信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】6/11onDAZN、英国ではサニー・エドワーズvsカンポス、米国ではムンギアvsデレビヤンチェンコの大激闘!!

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6月第二週は国内外でボクシング興行だらけ!

最も注目される興行はESPNで放映されたトップランク興行ですが、こちらは日本での配信が無し。スーパーライト級の勢力図が一気に変わったとも言える一戦だったので、日本のファンにこの試合が届かなかったのは非常に残念ですね。

↓観戦記

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このジョシュ・テイラーvsテオフィモ・ロペスの配信がなくとも、DAZNがサニー・エドワーズvsアンドレス・カンポス、ハイメ・ムンギアvsセルゲイ・デレビヤンチェンコを配信してくれた上、ベジータ石川(折尾)のYoutubeチャンネルで宇部市の興行を配信してくれていたので、6/11(日)も視聴には困らなかったでしょう。

 

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6/10(日本時間6/11)イギリス・ロンドン

IBF世界フライ級タイトルマッチ

サニー・エドワーズ(イギリス)19勝(4KO)無敗

vs

アンドレス・カンポス(チリ)15勝(4KO)無敗

世界のトップで戦うのに、非常にKO率の低い両者。「Showtime」サニー・エドワーズに対して、このKO率では非常に期待が薄くなってしまうのは仕方ありません。

サニーは既に12月に王座統一戦を交渉中とのこと、当然のことながらここでつまずくわけにはいきません。

ただ、得てしてこういう場合、緩んでしまいがちなので、しっかりとしたいつもどおりのパフォーマンスを期待したい。

 

初回、まずは完全に舐めてかかるエドワーズはサウスポースタンスでスタート。カンポスはここぞとばかりに、というか元々こういうエネルギッシュなファイターなのでしょうが、ガードを固めて前進。

中盤頃にはエドワーズも応戦、ブロッキングと打ち終わりの頭の位置を変えること、そしてパンチのアングルは工夫されており、この距離でも世界王者の貫禄を見せています。

2R、オーソドックスに戻したエドワーズはジャブ、ジャブ、ジャブ。そしていつも通り大きな動きで一発当てては動き、相手の入り際にカウンター。で、また動きます。

3R、カンポスも勢いよく飛び込んだり、フェイントを入れたりと頑張ります。距離を詰めることに一生懸命になりすぎるとエドワーズのカウンターをもらってしまうことが常ですが、このラウンドはカンポスが良い詰め方をしているように見えます。いくつかのパンチをエドワーズに着弾させますが、悲しいかな、カンポスはKOできそうなボクサーには見えません。

 

4R、サウスポーに構えたエドワーズはオーソドックス時に比べてステップを使わず、接近戦で応戦することが多いようです。このラウンドも比較的近い距離で戦うエドワーズ、やはり前戦、フェリックス・アルバラード戦よりも随分雑。

5R、ここはスイッチしながらのエドワーズ。特にオーソドックスのときの下がりながらの前手のカウンターは一級品、本当はこれが最適解なのでしょうが、色々試しているのかもしれません。

後半、自らコーナーにカンポスを呼び込んで余裕を見せたエドワーズ、その後もテンポの速いボクシングを披露。

6R、カンポスが猛烈な勢いでエドワーズをロープに詰めます。カンポスはおそらくフィジカルが強く、スタミナに自信を持っているのでしょう。攻撃の手を緩める気配はありません。

エドワーズもブロッキングとウィービングを駆使して反撃、ただこのラウンドはちょっと押されている雰囲気は拭えませんね。

 

7Rはエドワーズが良く動き、ストレートのカウンター。8Rも同様に、リングを大きく広く使うエドワーズをカンポスはなかなか追いきれず。このラウンドはカンポスがエドワーズとの距離を詰める場面もありましたが、エドワーズは回転力のある連打で対応、それがカンポスのガードの間隙を縫ってヒット、この状況を押し返します。

9R、このラウンドにきてもカンポスは非常にエネルギッシュに攻め立てます。エドワーズも時にそれに付き合い、時に足を使い、カウンター。全体的にここまでエドワーズのヒッティングが勝るようには思いますが、カンポスも非常に頑張っています。このカンポスの攻撃がしつこすぎて距離を取れないのか、それとも多少もらっても大丈夫と思っているのか、エドワーズは今日結構近距離でも付き合っています。

