信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】年間最高試合の再来なるか。矢吹正道vs寺地拳四朗、再戦で勝利を掴むのは?

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2021年9月、絶対王者・寺地拳四朗(BMB)から世界初挑戦にしてタイトルを奪った矢吹正道(緑)。過去最大ともいえるアグレッシブなファイトスタイルで、拳四朗を攻略した矢吹は、あわやKO負けのピンチも乗り切り、最終的には連打でのTKO勝利。

この初戦は、紛うことなき2021年の年間最高試合となりました。

そしてこの一戦は、WBCがダイレクトリマッチを認めます。

このことについては、元々オプションを拳四朗側のプロモーターである真正ジムが保有していたこと、そして名王者だった拳四朗に対して、WBCが敬意を評してこのダイレクトリマッチを認めたこと、様々な要因が絡んでいるのだと思います。

これは拳四朗にとっては非常にラッキーな裁定。

これが一戦挟むとなれば、もしかすると拳四朗の復帰のモチベーションはなかったかもしれません。

ということで今回は、いよいよ来週に迫ってきた、矢吹正道vs寺地拳四朗のプレビュー記事です。

 

3/19(土)REAL FIGHT

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ

矢吹正道(緑)13勝(12KO)3敗

vs

寺地拳四朗(BMB)18勝(10KO)1敗

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↓2021年9月22日の観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

前戦の拳四朗は、誰が何と言おうと万全ではなかった、と思います。

当初の試合予定日だった9/10から約2週間前の8月末にコロナ罹患が発覚。

症状もある中でしたが、延期はたったの2週間足らずで、結局日付は9/22にセット。この一戦において、拳四朗はプロ初黒星、ここまで8度も防衛したタイトルを奪われてしまいました。

本人や陣営は否定しているものの、このコロナ罹患による影響はなかったとは言えないでしょう。

しかしそれを差し引いても、この日の矢吹正道のパフォーマンス、そしてその意志の強さは目をみはるものがありました。当然のことながら、拳四朗のコンディショニングについての責任は拳四朗側にあります。素晴らしい試合内容で王者となった矢吹は、相当な自信をつけているに違いなく、前戦よりもおそらく強くなって京都府立体育館に帰ってくるはずです。

 

あくまでも私の個人的意見でいうと、それでもいわゆる「総合力」というものは拳四朗の方が上。距離をキープする力も、パンチを当てる勘にしても、冷静さを貫ける精神力にしても、拳四朗が矢吹を上回っているように思います。

しかし、当然それだけでは勝負を決める事はできず、矢吹の持つ絶対的なパンチングパワー、素晴らしいタイミングのカウンター、そして勝利への執念と、その実行力。これらは、単にボクシングスキルを超えた結果をもたらしてくれる可能性のある、重要なファクトでもあります。

↓両者の勝ちパターンを考えてみた記事はこちら。

boxingcafe.hatenablog.com

 

「両者が有する戦力」に関してのみいえば、この半年の間で別人のように強くなっている、ということはおそらくないはずです。

そう考えると、決して万全とは言えなかった拳四朗の方が、パフォーマンス的には前戦よりも伸びしろがあると言えそうです。

そして矢吹側で大きく変わったとすると、王者となった自信。これは大きい。

同じくライトフライ級でいえば、先日防衛戦を行った現日本王者の岩田翔吉(帝拳)もそうでしたが、大内淳雅(姫路木下)との再戦では初戦を圧倒的に超える内容での初回TKO勝利。

9ヶ月のうちに起こった事は、当然トレーニングによって強くなったこともあるでしょうが、「日本王者」という肩書と、王者となることでついた自信によるところも大きいと思います。

不思議なことですが、王者という肩書を得る事で、開花したように一気に強くなるボクサーも一定数存在します。例えば長谷川穂積のように。いやむしろ、拳四朗だってそうでした。(拳四朗に関しては、環境を変えたことも大きかったと思いますが。)

矢吹もそうかもしれません。王者となって背負うものが増え、それが枷となるようなボクサーには見えません。

 

あとは、やはりインテリジェンスの問題。再戦というのは、インテリジェンス、いわゆるボクシングIQというもの(これも非常にざっくりとした表現ですが)が高い方が勝利に近づきやすい。

初戦でいかに学べたのか、それに対する対策をいかにしてしていくのか、ということは非常に大きな事です。

これを感覚に頼るか、しっかりと対策をたてるかによっても勝敗というのは変わってきそうですが、ボクサー単体でいけば明らかに拳四朗は感覚派であり、再戦に強いボクサーとは言い難いように思います。しかし、それを補うのが加藤トレーナーであり、陣営でしょう。

