3月も半分。
週末はTravelTVで配信される矢吹正道vsケビン・ビバスという注目ファイトが国内であるほか、日本時間で翌日にはウィリアム・セペダvsマキシ・ヒューズという注目ファイトも。
「世界王者一歩手前」のプロスペクトと、メジャータイトルにあと一歩届かない(であろう)ベテランの戦いは、非常に興味を掻き立てられるものですね。
実質的には元統一王者、ジョージ・カンボソスJrを降していた、とも言えるヒューズ、ここで迎えうつのは若きノンストップファイター、ウィリアム・セペダというのはかなりハードなマッチメイク。
ということで今回は、みんな大好きメキシカン、ウィリアム・セペダvsマキシ・ヒューズのプレビューです。
3/16(日本時間3/17)アメリカ・ラスベガス
ウィリアム・セペダ(メキシコ)29勝(25KO)無敗
vs
マキシ・ヒューズ(イギリス)26勝(5KO)6敗2分
ノンストップファイター、ウィリアム・セペダ。ノンストップ連打は昭和の日本のボクサーを思わせる、と勝手に思っていて、なぜだかとっても親近感が湧くのです。
めちゃくちゃスピードがあるわけではないし、ものすごく派手なパワーパンチャーでもない。それでもある程度の強打を連打できる強みがある、というセペダは、意外とリングIQも高く、ただただ前に出るだけのファイターではありません。
おそらく自分の体の特徴を理解しているのでしょう、空振った後もパンチを出してバランスを整え、またそのアングルもなかなかに多彩。
2015年にプロデビュー、圧倒的な連打力でKOを積み重ね、2020年にアメリカデビューを果たしています。ちなみにこの時のメインはオシャーキー・フォスターvsみmゲル・ローマンなんていうシブいファイト。
このアメリカデビューの後、当時無敗のプロスペクトだったヘクター・タナハラ(アメリカ)を撃破、2022年には元王者レネ・アルバラード(ニカラグア)、ジョセフ「ジョジョ」ディアス(アメリカ)に完勝、さらに評価を高めています。
その後もかつてクリス・コルバート(アメリカ)と暫定王座を争ったハイメ・アルボレダ(パナマ)、ホルへ・リナレス(ベネズエラ)とフルラウンドを戦ったメルシト・ゲスタ(フィリピン)をノックアウトで降し、さらに勢いに乗っています。
そしてここで巡ってきたチャンスは、WBAとIBF、二つのタイトルのエリミネーションバウトです。
若く、勢いがあり、何よりも非常に誠実でよく練習しているように見えるメキシカンが、ここを落とすとは考えづらい。
↓セペダvsジョジョの観戦記
しかし、マキシ・ヒューズもまた、厄介極まりないボクサーだといえます。
このレベルのボクサーが未だ世界王者に届かず、というのはやはりライト級という階級の厚さを目の当たりにするのです。
2010年にプロデビューしたヒューズは、その戦績の通り倒すタイプのボクサーではありません。
キャリア初期はイングリッシュ・プロスペクトにありがちなアンダードッグたちとの試合を積み重ねますが、対戦相手の質が上がった2013年に初黒星。その後も勝つべき相手に勝ち、負消そうな相手に負ける、という順当さでキャリアを積み重ねていきます。
しかし2019年のリアム・ウォルシュ(イギリス)戦を最後に、ジョノ・キャロル(アイルランド)、ポール・ハイランド(イギリス)、ジョバンニ・ストラフォン(メキシコ)といった名のある相手を撃破、大復活を遂げます。
ウォルシュ戦前までは、対戦相手の質を疑問視されていたマキシ・ヒューズというボクサーは、強豪との対戦において花が開いたボクサーだと言えます。こういうことは、稀にありますね。
この強豪への連勝中に、いくつかの地域タイトルとIBOの世界タイトルを奪取したヒューズは、ライアン・ウォルシュ(イギリス)を退けたのち、元世界王者のキッド・ガラハッド(イギリス)に勝利。素晴らしい相手に7連勝を記録して迎えたのが元統一王者、ジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)でした。
↓カンボソスvsヒューズの観戦記
ずっと同じような展開の12R、ここを上回っていたのはマキシ・ヒューズだった、というのが大方の意見だと思います。
しかし判定はカンボソスに味方し、ヒューズはIBOタイトルを失ってしまいます。
それでもその戦いが評価され、今回のチャンスに結びついたと考えるのが妥当でしょう。
ヒューズのボクシングは、自分でも語っているように派手なものではありません。中間距離をキープして、自分の距離以外でファイトをしないスタイルは、ともすれば退屈に映ることもあるでしょう。
それでもこの燻銀のスタイルは、多くの、本当に数多くの微差の判定をものにしてきたのも事実。カンボソスとの一戦だけはなぜか落としたわけですが。
この距離をキープし、ベテランらしくポジショニングを工夫することができれば、勝利の女神はヒューズに微笑む可能性が出てきます。
それでもやはり、予想をするとするならばセペダが優位。
セペダの圧倒的な攻撃力、というよりも攻撃「量」と呼ぶべきものは、なかなか攻略しづらいものです。
セペダをして「ボリュームパンチャー」と呼びつつ、サルバドール・サンチェスの再来と呼んだのはオスカー・デ・ラ・ホーヤです。
果たしてメキシコの名王者の再来となるか、ウィリアム・セペダ。
そしてそのメキシカンプロスペクトに、どのように燻銀が対応するのか。
いずれにしろ、この勝者はWBA、またはIBF王者への挑戦権を得ることになります。
この先に待ち受けるのは
デビン・ヘイニー(アメリカ)やらライアン・ガルシア(アメリカ)、テオフィモ・ロペス(アメリカ)がいなくなっても、このライト級の層の厚さは変わりません。
WBA王者にはジャーボンタ・デービス(アメリカ)、そしてIBF王者にはおそらくワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)。現時点では、ロマチェンコvsカンボソスの勝者、と便宜上言っておきます。
順当にいけば、タンク・デービスvsウィリアム・セペダ、またはワシル・ロマチェンコvsウィリアム・セペダとなるわけです。
どっちも見たいような見たくないような。
ともあれ、誰が誰と対戦したとしても、「両方とも負けてほしくない」と思ってしまうようなマッチアップが次々と実現しそうな世界ライト級戦線。
今後もライト級も非常に楽しみですね。
アンダーカードと配信情報
そしてこのアンダーカード(多分セミ)には、ライト級プロスペクト、フロイド・スコフィールドも登場です。
そろそろ強豪との対戦が見たい才能の塊、今戦もとんでもないノックアウト劇を見せてくれそうです。
↓スコフィールドの前戦、対戦相手は「リカルド・ロペス」
配信については、もちろんDAZNで生配信。
日程は日本時間3/17(日)、配信開始は9:00でメインはおそらくお昼頃でしょう。
非常に興味深いライト級のマッチアップ、是非DAZNで!
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