10R。はっきりいって、この後半のエドワーズを捕まえるのは困難です。これまでのラウンドで相手の攻め方、ステップインできる距離の把握、パンチの軌道をしっかりと学んだエドワーズは、小さな動きと大きな動き、クリンチを駆使してとにかくパンチを受けません。

そこで時折、当てるだけくらいのカウンターをヒットするエドワーズ、この戦いに相手はフラストレーションを溜め、なかなか突破口を見いだせないのが現実ですね。

 

11R、12Rというチャンピオンシップラウンド、カンポスは懸命に攻めていきます。エドワーズもまったくもってもらっていない、というわけではありませんが、やはりクリーンヒットというのはエドワーズのカウンター、リターンに軍配が上がりそう。ただ、そんなに差がつきにくいのでは?と思えばその通りで、エドワーズがこのボクシングでしっかりとポイントをピックアップできている、という確信を抱くのは、ここがイギリスだからではないでしょうか。

ということで勝負は当然のように判定へともつれ込み、3者ともに117-111という採点で勝者はサニー・エドワーズ。

予想通りの試合展開で、結果も全くの予想通り。

今回もまた、安定感を示したエドワーズですが、かねてから統一戦を熱望しています。

一度は決まったWBC王者、フリオ・セサール・マルティネス(メキシコ)戦は流れてしまいましたが、今度はWBO王者、ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)戦に向かって動いているようです。

このサニー・エドワーズの強きを求める姿勢は素晴らしいですね。

年内にこの試合は起こる可能性があるとのことで、今後のニュースに注目です。

 

6/10(日本時間6/11)アメリカ・カリフォルニア

ハイメ・ムンギア(メキシコ)41勝(33KO)無敗

vs

セルゲイ・デレビヤンチェンコ(ウクライナ)14勝(10KO)4敗

いったいぜんたいいつまで続くのか、ハイメ・ムンギアの「世界戦準備ロード」。WBO世界スーパーウェルター級王座を手放してからすでに4年近くが経過しており、ミドル級でももう8戦目にのぼります。

いったい彼の及第点はどこなのか。

さて、初回、ムンギアは非常に良い動きですね。デレビヤンチェンコも負けておらず、ともに激しい出入りが続きます。

中盤、ムンギアがパワーを使って攻めるとデレビは後退、しかしここでデレビは右カウンターをムンギアにヒット!ムンギアは足が揃ったように見えます!

デレビヤンチェンコは既に顔面が紅潮しているように見えますが、その後もエネルギッシュに攻めています。初回からなんとアツい戦いでしょうか。

 

2R、はムンギアは強引には攻めません。ジャブをしっかりと突いて右に繋げ、左フックを返すという非常にスタンダードな戦い方。ただ中盤、クリーンヒットを奪うとそこからの詰めはさすがのムンギア、逆にデレビはすべてをかなぐり捨てて勝利をもぎ取ろうという意志が伝わってくるようなボクシング。

3R、互いに機を窺うようなリードの差し合い、デレビヤンチェンコの左フックカウンターから一気にヒートアップ。ムンギアをロープに詰めてラッシュする場面もつくったデレビ、素晴らしいシーソーゲームです。

4R、デレビのジャブが非常に良い。ステップワークも素晴らしいし、何よりも気持ちが強い。この臆することを知らないテクニシャンは、ここ数戦負けがこんでいるもののやはり実力者ですね。ムンギアもステップワークは非常によく、得意の左フックはタイミングも良い。

5R、この戦いは小さな隙をついて攻撃の糸口を見つけ出し、そこからラッシュをしかける、という展開です。このラウンド、先にその攻撃の糸口を掴んだのはムンギアで、ワンツーをヒットしてからラッシュ!

デレビも押し返して今度は左フックカウンターをお返し、そこからのラッシュ!

