信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】セバスチャン・フンドラ、フェルナンド・マルティネスの初防衛戦!WBCミドル級の暫定王座の行方は?

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

いちご一会とちぎ国体へ視察に行って、これでもかというほどアマチュアボクシングを見てきました。この国体は10/10(月・祝)が決勝で、「国体チャンネル」で生配信だそうです。

できれば一回戦から流してもらいたかったですが、まあ、見れるだけ良しとしましょう。

↓国体チャンネル・ボクシング競技はこちらから。11:00〜放映開始です。

https://japangamestv.japan-sports.or.jp/kyougi/boxing

 

そんなことをやっているうちに、コナー・ベン(イギリス)がドーピング検査違反により試合が延期。そもそもこのドーピング検査違反については、もっと前からわかっていたことで、メディアにリークされた事から問題となり、延期となった経緯のようです。

これはメディアが騒がなければ、やっていたのでしょうか。

そう考えると、ボクシングの世界はクリーンではなく、中規模くらいの試合であればいくらでもドーピング検査違反とかがありそうで怖いですね。

この問題は早々に解決して、ボクシング競技の権威を守ってもらいたいものです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回のブログは、今週末の再注目興行、セバスチャン・フンドラvsカルロス・オカンポの観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

 



10/8(日本時間10/9)アメリカ・カリフォルニア

IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ

フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)14勝(8KO)無敗

vs

ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)33勝(22KO)2敗2分

前戦、完敗という内容だった前王者のジェルウィン・アンカハス。謎ともいえるダイレクトリマッチで名誉は挽回できるか。

前戦は実力を出し切って負けた、という感じもあるアンカハスですが、「初防衛戦」となるフェルナンド・マルティネスにも付け入る隙はあるはずです。

スーパーフライ級ということで、日本のファンも注目する一戦、ゴング。

初回、プレスをかけるのはマルティネス。アンカハスはステップとジャブでボクシングも、しつこく攻めるマルティネスは離れ際に左フックをヒット。アンカハスは少し勢いがなく、スローにも見えます。

2R、勢いよく飛び出したマルティネスは、プレスをかけて手数勝負。アンカハスのステップも軽やかになってきました。非常にディフェンシブな戦いではありますが、相手を回す右フックは見栄えが良いし、コンビネーションも出ています。あとはやはりノーモーションの左ストレートは流石。

 

3R、更にプレスを強めるマルティネス。これはある種の消耗戦で、どちらが自身の闘い方を貫けるか、という勝負。このラウンドはマルティネスのプレスがやや上回った印象ですが、後半に入るとアンカハスも長いワンツーをよく伸ばします。

4R、圧倒的な手数で攻め込むマルティネス、体勢を崩しながらもパンチを振るう姿勢は素晴らしい。後半の打ち合いも、ヒット数でマルティネスが上回っているように見えます。

5R、展開は変わらず、マルティネスは右ボディストレートを多用しますがこれはなかなか効果的。マルティネスは走って追いかけるレベルのプレスをかけ続けている状態なので、後半どうなるのか、というところですね。

6R、マルティネスの強いプレスで、アンカハスはかなり動きが大きくなっているように見えます。動かされているアンカハスですが、マルティネスの運動量もかなり多い。ここまでポイントはマルティネスだと思いますが、アンカハスはそろそろ挽回に動かなければいけません。

しかしマルティネスは前進だけでなくボディムーブも良く、近い距離で非常にパワフルなパンチを打ちながら攻防一体、アンカハスは苦しいか。

7R、ショータイムの非公式採点ではここまででドロー。個人的にはアンカハスのとったラウンドは1つか2つのような気もしますが。

ラウンド早々にマルティネスはチャージ!アンカハスも応戦、打撃戦へ!エキサイトした試合は、アンカハスによるローブロー、バッティング(アンカハスが眉間から出血)と2度の中断がありますが、大きな盛り上がりを見せます。よりダメージを与えているのはマルティネスに見えます。

 

