本日はフェニックスバトル!
Lemino放映のフェニックスバトルは、8月に中嶋一輝vs和氣慎吾だとか。本当に面白いカードを提供してくれますね。
Leminoが始まった当初は疑心にかられていたわけですが、今となってはLeminoはボクシングファンに欠かせないプラットフォームになっています。
そんなわけで、今日のブログは6/25に行われたフェニックスバトルの観戦記。
6/25(火)後楽園ホール
元トップアマデビュー組、先陣を切るのは大橋蓮(大橋)。初回、左ストレートでタイ人を初回TKOしています。
フライ級6回戦
田中将吾(大橋)デビュー
vs
高熊龍之介(松本ACE)8勝(3KO)2敗
さて、そして第三試合のこの試合が私的メインです。元トップアマ、田中将吾の相手は昨年度の東日本新人王、高熊龍之介。
プロ10戦とはいえども、田中将吾といえばアマの中でもトップオブトップ、間違いなく格上で、6回戦では誰もが避けるべき相手です。地方ジムの雄はどこまで戦えるのか。注目の一戦のゴング。
初回、まずは田中がいかにも重そうなジャブ、コンビネーション。高熊はガードを固めてしっかりと相手を見ています。ガードは非常に固く、徹底的に被弾を避けます。
中盤、高熊は右カウンター、これを田中はかわします。
先手を取るのは田中、高熊は手数は少ないながらもその打ち終わりを狙っています。
そして2分が過ぎようとした頃、高熊のジャブカウンターでなんと田中がダウン!!!!
この後高熊は攻め切ることはできず、田中がサークリングしながらダメージを回復。高熊はダウンを奪った後、浮足立たずに冷静なのは良かったですがこれはもう少し手を出せれば良かったか。
2R、田中の鋭いジャブが冴えます。素晴らしい距離感の田中、非常に手数も多く、上下の打ち分けも見事、打ってはほんの少し離れるボクシング。
高熊はこの速いパンチに対してブロッキング、両手を塞がれて反撃がままならないか。
ただ、高熊は少ない手数で同時打ち、または打ち終わりを狙っているか。アップセットを目指すのに悪くない戦い方に見えます。
3R、高熊も手を出し始め、左ボディとやはりジャブが良い。このジャブで田中の顔を跳ね上げる場面も作った高熊は、若干田中の速いパンチにも慣れてきたか、右カウンター、大きな左フックも狙います。
ジリジリとプレッシャーをかけ始めた高熊、それでも高熊が攻めようとするところに田中は力強いジャブでストップ、ワンツーもスムーズです。
4R、打って、動いて、また打つ。そして動いて、また打つ。素晴らしいアングルでパンチを出し続けられるのはさすが元トップアマ、高熊は攻撃の糸口をなかなか掴めません。
それでも、少ない手数の中で単発気味ながらも田中の打ち終わりに迫力あるパンチを放つ高熊、まだまだ怖さがあります。
後半、高熊がショートの距離で強引に打っていけばなかなか良い攻撃ができています。
5R、田中の速いコンビネーションが高熊を襲います。しかしこのコンビネーションの打ち終わりに高熊も左がヒット!ここをチャンスと高熊は鋭い左右を振り回し、グイグイと推していきます!
高熊はここで一気に取り返したい!ここで細かい左右のステップを含めた動きの田中、高熊はちょっとついていけません。田中も初めてのラウンドになっても動きは落ちません!
しかし終盤、高熊も強い右がヒット!!
あっという間にラストラウンド!奇跡は起きるかもしれません。
田中の速いコンビネーション、本当に素晴らしい。ポイント的には劣勢でしょう、高熊は徹底して一発を狙っている雰囲気、田中の速いコンビネーションと速いコンビネーションの間にしっかりと一発を当てています!
後半は田中が足を使いつつの速い攻撃、最後の最後は打ち合って試合が終了!!
判定は58-56、58-55×2、田中。
素晴らしい戦いを見せた田中将吾、そしてプロボクサーとしてトップアマに「洗礼」とも言えるものを浴びせた高熊龍之介。田中の素晴らしさというのはすでにボクシングファンの知っているものですが、今後の高熊龍之介にも大注目ですね。
田中空と坂井優太
田中将吾に続き、田中空(大橋)、坂井優太(大橋)が登場し、それぞれ素晴らしいボクシングを展開。
田中空はもともとアマ時代から明らかにプロ向きのスタイルでしたから、実際真価が問われるのはまだ先の話でしょう。田中空は期待に違わぬ初回TKO勝利。
そして坂井優太、大学に行くものだと思っていましたが早々のプロ入りは、やはり大器を感じさせるものでした。若干のスウェーを含む左フックカウンターでダウンを奪取、そして2Rに相手陣営が棄権してのTKO勝利。自らプレスをかけて攻め込みながら、その途中でカウンター。今後が非常に楽しみなボクサーですね。
WBOアジアパシフィック・スーパーミドル級タイトルマッチ
ユン・ドクノ(韓国)8勝(6KO)1敗
vs
帝尊康輝(一力)16勝(13KO)5敗3分
セミファイナルはユン・ドクノに帝尊が挑むWBOアジアパシフィックスーパーミドル級タイトルマッチ。
いっとき大きく交代した韓国ボクシング界、まだまだ課題は山積みでしょうが、最近はまた少し復活してきているようにも感じますね。侮れません。
「長袖」と書かれている半袖Tシャツを着ている観客席の人が一瞬気になりましたが、ともかくゴング。
まず初回、リング中央で互いにステップを踏みながら距離を測ります。まずはユンのジャブがヒットしています。その後もワンツーをヒットしたユン、映像で見る限りさほどパワーは感じませんが、何しろスーパーミドル級、結構危ない気がします。
と思ったところでやや下からきた右で帝尊がダウン!!!かなりダメージはありそうで、ここはユンが一気に来ます!!これは危ない!!というところでなんと今度は帝拳のショートの左がカウンターとなってヒット!!!
