まだまだ終わらない、12/10(日)の興行。
なかなか時間がとれず、結局まだ見れていない興行も多いです。
ここまで、同日の観戦記としては3つの記事を書きましたが、今回が4記事目。
刈谷興行、大阪興行も書きたかったですが、ちょっと時間がなさそうです。
ということで今回のブログは、テレンス・クロフォードvsデビッド・アバネシアン、アメリカはネブラスカ州、オマハで行われた興行の観戦記。
↓プレビュー記事
↓ウォーリントンvsララの観戦記
↓テオフィモvsマーティンの観戦記
↓田中恒成vsシッキボの観戦記
12/10(土)アメリカ・ネブラスカ
WBO世界ウェルター級タイトルマッチ
テレンス・クロフォード(アメリカ)38勝(29KO)無敗
vs
デビッド・アバネシアン(ロシア)29勝(17KO)3敗1分
ネブラスカ州オマハに降臨したテレンス・クロフォードは、報道やSNSで見るクロフォードと違う。オマハの観衆の大声援を聞くと、彼は間違いなくオマハの人々にとってはピープルズ・チャンプなのだと思います。
大歓声の中試合がスタート。
アバネシアンがプレスをかけ、オーソドックススタンスに構えるクロフォードはサークリングしながらジャブ。このジャブはダメージを与えるものでもなければ、速くもない、ただただ距離を測るためだけのジャブに見えます。
前半のうちにアバネシアンはこれに右オーバーハンドをあわせます。
びくともしないクロフォードは、サウスポーにスイッチ、右ジャブでアバネシアンをガードポジションにさせるとコンビネーションを繰り出し始めます。
アバネシアンはガードを固めてプレス、なかなかクロフォードに近づけはしませんが、しっかりとプレスをかけていきます。
2R、引き続きサウスポースタンスのクロフォード、ジャブは徐々に鋭くなっていきます。このよく出るジャブに、右から入る事を試みるアバネシアンですが、ジャブの数が多すぎて距離を詰める事は難しい。
ちょっと余裕を持ってきたように見えるクロフォードですが、ここでアバネシアンがプレスを強め、クロフォードのリズミカルなジャブ、フックを気にとめずグイグイと攻めるようになります。
3R、クロフォード、今日は軽めのストレートをよく打っているイメージ。比較的高いガード、大きくは動かず、迫力がないようにも感じます。
アバネシアンは何とかパワーパンチを打ち込もうと前進、近づく事ができれば力強い左右のフックで攻め立てます。
しかしクロフォードは柔らかく上体を使い、このパンチを外し、絶え間なくステップを踏み続けてサークリングしながらジャブ。クロフォードはとにかくよくジャブがでていますがアグレッシブとは言えないスタイル。
4R、結局はこのちょこちょこと出す右ジャブが邪魔で、アバネシアンはプレスこそかけるもののしっかり攻める事ができません。クロフォードは今回鋭いジャブではなく、こういうジャブを使うのが対アバネシアンの作戦のようです。
アバネシアンはこのジャブを何とかしなければいけません。が、クロフォードは後ろ手の左もジャブのように出し、結局のところストレートの距離をキープ、この戦い方はクロフォードの引き出しの多さを物語っていますね。
後半、近寄ったアバネシアンにクロフォードは左右のボディ。そこから手数を増やしたクロフォード、アバネシアンは後退!終盤にかけてクロフォードが攻勢をかけ、ラウンドが終了。
5Rも何とかプレスをかけようとするアバネシアンに対し、下がりつつもジャブ、ストレート。ダブルのパンチングボールを打つように、ポンポンとリズミカルにパンチを放つクロフォード、それをかいくぐってビッグパンチを狙うアバネシアン。
クロフォードは非常に手数が多く、アバネシアンはなかなか自分の距離までいけません。しかも、要所要所でカウンターをとってもいます。
必然的にクロフォードが優位で、この頃にはクロフォードはアバネシアンの単発気味の攻撃には十分慣れ、よほどのことがない限りアバネシアンのパンチは当たらなそうです。
終盤、クロフォードは速いコンビネーション。
6R、クロフォードはジャブ、ジャブ、ジャブ。アバネシアンはガードを固めるばかりでなかなか手が出ず、クロフォードがやりたい放題です。
このままではいけないと思ったのか、体ごとぶつけていくアバネシアン!クロフォードはこの近距離でもブロッキングとウィービングでしっかりとディフェンス、そして強くリターンを返します。ガードの間隙を縫ってのアッパーを幾度もヒット。
中盤に入ると近めの距離での打撃戦へと突入、リング中央で互いに退かずに打ち合います!
ここでクロフォードの右フックが炸裂!仰向けに倒れたアバネシアンを見て、レフェリーは即刻試合をストップ!!!
テレンス・クロフォード、6RTKO勝利!!!
結局、強さを見せつけたテレンス・クロフォード。
この獲物はどうやって仕留めようか、こういう罠を張って、こう誘導して、こうしてこうやって、こう。
みたいな感じのハンターぶりを発揮したクロフォード。今回は軽めのストレート系のパンチと手数を見せたあと、そこから変化させてアッパーをヒットしてダメージを与えて、最後は右フック一閃。ワンパンチKOに見えて、決してそんな単純ではないノックアウトを見せたハンター、クロフォードは、やっぱりオマハの人々にとってヒーローです。
よほどヘマをしない、どんなときでも強さを見せつける、というのがPFPの絶対条件であるならば、やっぱりこのクロフォードはPFPの一角です。
強敵といえるデビッド・アバネシアンを相手に、ほぼ一方的なノックアウトは、このクロフォードの強さをまたも世界に見せつける形になりました。
残念なことは、BLKプライムという謎のプラットフォームだったがために、もしかするとアメリカでもライト層のボクシングファンには届いていなかったかもしれないことです。
プロモーターに見放されたPFP、クロフォード。
果たして、エロール・スペンスJrとの真の最強決定戦は実現するのでしょうか。
2023年こそ、期待です。
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是非覗いてみて下さい。
そしてもうまもなく、井上尚弥vsポール・バトラーの世界バンタム級4団体統一戦。
同じ時代に生まれたならば、必見である日本人初の4団体統一戦です。
この興行はひかりTV及びdTVで生配信、現在、dTVでは「井上尚弥選手全力応援キャンペーン」を開催中。その一環として、dTVに「入会&継続でdポイント(期間・用途限定)1,000pt還元!キャンペーン」を実施中とのことです。
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尚、15:00開始ということで物議を醸しているこの試合のメイン開始時間は、19:30以降とのこと。全てが判定で進行しても、18:30くらいがメイン開始時間になるので、少なくとも1時間はアイドリングタイムがありそうです。
これはスマホをいじる時間が増えるため、モバイルバッテリーが必須。
現地観戦の方、ご注意下さい。