さあさあ、昨日からのボクシング三昧で結構疲れてきましたね。
本日はカネロvsムンギアのPPVファイト、4試合のうちメイン、セミファイナルの残り2試合の観戦記です。
↓アンダーカードの2戦の観戦記はこちら
5/4(日本時間5/5)ラスベガス
WBC世界ウェルター級暫定タイトルマッチ
マリオ・バリオス(アメリカ)28勝(18KO)2敗
vs
ファビアン・マイダナ(アルゼンチン)22勝(16KO)2敗
↓プレビュー
さて、ここは実力差のあるマッチアップ、と感じています。
それほど、今のバリオスは安定しているイメージで、果たして世界初挑戦となるマイダナはまとまりすぎていて突出したものが見受けられず、あまり期待はできないような気がしています。
初回、まず仕掛けたのはマイダナ、その後はステップワークで距離を取ります。バリオスはじっくりとプレス、長いジャブ。
比較的静かな立ち上がりから、バリオスのジャブが幾度かマイダナを捉えています。
2R、プレスをかけるバリオス、マイダナはちょっと押されているイメージ。
しかし終盤に右と右の相打ち、その後一瞬早く反応したのはマイダナ、そこから早いコンビネーション。
全体的にはバリオスが完全に押しているように見えたところでのこのマイダナのパフォーマンス、これはもしかすると侮ってはいけない相手なのか。
3R、それでもやはりバリオスのプレスに動かされているように見えるマイダナ。ロープを背に左右にステップする中で、バリオスの左フックで動かされたところに右ストレートを受けてダウン!!
このまま決まってしまうか、と思われたところでマイダナはまたバリオスの右に合わせた右カウンター!
これはマイダナも素晴らしい、さすがマルコスの弟です。おそらく地力で下、というのを認識した上でのこの戦い方ではないでしょうか。
4R、予想外に緊張感のある試合となりました。マイダナも素晴らしいタイミングを持っているように思え、これはバリオスとしても気が抜けない戦いです。
このラウンドもマイダナの左フックカウンターが冴えるか、タイミングは非常にあっています。
5R、基本はバリオスが攻めて、マイダナはカウンターという展開。このカウンターがヒットした後はすぐに攻め込む準備ができているであろうマイダナ、これが当たればわかりません。
ただ、このままラウンドが進むとかなり厳しくなりそうですが、このマイダナはカウンターに全振りかもしれませんね。バリオスもこれを警戒、強引に攻め込むことはせずじっくりとプレスをかけていきます。
6Rも展開は変わらず、相変わらずのバリオスペースながらも怖さを含んでいるマイダナ。ただ、バリオスが攻めないことにはマイダナは始まりません。
7R、プレッシャーをかけて追うバリオス、サークリングして距離をキープしようとするマイダナ。アクションが少ない中で後半にバリオスが右カウンター、からのラッシュを仕掛けて優勢です。
8R、バリオスの右目の腫れがひどい。これはパンチによるものなので、バリオスにとっては非常に痛い腫れ、マイダナの左フックはより見えなくなってしまっているでしょう。
逆にいうとマイダナは左フックを積極的に使っていくべきですが、基本的には待ちの姿勢を崩さないマイダナ、どこで勝負をかけるのか。
一瞬の交錯の際は互いに回転力のあるコンビネーションを見舞い、KOパンチを繰り出していきます。
9R、緊張感こそあれど、マイダナの勝ち筋があまり見えません。バリオスはプレスをかけてこのラウンドも優勢。右をヒットする場面も作ります。
序盤に右の腫れがなければ、やはりバリオスの方が大きく地力は高いか。
10R、全然手が出ないマイダナ。バリオスも手負いが故に、もっといって良いと思いますが。果たしてマイダナはどれほどこの試合に賭けているのか。ただの経験として捉えているだけなのでしょうか。
11R、序盤に期待をさせておいて、その期待は特に大きくなることがなくチャンピオンシップラウンド。PPVファイトを購入したアメリカのファン、現地で見守るファン、これは結構ストレス溜まるんじゃないでしょうか。
ラストラウンドに入っても先に攻めるのはバリオス。ここまでディフェンシブで、鋭いカウンターを狙っている相手を倒すのはなかなか骨の折れる作業。その上、序盤のトラブルもあります。
王者の頑張りはよく分かりますが、マイダナは千載一遇のチャンスにほとんど何もせず、カウンターの一発狙いは勝つ気がないと思われても仕方のないマイダナ、これで試合が終了です。
116-111×3でマリオ・バリオス。
思った以上にマイダナがポイントを取っていた印象。
終わった後のバリオスの顔を見ると、右目の腫れはひどいもので、これは見えていないのではないでしょうか。
その中で本当によく頑張ったバリオス、そしてマイダナは一体何をしていたのか。。。
世界スーパーミドル級4団体統一タイトルマッチ
サウル・アルバレス(メキシコ)60勝(39KO)2敗2分
vs
ハイメ・ムンギア(メキシコ)43勝(34KO)無敗
↓プレビュー
さて、いよいよメイン。四つの世界タイトルマッチというのはやっぱり長い。しかもこれが明日も、と思うとこれは大変ですね。
ところでジミー・レノンJrはこの後日本に来るとか。若くはないのであまり無理はさせない方が良いのではないか、とも思いますね。アマプラ興行は絶対ジミー・レノンJrでないといけない、という縛りがあるんでしょうか。
リング上、目を合わせない両者。緊張感は高まります。
初回、まずプレスをかけて先に仕掛けたのはムンギア。サークリングして様子見のカネロ、中盤に力強い右ストレートを放ってムンギアを威嚇。
ムンギアは強いジャブを多用、これはビボル戦を参考にしたものなのかもしれません。
2R、ジャブを2連打、3連打と放っていくムンギア。カネロもこのパワージャブをブロッキングだけでは対処しきれず、バックステップ。
その後もムンギアがハイペースでコンビネーション、カネロはちょっとプレスをかけ始めます。
3R、ムンギアのコンビネーションが良い。カネロはこれをブロッキングで対応します。
今日のムンギアはやる気満々、かなりのハイペースで飛ばしているように見えますが、大丈夫でしょうか。
後半にもラッシュを仕掛けたムンギア、クリーンヒットこそ奪えてはいないものの良い攻撃!
