いよいよ開始された東京オリンピック、ボクシング競技。
東京オリンピックでは、男子8階級、女子5階級でトーナメントが開催されることになっています。
↓オリンピック実施階級についてはこちら
トーナメントは、各国の代表となったボクサーが、地域予選(日本でいうとアジア・オセアニア予選)に挑み、その予選を勝ち抜いたボクサーがオリンピックへの出場権を得ます。
本来は、それに加えて最終予選という世界規模で出場権をかけたトーナメントがあるのですが、今回はコロナショックにより最終予選は中止。かわりにIOCの定める世界ランキングの上位者が出場権を獲得しています。
いずれにしろ、国の代表となっただけでは、まだオリンピックへの出場権すらありません。
そしてその厳しい予選を勝ち抜いたボクサーと、今回は開催国枠で数名のボクサーは出場権を得られました。その数は男子4名、女子2名の合計6名。
↓オリンピック出場を決めた6選手について
その階級も、合計32名の出場ボクサーがトーナメント形式で争い、各ボクサーは1日1試合しかできないので、柔道や他の競技よりも多くの時間を有します。
ROUND32(1回戦)
→ROUND16(2回戦)※終われば、ベスト8が出揃います。
→ROUND8(3回戦)※終われば、メダルが確定。(3位決定戦は行われず、銅メダルは各階級でふたり)
→準決勝(4回戦)※勝った方は銀以上が確定。負ければ銅メダル。
→決勝(5回戦)
と進んでいきます。
東京オリンピック・ボクシング競技、初日となる7/24に登場したのは女子フライ級、入江聖奈と、男子ウェルター級、岡澤セオン!
ともにメダルの期待のかかるボクサーです。今回はその観戦記。
女子フェザー級ROUND32
ヤミレト・ソロルサノ(エルサルバドル)vs入江聖奈(日本)
日本選手団、最初の登場はメダルの期待もかかる入江!相手はエルサルバドルの選手、ガッチリした体格をしています。
入江は足がよく動いています。ジャブ、ソロルサノが入ってくる時に右ストレートをあわせるのもよく機能。ソロルサノはやや強引に入ってきますが、技量は入江の方が上で、フットワークも良い入江に対してソロルサノはついていけません。初回後半には、ソロルサノができることはかなり少なくなっていく印象です。
2R、打って離れて、右カウンター!入江は序盤から完全にソロルサノを圧倒!回転力でも上回り、近づいてコンビネーションを打ち、離れる入江の打ち終わりにパンチを当てようとするソロルサノですが、打つ頃にはもう入江はソロルサノの距離にいません。入江、見事なボクシングです。
3R、入江のフットワークは止まりません。近づいては左ボディを交えたコンビネーションが素晴らしく、相手選手のスタミナを奪い、ダメージを蓄積させていきます。
右のビッグパンチを振ってくる相手を確実にいなし、自らのパンチを当てる圧勝劇。もう相手選手のパンチに力はありません。
入江聖奈、完勝で一回戦突破!!!
ロンドンオリンピックから採用された女子ボクシング。ロンドン、リオと女子選手は出場権を得られず、今回の東京オリンピックで入江とフライ級の並木が初めて女子ボクシングでオリンピック出場。
そして見事な初勝利、これは歴史的な偉業。日本選手トップバッターとしても、最高の成績を残してくれました。
勿論ほかにも強豪は多く、今回のソラザノは強豪とは言えない相手ではありました。この後に強豪との対戦を控えていますが、是非是非ラスボス、台湾のリン・ユーティンに辿りつき、リベンジしてもらいたい。このリンは絶対女王、かなり高い壁ですが、期待しかありませんね。
男子ウェルター級ROUND32
岡澤セオン(日本)vsクリシャン・ビカス(インド)
トーナメント表が発表された時、やや不安になりました。岡澤の相手のインド選手は、以前、アジア・オセアニア予選で岡澤が敗北を喫した相手。
↓観戦記
岡澤はこのインド選手に敗北したあと、5位決定戦を勝ち残り、かろうじてオリンピックへの切符を手にしました。
岡澤にとってはリベンジ戦!
初回、岡澤の動きはキレています。ステップは速く、スムーズなワンツー。サイドに動いては速いコンビネーションを放つ岡澤相手に、クリシャンは非常にやりづらそう。
その後もスピード差、懐の深さで相手に付け入る隙を与えず、このラウンドを完全に支配。
2R、劣勢を意識してプレスを強めるクリシャン。しかし岡澤はクリシャンの入り際にカウンター、それを単発ではなくコンビネーションで攻め立て、クリシャンはガードの時間が長くなります。
近い距離になった時にレフェリーがストップをかけ、再開後にいち早く動く辺りの集中力も素晴らしい。遠い距離、クリシャンのパンチが当たらない距離から大きく踏み込んでのコンビネーションもよく、このラウンド終盤、クリシャンは左目瞼をカット。
かなり余裕のでてきた岡澤、油断さえしなければ勝利は目前!インターバル中には笑顔も見えます。
3R、打っては離れ、このラウンドはやや安全策をとる岡澤。オリンピックは連戦です。ダメージを残さないならそれに越したことはありません。
ジャブを打っては離れる、単発気味の岡澤にあわせて、クリシャンも単発気味に。これでは岡澤に当たりません。どころか、クリシャンは入り際に右フックでカウンターをとられ、ダウン宣告!
その後も岡澤がステップとカウンター、高速コンビネーションを使って優勢を維持、前戦で敗北した相手に対し、完勝でリベンジを成し遂げました!
岡澤セオン、完勝で一回戦突破!!
いやぁ、お見事でしたね!クリシャンに何もさせず、ダウンを奪っての完勝。
とにかく動きはキレており、調子は良さそうで、気合も入っています。肉体的にも精神的にも充実しているこの岡澤セオン、やはりメダルの期待をして良いと思います。
次戦も強豪、アマ大国キューバの選手。ロニエル・イグレシアス選手。。。
このキューバ人ボクサーは、2008年の北京オリンピックで銅メダル、2012年のロンドンオリンピックで金メダルを獲得したボクサーで、まだ第一線で活躍、キューバでの代表を勝ち取っていることが驚きでしかありません。現在32歳、脂が乗っているという超強豪、かなり高い壁ではあると思いますが、期待したいと思います。
ガンバレ、日本!!
次の日本選手の登場は、7/25(日)!
明日以降の選手たちの試合
— sakana (@sakanayou1) 2021年7月24日
25日
17:15 並木選手
19:39 成松選手
26日
11:30 田中選手
12:36 森脇選手
20:27 入江選手
27日
17:00岡澤選手