先週と今週、メキシコの世界王者たちがリングに帰ってきています。メキシコでもコロナは猛威を奮っており、万全の準備ができているとは言えませんし、ノンタイトル戦での試合ではありますが、ボクシングの灯火は少しずつ再燃してきています。
有難いことに、メキシコでの試合もYoutubeに上がっています。オンタイムで見るには、VPNを利用してESPNを、となるのでしょうが、ネット弱者のオジさんにとってはなかなかにハードルが高い。
今回はYoutubeで見つけた試合の観戦記を書いていきたいと思います。
6/20(日本時間6/21)
エマニュエル・ナバレッテvsウリエル・ロペス
開催が危ぶまれたメキシコでのトップランク興行も無事、挙行。WBO世界スーパーバンタム級王者、ナバレッテのノンタイトル戦がメインです。対するロペスは勝ちと敗けが半々のボクサー、戦績を見ると噛ませ犬。普段はどの階級のボクサーなのか、結構小さいです。
フェザー級超のナバレッテはやはりあまり体が絞れていない感じはします。1Rはサークリングしながらジャブをつき、ロペスがおいかける展開。
2R、やる気マンマンのロペスに踏み込まれる場面もあります、ナバレッテ。やや動きが緩慢な感じもします。とはいえ、そろそろエンジンのかかってきたナバレッテ、長い距離からのストレートや速い連打をお見舞いします。
3R、ロペスもがんばっていますがナバレッテのリーチ、スピード、パワーにその前進は阻まれます。ナバレッテはパンチを出す時にガードが全くなくなったりと隙も多いですが、このリーチ、パワーはやはり脅威。
4R、ナバレッテがペースアップ。打ち合う時間が増えていきます。ナバレッテ、遠い距離からの左ストレートのようなジャブは非常に貫通力がありますね。終盤、右ストレートをうまくあて、そのあとワンツーがクリーンヒット。
5R、ナバレッテの左ボディーがクリーンヒットし、ロペスはダウン!立ち上がってまた前に出るロペスですが、中間距離に釘付けにされ、なかなか懐には入れません。ナバレッテはどんな大成からでもパンチを打ち込んできます。
6R、大きくパンチを振るうナバレッテ。試合を決めにきたのか?ストレートもフックもアッパーも、見事で点で捉えるナバレッテ。当てカンがいい。残り半分ほどのところからナバレッテがラッシュ。ロペスは厳しい。ロペスもパンチを出すものの、次々にヒットするナバレッテのパンチ。しかし残り45秒、耐えきれずにロペスがダウン。辛くも立ち上がりましたが、レフェリーは試合をストップ。
ナバレッテの6RTKO勝利
スーパーバンタム級を統一したいという希望を持ちつつ、フェザー級転向を視野に入れるナバレッテ。まだスーパーバンタムでできそうな感じはしますが、メキシコ人といえば減量はあまり得意ではないようですからね。どうなりますかね。
6/27(日本時間6/28)
ミゲル・ベルチェルトvsエレアサル・バレンズエラ
WBC世界スーパーフェザー級王者、ミゲル・ベルチェルトが挑むノンタイトル戦は、ライト級リミット。
1Rは様子見のラウンド、ベルチェルトはいつものように長いジャブを突き、チャンスとみれば攻め込みます。バレンズエラは少々体が絞れていない感じがしますが、動きは悪くないです。
ラウンド終盤、攻め入ったバレンズエラに呼応してパンチを繰り出すベルチェルト、多少強引に左フックのトリプル!これがクリーンヒットしてバレンズエラはダウン!
さすが、ベルチェルト。
2R、ベルチェルトは初回よりも手数が出ます。徐々にエンジンがかかってきた感じ。バレンズエラは体が強いのか、結構押していきます。クリーンヒットはベルチェルトの方が多い。
3R、ベルチェルトのローブローで若干の中断。これまでもベルチェルトの左ボディはローブロー気味でした。終盤はベルチェルトが攻め込んでラウンド終了。ベルチェルトは手数も多いですし、攻めながらも下がりながらもクリーンヒットできる巧さがあります。
4R、一方的な展開になってきました。あとはバレンズエラがどこまで耐えられるか。ベルチェルトのワンツー、スリーフォーと次々とヒットします。倒れないバレンズエラに感心します。
5R、パンチをもらいながらも左右のフックを振りながら前に出るバレンズエラ。ベルチェルトは中間距離でジャブ、ワンツー、そして左フックのダブル・トリプルとやりたい放題。近づいたら頭をつけてからの左アッパー。実力差がありすぎますね。
6R、展開は変わりません。ベルチェルトが多少大きく動くようになってきたか?しかし距離をとったところでワンツー、左フック、とにかくヒットします。バレンズエラ、大丈夫か?
と思ったところで、ベルチェルトの右でぐらついたバレンズエラに、ベルチェルトがラッシュ!そしてレフェリーは試合を止めました。
ベルチェルトの6RTKO勝利
前WBO世界フェザー級王者、オスカル・バルデスとの対戦を希望したベルチェルト。かねてから対戦の計画はありましたが、決まれば非常に楽しみな一戦ですね。
オマール・アギラルvsダンテ・ハルドン
そしてこの試合のセミ格では、無敗のホープ、オマール・アギラルが登場。スーパーライト級のWBCユース王者のようで、ここまでの戦績が17戦全勝(16KO)。
相手は三浦隆司に挑戦経験のあるダンテ・ハルドン。(三浦に9RTKO敗け)
アギラルはアップガードに構え、スピードもあります。コンビネーションもよくでますね。と思った瞬間に、すぐにレフェリーストップ。
1RTKOで、戦績を18戦全勝(17KO)としました。が、ストップが早すぎてよくわからない。きっとパワーもあるのでしょう。これから世界戦線にからんでくるにはあとどれくらいか。若干21歳の新鋭に期待です。
メキシコ興行では、レフェリーの胸の部分にカメラを取り付けて、たまにその映像が流れたり、後方のスクリーンに中継で観戦している?人たちが流れたり、と趣向をこらしていましたね。
色々なことを試行錯誤しながら、世界中で始まったボクシング。日本のボクシング界はどのような趣向を凝らしてくれるのでしょう。
希望としては、タイトルマッチくらいはせめてネットで生配信してもらいたい。。。