ジャーボンタ・デービスmeets...
先週末、フランク・マーティンを相手にしてまたも素晴らしいノックアウトを披露したジャーボンタ「タンク」デービス。
井上尚弥のような完璧なボクサーではないものの、最後には結局倒してしまうという部分において引けを取らず、その倒しっぷりは常に見る人の度肝を抜くものです。
そんなタンクの試合が終わってほんの数日、印象的なノックアウトを飾ったボクサーだけに、まだまだ話題はつきません。
ということで今回のブログは、ボクシング界の偉大なるスター、ジャーボンタ・デービスについての話題。
vsワシル・ロマチェンコ
ジャーボンタ・デービスにはいくつもの興味深い戦いがあります。
そのうちの一人がワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)であり、この戦いは長く切望されたものでもあります。
個人的にはどちらも大好きなボクサーだけに、戦ってほしいような戦ってほしくないような、という感じではありますが、もし決まればとんでもないビッグファイトになります。
そして、その障壁はというとそこまで大きくはないかもしれません。
ボブ・アラムはBoxingSceneの記事でこの戦いの可能性を示唆しています。
アラムが語るところによると、ジャーボンタ・デービスvsワシル・ロマチェンコによる王座統一戦の交渉が今週にも始まるかもしれない、とのこと。
アラムは、現在タンクのチームがラスベガスにいること、そしてトップランク側も先週金曜日の興行と今週末の興行の間、ラスベガスにいるために、ここで会談を設けることは容易であると語っています。
タイミング的にも、5月に戦ったロマチェンコ、そして6月に戦ったタンクの状態を鑑みると、アラムが言うように11月、または12月という時期も理想に思えます。
トップランクはIBF王者のロマチェンコの他、WBC王者のシャクール・スティーブンソン(アメリカ)、そしてWBO王者のデニス・ベリンチク(ウクライナ)を抱えています。この中でロマチェンコと並びタンクの相手として魅力的なのはシャクールですが、シャクールは今度の7月の戦いで一旦契約満了を迎えるようです。
もちろんこの戦いの後、シャクールはトップランクとの交渉を継続することが予想されます。なぜならば、ライト級のタイトルはタンクを除きトップランクの庇護下にあるからです。
おそらくアラムの理想としては、タンクvsロマチェンコの勝者と、シャクールvsベリンチクの勝者が、来年、4つのベルトをかけて戦うことでしょう。
そう考えればこの戦いは十分に起こる理由のあるものだと思います。
いつでも、どこでも、誰とでも、そして強い相手と戦いたいロマチェンコ。こちらは報酬についても文句を言わないだろうし、試合が決まらない理由にはならないでしょう。
どちらかというと問題はタンクであり、こちらはメイウェザーに師事していた時はPBCのファイター以外との戦いを許されず、今もなおPBCの興行以外に出ていません。
今週、このドリームファイトの交渉が始まるのか、否か。リップサービスの多いアラムですが、ここは期待しておきたいですね。
vsタンク・デービス、トップ5
もう一つのタンクに関わるニュースも、また興味深いものです。
同じくBoxingSceneに上梓された記事では、今後タンクが戦う魅力的なファイトを5つ、ピックアップしています。
5.ウィリアム・セペダ
ボリューム・パンチャー。
この言葉が本当によく似合う、メキシカンofメキシカンのトップファイターは、まだその知名度においてタンクと戦うとどうか、というところまでは来ていないように思います。
ただし、とにかく息をするようにパンチを繰り出すセペダは、少なくともタンクを相手にポイントをピックアップしていけることだけは確かなように思います。少なくとも1〜3Rくらいは。
そして必要最低限のパンチしか出さないタンクは、そこで見切ってどこかでカウンターショットを放つ、という展開になるのだと思いますが、果たしてフルラウンドを同じペースで戦える上、カウンターを取れないほどパンチを繰り出してくるセペダを相手にどのように戦うのかは非常に興味が湧きますね。
おそらくまだもう少し先ではあるのでしょうが、非常に楽しみな戦いです。
4.イサック・クルス
