いよいよ!いよいよです!
週末に迫った、ミゲル・ベルチェルトvsオスカル・バルデスのメキシカン同士のスーパーファイト!!
スーパーフェザー級最強と呼び声の高いミゲル・ベルチェルトの持つWBC王座に、フェザー級で高い評価を得たオスカル・バルデスが挑む一戦。
この一戦は、試合が決まった時から既に「年間最高試合候補」と騒がれるような一戦であり、おそらく世界中のボクシングファンが楽しみにしている試合ではないでしょうか。
三浦隆司(帝拳)の挑戦を退けたベルチェルト、大沢宏晋(現・オール)、ゼネシス・カシミ・セルバニア(カシミ)の挑戦を退けたバルデス。
ともに日本在住のボクサーとも戦っている、日本馴染みの王者たちなので、日本での注目度もひとしお。
この一戦は、WOWOWオンデマンドで生配信!2/21(日)12:00〜です。
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翌日、2/22(月)21:00〜のレギュラー放送もこの一戦ですね。
さて、今回のブログでは、このメキシカンスーパーファイトをプレビューです。
ミゲル・ベルチェルト(メキシコ)37勝(33KO)1敗1NC
ベルチェルトは2010年、自身の19歳の誕生日にプロデビューを果たしています。21連勝のあと、ルイス・エドワルド・フローレス(コロンビア)という選手に1RTKO負けを喫しています。
ただ、その21連勝中のさなかに後に内山高志(ワタナベ)に挑戦(3RTKO負け)し、フェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)相手に判定まで粘ったオリバー・フローレスに2RTKO勝利した試合も含まれています。
ポカ負けをしてしまったベルチェルトですが、その後は8連続KO勝利でWBO世界スーパーフェザー級暫定王座を獲得。そのタイトルを1度だけ防衛し、WBC世界スーパーフェザー級王者、フランシスコ・バルガス(メキシコ)に挑みます。
このバルガス、王座獲得戦は三浦隆司(帝拳)と年間最高試合を演じた激闘型のボクサーであり、(王座獲得後の初防衛戦もオルランド・サリドとのWBC年間最高試合)、三浦が目指す王座返り咲きの標的でもありました。
そのバルガスをベルチェルトは完封、ついには11RTKO勝利でWBC王座を獲得。
初防衛戦では三浦隆司の強打を警戒し、アウトボックスしてボクシングの幅を披露、ここまで6度防衛、在位丸4年という超安定王者。
しかも、フルラウンド戦ったのは三浦戦のみで、他は全てストップ、もしくは棄権という形で試合を終わらせています。
戴冠戦であるバルガス戦は、バルガスが(試合間隔はしっかり空けていたものの)激闘続きで、ダメージがあったものかとも思われましたが、再戦ではもっと圧倒。
その他の対戦相手も、ジョナタン・バロス(アルゼンチン)、ミゲル・ローマン(メキシコ)、ジェイソン・ソーサ(アメリカ)といった元世界王者や強豪。この錚々たる顔ぶれを相手にこのレコードは本当にすごい。
昨年のコロナ禍では、メキシコのトップランク興行に登場し、6RTKO勝利を納めますが、この試合はプロスポーツ興行は中止されている最中に行われたようで、ノーコンテストに。
おそらく統括機関や、プロモーターの問題だとは思いますが、不憫なものですね。
↓観戦記。
オスカル・バルデス(メキシコ)28勝(22KO)無敗
ベルチェルトもしっかりとしたアマキャリアを持っているものの、アマキャリアの実績はバルデスの方が勝ります。
バルデスはアマで200戦以上、北京オリンピック、ロンドンオリンピックに出場経験のある元オリンピアンです。
デビューは2012年、デビュー以来11連続KO勝利を記録します。19戦目で元IBF世界フェザー級王者(4度防衛)のエフゲニー・グラドビッチ(ロシア)を4RTKOで屠り、その勢いを駆って20戦目で世界初挑戦。
グラドビッチはこの頃、リー・セルビー(イギリス)に負傷判定で敗北したのみだったので、初のKO負け、結果としては唯一のKO負けとなっています。