8R、アンカハスは何かを狙っている素振り、マルティネスはやや慎重になりながらも、とにかくグイグイと攻めていきます。素晴らしい勇気、そして心身共にタフネスを有しています。

展開としては、マルティネスが自身の土俵にアンカハスを上げたという格好で、アンカハスも前に出て戦っています。

9R、このラウンドはハナから打撃戦、フックの距離では明らかにマルティネスの回転力が上回ります。アンカハスはどちらかというとしっかりと打つストレートが得意そうなイメージですが、まさにその通り、ちょっとこの距離ではジリ貧です。

マルティネスは近い距離でも細かなスウェー、ダッキングをおりまぜて、速いコンビネーションでタイミングを変え、終盤には良い右ストレートをヒットしています。

10R、全く動きの落ちないマルティネス、プレスをかけてアンカハスに手を出させ、鋭いリターンを狙う作戦。かといってアンカハスが手を出すのを怠ると自ら攻め、これもまたパワフル。アンカハスも同時打ちのタイミングでパンチを返す分、疲労感はありつつもまだ怖さを残しています。

11R、少しペースを落としたようにみえるマルティネス。後半は顕著で、アンカハスに対してリターンを狙う展開です。しかしそのリターンが4発5発をまとめて出すものですから、見栄えとしては良い。

ラストラウンド、逆転を狙って先手をとるのはアンカハス。マルティネスはやや余裕を持たせた試合運び、アンカハスが攻め込んだあとのリターンはかなりエグい。アンカハスはよく立ち続けている、という猛攻をうけながらも規定のラウンドを終了、勝負は判定へ。

 

判定は、119-109、118-110×2の3-0でフェルナンド・マルティネス。

マルティネス、めっちゃよくしゃべる。紙に書いたメモを読み上げていますが、お世話になった一人一人に感謝を表明しているのでしょうか?インタビュアーも呆れ顔ですが、これはこれで良い。更に中継が終わったあともしゃべっていますね笑。

ところで、このフェルナンド・マルティネスは素晴らしいファイター。ハードブローと軽めのコンビネーションを打ち分けることができるボクサーで、近い距離ではディフェンスとも連動しています。接近戦で非常に強く、それに持っていく過程もまた素晴らしい。しっかりとしたプレス、大胆な踏み込み、そしてタフネスと勇気、あと最後までペースが落ちないスタミナを持っています。

本物のアウトボクサーにボクシングをされる、という可能性はあるものの、この打ちあいに強いファイターは、エストラーダやロマゴンとも良い勝負ができるのではないか、と思います。

フェルナンド・マルティネス、今後の活躍に期待です。

 

WBC世界ミドル級暫定王座決定戦

カルロス・アダメス(ドミニカ共和国)21勝(16KO)1敗

vs

ファン・マシアス・モンティエル(メキシコ)23勝(23KO)5敗2分

やはり、WBC世界ミドル級暫定王座決定戦ということのようですね。

WBCの正規王座の行方がよくわからない今、暫定戦を設けるのは仕方のない事かもしれません。ともあれ、ゴング。

初回、じりっじりっとプレスをかけるサウスポー、アダメス。モンティエルはスムーズとはいえないフットワークでゆっくりとサークリング 。非常に静かな立ち上がりに早くも会場からはブーイング。。。

2Rに入るとややペースアップしたアダメス。速いジャブでモンティエルを攻めます。しかし、如何せんビッグパンチの交換はほとんどありません。

アダメスが既にスピードで圧倒しているように見えますが、モンティエルも優れた体躯を使って押し返し、反撃。

 

3R、勢いよく飛び出たのはアダメス。接近してパンチを振るうアダメスに対して、モンティエルは相打ちのタイミングでパンチを返します!これが奏功、スピードに勝るアダメスの好きにはさせず、この打撃戦に会場は大いに盛り上がります。

しかしやはり、アダメスの方がパンチを当てるのは上手く、また速いため、モンティエルはアダメスのハンドスピードについていくことはできません。

徐々にダメージを溜めているであろうモンティエル、後半にアダメスのカウンターを浴び、ぐらつきます。

ここでフィニッシュに向かったアダメス!モンティエルは懸命に打ち返しますが、アダメスの回転力のある連打を浴び、ロープに詰まったところでレフェリーがストップ!!!

