうこうよりも、木村のタイミングの取り方、パンチの選択、これが素晴らしい。

3R、竹嶋が無理やり距離を詰めても木村はするりとかわしていきます。そしてふっと竹嶋が止まった瞬間にコンビネーション。竹嶋はストレートを外したい、ボディから攻めたいところでしょう。

 

このラウンド後半、木村の左フックでぐらついたように見えた竹嶋。木村は初のKOチャンスか?

しかしここで変に狙わないところが木村の素晴らしいところ。冷静です。

4R、木村は既に完全に距離を支配、たいして竹嶋は自分のパンチの届く距離を掴めていません。今までも木村の試合をいくつか見てきましたが、正直ここまで強かった木村は記憶にありません。

中盤、ボディムーブをうまくつかい、とうとう木村の内側に入ることに成功した竹嶋。効果的なパンチを当てることは叶いませんでしたが、これは一筋の光明か。

5R、竹嶋がかなりプレスを強めます。このラウンド、竹嶋のパンチがようやく届き始めました。しかし、やはりこのラウンドも木村のジャブと右が冴え、ステップワークも含めて竹嶋を寄せ付けず。

 

6R、ポイント的に後がない竹嶋、大きく上体を動かして接近、良いボディをヒット。竹嶋はやはりボディから攻めたほうが良いでしょう。それでも、このラウンドも木村が縦横無尽に動き、遠い距離からのパンチをヒット。

7R中盤には竹嶋のアッパーに対して木村の左フックカウンター。これは見事!これは効いたかと思いますが竹嶋は諦めません。

ラストラウンド、追う竹嶋と捌く木村。ここでもやはり木村のノーモーションの右は活きます。竹嶋は追いかけるのみで手を出せず、距離が近くなっても木村のディフェンスによりそのパンチは無効化。

規定の8ラウンズを終了し、リングに突っ伏した竹嶋。ほとんどパンチを当てることができず、いくつものパンチをもらった竹嶋、これは悔しいでしょうね。気持ちはとてもわかります。

 

ただ、褒めるべきは木村天汰郎。これは非常に上手かった、というか完璧なボクシングでした。恐ろしいノーランカーです。

これまで全試合を見てきたわけではありませんが、この日の木村のボクシングは、過去最高のパフォーマンスではなかったか。距離が詰まりすぎることもなく、遠すぎることもなく、ベストな位置から完全にモーションのない右を次々とヒット、相手が出てくればジャブや左フックでカウンター。この手足の速さとタイミングは素晴らしく、しかもまだ伸びしろのある23歳という。

木村のボクシングは人によっては退屈、と映るかもしれません。ただ、この一戦は竹嶋の奮戦も光り、非常に見ごたえのあるものでしたし、その分木村の巧さも際立ちましたね。

 

ライト級8回戦

湯川成美(駿河男児)3勝(2KO)無敗

vs

福井貫太(寝屋川石田)8勝(6KO)4敗1分

静かな立ち上がりから、ジリジリとプレスをかけるのは湯川。福井はサークリング、湯川がボディで攻め入ると迎え撃ちます。

固いブロッキングの湯川に対して、福井はコンビネーションを打ち込みますが湯川の前進は止まらず。ただ、湯川は距離を詰めてからパンチを出すので、やや手数が少ないか。

2R、変わらず固いガードで前進する湯川ですが、その湯川に対してよくジャブ、ストレート、ボディが出る福井。しかし、中盤になると湯川のプレスが勝ったか、福井はロープに詰まって湯川の攻勢を許します。

後半にもコーナーに詰まる場面のある福井、応戦しますが近い距離では回転力とパワーで湯川か。

 

3R、先に手を出すのはサークリングする福井。湯川はプレス、プレスですがなかなか手を出すところまで近づけない時間が続きます。このラウンドは福井のアッパーが冴えます。