デレビヤンチェンコの方が攻め続ける時間が長く、このカリフォルニアでは倒さなければ勝てない、ということを理解しているような動きです。

後半にもデレビはワンツーをヒット、ムンギアは少しぐらついたように見えます。奇跡を、起こせるか。

 

6R、ダメージを被ったように見えたムンギアでしたが、若さゆえか、回復は非常に早い。このラウンドはしっかりと攻めきり、ポイントをイーブンに戻したようなイメージです。

この大激闘を6R戦って、ここでおそらく振り出しでしょう。

7R、デレビが比較的大きく足を使うボクシング。ムンギアはジャブから右ストレート、左ボディという攻めを見せますが、これがデレビのバックステップにより無効化。ちょっとワンパターンすぎる攻めですね。

デレビは後半になってプレスをかけますが、効果的なパンチを当てられてはいません。

試合は輪をかけて接戦となっていきますね。

8R、デレビが思い出したようにジャブを多用。このジャブは非常に効果的で、ムンギアはデレビヤンチェンコがジャブをダブル、トリプルと出している間攻めあぐねてしまいます。

しかし中盤、ムンギアは起死回生になりそうな右をヒットすると、ガクッと腰を落としたデレビ!尻もちを突きそうになりながらも何とかこらえたデレビは、ここから強い反撃に転じ、ムンギアの顔を跳ね上げ、下がらせます。

9R、デレビヤンチェンコは左手をやや前に伸ばしたようなファイティングポーズ、そしてステップワーク。素晴らしいジャブは健在、ムンギアは非常に戦いづらそうで、これは本当にやばいんじゃないか、という雰囲気。

とにかくリードを当てるのが巧いデレビヤンチェンコ、ノーモーションの右から入る逆ワンツーは本当に見事。

10R、リズムの良いデレビヤンチェンコ、ムンギアの攻撃はミスブローが目立ちます。互角の前半を過ぎ、後半に入ってから作戦遂行できているのはデレビの方ですが、やはりムンギアには一発があり、それでデレビがバランスを崩してしまう場面もあり、ちょっともったいない。

しかしDAZN、止まりすぎで非常に見づらい。これは回線の問題でしょうか。。。

 

11R、ちょっと後がなくなってきた感じのムンギア、積極的に攻めます。しかしその攻めはワンツーフックであり、ちょっとバリエーションが少なすぎるようにも思いますね。

デレビヤンチェンコはさすがのキャリア、身体をくっつけてムンギアの強打を封じます。

しかし後半、デレビも限界が近いのか、とうとうムンギアの右ストレートを浴びはじめます。その後も右アッパーをヒットしたムンギアは大チャンス、ここからの巻き返しは劇的です。

これはもしや、ラストラウンド勝負かもしれません。

ラストラウンド、大歓声に送り出されたハイメ・ムンギア。デレビヤンチェンコは良く動くボクシング。しかし1分が過ぎようかというころ、ムンギアの左ボディを浴びてデレビヤンチェンコはダウン!!この左ボディは蓄積のダウンでしょうか・・・!?

一気にピンチのデレビ、大チャンスのムンギア!

立ち上がったデレビ、足はまだ動いています!しかしムンギアが強い攻めを見せると、ちょっと下半身に力が入らない様子でムンギアにもたれかかり、何とかサバイブ!

 

執拗に攻撃をしかけるムンギア!ロープの反動を使ったり、サークリングしたりととにかく生き残ろうとするデレビヤンチェンコ!時にジャブを返しムンギアの前進を止めるデレビヤンチェンコを、結局ムンギアは仕留めきれずにラウンドが終了!!

勝負は判定へともつれ込みました!

いやー、これは何という試合でしょうか。。。!ひょっとしたら僅差でデレビか、と思ったところで起死回生のダウンを奪取したムンギア。

果たして判定は、115-112、114-113×2でムンギア。

あのダウンがなければ、たとえラストラウンドを取っていたとしてもドローという接戦でしたね。

セルゲイ・デレビヤンチェンコは強豪で、世が世なら世界王者になっていてもおかしくないボクサー。この戦いは、きっとムンギアにとって大きな糧となった試合だったでしょうし、もしかすると、まだ世界へのゴーサインは出ないかもしれない、と思わされた試合でもありました。

とは言え長すぎる無冠の期間。そろそろ、ムンギアの世界戦を見たいものです。

 

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