信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

14階級で君臨する日本王者たちは、コロナ禍の中でどのような道をゆくのか。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

ここまで日本人世界王者、OPBF東洋太平洋王者、そしてWBOアジア・パシフィック王者の2021年の展望と期待を書いてきて、今回が最後です。

なかなかのボリュームでした。。。

全て読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。

今回は日本王者たちです。ボリュームは、勿論一番多くなります。

OPBF王座、WBOアジア・パシフィック王座を保持するボクサーについては、前回記事のコピペですのでご容赦下さい。

↓日本人世界王者の展望

boxingcafe.hatenablog.com

↓OPBF東洋太平洋王者の展望

boxingcafe.hatenablog.com

↓WBOアジア・パシフィック王者の展望

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

日本王者

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ミニマム級 谷口将隆(ワタナベ)

2016年プロデビューの谷口は、ライトフライ級の世界王者、京口紘人と同期。これまで日本、OPBFタイトル獲得に失敗、その後WBOアジア・パシフィック王座を獲得、そのままWBO世界王座に挑戦、失敗。

出直しを期してホープ石澤開(M.T)挑戦者決定戦を勝ち抜き、昨年12月に念願の日本タイトルを獲得。

これまで急いで失敗していることもあり、ここは防衛戦をこなしてほしいところですね。ランカーの中で一際興味を引くのは、やはり元OPBF東洋太平洋王者の小浦翼(E&J)戦。

初戦、2017年に対戦した両者は、僅差で小浦の勝利。ここの勝者は、世界へ挑む権利を得られる一戦になりそうです。

 

ライトフライ級 矢吹正道(緑) 

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昨年、待ちに待たされた王座決定戦で大爆発、1RKOで王座獲得を果たした矢吹。その無骨な見た目、華麗なカウンターパンチャーとしてのボクシング、非常に人気の高い王者です。

初防衛戦ではジャブと距離感で試合を支配し、初めての判定勝利を手にしました。この試合で証明したものも多いです。

「次は世界」で問題のない、魅力あるボクサーです。ただその前に、OPBF王者堀川謙一(三迫)との統一戦が見たいです。

ここに勝てば文句なし、どころか大きな期待を背負って世界に挑戦できると思います。

フライ級 ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)

岡山県という地方ジムのハンデを乗り越え、2019年の10月に見事日本王者となったユーリ。早い回でのKOの多い速効型のハードパンチャーは、前戦の初防衛戦ではフルラウンドでその力を証明しました。

 

ユーリの防衛ロードはもう少し続きそうですが、前回の防衛戦では指名挑戦者を退けた事から、次回の防衛戦はどの相手を選択するかは興味のあるところです。

この階級は若く、勢いのあるチャレンジャーが多く、トップコンテンダーの畑中健人(畑中)をはじめ、ユース王者白石聖(井岡)、桑原拓(大橋)、中嶋憂輝(角海老宝石)等、同世代の若いホープたちがひしめきあっています。

今年いっぱいは強豪たちとの防衛戦に専念し、来年以降、勝負に出てもらいたいですね。

スーパーフライ級 福永亮次(角海老宝石)

昨年2月にフローイラン・サルダール(フィリピン)を降しWBOアジアパシフィック王座を初戴冠後、同12月に日本王者・中川健太(三迫)との統一戦(空位のOPBF王座もかけられた)を制し、3冠統一王者となった福永。

現地観戦したサルダール戦は技術では負けていながらの逆転KOで気持ちの強さを見せ、中川戦では気持ちの強さの他に技術も見せてくれました。

 

ディフェンス面で課題はあるものの、勝ち星のすべてがKOと非常におもしろいボクサーです。

3冠統一王者とはいえ、すぐに世界とはいかず、まだまだ国内で証明することも多いでしょう。

3冠の防衛戦は大変かもしれませんので、残すならば日本王座を保持し、スーパーフライ級の日本ランカーとの防衛戦を希望します。

世界王座挑戦経験者の石田匠(井岡)はじめ、先日サバイブした久高寛之(仲里)等の元王者たち、梶楓(帝拳)等のホープ、強い相手との防衛戦で更に腕を磨いてくれる事を期待しています。

