信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】ビボルはカネロを止められるか?ドミトリー・ビボルvsサウル・アルバレス!

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もうすぐ、シンコ・デ・マヨ(5/5)ですね。

シンコ・デ・マヨ興行(5/5近辺のボクシング興行)と独立記念日興行(9/16近辺の興行)にサウル・アルバレスが出場することはここ最近のお決まりとなっており、2022年は5月の興行でドミトリー・ビボルと戦うことが決まっており、9月の興行ではゲンナディ・ゴロフキンと戦うことが予定されています。

↓シンコ・デ・マヨのカネロ出場について

boxingcafe.hatenablog.com

 

ということで、毎年のようにこの時期はカネロについて書いているわけですが、今年もやってきました、カネロウィーク。

今回のブログでは、DAZNで放映されるシンコ・デ・マヨ興行、ドミトリー・ビボルvsサウル・アルバレスの一戦のプレビュー記事です。

5/7(日本時間5/8)ラスベガス

WBAスーパー世界ライトヘビー級タイトルマッチ

ドミトリー・ビボル(ロシア)19勝(11KO)無敗

vs

サウル・アルバレス(メキシコ)57勝(39KO)1敗2分

非常に安定感のある技巧派王者、ドミトリー・ビボルの11度目の防衛戦です。

もう随分前に王者になったはず、と思って調べると、暫定王座を獲得したのは2016年5月のこと、もう6年も前のことです。

王座獲得戦を含めて、世界戦は11勝(5KO)と盤石、基本的に対戦相手の良さを消し、自らのペースに引きずり込む、というスタイルで、特にここ数戦は無理せず、判定勝利を目指して戦っている印象を受けます。

地味、と言ってしまえばそれまでなのですが、このボクシングだからこそ、カネロはビボルを選んだともいえます。

ビボルは全体的にボクシング能力の高いボクサーですが、特に前手(左手)の操作とステップワークに優れ、非常にテクニカル。機動力も高く、相手にとって非常にやりにくいボクサーです。

 

ビボルの安定したボクシングは、好きとか嫌いとかは置いておいて、多くのボクサーの参考になるものだと思っています。

↓ビボルの前戦、ウマール・サラモフ戦の観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

さて、サウル「カネロ」アルバレス。

カネロのボクシングスタイル、それはもう「カネロ・スタイル」と表現した方が良いでしょう。

自分の体を、頭の先から足指の先まで完全にコントロールしたボディムーブと、そこから放たれる素晴らしいアングルを備えたパワーパンチ。

あのボディムーブとステップ、踏み込みの鋭さというのは、自分の身長の低さ(173cm)を利点に変えた、素晴らしいスタイルだと思います。

印象的なノックアウトをいくつも生み出してきたあのパワーパンチに目が行きがちなカネロのスタイルですが、どちらかというとディフェンスから作るスタイル。

 

ディフェンススキルは非常に高く、ディフェンスに徹した時のカネロにパンチを当てるのは容易なことではありません。

個人的には、カネロはカウンターパンチャーだと思っており、カウンターを起点として攻め入る、もしくはそれで終わらせる事が多い気がしています。

なのでまずはディフェンス、そのあとカウンターを打って、また頭の位置を変える、を繰り返し、チャンスと見るやチャージ。

カウンターパンチャーでありながらも、自ら先に動いてプレッシャーファイトすることも多く、これは過去から培ってきたメキシカンスタイルが大元となっていると思われます。

対戦相手を空振りさせるカネロのスタイルは、個人的には、ライトヘビーという「パワー」では止められないのではないか、と思っています。

ビボルのような相手には、カネロはおそらくプレスをかけていき、ビボルが出てきたらカウンター、という戦法で行くと思います。

ビボルの勝ち筋としては、まずジャブで前進してくるカネロを止めること。ビボルのジャブは、軽いジャブもありますが、パワージャブもあり、非常に多彩です。

ジャブ、というか左ですね。この左でカネロを止められるか、もしくは多くの左を打って「インサイドに潜り込ませない」ということがまず必須条件でしょう。

後はカネロが攻めてきた時に、ブロッキングでまともに受けることは極力控えなければならず、基本的にはステップで対応すべきである、ということ。

 

カネロは体のどこかに当てられれば、コンビネーションが出てきますし、リズムも良くなってきます。ここは、空振りさせたいところで、ビボルならその可能性が少しはあるような気がします。

とはいえ、流石にフルラウンドにわたり、カネロのプレッシャーを躱し、いなし続けるのは無理があるような気がします。要所要所では体を使って突進を止めたり、押し返したりとやはり体格の利は活かしていきたいですね。その際、カネロのボディブローには気をつけなければならず、決してカネロの気持ち良い距離でボディを打たせてはなりません。

そしてその他には、地味で人気者とは言い難いビボルが、自身初めて、とも言えるこの超ビッグマッチの雰囲気に呑まれない、ということが絶対条件。これは流石に大丈夫だろう、とは思いますが、あの無表情なビボルの内面は全く分かりませんので笑

そしてこれがビボルにとって最も難しい、というところかもしれませんが、やはりビボルはノックアウトを狙っていかなければなりません。

ご存知のように、カネロに対しては判定は有利に出る傾向があります(信太流、超優しい言い回し笑)。そして、ロシア出身のビボルには、判定は厳しく出る傾向もあるかもしれません。

