ゴールデンウィーク、ですね。
私はカレンダーに関係ない仕事なので、GWはあまり関係ありません。
ただ、4/28〜4/29にかけて連休だったので、GWらしく(?)キャンプへ。
ということで心はリフレッシュし、体はちょっと疲れてから帰ってきたわけですが、本日4/29は3150ファイトクラブ興行の日。
ということで、今回のブログでは3150ファイトの観戦記です。
4/29(金)3150FIGHT
セミファイナル、メインに関しては、残念ながら勝敗自体に興味をそそる試合ではありません。ただ、元世界王者の宮崎が、日本トップレベルに絡む力があるのか、どうなのか。そして但馬ミツロは、錆びついていないのか、というのが焦点です。
とりあえずアンダーカードは申し訳ないことに飛ばし、セミファイナルから視聴。
セミファイナル・フライ級8回戦
宮崎亮(3150)25勝(16KO)2敗3分
vs
栄拓海(折尾)22勝(16KO)4敗1分
宮崎の復帰2戦目。実は復帰1戦目は見ていません。理由は、ライブ配信しかなかったため、みれませんでした。
今日もライブでは見ていないのですが、「アベマプレミアム」に加入していればアーカイブでも見れるようです。私は先日、フェニックスバトルのために加入して、そのままだったので良かった。
↓ABEMAプレミアムはこちらから
栄は10年のキャリアがあるボクサーで、2013年の全日本ミニマム級新人王、前戦では当時加納陸(大成)が持っていたWBOアジアパシフィック・ライトフライ級タイトルへ挑戦、序盤にダウンを奪う等善戦するもストップ負けを喫しています。
現在日本ミニマム級3位で、前戦はライトフライ級戦でしたがその前はミニマム級戦、相手さえいればミニマムで戦いたいボクサーなのだと思われます。(外国人を招聘して闘う時は、ほとんどミニマム級です。)
なので、ミニマム級ボクサーがフライ級戦、それも元世界王者に挑む、という構図。
宮崎に関してもご存じ元々ミニマム級のボクサー。ただ、ライトフライでも世界挑戦を経験し、復帰後はフライ級で戦っています。ブランク中にフライで戦えるフィジカルを作っていた、と考えるのは妥当でしょう。
これは栄にとって厳しい戦いになりそうです。
とりあえず宮崎の入場が非常に長いですが、ようやくゴング。
初回、栄が宮崎のまわりをサークリング。栄は落ち着いており、ジャブも出ますし、宮崎のことも見えています。とりあえず、敵地の雰囲気に呑まれる事がないのはさすが敵地で戦う事が多い九州のボクサー。
初回も中盤になると、宮崎が強いプレス。からの飛び込み左アッパー。これはやはり非常に巧い。
2R、宮崎がギアを少し上げます。上体の動きは巧く、先程から使うアッパーも流石。栄もしっかりと打ち返しますが、やはりここは階級差もある勝負、宮崎の方が力強い。
宮崎は少し待ちすぎているようにも感じますが、栄の攻撃へのリターンは非常に効果的に見えます。一発だけでは当たらない栄は、コンビネーション、そしてその後のリターンに備えたい。
3R、栄の動きも悪くない。非常に反応も良いし、パンチもキレています。しかし、やはり宮崎の方がパワー、スピード、テクニック、そしてキャリアにおいても上回ります。
近い距離でのボクシング、栄は打ったら離れたいですが、手を出すというよりも宮崎のプレッシャーに手を「出してしまう」場面もしばしば。
4Rの栄はストレート系のコンビネーションが非常に良いですね。近づいてのクリンチも良い。宮崎のパンチをもらいながらもパンチを出す栄!今までプレスをかけていた宮崎でしたが、力押しを辞めて下がりながらのボクシングを展開。つまり、栄に対してもう一つ引き出しを開けた、ということで、これは栄の健闘が光ります。
5R、それでもここまでのポイントは劣勢かと思われる栄、プレス。アップセットを起こす気満々の栄は、宮崎のお株を奪うような左アッパーも繰り出します。
宮崎は余裕を持ちすぎているのか、待つ時間が非常に長い。それでも後半は左ボディから右オーバーハンドをヒット、その後ラッシュを仕掛けて見せ場をつくり、終盤は明らかに力を込めたパンチで攻め込みます。