バンタム級 鈴木悠介(三迫)

2012年にB級デビューした鈴木でしたが、そのキャリアは順風満帆とはいきませんでした。デビュー3戦目で久我勇作(ワタナベ)に、8戦目で田村亮一(当時古口)に判定負けを喫します。

 

その後2017年に挑戦者決定戦を制し、2018年に王座挑戦が決まりますが、王者赤穂亮(横浜光)が棄権、タイトル戦はいつのまにやら露と消えてしまいました。「呪われたバンタム」のはじまりでもありました。

そして2019年7月、ようやく挑戦できたタイトルマッチで王者齋藤裕太(花形)を撃破、見事日本王者に。しかし、そこから試合はできていません。まだ呪われているのでしょうか。。。

いずれにしろ、鈴木が力を証明していくのはこれからの防衛戦です。既に1年半以上のブランク、この半年以内には防衛戦をこなしてもらいたい。

 

スーパーバンタム級 久我勇作(ワタナベ)

2010年にデビュー、2015年に日本王座初挑戦は失敗しますが、2017年に再度、石本康隆(帝拳)に挑戦し、獲得。この王座は2度防衛の後、和氣慎吾(FLARE山上)に奪われますが、2019年に当時の王者、田村亮一(JBスポーツ)を破り再戴冠。

そして2019年末、ステップアップを期してWBOアジア・パシフィック王座決定戦に挑みますが、まさかの1RKO負け。この時の相手、フィリピンのジュンリエル・ラモナルは和氣慎吾戦に続くアップセットを起こし、ボクシングファンの間では一気に有名となりました。ちなみに、先日赤穂亮(横浜光)が勝利者インタビューで「ターゲットにしている」と名言したボクサーです。

さて、久我に話を戻すと、次戦は1/22(金)に古橋岳也(川崎新田)と対戦することが決まっています。KO負けからの悪いイメージが払拭できているのか、コンディションに注目です。

その後は防衛戦を重ねていく必要があろうかと思いますが、この階級には世界挑戦経験者が和氣の他、松本亮(大橋)もいます。和氣も松本も、世界を目指す途中で敗北してしまっているので、また日本タイトルを狙う可能性は充分に考えられます。

そしてこの階級には、辰吉寿以輝(大阪帝拳)も。陣営はおそらく今年中の日本タイトル挑戦を目論んでいると思われますが、決まればアツい。

 

フェザー級 佐川遼(三迫)

2016年にB級デビューした佐川は、2018年に世界挑戦経験者・松本亮(大橋)を破る殊勲で名を上げます。2019年にはホープ阿部麗也(KG大和)を降し、日本王座を初戴冠。

本来であれば2019年の挑戦者決定戦に勝利した丸田陽七太(森岡)と昨年に対戦予定でしたが流れ、代わりに竹本雄利(クラトキ)との防衛戦では圧巻の強さを見せてTKO防衛。

そしていよいよ2/11(木)に、丸田と激突しますが、これは予想が割れる試合で非常に楽しみです。

この丸田に勝利したと過程して話をすすめると、その次の防衛戦は誰なのか、という話になります。三迫ジムは安易に世界挑戦をさせるイメージはないので、まだ防衛ロードでしょう。

阿部麗也との再戦が決まれば、なかなか噛み合わなかった前戦よりも噛み合う展開になりそうです。このフェザー級には元世界王者の久保隼(真正)、世界挑戦経験者ゼネシス・カシミ・セルバニア(カシミ)等、タレント揃い。

そして何より、OPBF王者清水聡(大橋)とWBOアジア・パシフィック王者森武蔵(薬師寺)の統一戦が5月。秋か冬頃、この勝者に挑戦すれば世界は一気に近づきます。

 

群雄割拠のフェザー級、満場一致で世界に進むにはまだもう少しかかりそう。そしてまずは強敵・丸田戦です。

スーパーフェザー級 坂晃典(仲里)

2012年にプロデビューした坂は全日本新人王決定戦で伊藤雅雪(当時伴流)に初黒星。2017年に日本フェザー級王座を獲得しますが、初防衛戦で陥落。これは当時大いに話題になりましたが、ラウンド終了10秒前の拍子木をゴングと勘違いし、構えを解いた無防備なところを打ち込まれてのTKO負けでした。

