信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】PBC、サーマンvsバリオス!サンタクルスvsカルバハル!ネリvsカストロ!!

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PBC興行、FOX PPVで放映されたキース・サーマンvsマリオ・バリオス。

やっぱりこのマッチアップで約75ドルというのは、現地の人たちにとっても高額なようですね。

私は運よくイギリスのFITEで購入する術を見つけたので、1,220円で視聴できましたが、こういう時、FITEはよく使えます。

 

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com


ということで今回は、サーマンvsバリオスをメインに据えた、PBC興行の観戦記です。

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2/5(日本時間2/6)PBC

ルイス・ネリ(メキシコ)31勝(24KO)1敗

vs

カルロス・カストロ(アメリカ)27勝(12KO)無敗

WBCとWBOのエリミネーターとして開催される、とアナウンス。

がんばれカストロ!

初回、様子見から1分過ぎ、ネリの左がまっすぐ入ります。そのパンチでカストロはまさかのダウン!再開後、強引に詰め寄るネリをカストロはブロッキングで凌ぎます。

が、これは危ない。後半にも左をヒットされ、顎をはね上げられるカストロ!

終盤にもロープに詰まったカストロに左を浴びせたネリ、カストロは大ピンチで初回を終了。

2R、警戒しすぎて全く攻め込めないカストロ。ネリはプレッシャーを与えるものの、ほとんど手を出さずに休みます。スタミナに不安があるからでしょう。ここはネリを休ませてしまっているカストロ、何とか自分から攻めてほしい。

3R、ネリの踏み込みは相変わらず鋭く、台風のような連打は怖いですが、ようやくそれにカストロも慣れてきた感じがします。ブロッキング、ステップワークで何とかネリの攻撃を無効化したカストロは、中盤以降プレスをかけ始められています。

ネリに対しては、フィゲロアがやったようにプレスをかける方が得策だと思います。

それでもまだ展開はネリ優位。

 

4R、両者ともに手数が増えます。このラウンドはカストロがしっかりと攻撃できています。ネリのリターンは早く、気をつけたいところですね。

後半、ネリはまたも手を出さず、ディフェンスに終始。

5R、カストロがチャージ、そろそろ行かなければいけません。ネリも回転力のある連打で迎え打ちますが、カストロは単発ながらショートのカウンターを幾度となくヒット。

6R、激しい打ち合いでスタート、中盤以降はネリがステップワークとジャブで消極戦法。

ネリはディフェンスもよく、カストロの攻撃はなかなか当たりません。しつこくジャブをついて右をヒットしますが、見た感じのダメージはカストロの方がありそうです。

7R、ネリはどんどんディフェンシブになっていきますが、カストロも攻めきれません。ネリの省エネ戦法がカストロにはまり、カストロはどんどんピンチに。

ネリはほとんど手を出さないものの、要所要所でカウンター、そのパンチにはキレがあり、これはジャッジの印象は良いでしょう。

8R、もう後がない、と理解しているカストロは、猛チャージ。ネリを追いかけます。

 

ここで問題なのは、カストロはここまであまりネリを削れておらず、ネリは楽な戦法を選択していたがために消耗も少ない。

後半、ラッシュで会場を沸かせたネリはその後ディフェンス一本、終盤にもラッシュしてポイントはしっかりとピックアップ。

9R、ネリはほぼ逃げ切りモード。カストロは追いきれず、パンチもほとんど当てられません。当たるのは浅いジャブくらいでしょうか。

10R、奇跡を願う。

しかし、相変わらずネリのディフェンス勘はよく、それでいて非常にディフェンシブに戦う分、カストロは攻めきれません。ネリのリターンはカストロの攻撃よりも力強く、絶望のうちに試合が終了。

判定は95−94でカストロ、95−94でネリ、、96−93でネリ。

まさかのスプリット笑

そして意外と僅差。

これはネリに対しては不利な判定が出ていると言ってよい気もします。

もしくは、全体的には完全にネリでしたが、手数をほとんど出さないラウンドも多く、ポイントを与えようがなかったか。

ラウンド毎にポイントをつけて見てはいませんでしたが、ネリの勝利は固いように見えました。

やっぱりネリは前半強く、その前半は凌がなければなりません。前半に良いボクシングをしてポイントをピックアップしたネリは、それを元手としてチラつかせ、早々に省エネボクシングに移行。ここでラフに詰めていかなければいけませんね。

カストロはちょっとスロースターか。とにかく今回、ネリの術中に完全にハマってしまいましたね。

カルロス・カストロ、残念。

 

ネリは一時、天狗のように長くなった鼻をへし折られ、非常に慎重で、フィゲロア戦よりもしっかりとイメージを持ってトレーニングを積んできた感じがします。トレーナーも初期のトレーナーに戻り、まだまだスタミナ面、ウェイト調整面で不安はあるにせよ、この一戦に勝利したことは大きな一歩だと思います。

かねてから話題の、赤穂亮戦が決まってほしいです。

 