4R、カネロが前傾に。ムンギアはこのカネロに対してエネルギッシュにパンチを振るっていきます。このムンギアのコンビネーションにも全く怯まないカネロ、ムンギアの打ち終わりに右ストレートをクリーンヒット。
ムンギアは打ち終わりのケアは若干雑、カネロの狙い所はこの辺りかもしれません。
そして終盤、近い距離で互いの右をスリッピングアウェーでかわしあったあと、頭をつけそうな状態からカネロの左フックからの右アッパーがヒット!これでムンギアはダウン!!
残り時間は20秒、ここでムンギアは負けじと出る、カネロは無理をしません。
5R、このラウンドは大事なムンギア、ここで退かずにやはりパンチを繰り出していきます。昨日のロドリゲスもそうですが、ここで強気に出るというのはなかなかできることではありません。
ムンギアの攻撃はまだまだパワーに溢れていますが、やはりその打ち終わりが雑、前ラウンドまでに比べてもさらに雑になってきているか。ダメージも、ハイペースでの疲労もあるのでしょう。
このムンギアをカネロは如何に仕留めるか、というのが今後のカネロにとっても重要になってきそうです。
6R、若干動きが戻ったようなムンギア、カネロはちょっと余裕を持っているか。これが横着にならなければ良い。
ちょっとムンギアは手数が減ったか。コンビネーションで攻める時には出ますが、何もない時のジャブが明らかに減っています。悪い傾向です。
7R、近い距離でムンギアの打ち終わりにカネロがワンツーをリターン、これがヒット。中盤にもカネロの左ボディがヒット、ですがムンギアがハートの強さを見せてコンビネーションで攻め入ります。
ただ、攻撃する時は攻撃する時でわかりやすく、これではカネロの裏をかくことはできません。
8R、ムンギアが連続的な攻撃を繰り出します。この攻撃はカネロの反撃を遮断するもので、カネロに反撃の糸口を与えないという意味において素晴らしい。
しかしそれが3分続くわけもなく、後半に入ると一気に手数は落ち、カネロが反撃。ちょっと反応が落ちているようにも見えるムンギア、カネロのジャブがよく当たりますが終盤にもコンビネーションを仕掛けるハートの強さを見せています。
9R、近い距離での打撃戦!ムンギアは意外とまだ元気、手数は非常に多いです。
テンポよく攻めるムンギア、後半に落ちてくると思われたムンギアでしたが、ここにきて復活してきています。このラウンドはムンギアの右もカネロの右もヒットする、という互いにダメージを蓄積したようなラウンド!
10R、ムンギアの体のキレは完全に復活しています。空振りをもものともせず左右を繰り出していくムンギア、過去最高の出来ではないでしょうか。
それでもカネロの壁は高く、カネロは安定したディフェンス、いつも通りのアングルでのパンチを繰り出します。
頭がつくほどくっついて、少し離れればカネロのワンツー、これは見栄え的に大きくカネロが上回ってしまいます。
11R、いっときペースダウンしたムンギアですが、何があったのか完全に復活しています。ムンギアの激しい攻撃もカネロは持ち前のディフェンスでいなし、そう多くないパンチをコネクトしています。
この後半に入ってからはムンギアの攻勢に流れてもおかしくないラウンドがいくつかあるかもしれませんが、結局カネロが強さを見せつけているというイメージ。
ラストラウンド、ムンギアが行きます。カネロも堅実なボクシング、しっかりとしたディフェンスからのリターンで迎撃。
後半にはカネロは右ストレートをヒット、ムンギアはとにかく攻めますが近い距離で効果的なパンチを打ち込めず。大歓声の盛り上がりの中、ラストラウンドのゴング。
判定は、117-110、116-111、115-112でカネロ・アルバレス!
3ポイント差のジャッジもいる、というのは、ムンギアの攻勢点につけたジャッジがいた、ということになるのでしょう。
さすがのカネロ、今回はしっかりと仕上げてきており、ここ数戦の横着はさほど見られませんでした。ただ、やはりカネロがピークを過ぎている、ということは明白であり、だから弱くなっているかどうかというのは別問題として、以前のようなアクションはもはやできないかもしれません。それはつまり、以前のように相手の腕の骨を折ったりはできないでしょう。
「まだ現時点では私がベストファイター」は間違いではありません。
もう、あとはデビッド・ベナビデス戦。
トゥルキ・アラルシク次第、ということですかね。
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