6R、栄は軽いパンチで手数重視、左右に動いて宮崎のリターンを打たせないように工夫しています。宮崎はやはりカウンターを取るために待つ時間が長め。そこでカウンターを打たれないように攻めなければならない栄ですが、宮崎と一緒に休んでしまっている所は良くないところ。
7Rも同様に、宮崎はプレスをかけつつ、カウンターを狙うそぶりを見せて休みます。これは非常に楽できるボクシング。当然カウンターの用意をしているとは思うのですが、この戦い方は本当に上手い。
ラストラウンド、栄はここに来てもそのスピードは一切衰えません。このラウンドは近い距離での打ち合い、栄は懸命にボディを打ちます。
このラウンドも栄がサークリング、宮崎はプレスをかけるも手数は多くなく、その分クリーンヒットも少ない。それでもパワフルで、パンチのアングルも多彩。
判定は、77-75、77-75、78-74で宮崎を支持。
全体的に宮崎の地力勝ち、という印象でした。フライ級の宮崎、本来はミニマム級の栄では、一発をガードで受けた時のダメージが違い、見た目の印象も随分違いました。その中で言えば、栄は善戦したと言って良いでしょう。
しかし栄は、これで2連敗。強豪相手とはいえ、せっかくの折尾ジム唯一のA級ボクサー。あまり無理なマッチメイクをせず、一歩一歩着実に登っていってほしいものです。
そして、宮崎に必要なのは、もう、チューンナップ試合よりも、勝つか負けるかわからない、強敵との対戦だと思います。今後のキャリア形成に期待です。
メインイベント・ヘビー級8回戦
但馬ミツロ(3150)デビュー
vs
キム・サンホ(韓国)8勝(2KO)3敗1分
アマチュアボクサー時代から、日本重量級期待の星だった但馬ミツロ。国籍の関係で五輪出場を逃したミツロは、緑ジムからのプロ転向を発表。本来は当時の日本王者、上田龍(石神井スポーツ)を相手にノンタイトル戦でプロデビューする予定でしたが、自身の怪我により中止。
その後も度重なる怪我により試合が決まらなかったミツロは、3150ファイトクラブへ移籍。これは、元々コロナもあって対戦者が決まらず、3150ファイトクラブのマッチメイク力に期待した、ということだと思います。
さて、現在27歳のミツロに対して、相手のキム・サンホという韓国人ボクサーは38歳。
8勝3敗の韓国人ボクサー、しかも前日計量で94kgという無理やりヘビー級を作ったようなボクサーに、負けることはおろか苦戦すらも許されないと思います。ちなみにミツロの体重は123kg、これはこれで流石に重すぎる。
とはいえ、さすがにこれは勝負論がまったくない、と言って良いでしょう。
まずはお披露目試合、勝利で飾って是非海外で戦ってもらいたいですね。
初回のゴング。
やはり123kgというウェイトでは、フットワークはありません。ミツロはガードを固めて前進。30kg近いウェイト差の中、キムはボディから崩そうと頑張りますが、流石に効きません。ミツロのボディにはしっかりと脂肪がついている分、ボディも非常に効きづらいでしょう。
開始一分ほどのところでミツロが右ストレートを決めてからラッシュ、大振りではありますがやはりハンドスピード、そして回転力はさすがのもの。
打たれたキムを見てレフェリーがストップ。
但馬ミツロ、初回TKO勝利。
まあ、そうなりますよね。
123kgの巨体がグイグイと攻めて、コンビネーションが打てれば94kgの技術も拙いボクサーではどうしようもありません。
まあ、どのようにも評価のしようのない、あっけない幕切れ。
このキム・サンホというボクサーは、2017年に上田龍にも2RTKOで負けており、負けた試合はすべてノックアウト負け。
さて、但馬ミツロというボクサーは今後はどのようなキャリアを築いていくのか。
今回のような、よくわからないアジア圏のヘビー級ボクサーを呼んで、勝ち名乗りを受ける、みたいな試合はあまり見たいとは思いません。
今日は顔見世、致し方もありません。ただ、個人的にはもう少し絞って、ヘビー級の前にクルーザー級(ライトヘビー位でも良さそうなものですが)で戦ってもらいたいです。が、本人の希望はヘビー級だそうで。。。
まあ、未だ実力の「じ」の字すら見せていないミツロ、日本のヘビー級を背負って立つ逸材として、今後の活躍に期待したい。