信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ホセ・セペダvsレジス・プログレイス!大注目のスーパーライト級、次の覇権は何処に??

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

残念ながら、日本版のFITE.TVでは配信のなかった注目興行。

今後のスーパーライト級を占う上で、非常に重要な試合であるホセ・セペダvsレジス・プログレイスの一戦。

11/27、ボクシングファンの多くは3150FIGHT SURVIVALを見たのかもしれません。さほど話題にはなっていないし、vol.2のメインがとんでしまった事もあって見た人は少ないのかもしれません。

ともあれ、この日、世界で最も注目を集めていたのは、ホセ・セペダvsレジス・プログレイスのはずなのに、日本では見れなくて本当に残念。

個人的には英国版FITEからPPVを購入して視聴しましたが、日本版FITEは残念なことに本当に使えません。。。

ということで、愚痴っぽくなってしまいましたが、今回のブログはセペダvsプログレイスの観戦記。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 


11/26(日本時間11/27)アメリカ・カリフォルニア

フェルナンド・バルガスJr(アメリカ)vsアレハンドロ・マルティネス(アメリカ)

オープニングバウトはフェルナンド・バルガスの息子、フェルナンド・バルガスJr。3勝(2KO)2敗1分のマルティネスとの一戦です。

サウスポー、バルガスはフリッカーのような右ジャブを使ってプレスをかけ、強い左ストレートを持っています。2R、バルガスがプレスをかけて大きな右フックから左ストレートをフォロー、それがかすったマルティネスはややバランスを崩します。

そこからも打って離れてのボクシングを展開したバルガスは、中盤、コーナー際でロングの右ボディから左ストレートをヒット、マルティネスはロープからロープへエスケープするような感じで打つ手なし。

後半、バルガスの右フックがテンプルに入ると明らかに足をもつれさせたマルティネス、これを攻め立ててバルガスはダウンを奪取。立ち上がったマルティネスに右アッパー一閃、マルティネスは前のめりにダウン!レフェリーは試合をストップ!

フェルナンド・バルガスJr、2RTKO勝利。戦績を7勝(7KO)無敗としました。

父親譲り、非常にダイナミックなボクシングで爽快です。今後も非常に楽しみですね。

 

チャールズ・コンウェル(アメリカ)17勝(13KO)無敗

vs

ファン・カルロス・アブリュー(ドミニカ共和国)25勝(23KO)6敗1分

続いて登場は、スーパーウェルター級のプロスペクト、チャールズ・コンウェル!

初回からプレスをかけてスタート!と思いきや、速攻レフェリーが試合を止めます。何故かというと、アブリューがマウスピースをしていなかったそうで。。。もっと早めに気づくべきですし、このタイミングでよく気づいたなー

さて、仕切り直し。

アブリューは左手を下げてフィリーシェル、かなり斜に構えています。軽めのジャブでコンウェルを牽制、コンウェルは序盤は良く見るスタイル、手を出さずにプレスをかけていきます。

後半、あまりに手を出さないコンウェルに対し、アブリューは攻勢をかけていきます。

2R、コンパクトなピーカブースタイルからグイグイとプレスをかけるコンウェル、そこにあわせようとするアブリュー。コンウェルは左目上付近から出血、これはパンチ?バッティング?

(※バッティングだったようです。)

 

序盤は自然と下がらされていたアブリューでしたが、中盤はリング中央で迎え撃つようになり、近い距離での乱戦模様。

後半、コンウェルの左ボディから左フックのコンビネーションがヒット、上か下かどちらかでダメージを負ったか、アブリューは一瞬硬直する場面がありました。

3R、揉み合い、押し合いのゼロ距離から、アブリューも巧く身体を引いてボディを打ちます。コンウェルはひたすら押し、鈍器で殴りつけるようなショートの右。2分がすぎる頃、左フックでアブリューを下がらせたコンウェル、ちょっと出血が目に入ってしまって戦いづらそうですが、そのプレッシャーファイトは一切の手抜きがありません。

4R、ここでアブリューがチャージ。この力強いコンビネーションにコンウェルは迎え撃ちますが、この近い距離での左右の回転力は非常に重厚で、回転力もあります。

中盤、ぶん回すような左フックをヒットしたコンウェル、下がるアブリューを追い立てます。

アブリューはそこから一気に力が入らなくなった印象で、ステップとクリンチ、ディフェンス能力を駆使してサバイバル。

5R、序盤は距離を取ろうと試みたアブリューでしたが、中盤には接近戦。ここではやはり押し負け、打ち負け、左右のフックが次々と当たるコンウェルはどんどん回転力が増しているイメージ。アブリューは非常にタフであり、また25勝中23KOというハードパンチを持っているために怖いボクサーですが、やはり近い距離ではコンウェルが圧倒しています。