矢吹はというと、確実に「自分で考えてトレーニングをする」という土台ができているボクサーだと思うので、おそらくボクシングIQは高く、再戦にも強い事が予想されます。

この「自分で考える」という事は、大手ジムではないところ、特に地方ジム等では育ちやすいスキルだと思っています。そして明らかに、矢吹にはそれがある。

長々と書いてきましたが、じゃあ一体どちらが優位なのか、と問われれば、若干拳四朗優位ながらも「分からない」。書いていて更に分からなくなり、出口は見つけられません。

兎にも角にも、拳四朗陣営としては、持っているスキルを前戦以上に活かせるか、矢吹陣営としては前戦の再現性+α、がキーとなる気がします。

拳四朗が距離をキープし、矢吹がアグレッシブに攻める、両者が目指す試合展開自体はさほど変わらないのではないでしょうか。

だからこそ楽しみな一戦です。

 

あと、一応危惧していることを一つ。

それは、この一戦で敗北したボクサーが、もしかするとボクシングを辞めてしまうのではないか、ということです。

元々ボクシングにあまり執着していなかった風の拳四朗は、前戦の敗北から新しい仕事を探した、とYoutubeチャンネルで告白しています。戻ってきたのは、ダイレクトリマッチができることが大きかったでしょう。

そして矢吹は、前戦、「勝っても負けても引退」という気持ちで臨み、勝利した上で「マッチルームから声が掛かった」ということからファイトマネー等の条件向上の余地が見られ、現役続行を表明。

このふたりの素晴らしいボクサーは、まだまだ限界を迎えていません。

限界までやりきって、ボロボロになるまで続けてほしい、とは言いませんし言えませんが、もっともっと二人のボクシングを見ていたいファンとしては、ここで仮に負けたとしても引退は回避してもらいたい。勝手な戯言ではありますが。  

フライ級8回戦

井上夕雅(真正)12勝(2KO)2敗1分

vs

浅海勝太(ハラダ)9勝(4KO)9敗

セミファイナルでは現日本ユース・フライ級王者の井上が、移籍3戦目に臨みます。前戦のユース王座決定戦、森青葉(泉北)戦は大熱戦、2021年11月のことなので記憶に新しいですね。

日本ランキングはライトフライ級で2位という好位置、先日圧勝劇を見せた岩田翔吉がもし返上でもすれば、すぐにチャンスがまわってきそうなところにつけています。

ただ、ライトフライ級ではもしかしたらもうキツいのかもしれません。最後にライトフライで戦ったのは2020年12月のことであり、それも冨田大樹(ミツキ)に敗戦、その後に真正ジムに移籍しています。(冨田は現在日本ライトフライ級1位)

さて、対戦相手の浅海も冨田に敗れたボクサーで、こちらは格上の冨田相手に大善戦と言って良い内容でした。その後、小坂駿(サンライズ)からアップセットと言える勝利をもぎ取りますが、次戦で当時ノーランカーの岩﨑圭祐(オール)に3RTKO負け。

順当にいけば井上の勝利が固いとも言えますが、浅海は何かを起こせるか。

 

 

50.3kg契約8回戦

芝力人(真正)5勝(3KO)2敗

vs

川畑嗣穂(ワタナベ)2勝(2KO)3敗

2019年9月、日本ユース・ライトフライ級王座決定戦で戦ったふたりの再戦です。

この時はともに全勝で、芝は3勝(2KO)、川畑は2勝(2KO)とまだ底が見えていませんでした。

その後、芝は矢吹正道に敗れ、真正ジムへ移籍。日本ライトフライ級王座決定戦のチャンスを掴みましたが、岩田翔吉(帝拳)にそれを阻まれます。今回はそこからの再起戦。

対して川畑は、芝戦のあと、中嶋憂輝(角海老宝石)、宝珠山晃(三迫)に敗れ、3連敗。

強豪相手に挑むのは良いと思いますが、現在3連敗で2連続KO負けと厳しい状態。

前戦からのキャリアにおいても、芝が上回っているように思える再戦は、「差が広がっている」と考えるのが通常でしょう。

ただ、川畑は勝てばリベンジ成功、そして日本ランクも獲得と良いことづくめ。対して、芝にとってはさほどメリットはない一戦。この両者のモチベーションには差があるような気がしますが、果たして。

他、4回戦が2試合あります。1試合目はデビュー戦同士の4回戦、2試合目はデビュー戦のボクサーと1戦(1勝)のボクサー。熱戦が期待されます。

 

放送・配信

当初は、メインを除くアンダーカードの配信が真正ジムのYoutubeチャンネル「BOXING REAL」で生配信、メインは別のところで、ということでしたが、第1試合からすべて「ABEMA TV」で生配信ということで決定したようです。

日時は3/19(土)13:30〜とのことです。

しかも、これは無料で見られるようなので嬉しいですね!

「メインだけ別」とかだとちょっと面倒臭いので、全てを見せてくれるのは有り難い!

無料で見られるので、全日本国民で楽しみましょう!

↓今回のABEMAでの「無料」「生中継」については、興行主である真正ジムの尽力によるものだそうです。感謝、感謝です。本当にありがたい。

 

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