信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】おそロシアに臨む。ホルヘ・リナレスvsザウル・アブドゥラエフ!リナレス復活に期待!

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あと一週間に迫ったにも関わらず、あまり話題に上がっていない気がします。

場所がロシア、エカテリンブルグだからでしょうか。

それとも、相手がヘイニー相手に何もできなかった、ザウル・アブドゥラエフだから、でしょうか。

個人的には、ホルヘ・リナレスというボクサーが大好きなので、ここで復活の狼煙を上げてもらいたい、と心から願っています。

リナレスはロシアのRCCプロモーションと契約したこともあり、今後ロシアでの戦いは増えていくはずです。ロシアのボクシングファンに、「ホルヘ・リナレス」というボクサーの美しさ、恐ろしさを見せつけてきてもらいたい。

ということで今回は、もっともっと皆さんに注目してほしい、ホルヘ・リナレスvsザウル・アブドゥラエフ、ロシアでのWBCエリミネーション・バウトのプレビュー記事です。

 

2/19(土)ロシア・エカテリンブルグ

ザウル・アブドゥラエフ(ロシア)14勝(8KO)1敗

vs

ホルヘ・リナレス(ベネズエラ/帝拳)47勝(29KO)6敗

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アブドゥラエフの持つ、WBCシルバータイトルのかけられる一戦で、WBC世界ライト級の挑戦者決定戦として認定されているようです。

ザウル・アブドゥラエフ、名前は覚えていましたが忘れていたようなボクサーです。プロデビューは2017年という現在27歳、オーソドックススタンスのボクサー。

しっかりとしたアマ経験もあるボクサーですが、プロとなって15戦のうち、14戦は地元ロシアでの試合。残りの1戦は、2019年、デビン・ヘイニー(アメリカ)とWBC世界ライト級暫定王座決定戦を争った一戦で、場所はニューヨークのMSGでした。

ロシアのボクサーは、キャリア初期、ロシアからでてこない事が非常に多いイメージ。(日本人はこの点に関して何も言えませんが。)

なので「未知の強豪」かもしれないと思って見ていましたが、蓋を開けてみればヘイニーにほぼ左だけで対応され、ビシバシとジャブを決められたあと、4R終了後に棄権。

 

頭を振って何とか入ろうともがくものの、全くといっていいほどアブドゥラエフのパンチは届かず、何をしにリングに上がったのかを疑うほどのパフォーマンスでした。

今思えば、ヘイニーが抜群に巧かった、ということなのでしょうけど。

アブドゥラエフは、2017年に日本人選手(三迫ジムの川西真央)とも戦っており、WBOのユース王座にも就いています。

ヘイニー戦後、2021年には元世界王者のデジャン・ズラティカニン(モンテネグロ)に判定勝利を挙げ、WBCライト級シルバー王座を再冠しています。アグレッシブさを持っており、決して弱いボクサーではないはずですが、あのヘイニー戦の情けなさが脳裏をよぎってしまいます。

さて、そんなアブドゥラエフの持つシルバー王座に、今回、我らがホルヘ・リナレスは挑むという形になります。そしてこの一戦は、ヘイニーの持つWBC世界ライト級王座への挑戦権をかけた、挑戦者決定戦としてもアナウンスされています。

ホルヘ・リナレスは、現時点で36歳という大ベテラン。

2002年に日本でデビューすると、圧倒的なコンビネーションスピードをもって連戦連勝。

 

2007年にはオスカル・ラリオス(メキシコ)を降しWBC世界フェザー級暫定王座を獲得(のちに正規王者に)、初防衛戦を済ませると2008年にはWBA世界スーパーフェザー級王座を獲得して2階級制覇。

この王座の2度目の防衛戦で、ファン・カルロス・サルガド(メキシコ)に初回TKO負けというアップセットを起こされてしまいます。これは衝撃でしたね。。。このサルガドから、内山高志(ワタナベ)が王座を奪う事になるのですが、もしこれリナレスが勝っていたら、とか考えるのは無粋ですよね。

手痛い敗北にめげず、復帰したリナレスは、2011年10月、WBC世界ライト級王座決定戦に出場します。対戦相手は、アントニオ・デマルコ(メキシコ)。ここでリナレスは11RTKO負けで跳ね返されてしまいます。

しかも、その翌年の3月、復活を期して臨んだWBC世界ライト級挑戦者決定戦でもセルヒオ・トンプソン(メキシコ)にまさかの2RTKO負け。

この2戦は、明らかにリナレスの実力が上でした。もっというと、その前の敗戦となったサルガド戦も、本来リナレスの勝利は動かないほど実力が違ったはず。

しかし、リナレスは肉体的にも、当時は精神的にも脆さがあったような気がします。

初回で終わったサルガド戦は別として、デマルコ戦は序盤圧倒していましたし、トンプソン戦でも初回は良い滑り出しでした。

 

カット、流血、そういった部分でリナレスは臆してしまったようにみえ、勢いよく攻めてくるメキシカンを相手にすると気圧されてしまっていたようにも見えました。

完全にリナレスは終わった、そう思ったファンも多かったかもしれません。

しかしリナレスはまだボクシングを諦めず、再起。

2014年にはWBC世界ライト級挑戦者決定戦の位置まで登りつめ、当時オマール・フィゲロア(アメリカ)との超大激闘で時の人となった荒川仁人(八王子中屋)と対戦、判定勝利。