ヘスス・アレハンドロ・ラモス(アメリカ)17勝(14KO)無敗

vs

ウラディミール・エルナンデス(メキシコ)13勝(6KO)4敗

アンダーカードに出場したアベル・ラモスの甥っ子だそうです。ヘスス・ラモス。ちなみにアベル・ラモスは代役に判定負けを喫し、アップセットを起こされてしまいました。

さて、スーパーウェルター級期待のプロスペクト、ヘスス・ラモスはどうか。

サウスポー同士の一戦。初回からアグレッシブなのはエルナンデス。ラモスをしつこくしつこく追っていきます。体格に勝るラモスはガードしてリターン、ただエルナンデスに迷いはありません。

2R、ジャブを突いて突き放そうとするラモスですが、エルナンデスの突進は止まらず。時折強いパンチをリターンするラモスですが、エルナンデスは手数で頑張ります。

3R、接近戦での攻防、ラモスのコンビネーションが冴え始めます。前に出した右肩を使っての接近戦のディフェンスも悪くありません。エルナンデスは、接近戦で対応されたことで、圧倒的に中に入りづらくなってしまいましたね。

4R、エルナンデスは前ではなく、横に移動し始めました。そうなるとラモスが距離をキープでき、強いパンチを当てられます。調子が出てきたラモス、接近されてもサイドに回ってワンツーをヒットするなど優勢。

 

5R、もう接近戦でもまともに食わないラモス、逆にボディやアッパー等を使い、着実にエルナンデスにダメージを与えます。このディフェンス勘は大したもので、2Rほどはあれ?と思いましたが、既に完全に対応している感じ。危なげはありません。

6R、こうなってくるとストップできるかどうか、がラモスの評価を上げる鍵。

連打の力も徐々になくなっていくエルナンデスの打ち終わりに、ラモスの左フックがヒット!ぐらりときたエルナンデスにラッシュをかけるラモス!

ラモスの連打にさらされたエルナンデスをレフェリーが救い、ヘスス・ラモスの6RTKO勝利。

完璧に近い試合運びでしたね。この対応力があるというのは素晴らしい。エルナンデスも早期決着を目指しての初回からのチャージは実らず、これはラモスの対応力によるところが大きいと思います。

最後の効かせた後の連打、詰めは素晴らしかった。やや圧倒しながらも中弛みしそうになったところでのフィニッシュ、これは素晴らしいパフォーマンスでした。

 

スーパーフェザー級10回戦

レオ・サンタ・クルス(メキシコ)37勝(19KO)2敗

1分

vs

キーナン・カルバハル(アメリカ)23勝(15KO)2敗1分

結局スーパーフェザー級での一戦のようです。果たして今後、フェザーに戻るのかどうなのかは、この一戦後に決めると言っていましたが、今日動ければスーパーフェザーで戦っていく、ということかもしれません。

注目の初回、サイズ差が結構あるように見えます(サンタクルスが小さい)。ガードを固めてプレスをかけるサンタクルス、カルバハルは迎え撃ちますがサンタクルスの手数は当然のことながら多く、クリーンヒットも多い。あと会場も「レオ」コール。

2R、よくも悪くもいつも通りのサンタクルス、このラウンドも手数と的確さで優勢。カルバハルは何か策を持って望んでいるのか?このラウンド、アクシデンタルヘッドバットでサンタクルスが右目の下あたりをカット。

 

終盤にはカルバハルのジャブをかわして右オーバーハンドをヒットしたサンタクルス、よほどのことがない限りはこのまま行きそうです。

3R、サンタクルスは前進してカルバハルの腹、顔面を打ちます。カルバハルの手数はかなり控えめ、ほとんどをガードに費やしている分、大きなダメージを与えられませんが、ポイントはしっかりとピックアップしています。4Rも同様の展開で、またアクシデンタルヘッドバットで試合が中断。

5Rも。中盤に激しい撃ち合いを見せ、カルバハルのパンチもヒットしますが、結局下がるのはカルバハルの方。もうあとはサンタクルスがどこかでこの試合をストップできるのか、という展開。6Rも7Rも展開は変わらず、サンタクルスは衰えませんがカルバハルもガードを固めてサバイブしています。

カルバハルが何としてでも勝とうという気概を持っているかどうかについては、少々疑問。早々にサバイバルモードに突入し、ここまできています。ただ一つ言えることは、カルバハルはタフで、サンタクルスにはカルバハルを倒せるほどのパンチングパワーはない、ということです。

 

サンタクルスは中間距離でも上下の打ち分けがうまく、本当にポンポン手が出ますね。この連打のリズムは非常によく、無理して出しているという感じがしません。

打った後のガードポジションに戻るのも非常に早く、もう日常的にファイティンポーズで過ごしているのではないか、と思うほどです。

サンタクルスの傷の方はその後もチェックが入りますが、結局続行。右目はかなり赤くなっていますね。

結局最終ラウンドまでレオ・サンタ・クルスはサンタクルスらしさを貫き、カルバハルは耐える、時折コンビネーションを打ち返すということに終始。

判定は3者ともに100ー90でサンタクルス。まあ、当然ですね。

サンタクルスはでかい相手に対してずっと攻め続け、よく戦ったと思いますが、やっぱりフェザーの方が良いのではないでしょうか。

 

