東京オリンピック実施階級ってどういう事?プロボクシングとの違いは?
「東京オリンピック実施階級」と書きましたが、まさにそのまんまです。
プロボクシングの階級とは違いますし、更には通常のアマチュアボクシングの階級とも少し違います。
順を追って解説していきますが、プロボクシングの階級については、以前のブログをご覧下さい。
プロボクシングの階級は17階級。アマチュアボクシングは?
アマチュアボクシングの階級は、男子、女子ともに10階級ずつあります。
日本国内のアマチュアボクシングでは、ジュニアとシニアにわかれていて、ジュニアというのは高校生、シニアは大学生や社会人です。
ジュニアの階級には、シニアの階級で一番軽いライトフライ級の下に、ピン級という階級が設けられるので、ジュニアでは11階級になります。
このピン級というのは、国内のみ適用されます。
以下が階級表です。
男子 | kg | 女子 | kg |
---|---|---|---|
ピン(ジュニアのみ) | 44~46 | ピン(ジュニアのみ) | 43~45 |
ライトフライ | 46~49 | ライトフライ | 45~48 |
フライ | 49~52 | フライ | 48~51 |
バンタム | 52~56 | バンタム | 51~54 |
ライト | 56~60 | フェザー | 54~57 |
ライトウェルター | 60~64 | ライト | 57~60 |
ウェルター | 64~69 | ライトウェルター | 60~64 |
ミドル | 69~75 | ウェルター | 64~69 |
ライトヘビー | 75~81 | ミドル | 69~75 |
ヘビー | 81~91 | ライトヘビー | 75~81 |
スーパーヘビー | 91以上 | ヘビー | 81以上 |
10階級、ないし11階級あっても、実際に国内の大きな大会で開催されるのは男子ジュニア、男子シニア、女子シニアで8階級、女子ジュニアで5階級ほどです。
プロボクシングも重い階級にいけば競技人口が少なくなっていくので、アマチュアボクシングでも重い階級(男子はヘビー級以上、女子はライトヘビー級以上)は開催されないのが一般的です。
東京オリンピック実施階級は?オリンピックの開催期間は?
東京オリンピック実施階級は、アマチュアボクシングの階級とも少し違います。
男子で8階級、女子で5階級の開催となり、以下が階級表です。
オリンピック男子 | kg | オリンピック女子 | kg |
---|---|---|---|
フライ | 48~52 | フライ | 48~51 |
フェザー | 52~57 | フェザー | 54~57 |
ライト | 57~63 | ライト | 57~60 |
ウェルター | 63~69 | ウェルター | 64~69 |
ミドル | 69~75 | ミドル | 69~75 |
ライトヘビー | 75~81 | ||
ヘビー | 81~91 | ||
スーパーヘビー | 91以上 |
アマチュアボクシングとプロボクシングの違い!どう違うの?
さて、アマチュアボクシングとプロボクシングは、どう違うのでしょうか。
両手にグローブをつけて殴り合い、どちらが強いか決める、という競技の方向性はもちろん同じです。それが、ボクシングです。
しかし、アマチュアボクシングとプロボクシングの違いはいくつかあり、その違いが、人によっては「全く違う競技」と感じてしまうこともあるそうです。
まず、大きな違いとして「ラウンド数」
プロボクシングの世界戦は12ラウンズ(以下Rと略)ですが、アマチュアボクシングでは金メダルのかかったオリンピックの決勝も、3Rです。ちなみに、ジュニア、女子は1R2分で行われます。
アマチュアボクシングでは、12Rを3Rにぎゅっと凝縮したかのような攻防が繰り広げられるので、特にトップ選手同士の戦いの展開はものすごくスピーディーです。12Rの世界戦のように、様子見のラウンドはほとんどありません。そして、中盤や終盤で挽回するという作戦もR数が少ないためとりずらく、最初からフルスロットルです。
次に、採点基準
プロボクシングの場合は、相手にダメージを与えたかどうか、が大きな採点基準になります。しかし、アマチュアボクシングの採点基準は、
1 ターゲットエリアへの質の高い打撃の数
2 技術や戦術の優勢を伴って競技を支配していること
3 積極性
(日本ボクシング連盟 競技規則より抜粋)
となっています。
その他、上半身に試合用ユニフォームの着用が必要であったり、使用するグローブ等々、細かい基準の違いは多くありますが、競技を見る上で大きな違いは上の2つです。
尚、プロボクシングでは年間の試合数は2〜4戦ほどが一般的ですが、アマチュアボクシングのトーナメントでは連戦になりますので、その分試合数は多くなります。また、計量も前日計量であるプロボクシングに対し、当日計量、しかもトーナメントで勝ち上がっていくと毎試合ごと(毎日)計量があります。
大注目!東京オリンピック出場予定の日本人選手たち!
東京オリンピックに出場する日本人選手、というのは2020年1月現在、厳密にいうとまだ決まっていません。
今、それぞれの階級で日本代表候補が決まっていますが、2月、5月に控えるオリンピック予選を勝ち抜かなければ、出場枠が得られない仕組みになっています。1階級、各国で1人ずつ出られるという訳ではないんです。
国際大会でしっかりとした実績を残さなければ、出場することすら叶わない、非常に厳しい戦いです。
ただ、今回の東京オリンピックに関しては、自国開催のため、開催国枠があり、男子4枠、女子2枠は確保されています。あとは2月にあるアジア・オセアニア予選、5月の世界最終予選で結果を残せば、日本代表候補全員でオリンピックに臨めることになります!期待して、朗報を待ちたいと思います!!
2020/1/18、日本ボクシング連盟より訂正が入りました。
私も勘違いをしていましたが、開催国枠は最低でも出場できる枠で、たとえばアジア・オセアニア予選で入賞した場合、その分開催国枠は減るそうです。つまり、アジア・オセアニア予選、世界最終予選で2人の男子選手が入賞した場合、その2人のオリンピック出場が確定し、開催国枠は残り2枠を使える、とのことです。
【以下、1/18スポニチの記事より】
日本連盟はこの日、東京五輪における男子4・女子2の開催国枠が、予選で獲得した出場枠とは別に与えられると誤って解釈していたと公表。予選で出場枠を獲得した分だけ開催国枠が減ることになり、代表選手にもこの日までに通達したが、堤は「自力で(予選で)枠を取ることしか考えていない」と言い切った。
オリンピック予選出場予定選手
(男子)
田中亮明(フライ級)
堤駿斗(フェザー級)
成松大介(ライト級)
岡澤セオン(ウェルター級)
森脇唯人(ミドル級)
梅村錬(ライトヘビー級)
(女子)
並木月海(フライ級)
入江聖奈(フェザー級)
濱本紗也(ライト級)
鬼頭茉衣(ウェルター級)
津端ありさ(ミドル級)
各選手の詳細は、またどこかで書きたいと思いますが、厳しい戦いを勝ち抜いて日本代表候補に入った選手たちです。きっと出場枠を勝ち取って、オリンピックでの勇姿を見せてくれることでしょう!今からとても楽しみです。