 

6R、アブリューは肚を決めたのでしょう、コンウェルに対して接近戦を挑んでいます。ほんの少し距離が開けばアブリューの、体ごと叩きつける右は強力ですが、ゼロ距離ではコンウェル。中盤、コンウェルはまたも左フックをヒットしてアブリューを効かせますが、アブリューのタフさは尋常ではなく、後半にはまたアグレッシブに攻め入ります。

7R、アブリューがプレスをかけて前進、コンウェルは回りながらジャブという展開でスタート。コンウェルはブロッキングが非常にしっかりとしており被弾は避けますが、アブリューのハートは素晴らしいものがありますね。

中盤には乱打戦、そして後半にはコンウェルの左ボディが明らかに効いたアブリューですが、倒れる事はありません。

7Rを通してのパンチスタッツはコンウェル119/281に対してアブリューが48/337という圧倒的なもの。

8Rもアブリューは諦めずに全身、コンウェルは迎え撃ったり下がったり等しながら、時折力強いパンチを当てます。中盤はまた左ボディ、一拍おいての右ストレートをヒットしますが、アブリューは倒れず。

9Rも展開は変わらず。中盤、コンウェルは強い右をヒット、その後も左フックをヒットするなどしますが、アブリューはふらつくものの倒れる事はありません。どころか、そのリターンもしっかりと出してきます。

アブリューは非常に柔らかく、顔をそらしたり上体を動かしたりしてダメージを逃しているのでしょうが、それを差し引いてもこのタフさには呆れます。

 

ラストラウンド、殆どの時間をリング中央で過ごす両者。互いに退かず打撃戦を展開し、規定の10ラウンズが終了しました。

判定は、95-95、98-92、96-94でチャールズ・コンウェル!2-0、辛勝と言って良い内容かもしれません。

ただ、全体的にはコンウェルの方が大きなダメージを与えていたのは明らかでした。

最終的なパンチスタッツもコンウェル179/411、アブリュー74/512ということでヒット数には大きな差が生まれています。ただ、アブリューは10ラウンズを通してほとんど退かず、前に出て戦った姿は素晴らしかったと思います。

バホディル・ジャロロフ(ウズベキスタン)11勝(11KO)無敗

vs

カーティス・ハーパー(アメリカ)14勝(9KO)8敗

東京五輪金メダリスト、バホディル・ジャロロフのプロ12戦目。

初回から一定の距離をキープし、ジャブ、ワンツーをヒットするジャロロフ。ハーパーは攻めあぐね、後半になる頃には頭から突っ込む事も試しますが、なかなかパンチの当たる距離に詰め寄る事ができません。

2R、ワイルドな右を振るって強く踏み込むハーパー。しかしジャロロフのステップと右ジャブに阻まれ、功を奏しません。イラついたのか、ハーパーは揉み合いの最中、頭を思いっきり突き出し、故意のバッティングにより減点を課されてしまいます。

3R、力の差は明らかながらも、強引に倒しにはいかないジャロロフ。ジャブとストレートで完全に試合をコントロール、終盤に右ストレートをクリーンヒットするとハーパーはダウン。

 

立ち上がったところでラウンド終了。

4Rもジャロロフはジャブとストレート。ストレートのアングルはやや変えつつ使ってはいるものの、非常にシンプルなボクシングを展開しています。中盤、コーナーに詰まったハーパーに左ストレートを決めて、2度目のダウンを奪取。ハーパーは立ち上がりますが、レフェリーは試合をストップ。

これで12戦全勝全KO。当然、ランカーでもない限りは相手にならなそうなジャロロフですが、今はやはり少し長めのラウンドができる相手を探さなければいけないかもしれません。

この試合のあと、日本でもおなじみのモイセス・フエンテスへの追悼の10カウントゴング。切ないものですね。。。

 

IBF・WBO世界女子ライトフライ級タイトルマッチ

エバリン・ベルムデス(アルゼンチン)17勝(6KO)無敗1分

vs

ヨカスタ・バジェ(コスタリカ)26勝(9KO)2敗

初回。ベルムデスの方が随分大きいように見えますね。インサイドで戦いたいのはバジェの方だと思いますが、バジェは非常にアグレッシブに振っていきます。

強い右を狙うバジェに対して、ベルムデスも右カウンターをあわせようとし、この二人のボクサーは非常にスピーディで、パワフルです。さすが世界王者同士の戦い、とてもハイレベル。