ウェルター級12回戦

キース・サーマン(アメリカ)29勝(23KO)1敗

vs

マリオ・バリオス(アメリカ)26勝(17KO)1敗

そしていよいよ、メインイベント。

キース・サーマンの錆つきはどうか。かつて「一撃で仕留める」とされてつけられたニックネーム、「ワンタイム」は炸裂するか。ウェルター級初戦となるアステカの戦士、バリオスはどこまで戦えるのか。試合直前になり、オッズは競ってきていると聞いています。

楽しみな一戦、ゴング。

初回、いきなり攻め込んだのはサーマン。そこでバリオスのジャブを浴びてしまいます。ちょっと気負いがありそうな感じ。

バリオスは長いジャブが良いですね。その後、すぐに落ち着いたサーマン、体のキレは思った以上に悪くありません。バリオスもよく動けています。これは好試合の予感。

2R、中間距離での攻防、サーマンはバリオスのジャブがよく見えています。よりアグレッシブに踏み込むのはサーマン、バリオスも反応が良く、パンチが交錯する瞬間は両者にとって怖いタイミングです。

 

3R、ともにジャブが良い。お互いにジャブで相手の顔を跳ね上げます。サーマンは踏み込見ながらの貫通力のあるジャブ、バリオスはサーマンの入り際に合わせるストッピングジャブ。

このラウンド中盤、サーマンは(ここまでも何度かヒットしていた)踏み込みながらの左フックをヒット、その後も前手のアングルを変えたパンチ、強い右を放って優勢に見えます。

4R、中盤にサーマンは素晴らしいコンビネーションを決めます。バリオスはサーマンが入ってくるところに左フック、右ストレートを繰り出しますが、タイミングを読まれてしまっています。

後半にもサーマンは左フックを掠らせ、これで少し足にきたバリオス。

5R、明らかにパンチの的中率においてサーマンが上回ってきました。サーマンは、顔面へのパンチには完全に対応しています。バリオスはもっとボディを攻めたい。

6R、サーマンは随分余裕が出てきました。バリオスを良く見てカウンター狙い。今度はバリオスが攻めなければいけません。しかし、サーマンブランク明けとはいえ反応は抜群ですね。

 

7R、ここまでのパンチスタッツが出ていますがヒット数については倍近い開き。

完全に余裕を持ったサーマンはステップでバリオスを翻弄。そして終盤にはしっかりとクリーンヒットを奪います。

8R、先ほどは休んだのか、サーマンはこのラウンドは強い踏み込みからコンビネーション。

またバリオスが迎え撃つという展開になっていますが、そのパンチも見切られているバリオス。このラウンド、サーマンは右ストレートを幾度となくヒット、バリオスの左瞼からは出血。

9R、インターバルを経てもバリオスの血は止まりません。これはストップあるか。

このラウンド、サーマンは少し大人しめです。このあたりのペース配分はさすが。

10R、サーマンはやや流している感じがします。しかしバリオスはまだ諦めずに攻めていきます。後半、バリオスが力強い攻めを見せれば、すぐさま力強く反撃するサーマン。付け入る隙を与えません。

11R、安定した動きを見せるサーマン、手数の多いコンビネーションは出ませんが、バリオスのパンチを見切ってバリオスが打てばコンビネーションで反撃しています。これが最大でも3発くらい、というのは、強引に倒そうとは思っていないようですね。

 

最終ラウンド、後がないバリオスは攻めていきます。決して無理をしないサーマンは、うまくバリオスの攻撃を捌き、追撃の前に攻め込んで攻撃を分断。ここでもやはりサーマンの方がクリーンヒットで上回ります。幾度も決め続けた大きな左フックを、サーマンがまた決めたところで最終ラウンド終了のゴング。

判定は、118−110が2者、117−111が1者、3−0の判定でキース・サーマンの勝利を支持。

多くのラウンドでリングを支配し、ほとんどのラウンドでクリーンヒットで上回りました。

素晴らしい動きを見せたサーマン、ちょっとバリオスは若かったかもしれません。戦士だからなのか、若すぎただけなのか、サーマンに対抗する術を最後まで見出すことができず、かといって色々と試す、ということもできていなかったように思います。

言い方を変えれば、キャリアのあるサーマンに対して真っ向勝負をしすぎた。策が無かった、としか言いようがありません。

 

ともあれ、キース・サーマンは見事復活。

いきなりクロフォードやスペンスに挑戦、とはならないと思うので、まずは今戦のような、「ウェルター級の番人」としての役割が待っているかもしれませんね。

ということで、大変興味深いカードの目白押しだった2/5(日本時間2/6)のPBC興行の観戦記でした。

後は同日のDAZNもありますね。うっかりして、結果を知ってしまいましたが笑、楽しみに見たいと思います。

↓私は当日、こちらへ行きました。

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