バトル・イン・ブリテン。
イギリスで思い出しましたが、来年10月のoasisの来日公演の先行申し込みは見事に外れました。誰かチケット余ってませんか。。。一般発売(先着順)の日は予定があって10:00には車を運転中な私です。。。
まあ、気を取り直して本日はフライ級注目ファイト、サニー・エドワーズvsガラル・ヤファイ。
海外では軽量級は云々、と言われ、確かにある一定はそうなのでしょうが、この試合やバムの試合は海外でも十分な話題を提供しています。個人的にはサニーとユーリ阿久井が戦えばユーリ阿久井が勝つと思っているのですが、やっぱり世界的な知名度を日本国内の試合だけで勝ち取ることはなかなか難しいですね。
勝者は日本で試合をする可能性が高い、と見ていますが、あとはWBC次第。
ということで今回のブログは、サニー・エドワーズvsガラル・ヤファイ、フライ級の大注目ファイトの観戦記。
11/30(日本時間12/1)イギリス・バーミンガム
WBC世界フライ級暫定王座決定戦
サニー・エドワーズ(イギリス)21勝(4KO)1敗
vs
ガラル・ヤファイ(イギリス)8勝(6KO)無敗
この興行は時間がないこともあり、メインの未視聴です。
おそらく満員なのでしょう、温まった会場に響くのは「スウィート・キャロライン」。ニール・ヤングの作ったこの歌は、とにかくこのボクシング会場でよく歌われます。
ディアマンテ氏のコールの後、先に入場したのはガラル・ヤファイ。個人的には英国興行といえば入場曲が非常に楽しみですが、ヤファイの入場曲はUB40の「Kingston Town」だと思います。非常にシブい、現在が2024年なので、すでにクラシカルの部類に入りそう。ああ、そうか、UB40はバーミンガムの出身、ホームタウンへのリスペクトの意味があるのでしょう。
続いてThe Beatlesの名曲「Here comes the sun」が流れたのち、生歌ラッパーにバトンタッチして入場してきたのはサニー・エドワーズ。リングウォークのコール時にはややブーイングが混じっており、ここが彼にとってアウェーの地だということを感じさせます。
ヤファイはGrant、エドワーズはREYES、ともにメキシコ製のグローブをつけています。さて、Fight starts nowです。
まずコールされるのはサニー・エドワーズ、先ほどよりも大きなブーイング。歓声もあるがブーイングが目立つ。対してヤファイに対してはブイーイングもあるが明らかに歓声にかき消されています。この状況下、やっぱりエドワーズに頑張ってほしい。
まず初回、サウスポーのヤファイがグイグイ攻めます。面食らったのか、サニーは一気に距離を詰められ、いつものようにしっかりと距離を取ることができていません。
パンチの当たる距離にいてはだめ、これはよくわかっているものの、常に距離を詰めてくるヤファイに対応できていないか、珍しくブロッキングに頼る展開。
ラウンド後半には弱冠ヤファイが単発気味になってきたからなのか、サニーに少し慣れが出てきたのか、序盤よりはサニーが上手く戦えています。ただ、初回は確実にヤファイでしょう。
2R、ヤファイは素晴らしい足運びと非常にシャープなパンチ、回転力のあるコンビネーションで常に攻め立てます。サニーは足が止まってしまうこともしばしばで、ロープを背にしての戦いが主。
自らのいつものリズムを取り戻そうとするかのようにステップを踏むサニーですが、すぐに捕まってしまいます。
そして接近戦ではヤファイの圧倒的な手数と回転力にエドワーズは単発のカウンターを返すのが精一杯で、しかしこれまで散々語られているようにサニーのパワーではヤファイを止められません。
後半の見事なカウンターもヤファイは明らかにノーダメージです。もっと完全に逃げ回って、5Rぐらいまでを使ってでも足から組み立てなおした方が良いのではないでしょうか。
3R、フィジカルにも大きな差があるか、サニーは体をぶつけてヤファイを止めようと試みますが、止まらず、逆にぶつかりに行ったサニーがバランスを崩す始末。
これは遠くの距離でポイントを稼ぐしか勝ち目がありません。
しかし今日のサニーは足が動かず、いつもの闘牛士然としたスタイルは鳴りをひそめ、とにかく近い距離です。なんとかブロッキングとボディムーブにより直撃を避けてはいるものの、このままではジリ貧です。
ヤファイは良いテンポ、非常にマイペース(これが速い)でパンチを繰り出しているので、サニーは削ることもできていないでしょう。ヤファイのパワーは破格なのか、ガードの上やクリーンではないヒットでもダメージを溜めてしまっているように見えるサニー・エドワーズ。これはやばい。。。
サニーのようにパワーレスと言われるボクサーたちは、一発逆転というのが非常に難しい。
4R、当然、このまま押し切ってしまおうというガラル・ヤファイはテンポよく左右を繰り出し、とにかく止まりません。時折やはりサニーのカウンターショットが入るも、タフさもあるのでしょう、ヤファイは全く止まらず。
多少もらっても大丈夫、と思ってもいるのでしょう、ヤファイは被弾を機にすることなく攻め入り、後半にはサニーをコーナーに詰めて連打!
