本日、9/7(土)はダイナミックグローブです。
U-NEXTでの配信ですが、同じくU-NEXTでノックアウト・CPフレッシュマートvsアレックス・ウィンウッドが放映されたそうです。
気づいた時には終わっていたわけですが、ちゃんとアナウンスされたのは試合の1時間ほど前っぽく、しかもSNSで流れていただけだと思います。これは誰が気づき、そして気づいたところで誰が見れるのか。ボクシングの軽視っぷりに驚きです。
この試合が組まれた背景やらその後どうなるか、その辺がわからなければ楽しみもないでしょうに。
↓誰も触れることのなかったこの戦いを、昨日ちょこっとだけ触れました
まあ、仕方がないことです。
ともあれ、今回のブログはダイナミックグローブの観戦記。
OPBF東洋太平洋フェザー級王座決定戦
中野幹士(帝拳)10勝(9KO)無敗
vs
ブリックス・ピアラ(フィリピン)9勝(3KO)1敗
「鉄の拳」中野幹士が初タイトル戦です。コロナ直前にデビュー、元々試合が決まりにくいという元トップアマ、そしてフェザー級プロスペクトだらけの帝拳でのデビュー。
何重苦が重なったキャリアは、ここから一気に花開くのでしょうか。
対戦相手のブリックス・ピアラというボクサーのことは全く予備知識がないですが、今回も中野の左が炸裂することを期待したい。
初回、まずは静かな立ち上がり。ピアラはサウスポーですね(そこから笑)。
早々にリング中央に居座るのは中野、ダイナミックグローブのロゴを几帳面に辿るようにプレス。サークリングするピアラ、しかしこの右リードの差し合いは中野に分がありそうです。
振ってくるタイプではなさそうなピアラ、ジャブはなかなかですね。
2R、しっかりとプレスをかけつつ、左をボディに伸ばす中野。ピアラも時折鋭い踏み込みを見せますが、どうもちょっとディフェンシブな戦いです。
中盤、中野の右ボディがヒット。効く場所ではないように見えましたが、一瞬腰が落ちたピアラ、ちょっと見えてなかったかもしれません。
後半にもピアラをロープに詰める中野、非常に冷静に、うまく戦えています。
3R、変わらずプレス気味なのは中野ですが、ピアラもしっかりと前に出てワンツーをヒット。これはジャブワンツーであり、この2段階の踏み込みは注意したい。
その後、中盤から若干距離が近くなってきた両者、ショートでは中野の左がピアラを捉え、接近戦では下から上への内訳も効果的。かなり嫌がる素振りを見せるピアラ、追いかけた中野はゴングと同時に密着状態からの左ボディを巧打、ピアラはたまらずダウン!!!
あの密着した状態からの左ボディで効かせるのはエゲツないですね。。。
4R、一気にいく中野!しつこく左右のボディ、そして右から左のボディ!!ピアラはこの試合2度目のダウン!!レフェリーがカウントを数え上げ、試合がストップ!!!
中野幹士、4RKO勝利!!
見事に鉄の拳が炸裂、結局ピアラの見せ場は浅くワンツーをヒットしたぐらいでした。
完全な実力差を示した中野幹士、激アツ階級のフェザー級戦線に名乗りを挙げました。
素晴らしいパフォーマンスを披露した中野、インタビューは涙で言葉になりません。1995年生まれのゴールデンエイジ、また一人、チャンピオンになりましたね。
日本スーパーライト級タイトルマッチ
李健太(帝拳)7勝(2KO)無敗1分
vs
山本ライアンジョシュア(ワタナベ)7勝(1KO)6敗
メインイベントは中野と同時期にデビュー、もちろんこちらも元トップアマです。そして96年の早生まれ、学年的には95年世代。
スーパーライト級という中野以上に試合の決まりにくい階級で一つずつ勝ちを積み重ね、挑戦者決定戦でアオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)に勝利、そして指名挑戦者として藤田炎村(三迫)に挑み、判定勝利で日本スーパーライト級タイトルマッチを獲得しています。
今回は初防衛戦、相手選びに苦労したのか、それとも初防衛戦だからなのか、相手は9位の山本ライアンジョシュア。前戦でアオキ・クリスチャーノに僅差の判定を落としており、その再起戦でタイトルマッチを掴み取っています。
実力差のあるマッチアップとも見えますが、この階級の日本人ボクサーを考えると仕方ないのかもしれません。
ともあれ、ゴング。
まずはリング中央、ゴンテが軽いジャブをチョンチョンと突き、早々に左ボディストレート。その後も左ストレートを顔面にヒット、鋭い右ジャブも放ち、非常にキレています。