後は言わずもがな。シンコ・デ・マヨ興行で叫ばれるのは、「ビバ!メヒコ!!」です。

本来決してあってはならないことですが、このことは事実として、ビボル陣営は考えなければなりません。

これら全てが叶わなければ、ビボルの勝利はきついのではないか、と思います。

あとは単にウェイト、結果的にカネロがライトヘビーでは通用しなかった、という状況であれば、ビボルにも勝ち目はあると思います。

 

比較的、テクニシャンに苦戦するきらいのあるカネロ。

今回も、もしかしたら苦戦するのかもしれません。

それでも尚、カネロの勝利は固いのではないか。

この一戦をクリアすれば、9月にGGG戦、カネロにとっても負けられない一戦です。

 

チャン・ツィーレイ(中国)23勝(18KO)無敗1分

vs

フィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)14勝(12KO)無敗

おそらくセミファイナルはこの試合。

「ヘビー級のアジアン・ボクサー」として名前が売れてきていると思われる、チャン・ツィーレイ。兼ねてから「チャンス」を求めて戦い続けてきましたが、この一戦は彼のいう「チャンス」となり得る試合に違いありません。

ツィーレイは現在39歳、アマでも北京五輪で銀メダルを獲得しています。ロンドン五輪にも出場し、準々決勝でアンソニー・ジョシュアに敗北しています。

 

2014年にプロデビュー、初戦からアメリカで戦い続けるチャンは、現在一つの引き分けを挟み23連勝中。引き分けも、序盤にダウンを何度も奪ったものの、その後は貧血を起こしてしまい、ろくに戦えない状態で何とかドローに持ち込みました。とんでもない精神力です。

さて、フルゴビッチ。

恐ろしすぎる「猛獣」、フルゴビッチはリオ五輪で銅メダルを獲得し、2017年にプロ転向。

「ザ・アニマル」とのニックネームのようですが、その愛称はフルゴビッチのボクシングを表しているか、と言われるとそうは思いません。

このフルゴビッチは、ややアップライト気味の構えから強弱をつけたコンビネーションで相手を追い詰める、正統派ボクサーだと思います。

コンビネーションと、その一つずつのパンチのアングルの良さ。あのハンドスピードで、あの回転力で来られるので、相手がブロッキングで固まってしまうとやりたい放題。

アジアヘビー級最強ボクサーのチャン・ツィーレイは、クロアチアの猛獣にどこまで通用するのでしょうか。ツィーレイがもしここを乗り越えることができたならば、大きな道が開けそうな予感もしますね。

 

 

モンタナ・ラブ(アメリカ)17勝(9KO)無敗1分

vs

ガブリエル・バレンズエラ(メキシコ)25勝(15KO)2敗1分

IBFの北米タイトルがかけられる一戦。

スーパーライト級の無敗プロスペクト、モンタナ・ラブは、前々戦で元世界王者のイバン・バランチェク(ベラルーシ)を撃破。前戦では、カルロス・ディアスを見事なカウンターで何度も倒した末、3RTKO勝利。センス溢れるサウスポーですね。

しかし。このディアス戦で、ラブはウェイトオーバー。それでも何事もなかったかのようにリングに上がり、当たり前のようにKO勝利を挙げました。

そして今回も、(BoxRecでは)スーパーライト級戦。体重を作る気はあるのでしょうか。

今回は、前戦と同様にメキシカンが相手。

ガブリエル・バレンズエラのここまでの2敗は、プロ4戦目と5戦目に喫したもので、それ以降は引き分けを挟んで22連勝中。対戦相手の質は。。。置いておきましょう。

 

ともあれ、これはバレンズエラにとって大チャンス。メキシカンという人種は、時折(それも結構な頻度で)前戦の戦いが参考にならないほどのパフォーマンスを見せて、アップセットを起こす人種です。

バレンズエラの出身はメキシコ、グアダラハラ。そう、カネロと一緒です。

同郷のスター、カネロのアンダーカードに登場のバレンズエラ、気合が入らないはずはないでしょう。ちなみに、このバレンズエラのニックネームは「ニーニ」。Google先生によると、スペイン語で「ニート」のことらしいのですが、本当か??

その他のアンダーカードでも、IBFの北米タイトル戦。こちらはウェルター級戦で、ウズベキスタンのワンダーボーイ、シャクラム・ギヤソフ(12勝9KO無敗)が、メキシコのクリスチャン・ゴメス(22勝20KO2敗1分)と対戦です。

ギヤソフは非常にアグレッシブで、それでいてテクニカルで、非常に良い。

ウズベク・ボクサーといえばムロジョン・アフマダリエフが思い浮かびますが、感覚的にはやっぱり近いですね。階級も違いますし、アフマダリエフほどのゴツゴツ感はありませんが。

 

このギヤソフこそ、個人的には必見であり、是非ともDAZNの本放送の方で放送してもらいたいな、と思っています。(アンダーカードはYoutubeで流れることもありますが、それはアーカイブが残らないパターンなので、リアルタイムで視聴できなければ見れない可能性があるので)

放送・配信

ということでこの大注目興行は、日本時間で5/8(日)、9:00からの配信です。

北米とかある一定の国では、DAZNの月額視聴料を払い、なおかつPPVも購入しないといけないそうなので、かなり負担がでかい。DAZNは超強気です。

こんなことは、カネロほどのボクサーでなければ通用しないでしょうね。いや、カネロでも微妙か。

北米あたりでどれほどの試聴件数になるのか、というのもちょっと楽しみです。

ともあれ、我々日本人はDAZNの月額視聴料のみで見られますので、是非ともこのビボルvsカネロ戦を楽しみましょう。

↓DAZNはこちら

DAZN

 

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