その年の12月30日、日本でハビエル・プリエト(メキシコ)に勝利し、WBC世界ライト級王者となると同時に、見事3階級制覇を達成したのです。

ここからは抜群の安定感をみせ、この王座をケビン・ミッチェル(イギリス)、イバン・カノ(メキシコ)、アンソニー・クローラ(イギリス)、クローラ戦ではWBA王座も吸収しています。(WBCはいつの間にやらダイヤモンド王座になり、正規王座からは外れてしまいました。)

意味不明にWBA王座に鞍替えさせられたリナレスは、その後もルーク・キャンベル(イギリス)、メルシト・ヘスタ(フィリピン)を相手に防衛、苦労して獲得したライト級の世界タイトルは、WBC、WBA通算で6度の防衛を成し遂げます。

そして迎えた2018年5月、当時のPFPキング、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)戦。

 

相手は前回級を通じての王者、ロマチェンコ。

さすがのリナレスも不利は否めませんでしたが、この一戦でリナレスはロマチェンコからダウンを奪取するという殊勲。現在のところ、ロマチェンコのプロでのダウンはあとにも先にもこの一度のみですね。素晴らしい右でした。

しかし、最終的にはボディで倒されてしまったリナレス、それでも諦めず、スーパーライト級に進出。

初戦こそ3RTKOで上々の滑り出しを見せましたが、2戦目でパブロ・セサール・カノ(メキシコ)にまさかの初回TKO負け。これはショックでした。。。

リナレスが過去に世界タイトルの防衛戦で退けたイバン・カノの弟(?)だったかと思いますが、見事に兄の雪辱を果たさせてしましました。

ここからリナレスはライト級に戻り、2連勝のあと2021年5月にデビン・ヘイニーに挑みます。

このヘイニー戦、正直勝ち目は十分にある、と思っていました。

 

しかし、リナレスのスーパースピードをもってしてもヘイニーを攻める事は容易ではなく、ヘイニーにパンチをコネクトすることに大変な時間を費やします。

後半、素晴らしい左フックを当て、ヘイニーは子鹿のようになりますが、時既に遅し。

それまでのポイントの挽回は難しく、なりふり構わずクリンチで逃げるヘイニーを捉えきる事はできず、中差の判定負けを喫しました。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

そして復帰戦でまたもチャンス、挑戦者決定戦に出場できることになりました。

オッズがどうかは知りませんが、はっきり言って「普通にやれば」アブドゥラエフはリナレスの敵ではないはずです。

キャリアも違えば、スピードも違い、リングIQだって違うと思います。リナレスがアブドゥラエフに劣っているところは、一つもないと思っています。

しかし、「負けるはずはない」と思う相手から、敗北を喫してきたのもまたリナレスのキャリア。そのボクシングの才能と反比例するかのように持ち合わせた打たれ脆さがあり、6度敗北を喫しているリナレスを倒せなかったのは、ソフトパンチャーとして定評のあるデビン・ヘイニーだけ。

その打たれ脆さも含めて魅力的なボクサーであり、相手が誰であろうとスリリング。

このアブドゥラエフはプロデビューからたった2年で世界タイトルに挑戦しており、アマチュア経験も豊富。何かを持っているボクサーだということは間違いありません。

ヘイニー戦(しか見ていないんですが)については、実力を出しきれなかったのかもしれません。

敵はアブドゥラエフだけでなく、対戦相手のホームということもあり、判定が不利に出ることだって考えられます。

勿論油断は大敵。それでもリナレスの快勝を期待します。

 

ちなみに、こんな書き方をしているものの、私は現役選手の中で今、最も誰が好きかと言われればこのホルヘ・リナレスをあげます。

とにかく美しい。顔もですけど笑、そのボクシングは本当に美しく、ファイティングポーズ、ジャブ、ワンツー、全てがお手本になり得るボクサーです。

そんなリナレスももう36歳、さすがに最終章。

ここでアブドゥラエフに勝って、ぜひとももう一度、ヘイニーへの挑戦を叶えて欲しい。

ヘイニーとは既に12Rを戦い、ヘイニーのジャブ、ステップには慣れているはず。今度はコンビネーションを早めに出し、序盤、遅くとも中盤にはヒットを奪うことができるはずです。そう考えれば、この非常にやりづらく、スリックな王者、デビン・ヘイニー攻略の最右翼は、ホルヘ・リナレスだと思うのです。

希望としては、このアブドゥラエフ戦はさっさとクリアしてもらい、ヘイニー戦につなげてもらいたい。

もっというと、ヘイニーはカンボソス戦を希望しているようですが、カンボソスはロマチェンコとやってほしい。

そして、リナレスがヘイニーに勝ち、ロマチェンコがカンボソスに勝ち、このふたりが雌雄を決するところがライト級のクライマックスで良い、という妄想を最後においておきます。

 

放送・配信

ということで超楽しみにしているこのアブドゥラエフvsリナレスですが、大変残念ながら日本でのライブ放送は今のところありません。。。

WOWOWでは3/28(月)21:00〜のレギュラー放送で放映してくれますが、まだ一ヶ月以上先の話ですね。

しかし、アメリカのESPNはライブ放送してくれるようなので、日本版FITE.TVでもしかすると可能性があるかもしれません。前々日くらいにまた調べて、あればお伝えします。

ESPNが放送する日時は、日本時間で2/19(土)23:30〜。ロシアのエカテリンブルグは日本との時差が-4時間、現地時間で19:30からの興行のようですね。

メインが何時くらいになるかはわかりませんが、日付が変わって日本時間2/20(日)の2:00とか3:00くらいでしょうか?何試合放送するのかはよくわかりません。

 

 

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