山本もゴンテの左アッパーに合わせて右のフックをヒット、ガードを固めてインサイドに入り、フックを振るう、アップセットを起こすフィリピン人の戦い方、非常に勇敢です。
終盤、ゴンテの左ストレートが真正面からヒット、一瞬動きが止まったようにも見えました。
2R、入ろう入ろうとする山本、頭を下げていきます。これをゴンテは右のストッピングジャブ、ちょっと頭を気をつけたい。
ゴンテはジャブから左ストレートに繋げ、山本が出てくれば小さなバックステップでエスケープ。この距離感が素晴らしい。
後半、ゴンテの左ストレートがヒット、その後もこの左を外側から、縦にと様々なアングルで打ち込みます。これは上手い。しかしゴンテは左瞼をカット、これはバッティングのようです。
3R、頭の位置を頻繁に変え、とにかく低く入ろうとする山本。かなりやりづらいスタイルにゴンテはアッパーで対応、山本が強く出てきた時はブロッキング、そしてステップワークでエスケープ。
絶妙な距離をとりつつアッパー、フックを打ち込むゴンテ、山本はブロッキングこそしていますがちょっとダメージを溜める展開かもしれません。
4R、早々にゴンテの左ストレートがヒット。気持ちの乗っている山本は強い攻め、やることが明確で、アップセットを狙う気持ちが強い。
ただ、ゴンテは非常にリズムに乗っており、山本に反撃のいとまを与えません。山本はやはりダメージが溜まってきているか、しつこく前進するもなかなかチャンスは訪れません。
このしつこい前進にもバックステップ、サイドステップ、時に体を押し付けて逆に距離を潰すゴンテは流石。
5R、ゴンテが右ジャブ、右フック、右アッパーで翻弄。距離が詰まれば山本にもチャンスが訪れますが、中間距離では圧倒的にゴンテ。
しかしこの距離が詰まったところで、山本の左がカウンターでヒット、これはゴンテにもダメージあったか。その後猛ラッシュの山本!下がるゴンテ!この下がりながらのディフェンスも巧みなゴンテ、ダメージは最小限でこのラウンドを終了。
ゴンテが距離を詰めたのはフィニッシュを狙ったのかもしれませんが、まだ山本はしっかり生きていましたね。
途中採点は49-46が二人、50-45が一人。山本に与えたラウンドは先ほどの5Rでしょうから、ダウンを奪いさえすれば山本にもまだ逆転の芽があります。
6R、前ラウンドの反省を活かしてか、ゴンテはしっかりと距離をとって鋭いジャブ。行くしかない山本は強いプレス、ただちょっとゴンテのコンビネーションと距離感により手が出にくい。
ゴンテはスウェーで避けることも多いですが、この避けた後は気をつけたい。ここで山本の右ストレートが飛んでくれば、ダメージは少なくとも非常に見栄えは悪い。
終盤、ゴンテの右フックがカウンターでヒット、一瞬山本は腰を落としたように見えました。
7R、ゴンテが中間距離でしっかりとストレートを放ちます。距離をキープしつつ、フィニッシュに向かうか。
多彩な左右を繰り出して次々とパンチをヒットしていくゴンテですが、山本は諦める素振りを見せません。
8R、後半のポイントもゴンテでしょうから、山本はもう倒すしかありません。ただ、それにはもうちょっと手数が欲しい山本。
途中、ゴンテのローブローにより中断、山本には休憩が挟まれます。ただ、その休憩でも山本のスタミナが回復するべくもなく、引き続きゴンテ劇場です。
9R、しつこい前進の山本、ゴンテは右でコントロールしながらも左で迎え撃ちます。
後半に入るところでゴンテのボディ、山本は動きが止まりましたが、それでもその後強い左右を振り回します。
ラストラウンド、完全に頭を下げて入ってくる山本、倒すチャンスを伺うゴンテ!ゴンテのコンビネーションが山本を襲い、山本はガードを固めるのみでなかなか手がでません。
近い距離では左右を振り回し、万に一つの大逆転を狙う山本!そこにゴンテは突き上げるアッパー、山本のフックにカウンター、こちらも気持ちの入ったボクシングを見せて試合が終了!!
両者共にナイスファイト、素晴らしい戦いでした。
判定は、99-91が2人、1人が100-90で李健太。
ほぼフルマークの判定勝利ながらも、なかなか苦しい戦いだったと思われる李健太。幾度かのKOチャンスにも、山本の頑張りによりノックアウトはおろかダウンシーンもなし、でしたね。
ただこれは山本ライアンジョシュアの頑張りによるものも大きかったですね。
インタビューは無しでリングを降りた李健太、本人的には納得のいかない戦いだったのかもしれませんが、素晴らしいパフォーマンスでした。
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