2R、思い切り突っ込んで、連打へつなげようとするバジェに対して、ベルムデスは打ってはスウェー、このスウェーが高身長なぶん非常に効果的です。

回転力があるのはバジェの方か、ベルムデスはキレのあるカウンターを打ちますが返しは少ない。これは非常に難しい一戦ですね。

 

3R、ベルムデスのジャブは良い。右カウンターのタイミングも素晴らしい。しかしバジェが左右を振りながら前進すると、これは非常にヒット率が高く、軽いながらもクリーンヒットを奪っています。

パンチスタッツはベルムデス35/158、バジェ37/158と全くの互角。

4R、中間距離ではベルムデスのジャブ、そのジャブをミスすると、もしくはミスさせられると一気にバジェが攻め込みます。一進一退の攻防の中、最終盤は中間距離での打撃戦!会場も大盛りあがり、これは本当に見応えのあるファイトです。

5R、このラウンドも同様で、終盤の打ち合いまで。ふたりとも本当によく手がでます。

6R、後半戦に入ったこのラウンド、ほんの少し、バジェの左フック、右のオーバーハンドのパワーが上回ってきたような雰囲気を感じます。もちろん、まだまだベルムデスの右カウンターのタイミングは怖いし、ジャブも良いのですが、少しだけベルムデスが下がらされる場面が出てきたような気がします。

パンチスタッツは、ベルムデス53/178、バジェが68/239。

 

7R、このままバジェが押し切るか、と思いましたが、このラウンド前半はベルムデスの右カウンターが冴えわたります。

しかし中盤頃、ベルムデスはカウンターを失敗、バジェの右を食らってしまい、後退。それでもベルムデスはここで退くのではなく前に出て打ち合いを選択。漢です。女性ですけど。

8R、このラウンドも打撃戦が展開されます。互角の展開ながらも、バジェの方がフィジカルパワーに優れるか。

ラウンド終了後のパンチスタッツはベルムデス88/413、バジェが90/401。

9Rも打ち合い。とにかく前進しながら手がでるバジェの方が印象が良さそう。バジェはパンチをもらってもバランスを崩さず、そのまま打ち返しているためかと思います。

ラストラウンドまでバチバチの打ち合い。両者ともにスタミナも気力も素晴らしく、最後の最後まで室の高い打ち合いが展開されて、試合が終了。

 

試合終了のゴングが鳴ると、両者ともに手を挙げて勝利をアピール。これはどちらが勝っていても驚けませんが、やや見栄えの点でバジェのような気がします。

かくして判定は、95-95、99-91、97-93。2-0の判定で、勝者はヨカスタ・バジェ!!

99-91は聞き間違えか?と思うほどの差ですが、まあ、微妙なラウンドが多かったのも事実です。スイングラウンドだらけだったので、もしかするとこれもありなのかもしれません。

ともあれ、非常に見応えのある試合でした!

WBC世界スーパーライト級王座決定戦

ホセ・セペダ(アメリカ)35勝(27KO)2敗

vs

レジス・プログレイス(アメリカ)27勝(23KO)1敗

そしていよいよメインイベント、ホセ・セペダvsレジス・プログレイス。

ジョシュ・テイラーによって統一されたスーパーライト級王座は、テイラーが階級を変更したわけではないのに、願いを叶えたドラゴンボールのように散り散り。

その一角、WBC王座は今日決まります。セペダの方がやや歓声が大きいのは、メキシカンの多いカリフォルニアだから、でしょうか。プログレイスにはブーイングも混じります。

それでは大注目の一戦、ゴング。

 

初回、まずはリング中央で右ジャブの差し合い。嘘か真か、セペダの方が10cmリーチが長いようですが、序盤から中盤にかけてはほぼ互角。セペダのジャブが当たった、かと思いますがプログレイスも左を返します。

ともにパンチはキレており、調子の良さを伺わせる初回ですね。

2R、素早いウィービングのプログレイス。一発のジャブでは届かず、ダブルジャブで攻め入ります。ともにまだ左へ繋げられる事は少なく、効果的な攻撃は与えられていないものの、プログレイスの左が浅くも当たる場面が見受けられます。

3R、回を重ねるごとにプログレイスのウィービング、ダッキングはキレを増しているように見えます。セペダは若干後手に回るような印象で、ジャブをヒットできないためか攻撃の糸口がつかめないのかもしれません。

少し反応が遅れるセペダ、プログレイスは自信満々で戦っているように思います。

4R、プログレイスは攻撃のペースをアップ。先手を取るのはプログレイスで、セペダはプログレイスのスピードある攻撃に対応する、というイメージで、やはり後手。

こうしてじわじわと上回られるのは、セペダにとって悪い展開、後半にはいt回距離でのパンチの交換がありますが、ここでもプログレイスの回転力が上回ります。

 