距離が近くなれば湯川は優位に立ちますが、もっとジャブが必要ではないでしょうか。

4Rも展開は同様、ただ近い距離でも福井のボディムーブが良く、湯川に付き合いません。これは湯川、苦しくなってきたのではないでしょうか。

5R、福井は右に左に動き、湯川を翻弄。湯川は少し焦りもあるか、近づいて力んだパンチが目につきます。パワフルな湯川ですが、福井が巧く捌いているように思います。

6R、福井の足は止まりません。しかし、1分頃、湯川の右フックがクリーンヒット!そこからぐいぐいとと詰め行く湯川!その後ボディを効かせ、福井は一気に動きが落ちてしまいます。

湯川の前進を捌ききれなくなった福井、いつの間にか口から出血!

 

ここでレフェリーが試合を止め、湯川の6RTKO勝利が決まりました。

福井は顎を骨折。。。湯川、おそるべし。

試合の流れとしては、湯川の負けパターンだったように思いますが、とんでもないパワーを披露しました。

悔しいのは福井、本当にうまく戦っていました。まるでセミセミに登場した木村vs福井のように、捌き切っての勝利というのが見えていたように思います。

距離を詰めていく方がジャブをあまり出さない、というか出せない。捌く方が相手の出てくるところにあわせてコンビネーションを巧打する。

 

採点はわかりませんが、ストップされるラウンドまでは福井が優位に勧めていたように見えます。それでも尚、湯川には強い強い一発がありました。

湯川成美、この苦戦と言っても良い戦いは、きっとまた糧になるでしょう。

日本ミニマム級王座決定戦

石澤開(M.T)9勝(8KO)1敗

vs

森且貴(大橋)9勝(2KO)無敗

若武者同士の日本ミニマム級王座決定戦。新年一発目の興行に本当に相応しい、フレッシュかつ技術の高い試合になろうかと思います。

初回、素早いステップワークから鋭いジャブを飛ばすのは森。石澤はジリジリとプレス。予想通りの立ち上がりですが、森は非常にキレています。石澤と比べても非常にスピード面で優れていますね。

 

回転力、コンビネーションにも優れる森、対してゴツンゴツンといかにも重そうなパンチを繰り出す石澤。好対照な両者です。

距離が近くなれば森はボディ、アッパー。石澤は右オーバーハンドをヒット。

森は鼻から出血しています。これは初回からすごい試合。

2R、やはりスピードは森、序盤から鋭いジャブを突いていきます。石澤はパワーを活かして接近戦をしかけ、森はそれに対して応戦。パワー差はありますが、森は逃げません。やはり、非常に強いハート、負けん気を持ったボクサーですね。

しかし、中盤に石澤のアッパーからフックがヒット、森はややぐらついたか。

それでも尚退かない森、破格のハードパンチャー相手に素晴らしい打ち合いを見せます。

石澤の土俵ですが、接近戦にさせられた、というよりも自ら乗っかっていった森。見た目と葉裏腹に、この森且貴というボクサーは漢です。

 

ただ、この距離は相当危ない。

3R、森は自身のボクシングを取り戻し、サイドへ回りながらヒット&アウェイ。そのスピーディな攻撃はやはり魅力があります。

しかし石澤のガードは固く、ガードの上からではびくともしませんね。この人は本当にミニマム級なのか。。。

そんな石澤に対し、森はガードの間隙をついてジャブをヒット。いや〜、上手い。

石澤のパワーパンチもありますが、ここは森のクリーンヒット数を取りたい。

4R、森がリズムとスピードに乗っています。石澤は時折強い左ボディ。森の攻撃は速いだけでなく多彩、中盤にはアッパーを巧打。後半にもコンビネーションの中でアッパーをヒットしています。

石澤はなかなかパンチを出せなくなってきています。

 

終盤は石澤が右をヒット、ラッシュをかけて右ストレートで森の顔を跳ね上げます。

5R、手数としては森の方が圧倒的に多いように思いますが、石澤の一発は非常に重い。プレスをかける石澤、サイドステップと鋭いコンビネーションで対抗する森。

森は一発の破壊力では石澤に及ばないものの、コンビネーションのアングルは秀逸。

石澤は回転力は森ほどありませんが、パワーは破格。

接近戦を辞さない森は、このラウンド終盤も打ち合い。本当に気持ちが強い。

途中採点は、48-47×3で石澤!

