次の週末は3連休。
そしてその次の週末も3連休。
どちらも完全に野暮用で潰れてしまいそうで本当に勘弁してほしい。ここのところの土日は寝る間もなくずっと作業をしています。
まあ、それは置いておいて、9/14(日本時間9/15)、ボクシング界はカネロ・アルバレスの登場を迎えます。
Amazon PrimeのPBCファイト、今回も御多分に洩れず超豪華興行です。
ということで今回のブログは、カネロvsベルランガのプレビュー。
9/14(日本時間9/15)アメリカ・ラスベガス
WBAスーパー・WBC・WBO世界スーパーミドル級タイトルマッチ
サウル「カネロ」アルバレス(メキシコ)61勝(39KO)2敗2分
vs
エドガー・ベルランガ(プエルトリコ)22勝(17KO)無敗
カネロのプロ66戦目。こう書くととてつもないキャリアですね。
現代のトップボクサーとして非常にアクティブに活動するカネロは、毎年5月のシンコ・デ・マヨの時期と9月のメキシコ独立記念日の時期、年に2度のリング登場が常です。ここまで予定を立てやすいボクサーは珍しい。
今回もこの戦いの後、次の5月は誰だ、という話になるのでしょう。
実現すれば大きなカネをうむこのカネロとの戦いは、スーパーミドル級(又はその周辺のボクサーたち)すべてが目指す道であり、まさに「ひとつなぎの大秘宝」みたいなもんです。
しかもそれは、確実にあるものですし、内容もわかっている。目指さない手はないのです。
それを手にする為に必要なものは、実力はもちろんのこと、ネームバリューであり、運であり、最近では「カネロにとってちょうどよい相手」であることが求められています。
さて、今回の対戦相手はエドガー・ベルランガ。
2016年にプロデビューすると、デビュー以来16連続初回KO勝利という誰もが喜ぶような記録を打ち立て、大きな話題となったベルランガは、その後5戦連続判定勝利。
この4戦でキャリアを築いたと言っても過言ではなく、過去16戦で16ラウンズも戦っていなかったベルランガは、この5戦で50ラウンズを戦うという意味不明のキャリアを築いています。
ただ、もともとこのボクサーの初回KOというのは、一気に行って倒す、という類のものではなく、普通にボクシングをしようとしていたら相手が倒れていた、という風なものであり、あまり意識的に作られた記録ではない、と思っています。
最初の判定勝利となったデモンド・ニコルソン(アメリカ)戦や、その前のウリセス・シエラ(アメリカ)戦はちょっとその気があったような気がします。記憶の中の話なので、違ったらごめんなさい。
この判定勝利の5戦こそ注目すべきファイトであり、ビリー・ジョー・サンダース(イギリス)に挑戦経験のあるメルセロ・コセレス(アルゼンチン)、ゴロフキンとも戦ったスティーブ・ロールズ(アメリカ)、デビッド・ベナビデス(アメリカ)に挑戦経験のあるローマー・アレクシス・アングロ(コロンビア)、デメトリアス・アンドラーデ(アメリカ)に挑戦経験のあるジェイソン・クイッグリー(アイルランド)らを退けています。
こういった一端のタイトルチャレンジャーたちにしっかりと勝利してきているのであれば、当然、このベルランガはタイトルチャレンジャーになる資格のあるボクサーだと言えるでしょう。
ここでたとえば、コセレスを相手にサンダース以上の勝ち方ができた、とか、同様にベナビデス以上にアングロを圧倒した、とかそのほかも同様にあると良いのですが、これらのチャレンジャーたちが挑んだのは名王者と呼ばれる部類のボクサーたちであり、なかなかそうはいかず。
ただの倒し屋ではないことだけは世間に示せたベルランガは、ボクサーとしての評価を得る一方で、パンチャーとしての評価、期待値はやや下がってしまったと言わざるを得ません。
そして前戦となったパドレイグ・マクローリー(アイルランド)戦で約3年ぶりとなるノックアウト勝利を挙げています。このマクローリーというボクサーは、ここ最近の相手に比べると実力を測りかねる相手であったことは事実としてあり、このボクサーにKO勝ちしたから評価が上がる、なんてことはありません。
ただ、若きベルランガが、前戦の快勝のイメージを持ってリングに上がれることは良いことであり、ベルランガがカネロに勝つには勢いこそが最も大事だと言えるでしょう。
老いたりとはいえ盤石のカネロは、ムンギア戦に引き続き、若手にチャンスを与えます。若手だったらベナビデスとやれば良いのに、とも思いますが、そのように危険すぎるファイトをやる頭はカネロにはなさそうです。少なくとも、これを実現するにはトゥルキ・アラルシクがワンピース以上の財宝を持って駆け寄って来なければ実現は不可能でしょうし、カネロですら引退覚悟で臨まなければならない戦いです。
さて、カネロはムンギア戦で久々のKO勝利を期待されたものの、ムンギアの頑張りによりそうはなりませんでした。そして今回も、対戦相手との格の違いから、同様に、いやそれ以上にKO勝利が求められる戦いです。
井上尚弥と戦う相手が過去最大のベストパフォーマンスを出しやすいのと同様に、カネロの対戦相手も過去最大のベストを出してきます。カネロが相手にするのは、おそらくベルランガ史上最強の「The Chosen One」(選ばれし者)ベルランガであり、ビッグマッチの雰囲気に飲まれさえしなければ、これまでのベルランガの2〜3割り増しのベルランガが出てくるはず。
そう考えると、カネロは楽をしているようにも見えて決してそんなことはありません。
16連続初回KO勝利は伊達ではなく、ベルランガが何かを起こす可能性はゼロではありません。正直、この試合が発表された時は「は??」となりましたが、日を追うごとに何かを期待してしまう自分がいます。
当然ベルランガにはあっと驚くような秘策が必要で、果たしてベルランガのパワーパンチを持ってしてもカネロを効かせるタイミングが訪れるのかはわかりません。
それも踏まえて、この試合を楽しみたいと思います。
アンダーカードと配信情報
アンダーカードはまた別で書こうかな、と思いますが、この戦いは前述の通り、北米Amazon PrimeビデオのPPVファイトで行われる、もう幾度めかのPBC興行です。
日本ではWOWOWが中継、放映日時は日本時間9/15(日)9:00頃〜となっています。今回のライブ配信はWOWOWオンデマンド配信のみですね。おそらくメインイベントのリングウォークはいつも通りお昼過ぎ頃。
この戦いは、WOWOWのみではなく、DAZNでのPPVでも見れるようです。PPVの価格は2,500円、WOWOWの月額視聴料と変わらないので、WOWOWで見た方がお得でしょう。
カネロはここを難なくクリアして、まだまだ稼ぐつもりでいるでしょうが、ベルランガ相手ではPPVの売り上げはあまり期待できそうにありません。果たして、今後のカネロのキャリアはいかに。
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