ここまでで、プログレイスはディフェンスからしっかりと組み立てて攻撃のターンに移っている印象。セペダは後手にまわり、このラウンド、右目付近のカットもしています。

5R、完全に自信満々のプログレイス。セペダは下がりながらの戦いを強いられるため、もらった時も見栄えも悪く、身体が後ろに泳いでしまいます。

セペダとしては、覚悟を決めて前で戦った方が良いのでは?プログレイスの動きを身体で止めてしまうべきです。中間距離では、プログレイスのウィービングは秀逸で、捕まえられる気がしません。

ここでパンチスタッツが出ますが、セペダ22/123、プログレイス43/214と差がでています。

6R、セペダのジャブがヒットしてスタート。それでも、プログレイスの動きは自信満々で、おそらく少しずつ削られているのはセペダの方です。

なかなかヒートアップしない戦いに、会場からは少しブーイングも聞こえます。

7R、後半戦に入り、ようやくセペダがプレスをかけ始めたか。これまではセペダが下がりながらプログレイスの周りを回っていた、という展開が、今度はプログレイスがサークリング。かといってセペダのパンチが劇的に当たるか、というとそうではありませんが、たとえカウンターを狙われようともこの戦い方の方が良策のように思います。

8R、アメリカの試合では、WBCのタイトルマッチでは途中採点がありませんが、セペダはそろそろ勝負をかけるべきではないでしょうか。

 

このラウンドはセペダがジャブのいくつかをヒットしていますが、プログレイスのリターンは派手で、非常に見栄えが良い。

9R、もう、あっという間に9ラウンド。上半身も下半身も非常に機動力豊かなレジス・プログレイス、未だにハートに火のつかない感じのホセ・セペダ。

このラウンド、プログレイスはいくつかの左オーバーハンドをヒット、やや浅いもののセペダは反撃の術がなく、容易に下がってしまいます。

唯一終盤に右ボディで応戦したのがセペダの良かったところですが、その後プログレイスが力強いボディで反撃したところでゴング。

10R、前半、プログレイスの左に合わせて、というかたまたま合ったというレベルでセペダの左がカウンターとなってヒット!!!!しかし、ここでプログレイスは危機管理能力が発揮され、逆に攻め込んだのはプログレイスの方です。この攻撃に後退するセペダ!

セペダはクリンチでその攻撃を寸断、その後ボディで反撃!それでもプレスをかけて攻める姿勢をみせるのはプログレイス、しかしこの近い距離での乱戦、その経験値はセペダの方が上だと思います。ここからセペダは巻き返せるか??その力は持っているはずです。

 

11R、それでもプログレイスの動きは落ちません。セペダは自分からいって欲しい。

互いにジャブを当てあったあと、プログレイスの左オーバーハンドがヒット!後退するセペダ、ここが最大のチャンスとばかりに攻め入るプログレイス!!!

ロープまで後退したセペダですが、ここでロープのサポーターに手をかけてダウンを拒否!これは逆に危ないパターン!

強いパンチで攻め入るプログレイス!最後は左フックでセペダをふっとばしたところで、レフェリーが割って入って試合終了!セペダはそのままリングへと落ちていきました。

レジス・プログレイス、11RTKO勝利!WBC世界スーパーライト級王者に返り咲き!!!

う〜ん、強かった、プログレイス。

ホセ・セペダはまたも王座に届かず。

とっくに王者となっていてもおかしくないセペダは、世界王座に縁がないのでしょうか。。。そもそもセペダくらいの強豪でも、世界王者になれないとなると、はっきり言って日本人のスーパーライトにとっては厳しい厳しい、そして更に厳しい道程と言わざるを得ませんね。

さて、見事なボクシングだったレジス・プログレイス。

やはり肩の力を抜いて、冷静に戦えるようになったルーガルーは、第一期の世界王者時代よりも間違いなく強い。

序盤にしっかりと相手を見定め、自らのディフェンス形態を確認した上でしっかりと仕留めに行くという形は、まさにハンター、狼のようです。

 

今回に限ってはセペダを応援していたので、非常に寂しいですが、今日のプログレイスは天晴。そしてセペダは、もうちょっとなにかができたのではないかと思いますが、非常に残念です。

さて、新たなスーパーライト級時代、今後はどのような時代になるのでしょうか。

ジョシュ・テイラーの動向、そして今年新たに王者となったボクサーたち、今後の戦いも非常に楽しみです。

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