信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ゲンナディ・ゴロフキンと村田諒太の一戦は、語り継がれるべき一戦。

おそらく、このブログを読んでくれている方のほとんど、いや全員?がご覧担ったかと思います、Amazonプライムビデオで生配信された4/9(土)のLIVE BOXING。

日本ボクシング史上最大の一戦のひとつ、世界ミドル級統一戦。

今回のブログでは、さいたまスーパーアリーナ、現地観戦での観戦記です。

(セミセミもセミも本当に素晴らしい試合でしたが、お腹がいっぱいすぎるので、とりあえずメインのみにしておきます。)

 

4/9(土)さいたまスーパーアリーナ

WBAスーパー・IBF世界ミドル級王座統一戦

ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)41勝(36KO)1敗1分

vs

村田諒太(帝拳)16勝(13KO)2敗

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ちなみに、今回はDAZN USAにて振り返りながら観戦記を書きます。

DAZN USA版では、現地で流れた村田諒太の入場前VTRは無し。パイレーツで村田が入場後、現地でも流れたGGGの入場前VTRに関しては、「日本語の字幕付き」、つまりは現地と同じ映像が流れています。

両者のコール、ゴロフキンにも大きな声援が送られます。

勿論、やはり村田への声援、拍手は当然のことながらもっとです。

こうしてボクシングとしては高額なチケットを入手して、現地観戦に来るボクシングファンの皆さんが、相手選手にもしっかりと敬意を払って観戦するというのは本当に嬉しい。

他の格闘技では、SNSでファン同士がやりあっていたり、一方のファンが他方の選手に暴言を浴びせたりと、見ていて気持ちの良いものではありません。

話が逸れましたが、ゴング。

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この開始ゴング直後、村田に願ったのは「とにかく前に出てくれ」という思い。村田はこれまでも見すぎるきらいがあり、スタートダッシュができなかったことが多い。

そしてそのことは、今回もほんの少し(10秒ほど)の時間、見受けられたように思いました。

ただ、いつもと違うのは、スタンスがかなり広めに見えたこと、つまり重心を落とし、よりアグレッシブなスタンスに構えていたように思った事です。比べて見たわけではありませんので、勘違いかもしれませんが、そう勘違いさせる何かが、今回の村田にあったと思います。

ファーストヒットはゴロフキンのジャブでしたが、村田は早々にプレスをかけ、ワンツーを放っていきます。開始ほんの数秒、少し固く思えた村田でしたが、早々に動きはよくなったように見えます。

しかも村田のパンチは非常にキレており、果たして2年3ヶ月ものブランクを感じさせません。

対してゴロフキンは少しパワフルさに欠ける印象。

 

とりあえず、初回が終了した際には、村田が上々、というか素晴らしい滑り出しを見せた、と思いました。ゴロフキンを「下がらせる」ことはまだできなくとも、「前に出てこさせない」という事はできました。

2R、序盤、ゴロフキンが「このままではいけない」と思ったのか、固い固いジャブを突き、攻勢に出てきます。それをブロッキングした村田は、左ボディ!そして右ストレート!

ボディはちょっと低いような気がしますし、右ストレートも確実に捉えているとは言えませんが、それでも村田のプレッシャーは強く、堂々とゴロフキンと渡り合っています。

村田は、ゴロフキンのジャブの距離ではなく、自分のボディの距離で戦いたい。

常にプレスをかけ続ける村田は、その手数の豊富さも相まって、ややオーバーペース気味とも言えますが、きっとこれで良い。

3R、ゴロフキンは、村田のガードがやや真ん中が空くガードだからか、ジャブからアッパーを多用。前ラウンドもそうでしたが、ゴング開始とともに出てくるゴロフキンのコンビネーションは非常にアングルが多彩で、また数が多く、そして当然のごとく強い。