微差、石澤の方もこのリードは考えないほうが良いでしょう。

6R、石澤は当然手を緩めることなく前進、森も勿論サイドステップを止めず、ジャブをよく出します。

中盤以降はまたも接近戦に突入、この距離では森がよろめく場面が多くなってきており、これがおそらくジャッジへの印象が良くない。石澤は「石」じゃなくて「岩」のようにがっしりしており、やはりパンチだけでなく身体も強い。

このラウンドも、石澤がリードを広げたイメージです。

 

7R、石澤がプレスを強めます。後半に入り、勝負をかけていくようです。そして森もやはり逃げない!森が石澤を相手に、接近戦でここまで戦えるとは思いませんでした。

手数の森、破壊力の石澤、素晴らしい打撃戦が続きます。

8R、森がサイドステップから左ボディ、石澤も硬質なパンチを振るいます。石澤のパンチもよく当たっていますが、動きの落ちない森。森のコンビネーションもよく当たっていますが、全くパワーの衰えない石澤。

両者ともに天晴な打撃戦は、このラウンド終盤に熾烈を極めます。

残り30秒ほどのところで、石澤の右ストレートで後退した森!!そこから詰めた石澤!!クリンチに行った森に右アッパー、右フックを当てた石澤は、ここでこの試合初となるダウンをゲット!

森は立ち上がろうともがきますが、ここでレフェリーが試合をストップ!

石澤開、8RTKO勝利!!見事、日本王者に!!!

いや〜、お見事。両者ともに、素晴らしいボクシングでした。

 

まさに魂と魂のぶつかりあい、新年早々ボクシングの素晴らしさを感じさせてくれました。

泣きながら、担架で運ばれる敗者、森且貴。素晴らしいスピードと素晴らしいコンビネーションで石澤を上回り、強打者に対して全く遅れを取らない身体の強さ、心の強さを見せてくれました。森のあの接近戦での戦いは、本当に驚かされました。かつて、石澤相手にあそこまで接近戦を戦えたボクサーは記憶にありません。

石澤が勝利者インタビューで、森を「ファイター」と呼んだことは、石澤にとって当たり前の呼び方なのかもしれませんが、この日の森且貴はまさに「ファイター」でした。

そして石澤開、ミニマム級という最軽量級において、こんなにもロマンの溢れるボクサーはこちらも過去に例が思い浮かびません。

世界王者、谷口将隆(ワタナベ)を筆頭に、重岡兄弟(ワタナベ)、小浦翼(E&Jカシアス)、そして石澤開と森且貴。

もしかすると日本のミニマム級は、隆盛を極めているのかもしれません。

上に挙げたボクサーたちは、きっと国内に収まらない。もっと上のステージで、日本のトップ選手たちの戦いを見たいものです。

 

最後に、FODライブ配信の感想

控えめに言って、最高でした。

アンダーカード2試合は実況、解説なしでしたが、3試合目から実況、解説あり。(私はラウンド中は音を消してしまいましたが。。。)

入場曲もちゃんと流れるし、画質ももちろんキレイ。

そして配信終了後、「アーカイブ配信開始まで、当プレーヤーは巻き戻してご視聴いただけます。」との文字。

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つまり、追っかけ再生までできる、ということです。

ということは、月額980円(税込)さえ払っておけば、時間を気にせず(情報遮断だけして)見る事が可能です。これは本当にありがたいです。

今までフジテレビには、関東ローカルとか意味不明とかアンダーカードも撮ってるなら流せよとか、散々文句を言ってきましたが、概ね希望通りになったことが本当に嬉しいです。併せて、これまでの暴言を謝罪したいと思います笑。

本当に申し訳ございませんでした。次回からも期待しています!

↓ということで、全試合を見たければまだ間に合います。

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