あゝ、後楽園ホールに行きたい。
最近は大規模興行ばかりしか見に行っておりません。
こんなことでボクシングファンを自称して良いのだろうか、とも思う。いや、それは別に良いか。
昨年の頭から土日休みになったので、それも大きく関係しているのですが、とにかく平日工業が多いのが後楽園ホールのプロボクシング興行。そして折角東京行くならタイトル戦を見たい、世界タイトルマッチなら言うことなし、毎月東京に行けるわけではない、さまざまなことを考えるとどうしても大規模興行に寄ってしまうのです。
とまあ、ダラダラと前置きしてしまいましたが、この興行は本当は現地に行きたかった。
しかしYoutubeで配信してくれたおかげで無事に視聴、と言うことで今回のブログは3/8(金)に行われたライオンズゲートの観戦記。
3/8(金)ライオンズ・ゲート
日本ユース・スーパーフェザー級タイトルマッチ
渡邊海(ライオンズ)11勝(6KO)1敗1分
vs
大畑俊平(駿河男児)2勝(1KO)無敗
今日は早めに仕事を切り上げて20時。なんともちょうどよく、このセミファイナルが始まるところでした。
ライオンズジムの顔の一人、渡邊海。ユース王者となっての初防衛戦は、元トップアマ、大畑俊平。
会場大歓声のAサイドは渡邊。ものすごく華がありますね。
さてゴング。
まずファーストヒットは渡邊の左。超長い!!
遠い距離からリズムをとってフェイントの掛け合い。
中盤、大畑がやや強引に行きます!これが鋭い。遠い距離では渡邊のリーチがかなり活きている感じで、大畑としてはもう半歩、近寄りたいか。
後半、渡邊のジャブの打ち終わりに踏み込んだ大畑、朝くながらも右をヒット。このタイミングは練習してきたものかもしれません。
2R、大畑はプレス気味。踏み込みのタイミングを窺っている様に見えます。渡邊はジャブ、大畑の踏み込み、特に右を警戒しつつ、狙うはカウンターでしょう。
互いに鋭いパンチを打つ分、一瞬で試合が終わってもおかしくはないかもしれません。
3R、お互いに反応がよく、隙が少ない分、なかなかのこう着状態。互いに攻めづらいと言う雰囲気で、相手の隙を作ろうとフェイント。
攻めれば多少の隙ができる分、後の先を制するという緊張感のある戦い。ですがその分、互いに突破口が欲しいですね。
後半、ちょっと渡邊が流れを変えようとしたかプレス、近づいて左フックを強振!ここで大畑も左フックカウンター、これはダメージを負ったのはどっちか??
4R、早々に渡邊がプレス、近づいて右!これに大畑も右カウンター!これは危険なタイミング!!
大畑がサークリング、渡邊のプレスについては体を寄せるなどして対応、引き出しが多い。その中でストレートのコンビネーションをヒットするなどこのラウンドは優勢ではないでしょうか。渡邊は若干翻弄され気味、渡邊は前に出るよりも待った方が良かったかもしれませんが、これは大畑が渡邊を前に出させている、と言う展開が正しいか。
と思っていた後半、渡邊の右がヒット!これはまだわかりません!
5R、ジャブの差し合いスタート。互いにヒットは生まない中、大畑が右を伸ばしてヒットを奪います。これは渡邊が上体を後傾させてダメージはほぼないと思いますが、ちょっと見栄え的には良くない。
後半に入ろうというところで大畑の右に対して渡邊の右カウンター!これもまたタイミングはバッチリ。
非常にハイレベルな技術戦が展開されます。
6R、展開は変わらず。これはかなりのジャッジ泣かせの試合、少ないクリーンヒットの奪い合いです。
中盤、大畑が右を浅くヒットすると渡邊はアッパーをヒット、その後は強いヒットではないですが、大畑のパンチが届くことが多いかもしれません。
7R、遠い距離からの渡邊の攻撃は勢いがあって派手。大畑は非常にコンパクトな攻撃であり、浅いですが比較的的中率は高いような気がします。
後半も渡邊が強く出ます。後半に入ってからの渡邊は、ちょっと焦りも見えるような気がします。
8R、プレスをかけるのは渡邊。迎えうつ大畑。ここで接近戦、ラストラウンドらしいと言えばそうですが、ここはもうちょっと早めに動いてもらいたかったところ。
接近戦、押し合いながらも互いにカウンター、これはかなり怖い接近戦です。
大畑が非常にエネルギッシュ、ですがこの距離でのクリーンヒットは渡邊のような気がします。
判定は、76-76、77-75×2で渡邊!!