それを耐えた村田は、エンジンをかけ直して反撃へ。

ここから強いプレスでゴロフキンにガードを強要した村田は、ゴロフキンのパワージャブにひるまずにブロッキングで前進、左ボディ。

ゴロフキンも強いパンチを放ちますが、今日の村田のガードは、これまでと比べても格段に固い気がします。体幹の軸が非常にブレにくい。

そしてこのラウンドの中盤の村田のボディは、ゴロフキンを下がらせたように見えました。ゴロフキンが自ら下がったのではなく、村田がボディで下がらせたのです。

4R、このラウンドの開始直後は、前ラウンドほど出てこないゴロフキン。しかし非常に丁寧な左フックからスタート。

 

映像で見ると、村田が同じところにいても、左フックを打つ場所を変えています。一発目は、村田のガードの上のやや手前の方、二発目は、村田のガードの奥、いつもの耳後ろくらいのところにパンチを持っていっています。

その後、村田が強いプレスをかけてボディを打つ、という展開。ゴロフキンは下がりながらもフックのアングルを変え、村田のプレスに押されながらもジャブを放ちます。

村田が攻めればゴロフキンはディフェンス、ゴロフキンが攻めれば村田はガード、とかく攻防が目まぐるしく移り変わる大激戦です。

ここまで、はっきり言って村田の戦いは想像以上。村田の「これしか戦い方はない」というプレッシャーファイトが、上手く機能しているように見えました。

5R、このラウンドも開始直後のチャージはゴロフキン。大きく回り込ませて打つ左右のフックは、村田のガードをすり抜けて耳後ろあたりを捉えているように見えます。

手を出す時間がそれぞれという感じなので、結果手数は同じくらいでしょうか。

しかし、やはりゴロフキンのパンチは非常に的確で、村田はやや大味。それでも、村田もとりあえずゴロフキンの体のどこかには当てているので、このガード越しのダメージにも期待したいところ。

 

6R、村田が近い距離で鋭いジャブ。そしてアッパー。この近い距離のジャブは良い!と思った矢先、ゴロフキンの右フックが村田の顎にヒット、村田のマウスピースが吹っ飛びます!

これは遠目に見ていても、村田のがっちりとしたガードをすり抜けてゴロフキンの右フックが当たったのがわかりましたし、マウスピースが吹っ飛ぶのもわかりましたね。

村田も決して悪くありません。プレスはまだ効いており、ゴロフキンが下がる場面も見受けられますし、ゴロフキンのストレート系のパンチに関してはブロッキングがしっかりと機能しています。

ただ、ゴロフキンはサイドへサイドへ回りながら攻撃を仕掛け、そしてディフェンスの場面でもサイドへ回る事で、村田は追いきれなくなってきてしまいます。

7R、ゴロフキンはやはりボクシングも巧い。当然そんな事は分かっていたことですが、下がりながらボクシングをするゴロフキンを追いかける事で少し直線的になってしまう村田に対して、ゴロフキンはジャブ、ストレート、アッパー。

ガードを固めて前進してくる村田に対して、ゴロフキンが体で押し返すという場面も目立ち初め、村田のパワーもやや落ちかけているのかもしれません。

下がりはじめて村田、限界が近いのか。ロープに詰まり、ブロッキングでしのいでいるようにも見えますが、ゴロフキンがガードの隙間を狙ってパンチを当てているようにも見えます。

 

これは危ない展開か?と思ったら村田は強いワンツーで攻め入り、ゴロフキンを下がらせます!

村田諒太も決して諦めません!

8R、ゴロフキンのジャブ、左フックがバシバシと決まってスタート。しかし村田は打ち返し、譲りません。

ただ、このラウンドは序盤から遠目で見てもわかるほどゴロフキンの必殺の左フックが秀逸です。村田の固いガードを縫って、グローブ一個分空いている隙間めがけて滑り込むこのフックは、百発百中。

この左フックを何発も当てられ、さすがの村田も下がり、ロープ際!

