信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

サウジが壊したプロモーター間の壁。リヤドのリングに立ったボクサーたちの後日譚。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

「サウジアラビアはボクシングの中心地として、ラスベガスを凌駕した」

と、フランク・ウォーレンは語ったらしい。

これはイギリス人にのみ許された発言。(というわけではないが、アメリカ人では言えなかったでしょう。)

このサウジアラビア、トゥルキ・アラルシク観光庁長官の力を得て、ボクシング界は大きく一歩ないし二歩、進んだような気がします。まあ、このアラルシクに取り入ろうとしているのか隣にはべるアンソニー・ジョシュアの姿を見て良い気はしませんでしたが。

ともあれ、大きな話題となったクイーンズベリーvsマッチルームの5vs5マッチ、興行後の関連ニュースをピックアップ。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

 

ヘビー級の「その後」

非常に印象的な勝利を得たチャン・ツィーレイ。

まさかこの東アジアのヘビー級というマイノリティが、ヘビー級の本場とも言える(といっても、アメリカがその覇権を手放してから随分経つが)アフロ・アメリカンを圧倒的なノックアウトで破る日が来ようとは。

チャンはジョセフ・パーカーとの再戦を希望しており、その戦いが済んだ後には世界タイトルに挑戦したい、と語っています。それは現在のところ、オレクサンドル・ウシクではありますが、もしタイトル挑戦となれば来年になるでしょうから、もしかしたらタイソン・フューリーなのかもしれません。いずれにしろ、チャンが目指すところは正規タイトルでしょう。

そしてチャンはもちろんアンソニー・ジョシュアとも戦いたい、と言います。

 

 

 

そして、同じリングでこのチャンに初黒星を味わせたフィリップ・フルゴビッチをノックアウトしたのがダニエル・デュボア。

デュボアvsフルゴビッチの戦いにはIBFの暫定タイトルがかかっていたようで、このタイトルはもしかするとそのうち正規王座となる可能性があります。

指名戦に手厳しいIBFは、12月に控えるウシクvsフューリーの再戦を待たずタイトルを剥奪する可能性があります。もしくは、ヘビー級4団体制覇を成し遂げ、もしこの再戦でウシクが勝利したならば、もはやボクシング競技においてやることはなくなり、年齢的なものも含めて引退の可能性もあります。

そうなるとデュボアは正規王者に格上げとなり、このことを考えると現在最上位にランクされるアンソニー・ジョシュアとのタイトルマッチを敢行するかもしれません。暫定王座とはいえ、その後に正規王者に昇格となれば、この二人が戦う理由は十分にあります。

アンソニー・ジョシュアvsチャン・ツィーレイ、アンソニー・ジョシュアvsダニエル・デュボア、そしてついでに言うとチャン・ツィーレイvsダニエル・デュボアも楽しみなマッチアップ。ここにもしアメリカ人が絡んでくるなら、ジャレッド・アンダーソンか。

 

 

 

ウシクとフューリーは別枠としても、次のヘビー級争いも非常に興味深いですね。

ちなみにジョシュアはワイルダーの可能性もあると。それはいらんやろ。

ビボルvsベテルビエフは10月

いつもより攻撃的に見えたドミトリー・ビボルは結果的にマリク・ジナドに完勝。

ビッグマッチを控えたボクサーというのは足元を掬われがちですが、ビボルは結局盤石でした。

本来であればこの日、ベテルビエフとの4団体統一戦だったわけですが、ベテルビエフの怪我により延期。「中止」でなく「延期」というところが幸いでしたが、この日程は10/12、リヤドシーズンの開幕戦として予定されたとのこと。

マリク・ジナド、非常にやりづらさがあるであろうこのボクサーは、またサウジアラビアに登場するとのこと。ビッグチャンスを掴もうと絶対王者に短期間の準備で挑戦した勇気は、トゥルキ・アラルシク氏にも一定の評価をもらえたようです。

そしてビボルには複数契約を示唆。

 

 

 

契約という形なのかはわかりませんが、アラルシク氏はビボルに対し、ベテルビエフ戦だけでなく、デビッド・ベナビデス戦、ジャイ・オペタイア戦をオファーしたい、と語ったようです。まあ、階級のことは言うまい。

ともあれ、これからもやはりサウジアラビアは楽しみです。

いくつものビッグマッチアップで、ファンを楽しませてくれることでしょう。

結果はクイーンズベリーの全勝

そういえば5vs5だった。

クイーンズベリーとマッチルームが純粋にどちらが良いボクサーを抱えているのか、という問いに関して言えば、さほど興味がなかったのも事実。ただただ、普段たとえばノンタイトル戦では関わることがないようなマッチアップだった、ということはでき、非常に稀な機会であったことだけは確かです。

 

 

 

この結果、フランク・ウォーレン率いるクイーンズベリー・プロモーションが5勝0敗と圧倒的な兵力差を見せつけて全勝。それでも、マッチルームがヘボいプロモーションか、というとそうではありません。

この辺りは、どの階級でどのようなボクサーを出したか、というところによると思うので、あくまでもプラスアルファの余興の範囲内です。

なのでこのことでマッチルームの評判が落ちることは一切ないし、こうして交わらなかったボクサーたち、特に交わらなかったプロモーター同士が交わると言うのは非常に素晴らしいことだと思います。

このことが「カネになる」と考えたのか、オスカー・デ・ラ・ホーヤは大きく反応。

アラルシク氏の企画したこの戦いを「素晴らしい」と絶賛、オスカー・デ・ラ・ホーヤ率いるゴールデンボーイ・プロモーションと、ボブ・アラム率いるトップランク・プロモーションの5vs5の戦いを目指すようです。

これがサウジアラビアの庇護のもと行われるかどうかはわかりませんが、これは期待したいですね。

 

 

 

デオンテイ・ワイルダー

こうなるだろう、という予測は十分についたが、一縷の望みを持ってはいました。

かつてアメリカ久々の本格派ヘビー級として一世を風靡したデオンテイ・ワイルダー、その凋落ぶりは目に余るものでした。

彼が19歳で授かった娘は、脊髄の難病を患っていました。

自殺すら考えた、というワイルダーでしたが、20歳でボクシングを始めるとオリンピックに出場して銅メダルを獲得するという超スピード出世を果たし、「娘のためにカネがいる」との理由でプロ転向。

そこからはもうファンの知るところであり、「36分間のうちに一発だけ当てれば良い」という右ストレートを武器にバッタバッタと目の前の相手を倒し続け、見事世界王者に。

もう十分、稼いだろう。

 

 

 

彼が掴んだのは、まさにアメリカンドリーム(アメリカ人にもこの言い方をするのでしょうか?)であり、おそらく大きな報酬を得たであろう今回の試合も含め、彼自身が掴み取った勝利です。

デオンテイ・ワイルダーは試合前、「負けたら引退」を仄めかしていました。

そして敗北を喫した今、コメントは出さず、インタビューにも応じていません。

もう、これで十分です。神よ、彼を救いたまえ。

 

 

 

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