信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

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東京五輪、ボクシング競技。日本代表のこれまでと、現在。

2021年夏、(いまのところ)開催される予定の東京オリンピック、ボクシング競技。

そのオリンピックに出場する日本代表が、このほど「ほぼ」決定しました。いや、ほぼ決定してしまいました。

オリンピックの出場枠とは

まず、前提として、オリンピックは各国ひとりの代表が、各階級で出場権を獲得できるわけではなく、各国ひとりの代表が、地域予選を勝ち抜き、自力で出場権を確保しなければなりません。

オリンピックでボクシング競技が開催される階級は、その五輪ごとで違いますが、今回の東京オリンピックの階級は男子8階級、女子5階級というもの。

 

そこで日本ボクシング連盟(JABF=日本アマチュアボクシングの統括団体)は、男子6階級、女子5階級にわたり、まずは地域予選に臨む日本代表を決定しました。

男子選手は2019年に行われた全日本選手権の優勝者、そして女子選手は2019年に行われた全日本選手権の優勝者と、同年の世界選手権に日本代表として出場した選手のプレーオフ(Box Off)大会で勝利した選手が東京オリンピック日本代表候補として、地区予選(アジア・オセアニア大会)及び世界最終予選に挑戦する権利を得たのです。

女子は5階級すべてに代表を送りだすのですが、男子8階級中6階級というのは、基本的に日本のアマチュアボクシングの大会(たとえばアマ最高の戦いである全日本選手権等)は、ライトヘビー級までしか行われていないからです。(ライトヘビー級の上にはヘビー級、スーパーヘビー級という階級があり、この階級での日本人代表候補選手はいません。)

 

 

下は、2020年に東京五輪が開催されると思っていたときの記事。階級は以下のブログからご覧ください。

boxingcafe.hatenablog.com

 

そして、当初の予定では、2020年2月(がずれ込み、結局3月開催)となったアジア・オセアニアの地域予選、そして2020年5月に開催予定だった世界最終予選で実績を残した選手が、東京オリンピックへの出場権を獲得できるはずでした。(入賞やメダル獲得等。何位以内に入れば出場権を獲得できるか、は階級によって異なります。)

つまりは、国内No.1になっても指定された国際大会で実績を残さなければオリンピック出場はかなわず、過去に内山高志や井上尚弥等、錚々たるメンバーがオリンピック出場を逃しているのも、ここの難しさにあります。

ただ、当時と比べ、今の日本アマボクシング界は国際大会でも勝利できる知恵を身につけてきている感じがしていたので、今回の東京オリンピックは期待できるのではないか、とひそかに思っておりました。

 

2020年3月に開催されたアジア・オセアニア予選とその後

 

そしてコロナによる延期を経て、3月に開催されたアジア・オセアニア予選。

ここで、男子ウェルター級の岡澤セオン、女子フライ級の並木月海、女子フェザー級の入江聖奈が見事自力で出場権を獲得。

岡澤は出場枠である5位に滑り込み、並木、入江はこの地区大会で準優勝。

↓予選最終日。並木、入江は既に出場権を獲得、岡澤は最終日に望みをかけました。

boxingcafe.hatenablog.com

 

2012年からはじまったオリンピックの女子ボクシングでしたが、ここまで日本ボクシング界は女子ボクサーをオリンピックに送り込めていないので、一気に、自力で2人のボクサーが出場権を獲得できたことは、快挙といって良いでしょう。

そして、東京オリンピックは、開催国ならではの「開催国枠」というものがあり、男子は最大で4階級、女子は最大で2階級で無条件で選手を送り込むことができます。

これはアジア・オセアニア予選からほどなく、最終予選の前に決めなければなりませんでした。

この開催国枠というのは、もし誰も出場権を獲得できなかったときのための保険のようなものです。開催国枠から自力で出場権を獲得した枠を引いた選手枠を任意で選べます。

 

なので、今回は男子は4-1=3枠を、女子は2-2=0枠を、選ぶことができました。

そこで、日本ボクシング連盟は過去の実績及びアジア・オセアニア予選での実績を考慮し、男子選手でフライ級の田中亮明、ライト級の成松大介、ミドル級の森脇唯人を選出。

これに先に自力で出場権を獲得した岡澤セオンを加えた4名、女子では自力で出場権を獲得した並木月海、入江聖奈を日本代表と決定し、そのほかの男子2名(堤駿斗、梅村錬)、女子3名(浜本紗也、鬼頭茉衣、津端ありさ)は、最終予選での出場枠獲得に望みをかける形となりました。