これは大接戦でしたね。ほぼほぼどっちに振っても良いラウンドでしたから、どっちが勝ってもおかしくありませんでした。
互いに「待ち」という姿勢の中で、どちらが自分のボクシングを貫けるか、という観点で見たときに大畑であり、渡邊は我慢できずに後半、やや強引さが出てしまいましたね。ただそれがポイントについては奏功した、と言えなくもありません。
やっぱりボクシングは難しい。
日本ミニマム級タイトルマッチ
高田勇仁(ライオンズ)13勝(6KO)8敗3分
vs
伊佐春輔(川崎新田)13勝(2KO)5敗1分
さて、メインイベント。
過去3戦、高田の2勝1敗。
ノリに乗っている王者、高田勇仁ではありますが、好調だからこそ落とし穴には気をつけたい。そしてリベンジを目指す伊佐、ここは高田へのリベンジとしてはラストチャンスと思って気合を入れてくるはずです。
どちらも好ボクサー、さてどのような決着がつくのか。
初回のゴング、かなり自信満々のプレスの王者、高田。反応ができるという自信もあるか、ややルーズ目のガードでいながらも勢いよく攻め入ります。
ただ、伊佐もこの高田の迫力ある攻めにも臆することはなく、足は使いつつもときに攻め入り、カウンター。
しかし高田の状態の動きは柔らかく、頭がよく動きます。高田の手数は多く、その分ヒット数も多そうです。
2R、グイグイプレスの高田。このゆったりしたリズムながらも見事なカットオフザ・リングで、伊佐はちょっと距離を詰められて苦しいか。
しかし、高田が接近戦を挑んだところで、伊佐も果敢に迎え撃ちます!そしてこの伊佐の接近戦が意外と良く、圧倒的に打ち負けることはありません。
これはここに巻き込まれることを想定していたかのよう。ただ、「対応」はできていますが上回れる状態ではないことも事実。伊佐の次の策はあるのか。
3R、序盤に伊佐が良いヒットアンドラン。これにはどうしてもスペースが必要なので、ロープに詰まる前にこれができれば良い。
中盤には接近戦、伊佐はいつの間にかロープに詰まることは少なくなっています。前でボクシングをしようとしていますね。
接近戦で高田の危険なパンチが伊佐を襲いますが、伊佐は勇敢。距離を潰して高田のパンチを殺しているかもしれません
4R、伊佐が軽いジャブを連打。これで高田の前進を止めようとしているか。
あまり下がりすぎない方が良いと思いますが、このラウンド伊佐は結構大きく動いています。伊佐が足を使えば使うほど高田のプレスが活きてくるように見え、伊佐が前に出て攻めれば気持ちも乗るのか良い攻めをみせることもあります。もしかすると伊佐の突破口は勇敢な接近戦にあるのではないでしょうか。
5R、ここも伊佐の動きが大きい。大きく動くとその分ガードがオープンになり、高田が攻めたときにヒットをもらいやすくなってしまいます。
高田は稀にスリークォーターのパンチを放ちますが、特にこういうのに対応できていません。
後半、高田のダックしてからの左フック、同じく左ボディがヒット。
6R、ここはくっついてのスタート。押し合いとボディの打ち合い、ヒット数としては高田のように思いますが、伊佐のプッシュと回転力はバカにならないものです。
後半、伊佐の攻めに対して体を入れ替えた高田が右!これで伊佐はダウン!
立ち上がった伊佐にダメージはなさそうで、もしかするとスリップなのかもしれません。
7R、今度はちょっと高田ステップを刻み始めます。少し距離をとったところからジャブで突き放し、おそらく遠い距離から大きく踏み込んでの攻撃を狙っているのでしょう。ポイントをピックアップしてきたこともあり、疲労も考慮してのことかもしれませんし、もしかすると伊佐との接近戦に万が一の危険を感じたのかもしれません。
今度は伊佐がプレス、近寄ってきたところで高田がボディショット。この戦いも良い高田、引き出しが素晴らしいですね。
8R、ポイント劣勢とわかって勢いよく攻め入る伊佐、この回転力はなかなか脅威。ちょっと高田には疲労もあるかもしれませんし、高田自体は打たれて強い方ではない(が、回復力はものすごいと思っています)ため、この戦い方にはチャンスがあると思います。
後半、伊佐が突き飛ばすような感じで高田がスリップダウン、それでもこれは疲労の表れとも言えます。
終盤には左ボディを強打して意地を見せた高田、伊佐はハートの強さを感じる攻め。
9R、やはり「リベンジする側」の方が気合いも入るし準備もしてくる。それを跳ね除けるからこそのチャンピオンのはず。
伊佐は気持ちを全面に押し出して前進、そのハートが体に乗り移ったかのようなイメージで、ちょっとプッシュ気味の前進です。そこで高田はうまくカウンターのジャブ、伊佐が近い距離までくると左ボディ、右アッパー。おそらくもはやパワーはさほどないでしょうが、その手が止むことはありません。
ラストラウンド、伊佐は倒すしかありません。高田は不用意な一発をもらいたくない。
このラウンドは接近戦、ラストだからこそ高田のスタミナも若干の復活。こうなると打撃戦となり、伊佐にとっては逃げられるよりはチャンスが広がるという感じ。
残り1分を切ると高田もフックを乱打。伊佐もかなりスタミナを消耗していますが、それでもその前進は止まらず!!
そして最後の最後、伊佐の右がヒットか、高田がダウン!!!立ち上がったところで、ラウンドが終了!!
これはまた素晴らしい試合でした。
判定は、96-92×2、97-91で高田の勝利!
前半からしっかりとプレスしてポイントをピックアップした高田、お見事です。
最後の最後に集中力が切れてしまったのか、スタミナの問題なのか、ダウンを喫してしまったところは反省点ですね。
ただ、このリベンジに燃えるライバルをしっかりと退けた王者、高田勇仁。
今年はステップアップファイトも見たいところですね。
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