これは苦しい!と思ったところで、村田は渾身のダッキング!でゴロフキンの左フックを外し、その後戦いをリング中央に戻します!これは何という意地!

後半にも追い詰められたロープ際でゴロフキンの左フックを空転させた村田は、またも攻勢に出ます。これは力をまだ残しているのか、それとも蝋燭の最後の灯火か。

9R、開始早々、ワンツーで攻め込んだ村田!しかしゴロフキンはこれをカウンター、下がったのは村田の方!

コーナー際、村田はゴロフキンの猛攻にさらされ、大ピンチ!

 

しかしガードの固い村田をゴロフキンも少し攻めあぐね、それを確認した村田はまたも反撃!!ここまであのゴロフキンのパンチを喰らい、どこにそんな力が残っているのか。

ゴロフキンはここぞとばかりに攻め込んできて、村田はブロッキングでしのぐものの、やはりゴロフキンのフックはそのガードをすり抜けてヒット。またもロープ際、なんとか強い右を返す村田は力強い攻めで会場を沸かせたものの、最後はゴロフキンの右フック・カウンターをテンプルに浴びてダウン!

セコンドの棄権により、ゴロフキンのTKO勝利!!!

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初回から4Rくらいまで、村田に非常に大きな可能性を感じました。村田は持ちうる全ての力を出せる作戦を、見事に遂行することができ、ポイントもピックアップしているように思いました。(結果として、思ったほど取れてはいませんでしたが。)

ゴロフキンは、村田のボディにより下がっているように見えましたし、近い距離での押し合いでも互角だったように見えました。

違っていたのは、ゴロフキンのパンチの多彩さであり、そのアングル、当て方。村田のそれは、これまでもそうですがややワンツー偏重であり(これは日本のボクサーは大体そうですが)、バラエティに乏しかった。

しかし、村田は本当に立派に戦ったと思います。

 

あの世界最高峰、ゲンナディ・ゴロフキンを相手に。

日本では最重量級であるミドル級においては、常に練習相手に苦労し、アマ時代は自ら練習メニューを考え、工夫し、それでも世界選手権で銀メダル、オリンピックで金メダルを獲得した村田。

プロになってからは日本のミドル級としては恵まれた環境だったかもしれませんが、それでもスパーリングパートナー不足は相変わらず。コロナ禍においては、このスパーリングパートナーもコロコロと変えるわけにもいかず、トレーニングはかなり制限された中で行わざるを得なかったでしょう。

そんな中、世界最高峰を相手に、ここまで戦えた事は誇って良い、と思います。

今回、私は終始村田を応援することができました。

おそらく、どこかでゴロフキンが劣勢になっていれば、気持ちがゴロフキン応援に傾いていたはずです。しかし、そうはなりませんでした。

それはどこかで、やはりゴロフキンは常に格上であり、村田が(私は前半、村田がポイントを取っていると思った)ポイント的に優勢だったとしても、どこかでゴロフキン優位という見方をしていたからだと思います。

ともあれ、この村田の戦い方に何の不満もありません。村田は、文字通り最高の準備をして、最高の試合内容を見せました。

 

それでも、ゴロフキンに及びませんでした。

それが現実であり、それ以上でもそれ以下でもありません。

強い方が勝つのではなく、勝った方が強い。この大原則そのままで、やっぱりゴロフキンは強かった。応援していた村田諒太というボクサーが負けた。もしかしたら、この負けは、キャリアを閉じてしまう負けなのかもしれません。

それでも、「あの時こうしておけば」とか、そういう後悔がない負けなのかもしれない、とも思います。悔しいけれど、やっぱりこの敗北に関しては、案外と納得のいくものだったりする。ここまで出し切れて、そして負けたのならば、たとえそれがどんなに応援している選手だったとしても非常にさっぱりとしたものですし、大いに相手を称える気にもなるものだ、と思います。これこそが、ボクシングのあるべき姿。

つくづくボクシングとは不思議なものですね。

↓アンダーカードの観戦記

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