このチャージも焦ることなく良いテンポで、しかも相手をよくみてパンチを繰り出しており、まるで「考えてサンドバッグを打つ」ような攻撃です。
5R、まるで息をするように、まるでただウォーキングやジョギングをするようにパンチを繰り出すガラル・ヤファイ。非常にリズムに乗っており、またそのパンチはおそらく6-7割位のパワーで打ち、ここぞの場面でも8割くらいを強打として打ち込んで、バランスを全く崩しません。
サニーは苦し紛れに打ち返すのみで打開策を見出せず、このラウンドの後半もロープに詰められてヤファイのラッシュを受けます。
サニーの攻撃は基本的に腰が少し浮いており、ヤファイにはダメージはないでしょう。
このラウンド終盤、ヤファイがスリップ。その時七日、ヤファイは左の耳付近をカットしたのでしょうか。ドクターがチェックしています。
こういうアクシデントっで流れが変わることもありますが、今、心と体が非常に充実しているヤファイ、こんなことでは崩れないでしょう。
6R、ヤファイがギアアップ。これまでよりも力強いパンチからサイドへ動いてコンビネーション。
その中でも焦らず、丁寧に丁寧にパワーショットを当てていくヤファイ、サニーはもう危ない。ここで起死回生の一撃を期待したいですが、ヤファイの細かな連打の前にサニーは手を出すこともできずディフェンス、ブロッキングをすり抜けてヤファイのパンチが当たり出したところでレフェリーは見かねてストップ!
ガラル・ヤファイ、6RTKO勝利でWBC世界フライ級暫定王者に!!!
なんとも。。。ショック。
ファイタータイプというのはサニー・エドワーズが比較的得意とするタイプだと思うのですが、今日のサニーは本当に足が動いていませんでした。
この「足が動かない」がサニー自身の問題なのか、それともヤファイのプレッシャーとハイテンポにそうなってしまったのか、はたまた考えたくはないのですが、あのバム戦でサニーは弱くなってしまったのか。今まで自信満々で逃げまくっていたサニーの姿はそこになく、ヤファイの良さだけが目立った試合でした。
さて、ガラル・ヤファイ、さすが東京五輪のゴールドメダリスト。
あの手数の中でバランスが崩れることは全くなく、勝負どころがわかっています。
その攻撃は非常にハイテンポで、一つ一つのパンチはパワフルには見えませんが、やはりパワーはあるのでしょうし、相手がサニーでなければ的中率はもっとだったでしょう。
小気味よく左右を繰り出すハイテンポなボクシング、サイドを上手く使い、4Dのようなボクシング、そして「中パンチ」を主体としたボクシングで削っていくというスタイル。
このボクシングには非常にインテリジェンスがあり、まるで井岡とバムのボクシングをあわせたようなイメージです。
そしてこれまでにいくつかみた、このヤファイのボクシングの中で、今日の試合は間違いなく彼のベストパフォーマンスです。
さて、WBCがまともに仕事をしたならば、このヤファイが日本に来る。いや、日本の王者が英国に行く、という可能性も彼のようなスターボクサーならばあるのかもしれませんが、日本に来てほしい。正規王者はこっちなのです。
サニー・エドワーズならば、拳四朗ならば勝てる、ユーリ阿久井ならば勝てる、と思っていました。
ガラル・ヤファイに対しては分かりません。彼はまだ底を見せていないし、サニーに対してここまで何もさせず圧勝するなんて思ってもいませんでした。
いずれにしろ、2025年のフライ級は(少なくとも日本では)統一路線。彼はどのように絡んでくるのか、非常に楽しみです。
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