カルロス・アダメス、3RTKO勝利!!!WBC世界ミドル級暫定王座を獲得!!

見事見事な初戴冠、カルロス・アダメス。

素晴らしいハンドスピードを持ち、しかもハードパンチ。それぞれのコンビネーションのアングルも素晴らしいアダメスは、身体能力の高さも注目すべき点であり、ファン・マシアス・モンティエルとは実力差があった、と言っても過言ではありません。

これは強いボクサーですね。

 

モンティエルも相打ちに持ち込んだ事は素晴らしかったとも思いますが、3分間も続きませんでした。あれをずっと続けられるようであれば、試合は面白くなったと思いますが、それにはアダメスのスピードに対応する術と、ハードパンチを受けつつも打ち返せるタフネスが必要で、それは当然容易な事ではありません。

あとはアダメス、当て勘も素晴らしく、かなりのパンチを良いタイミングで着弾させていました。チャーロ相手にもフルラウンド粘ったモンティエルを3Rでノックアウトしたアダメス、これはまたミドル級が楽しみになりますね。

 

WBC世界スーパーウェルター級暫定タイトルマッチ

セバスチャン・フンドラ(アメリカ)19勝(13KO)無敗1分

vs

カルロス・オカンポ(メキシコ)34勝(22KO)1敗

PBC、よくもまあジェイク・ポールvsアンデウソン・シウバなんていうイロモノPPVを堂々と宣伝できるものですね。まあ、仕方ないのでしょうけど。

私はどんなに盛り上がろうともこういう意味不明なエンターテイメントファイトは否定的です。真剣勝負、リアルファイトが見れればそれで良いですし、もしそれらをしなければボクシングが有名になれない、競技人口が増えない、というのであれば、なくなってしまう競技であるということを受け入れた方が良いでしょう。

「金のため」にボクシングをするボクサーは、おそらく今も昔も少数派。そもそも「金」なんてものは、仕事をしたあとについてくるものであり、「金」のために仕事をする、ということは本末転倒だと感じます。

まあ、置いておいて、いよいよメインイベント。

初回、フンドラが右ジャブ、オカンポもそれにあわせて恐れずに踏み込みます。リング中央、中間距離での攻防からスタート。

フンドラはいくつものジャブを突いてこのラウンドは様子見で終了。

インターバル中には妹、ガブリエラ・フンドラの試合が流れます。判定勝利だったそうです。

 

2R、オカンポがペースアップ、コンビネーションで仕掛けます。しかしフンドラはやはり遠く、オカンポのコンビネーションが届かないところで左ストレート。

今日はいつもよりほんの少し遠い距離、フンドラのストレートの距離で戦っているような気がしますね。(いつもはアッパーが当たる距離)

3R、1分ころのところでオカンポは右ボディから左フックをヒット。しかし打つところが高いので、あまりウェイトが乗っているようにはみえません。やはりボディから崩さなければいけませんね。

その後、ほんの少しずつ距離が近い時間が増えてきているイメージです。

4R、いよいよジリジリと前に出始めたフンドラ。オカンポも退かないため、必然的に距離が近くなります。ここでは、オカンポの回転力は素晴らしい。フンドラがアッパーフックと2発打てば、オカンポは4発をリターン。

こうしてこの距離で打ち方なければチャンスがない、ということをしっかりとわかっているようです。オカンポはボディから上に返すコンビネーションを基本としており、しっかりと研究してきた成果が伺えますね。