その後、2019年にスーパーフェザー級の王座に挑戦、相手は世界を伺う末吉大(帝拳)。ここを番狂わせで破り、日本王座2階級制覇を成し遂げました。

 

そこから約一年、コロナで試合から遠ざかっていましたが、1/22(金)に渡邉卓也(DANGAN AOKI)と対戦することがきまっています。

歴戦の雄、渡邉は前戦の挑戦者決定戦でフェザー級の元王者、源大輝(ワタナベ)を退けている古豪であり、タフさを兼ね備えたテクニシャン。

坂にとっては少々相性は悪そうですが、ここは勝利を得てもらいたいです。KOなら坂、判定なら渡邉という五分五分の試合、これは非常に楽しみですね。

坂はここで勝利して、前回成し得なかった初防衛を成し遂げてもらいたいです。

ライト級王者 吉野修一郎(三迫)

豊富なアマキャリアを経て、プロデビューしてわずか6戦目で日本タイトルを獲得。これまで6度の王座防衛を成し、その道すがらOPBF、WBOアジアパシフィック王座を獲得し、3冠王者に(両地域タイトルは1度の防衛)。

吉野にはもう相手がいない。。。という状況でしたが、伊藤雅雪が企てた国内ライト級ウォーズにより状況は一変、現在は三代大訓との一戦が待たれます。

 

ただ、吉野としては元王者としてネームバリューのある伊藤雅雪を倒して、海外に出たかったでしょうね。三代戦を受けるかどうかは、吉野側の判断にかかっています。ライト級世界戦線に加わるにはメリットの薄い試合ではありますが、ファンとしては是非実現してもらいたい。

とはいえ、国内にも新しい勢力が台等してきているので、三代戦が実現しなければ国内で防衛していくのもアリかもしれません。力石政法(緑)、鈴木雅弘(角海老宝石)、宇津木秀(ワタナベ)等々、現時点で底を見せていないと思われるボクサーもランキングに名を連ねていますので、その対戦もなかなか興味をそそります。

スーパーライト級 永田大士(三迫)

昨年7月、興行のコロナ自粛から再開一発目の興行で、評価の高い王者だった井上浩樹(大橋)を番狂わせで破り、初戴冠を果たした永田。

 

しかし、初防衛戦では世界挑戦経験者、近藤明広(一力)と負傷ドロー。どちらかというと近藤に追い上げられ、薄氷の防衛という印象ではありました。

今年は防衛を重ね、その力を示していく必要がありそうです。

ただ、この階級は本場でも活躍する平岡アンディ(大橋)、再度のアメリカ進出を狙う岡田博喜(角海老宝石)、そして衝撃のKOを連発する新鋭・佐々木尽(八王子中屋)とランカーは少ないながらもタレントは豊富。

正直、王者に対して佐々木尽がどのように闘うのかを見てみたいので、永田vs佐々木が私の希望カードです。

ウェルター級 小原佳太(三迫)

国内外で白熱するウェルター級、国内のトップをひとり挙げるとすれば小原佳太でしょう。OPBF王者の長濱、WBOアジア・パシフィック王者の別府と比べても、やはり実績、そして両王者を倒している永野祐樹(帝拳)に圧勝とも言える内容で勝利した小原は、頭ひとつ抜けている印象です。

ここに、(次戦次第ではありますが)成長株と思われる長濱がどのように近づいていけるかがウェルター級戦線が更に盛り上がっていく鍵になりそうです。

日本タイトルからやり直した小原が、タイトルをすぐに返上しなかったのは意外ではありましたが、このまま防衛を続けていても世界への道は見えては来ません。

 

コロナ禍でなかなか海外選手との試合が組みづらい状態では、停滞感は否めませんが、どこかで勝負に出れる年になればいいですね。

海外で戦えないとなると、やはり前出の長濱、そして別府との統一戦を画策してほしいと思います。

スーパーウェルター級 松永宏信(横浜光)