2016年にWBO世界フェザー級王座決定戦に出場し、2RTKO勝利で初戴冠。
初防衛戦で大沢宏晋(当時・ロマンサ雅)を7RTKOで降し、その後もミゲル・マリアガ(コロンビア)、ゼネシス・カシミ・セルバニア(カシミ)を破り立て続けに防衛。
4度目の防衛戦は、元WBA世界スーパーバンタム級王者、スコット・クイッグ(イギリス)。 このクイッグは、2.8lbs(約1.3kg)オーバーというほぼ意図的なウェイトオーバー。この時点で挑戦資格のなくなったクイッグを相手に12Rを戦い抜き、判定勝利で防衛。
しかし、この試合の代償は大きく、顎を骨折するなど甚大なダメージを被ったバルデスは、次戦まで約11ヶ月のブランク。
その後も2度防衛、王座を返上し、スーパーフェザー級へ上がってきました。
2019年11月、2020年7月にテストマッチをはさみ、ともにTKO勝利を挙げています。
↓バルデスの最新試合の観戦記。
さて、このベルチェルトvsバルデスは、激闘必至。
ともにメキシカンスタイルをウリにしながら、ボクシングもできる、ある種非常に似たタイプのボクサーだと思います。
サイズに勝るベルチェルトは、メキシカンの中ではジャブやストレート系のパンチを多用するタイプだと思います。180cmという長いリーチを活かしたジャブ、近接戦闘では回転力があり、スピーディなコンビネーションを使うベルチェルトに、死角はないようにも見えます。
好戦的な性格ゆえ、接近したところでガードが甘くなるところはあるものの、際限なく繰り出されるその連打のさなか、バルデスは強打を叩き込めるのか。
対してバルデスは、ここ最近のパフォーマンスではベルチェルトに劣る気がします。
一発のハンドスピードはバルデスに分がありそうで、一発一発力を込めて打つパンチングパワーもバルデスの方が上回っているようにも見えます。
ベルチェルトの方が距離が長い分、近い距離で戦いたいバルデスですが、近い距離でもベルチェルトに飲み込まれてしまいそうな雰囲気。
もしそうなれば、バルデスがアウトボックスする、というのも考えられないではない。
個人的には、ベルチェルトには遠い距離でも近い距離でも圧倒してもらい、後半、どこかのタイミングでのストップを望みます。
そして、気の早い話かもしれませんが、すぐにライト級に上げるのではなく、シャクール・スティーブンソン(アメリカ)の挑戦を受けてからライト級に飛び込んでもらいたいと思っています。
ベルチェルトvsシャクールなんていう話になれば、鳥肌モノです。ベルチェルトがシャクールのポテンシャルを存分に引き出し、踏み台になるのか、それともシャクールがボクシングの厳しさを思い知る結果となるのか。
いずれにしろ、今のベルチェルトに死角はなく、いかにバルデスでも勝利は遠いでしょう。バルデスは、ボラードをどこかのタイミングで一発当てられれば、非常におもしろくなります。
メキシカン同士の、魂と魂のぶつかり合い、非常に楽しみな一戦です。日曜日を楽しみに待ちたいと思います。
この激闘必至の一戦を、WOWOWで、是非。
そして、先日体重超過にて自らIBFタイトルを手放したジョセフ・ディアス(アメリカ)。開き直ってシャクールorベルチェルトvsバルデスの勝者に挑戦希望だとか。
完全になめてますね。非常にたちの悪いこのボクサーには、スーパーフェザー級トップのボクサーたちは絡んでもらいたくないものですね。
ちなみに、セミファイナルでは20歳のプロスペクト、ガブリエル・フローレスJr(アメリカ)が登場。19勝(6KO)無敗というフローレスJrは、前戦でオスカル・バルデス相手に最終ラウンドまで粘った(10RTKO負け)のジェイソン・ベレス(プエルトリコ)との一戦。
フローレスJrは中間距離〜接近戦で戦う、コンビネーション型のパンチャーですね。こちらもタフなバレスを倒せるか、というところでもしかすると今後のスーパーフェザー級トップ戦線に絡んでくるボクサーかもしれません。
WOWOWさん、セミから放送してくれるかな?