5Rも接近戦でスタート。あとは我慢比べです。

交互に攻撃をしているように見えますが、オカンポの方は少しずつ荒くなってきたように感じます。打ち終わり、打ち始めに少し危険な体勢が見え始めています。

スロー映像が流れますが、この接近戦で、長い腕を折りたたんでコンパクトなカウンターを打っているフンドラ。めちゃくちゃうまい。

 

6Rも接近戦スタート。オカンポは完全にフンドラに体重を預けており、相変わらず回転力は非常にあります。

中盤、手数に押されたフンドラが下がる場面もありますが、クリーンヒットはフンドラでしょう。

後半、やはり疲れのみえるオカンポはクリンチやステップも駆使、ただちょっとこの疲労感はあと6ラウンズは持ちそうにない感じです。

7R、このラウンドも接近戦、オカンポも非常に頑張ります。フンドラの的中率は少し落ちたような感じがしますが、オカンポがよく上体を使ったディフェンスができているのと、やはりリターンが素晴らしいからですね。

8R、このラウンドも接近戦、オカンポは懸命に手を出すものの、速いコンビネーションでなければフンドラにコンパクトなカウンターを取られてしまう危険性が高い。

徐々にハンドスピードが衰えてきているオカンポにとっては苦しい展開で、フンドラは前半とさほど変わりません。

このラウンドは、オカンポが打てばフンドラが近い距離でのカウンターで幾度ものけぞらせる場面が目立ちました。

インターバル中、レフェリーが何事かをオカンポ陣営に伝えています。おそらく、打たれすぎだという事でしょう。決着は近いかもしれません。

 

9Rも当然のごとく頭をつけての打ち合い。この距離でフンドラは下を向いているように見えますが、相手のことをよく見ており、カウンターが上手い。

このラウンドもオカンポは次々と手を出し、ハートを見せますが、如何せんヒット率には大きな違いが生まれています。

10R、激しいパンチの交換、ともに歩みをとめません。終盤、オカンポはノーガードで挑発、何かを変えたいということでしょうか。

11R、このラウンドはなぜか少し距離が空き、序盤のような中間距離でのボクシング。双方、最終ラウンドへ向けての休憩のラウンドでしょうか。

ちょっとオカンポの手数が少ないように思いますね。

踏み込んで攻撃してくるオカンポのワンツーをはずし、左ストレートをヒットするフンドラ。

ラストラウンド、ここも中間距離スタート。フンドラとしては無理をしない方針でしょう。オカンポは本気で勝つつもりならどこかでチャージしないといけません。

しかし、オカンポが特攻をかけるタイミングは訪れず、終盤には少々の打ち合いがあってラウンドが終了。

判定は、119-109、118-110、117-111でセバスチャン・フンドラ。

序盤、上手く戦っていたオカンポでしたが、5R以降はフンドラのラウンドだったはずです。やはり接近戦ではフンドラの方が1枚も2枚も上手であり、近い距離ではオカンポのパンチも当たらないわけではないのですが、インサイドからのカウンターをよりヒットしていたのはフンドラであり、よりダメージを与えていたのはフンドラだったと思います。

オカンポは速いコンビネーションが12R続けば勝機はあったかもしれませんが、前半に飛ばしすぎたのか、それとも前半勝負だったのか、後半には落ちていってしまいましたね。

 

やはり長い戦いだからこその面白さが、世界タイトルマッチにはあります。

119-109フンドラというのはちょっとフンドラ寄りだと思いますが、おおよそ妥当な判定だったと思います。

今回のPBC興行、3試合とも非常に面白かったです。

ちなみにアンダーカードにはセバスチャン・フンドラの妹、ガブリエラ・フンドラも登場していますし、エギディウス・カバラウスカス(リトアニア)vsマイカル・フォックス(アメリカ)という大注目サバイバル戦もありました。このアンダーカードは(ちょっと見づらいですが)Youtubeで公開されていますので、気になる方は是非!

↓アンダーカード

Sebastian Fundora vs. Carlos Ocampo: Countdown | SHOWTIME CHAMPIONSHIP BOXING Prelims - YouTube

 

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