ちなみにこのトップ5という中には、スーパーライト級のボクサーも入っています。理由はすでにタンクは140でマリオ・バリオスを降しており、このバリオスがその後評価を上げていることからこの階級でのタンクの評価も上がっているのでしょう。
そこでピックアップされるのはイサック「ピットブル」クルスであり、この世界で最も凶暴なボクサーはスーパーライト級初戦でロランド・ロメロを破壊、見事初戴冠を果たしています。
タンクが12Rかけて倒すことができなかったボクサー、イサック・クルス。当時はまだ無名だったクルスですが、今や押しも押されぬメキシカンスターであり、この二人の再戦はチケットもPPVも売れに売れるでしょう。
そしてこのクルスには、タンクを攻略するチャンスがあります。
おそらくいつかは実現するであろうタンクvsクルス2。その時を楽しみに待ちたいと思います。
3.テオフィモ・ロペス
非常に華があるボクサーですが、好不調の波が激しく、今月末の防衛戦も大いに心配しています。
さすがにスティーブ・クラゲット(カナダ)という38勝(26KO)7敗2分の34歳に負けることはないだろう、とは思いつつも、ロペスは前科持ち(ジョージ・カンボソス戦のこと)なのでわかりません。
少なくともここは難なく買って欲しいところですね。
ともあれ、ロペスは気分屋ですが、やはり相手次第で良いパフォーマンスを見せるボクサー。このボクサーは時間をかければ評価が上がっていくタイプではないですから、とにかく良いダンスパートナーと踊ることが良いパフォーマンスに繋がるのです。
それにはタンクは最適です。
タンク戦では、過去最高のテオフィモ・ロペスが見られるかもしれません。
このタンクvsロペスが決まったところで、仮にロペスが前戦でヘナチョコな試合をしていたとしても侮れるものではない、これだけはこの試合が決まれば思い出すべきことですね。
2.ワシル・ロマチェンコ
最高峰のスキルと、最高峰のパワーの戦い。
今週にも交渉が開始される可能性がある、というのがこのタンクvsロマであり、この試合が決まれば狂喜乱舞、もしタンクがこれに勝てばファイター・オブ・ザ・イヤーは全く夢ではありません。
ロマチェンコは衰えたとはいえまだまだ大いに力を有しており、この階級でトップであることは疑いようのない事実。
見ようによってはデビン・ヘイニーに負けていなかったし、タフなジョージ・カンボソスをノックアウトしています。このカンボソスをノックアウトする、というのはビッグパンチャーであるテオフィモ・ロペスでも成し得なかったことです。
今のタンクの充実ぶりを考えれば、オッズがロマチェンコ不利と出ても仕方のないことかもしれません。それでも、未だ現代最高峰と言われるロマのスキルは、比較的注意力が散漫なタンクに対し、大きな力を発揮する可能性があります。
見たいような見たくないような、とも言いましたが、もはやぶつかるならばこのタイミングしかありません。
1.シャクール・スティーブンソン
タンクにとってこの階級で最も興味深い戦いは、シャクール・スティーブンソン。
だというのが、このBoxingSceneの記事を書いたエリック・ラスキン氏の言い分ではあるものの、個人的にはそうは思わず、1番はロマチェンコです。
少し前ならデビン・ヘイニーだったかもしれませんが、ヘイニーはドープ&オーバーのコンボを決めたガルシアに敗れ、そのガルシアはタンクに心を折られて負けています。
そしてこのシャクールは、ビッグパンチャーであるエドウィン・デ・ロス・サントスと36分間にものぼる睨み合いを続けたことでその評価はこれまでよりも1段下がったともいえます。
それでも疑いようのない才能を持つことと、まだ若いという理由でこの位置にいるのでしょう。
この戦いがどれくらいニーズがあるのか、私にはちょっとわかりません。ビッグマッチを追い求め、叶わないシャクール・スティーブンソン。ここはいっちょライアン・ガルシアとやれば良い。(嘘です)
まあまあ、そんなわけでタンクにはライバルと呼ばれるボクサーが多いですね。これを井上尚弥で出せ、と言われればそのほとんどが未だ戦っていないフェザー級のボクサーたちになるのでしょう。
そんなわけで、戦ったすぐ後に次戦の話が出る。これもスターの宿命ですね。
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