プロ7戦目の全日本新人王決勝で、別府優樹(久留米櫛間&別府優樹)にKO負けを喫したのが唯一の敗戦で、その2014年12月からここまで連戦連勝。

現在まで6連続KO勝利中であり、その中には2018年の挑戦者決定戦、2019年の日本タイトル獲得戦、そして2度の防衛戦を含みます。成長著しい、横浜光期待のボクサーです。

階級的にランカーも少なく、既にほとんどのランカーを退けている松永は、本来であれば海外を主戦場としてもらったほうがキャリアとしては良いでしょう。コロナがなければ、海外での試合も辞さない横浜光ジムのこと、きっと海外遠征をしていたのではないでしょうか。

 

とはいえ、プロ叩き上げの33歳、残された時間はそうは多くないと思います。コロナの中でも、海外で勝負をかけるならば、今の成長度合いを考えると非常におもしろいと思います。

という事で、日本タイトルの防衛戦よりも、今年は1試合でもいいのでアメリカでの試合を経験してもらいたいですね。

ミドル級王者 竹迫司登(ワールドスポーツ)

2015年にB級デビューの竹迫は、デビュー以来7連続KOで2018年、当時の日本王者、西田光(川崎新田)へ挑み、驚愕の1RTKOで初戴冠。

2度目の防衛戦では加藤収二(中野サイトウ)を相手にまさかの引き分けでしたが、ダイレクトリマッチで8R終了TKO勝利で3度の防衛に成功。

その後、細川チャーリー忍(金子)からOPBF同級王座を奪い取り、現在OPBF・日本の統一王者としてミドル級に君臨しています。

2020年11月に無敗の挑戦者・国本陸(六島)との防衛戦を予定していましたが、竹迫の怪我により中止に。元々5月に行われる予定だったこの一戦は、コロナにより11月に延期、そして今回は中止という表記でした。

ただ、ミドル級の日本ランカーは少なく、落ち着いたら国本の挑戦は受けてもらいたいですね。これに勝てば他に戦うべきはWBOアジアパシフィック王者の野中悠樹(渥美)くらいでしょう。

そして野中を退けた後は、国内、アジア圏に用はなく、海外進出して「村田諒太のアマ最後の対戦相手」から「村田諒太の後継者」となってほしいボクサーです。

 

来年には世界進出を果たしてほしいボクサーですが、あとはコロナ次第。

ヘビー級 上田龍(石神井)

あってないような日本ヘビー級王座。2019年12月、上田が唯一の敗戦を喫したボクサーである竹原虎辰(緑)にリベンジし、王座を初戴冠。

現在ヘビー級のランカーは竹原のみであり、寂しい限りではありますが、ラバーマッチは必要ないでしょう。

という事は、但馬ミツロ(緑)の台頭待ちです。

但馬がいつになるかわからないデビュー戦をクリアすれば、おそらくこの王座に挑戦できるのではないでしょうか。

それが今年中に叶えば良い、そう思います。

 

日本は最もランキングが厳密な国

勝敗により、思ったより上がらなかったり、思ったより下がったり、、、という多少の不満はあるものの、我が日本のランキング作成委員会は非常に厳密な仕事をしているように思います。

小さい島国で、関東圏、または近畿圏にボクシングジムやボクサーが集中しているためか、非常に目が届きやすいというのが一つの理由のように思います。

識者が持ち寄り、ボクサーをプッシュしなくても、勝てばランクが上がり、負ければランクが下がる、当たり前の事ができているようなイメージです。

勿論王座の乱立もなく、王座を保持したボクサーは大切に防衛を重ねていくボクサーが多いのも特徴としてあると思います。

 

世界王座はいくつもあっても、日本王座はいつの時代もたった一つ。

ナショナル王座ながら、威厳のあるこの日本王座を獲得してから、世界へ出ていくボクサーが私は大好きです。

世界に手は届かなくとも、タイトルを手に入れようともがくボクサーたちの熱量は時に世界タイトルのそれを大きく上回ります。日本人ボクサー同士の対決は、どんな世界タイトル戦よりもドラマチックに映ることも多いです。

今年もこの日本王座を巡って、数々の熱戦が繰り広げられる事を心から期待しています。

長々と、ありがとうございました。(疲れました。)

 

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