前回の続き。
↓前回のブログ
日本時間4/17にアメリカで行われる大注目試合、エロール・スペンスJr.vsヨルデニス・ウガスという世界ウェルター級3団体統一戦。その試合はShowtimeがPPV放映を行いますが、そのPPVリストから漏れたアンダーカードまでもがまたものすごい。
はっきり言って、PPVリストに入っている試合よりも、こっちの方が注目ではないでしょうか。
ということで、今回のブログでは、スペンスvsウガスのアンダーカードに控える、ラジャブ・ブタエフvsエイマンタス・スタニオニス、そしてブランダン・リーvsザッカリー・オチョアのプレビュー記事です。
4/16(日本時間4/17)アメリカ
WBAレギュラー世界ウェルター級タイトルマッチ
ラジャブ・ブタエフ(ロシア)14勝(11KO)無敗1NC
vs
エイマンタス・スタニオス(リトアニア)13勝(9KO)無敗
なんとPPVに乗っからなかったのがこの超大注目カード。王座削減を掲げているWBAからすれば、この勝者がスペンスvsウガスに挑戦するはずなので、ここはセミファイナルあたりに組み込むのが順当ではないか、と思うのですが、そうはなっていません。
これはロシア絡みの何か、なのでしょうか。果たして、コーディ・クロウリーvsホセシト・ロペスのウェルター級戦よりも価値がない、なんてことはないはずですが。
WBAレギュラー王者、ラジャブ・ブタエフは、無敗であって無敗ではない王者ですが、ロシアン・ボクサー(旧ソ連と言った方が正しいか?)に多い「フィジカルの強さ」「ハードパンチ」「インサイドでのステップワーク」等々、色々と揃えているボクサーです。
敗北こそしたものの(のちにNC)、ベスプーチン戦も素晴らしい戦いだったし、前戦のジャマル・ジェームス戦も素晴らしいパフォーマンスでした。
↓ジェームスvsブタエフの観戦記
とにかく体の強さを活かしてグイグイと前進する様は、サイボーグか何かのようです。ややスロースターターに感じるところはありますが、ジェームスのことも最後には捕まえてしまいましたし、がっつりドーピングしていたベスプーチンのことも捕まえかけていました。
怪物クラスのプレッシャーを持つブタエフ、これぞ「おそロシア」そのものです。
そんなロシアの怪物、ブタエフに挑むのが、リトアニアの怪物、エイマンタス・スタニオニス。リトアニアも旧ソ連ですね。
こちらのスタニオニスは未だプロスペクト、という扱いかもしれませんが、とんでもないプレッシャーファイターです。
決して下がらない、非常に重厚なプレスをかけ、軽くも重くも打てる両手と、素晴らしいアングルを持っています。
戦いたい距離、やりたいことがよく似ている二人のボクサーは、おそらく終始打撃戦を展開することが予想されます。ただ、これはただの打撃戦ではありません。ウェルター級屈指のフィジカルを持ち、そしてテクニック、特に接近戦での技術を持つ上質なボクサーふたりが巻き起こす、世にも奇妙な接近戦でのテクニカルファイト。
近い距離で様々な技術、そして押したり引いたりを繰り返し、決着はわかりやすく、「下がった方が負ける」。こんな感じだと思います。
これはボクシングがよくわからない人から、マニアまで、誰もが楽しめる打撃戦となること請け合い。どちらかが倒れるのか、それともどちらとも耐え抜くのか。
近い距離で、両手、ステップワーク、ヘッドムーブを使った非常にテクニカルな接近戦が予想される一戦は、おそらく激闘ながらも丁寧な技術のオンパレードになってくるのではないでしょうか。当然、メインイベントクラスのマッチアップであり、ファイト・オブ・ザ・イヤーの有力候補ではないか、と思っています。
(試合内容はスペンスvsウガスを上回ると思います。)
そんな一戦がPPVリストに載らないアンダーカードなのは本当にどうかしていますが、これを無料で放送し、テンションの上がった人たちにそのままPPVを買わせる算段であれば納得はできます。
ここで勝てば、スペンスvsウガスの勝者に挑戦、というのが道筋です。
ウガスだとちょっとアレですけど、スペンスに挑戦ということならどちらのボクサーにとっても非常においしい、お金を稼げるマッチメイクになりますね。
ということで、この一戦は超注目です。
スーパーライト級10回戦
ブランダン・リー(アメリカ)24勝(22KO)無敗
vs
ザッカリー・オチョア(プエルトリコ)21勝(7KO)2敗
「ブランドン」という表記が多いかもしれません。スペルは「Brandun Lee」なので、ブランダンで良いような気がするんですが。長いものには巻かれる派なので、そのうちいつのまにかこのブログでも表記は変わっているかもしれませんが、お気になさらず。
ちなみにブルース・リーの息子、ブランドン・リーのスペルは「Brandon Lee」です。関係ないけど。
ともあれ、このブランダン・リーというボクサーは、インテリジェンスあふれる倒し屋、と言えると思います。
引き出しの幅は多いイメージで、そのKO率が示す通り、ハードパンチの持ち主。非常に魅力的なボクサーで、まだ底は見せていません。
まだまだキャリアの形成期、という感じではありますが、ここまでは危なげなく勝ってきています。
今戦のザッカリー・オチョアという、どこかで聞いた事があるような名前のボクサー(結局知らないボクサーでした)は、映像を見ると距離をとってカウンターを狙うタイプのボクサーに見えます。
ステップワークで誘い込み、誘い込み、カウンター。ただそのカウンターは単発気味であり、その後の効果的な攻撃もないため、個人的な見解としてはリーにとっては安牌な相手とも取れます。
ただ、倒しにくい、ディフェンシブな相手であることは間違いなさそうです。
リーは、前戦のファン・ヘラルデス(アメリカ)戦で自身最長となる7Rを戦いました。ここに勝って、そろそろ相応の相手とのステップアップファイトを見たいものですね。
放送・配信
ここ最近、Showtime放送のPBC興行は、日本ではFITE.TVがPPV放送をしてくれる事が多かったです。PPVといっても、1,220円と格安で、日本のコアなボクシングファンにとっても非常に助かっているはず。
しかし、残念ながら、このブログを書いている4/13現在、FITEのリストには載っていません。(そのうち載るかもしれませんので、私の作っているスケジュールを確認してください。)
リーvsオチョア、ブタエフvsスタニオニス、このPPV前の2試合は、アメリカではShowtimeが放映。時間は日本時間で4/17(日)8:00〜となっています。
この2試合のあと、4試合にわたるShowtimeのPPVが始まるわけですが、そのPPVのリストに載っている試合はWOWOWオンデマンドで生配信。日時は4/17(日)11:00〜です。
お見逃しなく!!!
↓WOWOWはこちら