信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

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元サヤ!カシメロvsリゴンドー。絶対悪のカシメロに、弱者のために戦うヒーロー、リゴンドー。

バンタム級のゴタゴタ。

結局ドネアがカシメロと戦わない、としたことで、カシメロvsリゴンドーの一戦が復活。

大々的に「正式発表!」みたいなのはないですが、PBCのスケジュールにも載り、一旦は解決(?)したということで良いのでしょう。

 

↓数日前のブログで経緯

boxingcafe.hatenablog.com

 

私の一番の希望は、結局ドネアvsカシメロが挙行され、その後井上vsリゴンドーというマッチアップでしたが、これはまあ致し方なし。

カシメロ陣営は度を過ぎてしまいました。

結局ドーピング問題はうやむや、VADAへの登録を数日間遅らせたことで、疑いの目をむけられても何の弁明のしようもありません。カシメロはドネアとレイチェル夫人への謝罪をしたということですが、その件(VADAへの登録遅延)については特に弁明した記事はありません。

いずれにしろ、カシメロvsドネアはなくなり、ドネアはより大きな報酬とより大きな名誉を手にすることができる井上尚弥戦へと駒を進め、そしてカシメロはより小さな報酬と、勝利した場合にはより小さく、敗北した場合にはより大きなリスクを背負うリゴンドー戦へと向かうこととなりました。

 

しかしこの件で、最も振り回された我らがギジェルモ・リゴンドー。

この一連の流れで、日本のボクシングファンとしてはカシメロを「悪役」ではなく「悪」と断定し、そして不運なリゴンドーに同情というものに似た感情を抱いたのではないでしょうか。

 

8/14(日本時間8/15)

WBO世界バンタム級タイトルマッチ

ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)30勝(21KO)4敗

vs

ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)20勝(13KO)1敗1NC

f:id:boxingcafe:20210706221639p:plain

 

この一戦で、カシメロに勝ってほしいと思う日本人ボクシングファンがどれくらいいるのでしょうか。井上vsカシメロという統一戦が、魅力的なマッチアップに思えた時は、ドネアvsカシメロにおいてもカシメロに勝ってほしい、と思う人はいたかもしれませんが、今はどうか。

カシメロの不自然なビルドアップ云々、とも言われていますが、VADAテストを遅らせたという状況証拠だけでは不十分、結局のところWBOも処罰のしようもなく、カシメロは未だ王者。限りなくクロにちかいグレーだろうが何だろうが、カネロしかり、ネリしかり、世間的にクロ判定でも公的にクロではありません。

 

WBAのセカンド王者であるリゴンドーのレギュラータイトルがかけられるかどうかはよくわかりませんが、いずれにせよこの試合の焦点は、この試合が終わったのち、どちらのボクサーの手元にこのWBOタイトルがあるかどうか、です。

勝者は、ほぼ確実にバンタム級の最強王者、井上尚弥への挑戦権を手に入れられることになります(井上vsドネアでドネアが勝利する場合もありますが)。

大きな報酬を手に入れることのできるチャンスであり、権威あるリングマガジンの選定するPFP2位に君臨する井上尚弥戦に辿りつけるのは、両者のキャリアにとって大きい。ここ最近のマイケル・ダスマリナス、ジェイソン・マロニーといったボクサーとは違い、まさに「自力で」辿り着くのはなかなか難しい。

 

さて、私はカシメロのこの件があってもなくても、もともとリゴンドーを応援していた一戦。

素晴らしい技術を持っていて、とか、通ぶってリゴンドーが好きだから、とか、そういうわけではありません。

ちょうどコロナショックに入る前、リボリオ・ソリス(ベネズエラ)戦前の記事。

the-ans.jp

リゴンドーは言います。

今リングで戦うのは自分のためだけではない。自閉症について啓発し、俺たちがその病気を理解して乗り越えられるんだという希望を与えるために戦っている。俺は自閉症の子を持つ親だ。だからこそ、その病気について知ってもらいたいと思っているし、自閉症の子供とともに生きる家族をサポートしたい。同じ病気に苦しんでいる子を持つファイターを知っているし、この問題をサポートすることは俺のキャリアにおいて重要視していることの一つだ

 

2016年に生まれたリゴンドーの息子は、自閉症という診断。その息子のため、ひいては自閉症という病で苦しむ人達−それは勿論本人だけでなくともに生きる家族に−勇気を与えるために戦っていると。

単純に、このような戦う理由があるボクサーには頑張ってもらいたい。

そして相手はジョンリエル・カシメロ。私はもともと井上尚弥vsジョンリエル・カシメロに大きな期待を寄せていたわけではなかったことも一因としてありますが、カシメロとリゴンドーだったら、リゴンドーに井上と戦ってもらいたい。

そしてこのリゴンドーの置かれた状況と、戦う理由を日本のファンにも知ってもらい、それで勇気づけられる人だっているかもしれません。

リゴンドーのすべては、順風満帆ではありません。

 

アマチュアボクシング大国、キューバに生まれ、熾烈な国内争いを制してその手でつかみとった五輪の切符。世界選手権での優勝に加え、オリンピックでも2大会連続金メダル。アマ通算243勝4敗という超驚異的なレコード。

1980年生まれ、41歳とされながらも、「本当の年齢は誰も知らない」とされるこの苦労人は、2009年にプロデビューしながらもまだ22戦しかプロのリングに上がっていません。

試合枯れは本人のファイトスタイルやら契約の問題やらで仕方がないとは思いますが、リゴンドーにはまだまだここから頑張れる、という所を見せてもらいたいです。

 

とはいえ、ジョンリエル・カシメロは強敵です。

2014年にIBF世界ライトフライ級、翌2015年にIBF世界フライ級王座を獲得し2階級制覇。2019年にWBO世界バンタム級暫定王座決定戦を勝ち残り、正規王座戦でゾラ二・テテ(南アフリカ)を番狂わせで破って3階級制覇。

フライ級王座を獲得したアムナット・ルエンロン(タイ)戦でも、ゾラ二・テテ戦でも、劣勢の中一発で試合を決めてしまったような内容で、このパンチングパワーは全くもってあなどれません。(これがドーピングによるものであれば悲しいですが)

リゴンドーの勝ち筋は、アウトボックスしかありません。勿論これはリゴンドーの得意とするところではありますが、ここ最近のリゴンドーは打ち合いに自らを投じることも多く、明らかに効かされる場面も散見されます。

 

カシメロは追いかけて追いかけて打ちまくるタイプではありませんが、一発を当てる当て勘があります。

12Rという長丁場の中、リゴンドーがその不用意な、もしくは変則的な一発をもらわず、アウトボックスし続けられるかというとわかりません。リゴンドーはもう41歳(以上)です。

おそらく試合は、距離を取り続け、鋭い左右のストレートを時折当てるリゴンドーに起きるブーイングと、攻めあぐねつつも一発を狙うカシメロのやや慎重な闘いぶりで、ブーイングの嵐となるでしょう(お客さんが入っていれば)。

そのブーイングに負けず、リゴンドーには是非勝ちに徹してもらいたい。

大切なのは、この先。井上尚弥戦にたどり着くことなのですから。

 

 

ちなみに、このリゴンドーvsカシメロという、アメリカ人が一切興味なさそうなマッチアップが最も盛り上がるのは、実は日本ではないでしょうか。

この一戦が、時期をあわせて、プロモーターを無視して、もし井上vsドネアⅡのセミファイナルでやるんだったら、非常に興味深いですよね。夢のまた夢、そのまた夢の夢物語。

 

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