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↑阿修羅ジャパン。ネーミングはちょっと置いておいてあげてください。

 

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↑ブルーローズジャパン。

 

【東京五輪】今後の『阿修羅ジャパン』と『ブルーローズ・ジャパン』 – 日本ボクシング連盟

 

IOCの発表と、現在の状況 

しかし、その後東京オリンピックは1年の延期が決定、日本代表はそのままスライドという流れになりましたが、つい先日、その最終予選も中止と決定。

実際、地区予選ですらすべて終わっているわけではないこの状況下、最終予選の中止は致し方ないと思わざるを得ません。

地区予選が終了しているのは、前述のアジア・オセアニア予選のほか、アフリカ予選のみであり、アメリカ大陸予選は未実施、ヨーロッパ予選は途中で中止(最初の3日間だけ開催)されているという状況になっています。

これらがそれぞれ5月(アメリカ予選)、6月(ヨーロッパ予選)と開催される手はずとなっているようで、その後にオリンピック開催に向けて最終予選が行われるのは日程的に厳しいです。

そこで今回、最終予選の中止を決断し、本来最終予選で争われる予定だった男子32枠、女子21枠は、国際オリンピック委員会(IOC)の、ボクシング・タスクフォース(BTF)のランキングから決定される見通しだとのことです。

そうすると、最終予選に出場予定だった男子2名、女子3名の日本代表候補選手は、誰もランクインしていないようで、オリンピック出場権獲得は絶望的。

 

こういった経緯により、東京オリンピックへ出場する日本人選手たちがほぼ決定「してしまった」ということになります。

内部事情には詳しくはない私ですが、この経緯からすると納得せざるを得ません。ただただ、最終予選に望みをつないでいたボクサー本人や関係者のことを考えると残念でなりません。そしてオリンピックに向けて尽力してた連盟も、異議を申し立てたというニュースもみましたが、やり場のない気持ちをぶつけただけではあるものの、その気持ちもわかります。

そして楽しみにしていた私のようなファンも、致し方のないこととはいえ、非常に残念な気持ちです。

2019年12月、オリンピックへの日本代表候補をかけた全日本選手権が開催され、そこで敗れたボクサーたちで、プロ転向を表明したボクサーたちは多いです。今回は、かねてからプロ転向を嘱望している堤駿斗は、これを機にプロ転向を口にするのかもしれません。

堤は次回のパリオリンピックを目指すのか、このタイミングでプロに転向するのか。現在21歳、今年の7月で22歳となる堤にとって、プロで結果を残したいのであればこのタイミングでのプロ転向のほうがより確実でしょう。このニュースはまもなく流れるかもしれないので、注目していたいと思います。

 

そして何より、東京オリンピック自体、まだまだ開催できる見込みはたっていないのが現状ではないでしょうか。

このご時世下、オリンピック不要論も多くあることも存じていますし、強行開催が良いとはいえません。おそらく中止にしたほうが妥当でしょうし、納得性もあります。

ただこの数年の間、自国開催に向けてしっかりと準備してきたアマチュアボクサーの日々が、決して無駄にならないことだけを切に願います。どうか気持ちを切らさず、それぞれの目標に向かって歩みを止めないでもらいたい。

アマチュアボクシング界は、プロボクシング界よりも試合枯れが続き、更に深刻です。

地方の、実績の残せていないボクサーたちは、昨年試合がないことから選手登録すらも見送る始末。私の教え子たちにも、選手登録して試合が開催されないのであれば、お金がかかるだけなので見送らせました。(注:私は地方の弱小国立大学でコーチをしています。少ない人数ですが、一生懸命やっています。)短い競技生活の中で、本当に不憫でなりません。

オリンピックがないならば、せめて国内ででも大会を開いてほしいと思いますし、地方のアマボクサーたちが少しでもキャリアを詰める大会等を開催して裾野を広げる活動をしてほしいと思っています。

 

 

 

 

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