ユンはこれでダウン、ちょっと痙攣しているようにも見えます!!試合はこれでストップ!It's Over!!!です!!!
帝尊康輝、初回TKO勝利!!
これはユンのダメージも心配なほどの倒れ方!正直、最初のダウンですでにふらついていた帝尊、もうダメかと思ったところからのワンパンチ。これはとんでもない試合ですね。。。
日本フェザー級タイトルマッチ
松本圭佑(大橋)10勝(7KO)無敗
vs
藤田裕史(井岡)12勝(3KO)9敗4分
さて、いよいよメインイベント。まあ何せ進行が早い。
遅い時間からアーカイブを見始めた私にとっては非常にありがたいですが。。。
まず初回、藤田が若干のプレス。少し変則的なサウスポー、その内側から鋭いジャブを通す松本。藤田はスイッチも繰り出します。
非常に基本がしっかりしており、オーセンティックなスタイルである松本にとってはちょっとやりづらい相手かもしれませんね。
2R、松本がワンツーで攻め入ったところに、タイミングよく藤田が左をフック気味に回します。これがヒットしたのかどうかはわかりませんが、これで松本がバランスを崩します。これはちょっと気をつけたいパンチ。
スローを見るとしっかり当たっていましたね。松本の左フックのカウンターとなって当たったようです。
3R、藤田の攻撃に対してしっかり距離で外す松本、松本の攻撃に対して上体を折って躱す藤田。反撃に出やすいのは後者の方で、余裕があるように見えるのは前者の方です。
比較的静かな展開が続き、どちらかというとやはり松本が攻めあぐねているように見えますね。ちょっと藤田のリズムは読みづらいか。
4Rも展開は変わらず、これはどっちがポイントを取っているのか。
5R、「はぐらかす」のが上手く、「曲者」という表現がよく似合う、藤田。松本はあまり効果的な攻撃ができておらず、どこかでこの展開を打開したいところでしょう。
藤田のパンチも当たっているというわけではありませんが、とにかく松本の的中率の悪さが気になります。噛み合わない、というのはこのことで、藤田としては噛み合わなくても問題ないのでしょうが、松本は良い勝ち方をしたいだけにきついか。
5R終了後の途中採点は、3者ともに50-45で松本。このままで良いといえば良いのでしょうが、ちょっと物足りない展開です。
6R、ただ、ジャッジがそのように見るのであれば、行かなければならないのは藤田の方です。
左右のボディから攻め込む藤田、しかしこの攻撃は力強いとはいず、さらに攻め込むことで隙もできてしまいます。
7R、松本が左ボディをヒット、続けてジャブで藤田の顔を跳ね上げます。大きな動きはありませんが、徐々に松本のヒットは増えており、藤田のリズムにも慣れてきたイメージ。
8R、藤田の左ストレートの打ち終わりに右を狙っている風の松本。どうにか右を当てたいですが、藤田は非常に柔らかく、これがなかなかヒットせず。
9R、これまでのラウンドよりもギアを上げて攻撃に振った松本、強い右をヒット。ボディもしっかりと狙っていき、多少の被弾を気にせず右を押し込んでいきます。
ここはクリンチで凌いだ藤田、少し落ち着いた中盤を過ぎると序盤に受けたダメージも回復、松本はチャンスを逃したか。
ラストラウンド、松本の勝利は固いですが、ここは倒したいところ、逆に藤田はフルラウンド生き延びる、ということ以外に何かができるのか。
中盤、松本が回転力のあるコンビネーションで攻め込むと、藤田はちょっと苦しそうでクリンチ。
しかし松本もそれ以上は攻めきれず、ラウンドが終了です。
判定は、3者ともにフルマークで松本圭佑。
まあ、完勝といえばそうなのですが、のらりくらりと自分のボクシングに徹することができたのはチャレンジャー、藤田の方。
勝てるボクシングではなかったですが、ある一定の達成感はあるかもしれません。
松本は試練とも言える防衛戦、ちょっと盛り上がりがなく、非常に残念なパフォーマンスでした。が、まだまだ若く、これは良い経験になったと捉えられることでしょう。
今後にも期待ですね。
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