現地時間の金曜日、フライデイ・ファイトナイトです。
Probox TV初となる世界タイトルマッチでしょうか?
リングに上がるのはWBA世界スーパーフェザー級王者、レイモント・ローチ、メジャー街道を走れそうなアフロ・アメリカンですが、その道を外れてしまった王者で、現在は父であるローチシニアにプロモートされています。
このワシントンDCというのはローチ一家の生まれ故郷であり、いわば凱旋防衛戦。
凱旋試合というのはなかなか魔物が住むパターンも多いですが、超がつくほどの格下を相手にするローチ、絶対に負けられません。オッズもローチ-1250、対戦相手のマクローリーが+750という圧倒的大差、何せこのマクローリーはこれまで強豪との対戦成績がないばかりか、最長ラウンドが6Rというボクサーであり、その世界挑戦資格を大いに疑問視されるボクサーです。
同じ興行でローチの弟、ジョーダン・ローチもプロデビュー。こちらはスーパーフライ級なので、もしかすると今後日本人との絡みも出てくる可能性がありますね。
ともあれ、今回のブログはProBoxTVで放映されたワシントン興行の観戦記。
↓プレビュー
6/28(日本時間6/29)アメリカ・ワシントンDC
WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
レイモント・ローチ(アメリカ)24勝(9KO)1敗1分
vs
フィアガル・マクローリー(アイルランド)16勝(8KO)無敗
大歓声を受けて入場する、地元のヒーローレイモント・ローチJr。
リングコール、WBAスーパーバイザーでホルへ・リナレスって言わなかった???と思ったら、ちゃんとリナレスがスーパーバイザーとしてWBAベルトを持ってリングに上がっています。おおお、、なんかどういうツテでこんなことになってしまっているのでしょうか。
ともあれ、ゴング。
初回、マクローリーが「敵地で挑戦する格下挑戦者」らしく、アップセットを狙ってプレス、初回からアグレッシブにパンチを放っていきます。
かなり固さが見えますが、こういうボクサーなのかもしれません。
マクローリーのボディジャブの打ち終わりにワンツーのローチ、ちょっとハナからスピード差、スキル差を感じますね。
残り1分ほどのところで、ローチが右ボディストレートで牽制してからの強い左フックをヒット。会場は大きな歓声。
若干固さも取れてきたマクローリー、連打を見せますがローチはブロッキングとウィービングでそのほとんどを無効化しています。
2R、前手の牽制のしあい。サウスポーのマクローリーよりもオーソドックスのローチの方がやはり上手く、ジャブをヒット。
マクローリーの近づいてからの左右のフックはパワーを感じますが、近い距離でのローチのディフェンスは良く当たらず。逆にローチの上下の打ち分け、良いアングルのパンチを浴びてしまいます。
後半、この近接戦闘でローチが左ボディから顔面への左フック、これで動きが止まったマクローリーにさらに左フックをフォロー。かなりぐらりときてしまったマクローリーはクリンチでエスケープ。
3R、警戒心がバリバリで、プレスをかけるも手がでないマクローリー。ローチはやりたい放題の状態で、大きな右をヒットしています。
そしてマクローリーが前に出たところでまたも左フックをヒット、ぐらついたマクローリーにはダウン宣告!映像ではあまり見えませんでしたが、バランスを崩してグローブをマットにタッチしたのかもしれません。
もはやフィニッシュは時間の問題か、というところですが、ローチはあくまでも自分からは攻めず、相手の出てきたところ狙い。これがローチのスタイルですし、マクローリーはダメージがあるとはいえやはりまだまだ出てきますからおあつらえ向きです。
妙なフィリーシェル風の構えのマクローリー、前手である右手をL字にしていますが、そこで空いた顔面にローチのジャブをビシビシ喰らっています。
とにかく近づいて強いパンチを打ち込むしかないマクローリーは強い気持ちを持って旺盛な手数で攻めますが、短髪気味のローチのアッパーを浴び、最後も左ボディを決められてラウンドが終了しています。
4R、とにかく攻めるのはマクローリー。この入り際、打ち終わりに狙うローチ。マクローリーは諦めず距離を詰めていくことで乱打戦というか泥試合に持ち込もうとしており、こうなるとマクローリーにもチャンスが出てくるのかもしれません。
体を押し付け、頭を押し付けていくマクローリー、ここまでかなりハイペースなようにも思いますがまだ4R、ここからどうか。
後半にはローチが上手くカウンターを取る展開となっていき、終盤にローチが右ボディ、左フックに続いて右ボディをヒットするとマクローリーがダウン。
立ち上がったマクローリーですが、再開後、ローチが強い左ボディをヒットするとマクローリーはまたもダウン!これで止めても良いと思いますが、レフェリーが続行を指示したところでゴング。
5R。
マクローリーは前ラウンドの前半は良かったですが、もはや限界も近いでしょう。
それでもやはり自らはいかないローチ、こうなるとマクローリーは前に出ずに前に出るフリだけして休んでも良いかもしれません。
結局気性なのかキャリアの無さなのか、とにかく逆転を狙って攻めていくマクローリー。右ガードを思いっきり下げているがために、とにかくローチの左フックをあびまくりながらも気持ちはきれないですね。
6R、変わらず前に出るマクローリー。ローチは下がりながらの手数を増やし、そのヒット数はかなりのもの。ただ、腰の入ったパンチはほとんどないためにダメージは少ないかもしれません。
中盤以降はこの軽いパンチに加えて強いボディショットも追加、後半は顔面へのパンチにも力が入り始め、流石にKOを狙っていくか。
しかしマクローリーは諦めず、とにかく前進をやめず。
7R、とにかく前進するだけでちょっと手も出なくなってきたマクローリー、ローチは倒してしまおうと旺盛な手数。
マクローリーも懸命に頭の位置を動かすものの、このコンビネーションはその多くがヒットしているし、強いボディも突き刺さっている状況であり、もう止めた方が良い。マクローリーの手が出ない時間、ローチは攻め続けるも悲しいかな、ローチのパワーでは素晴らしいノックアウトは生まれそうにありません。
終盤に入るとローチも打ち疲れなのか手数は減り、ここでマクローリーは反撃しています。
8R、ここも前進のマクローリーと待ちの戦法のローチ。マクローリーの入り際に右カウンター。
変わらぬ試合展開に眠くなってきたところで、ローチの右ストレートがマクローリーにヒット、マクローリーは大きく後退!その後、手が出なくなったマクローリーに対し、ローチは連打で攻め立てたところでマクローリー側が棄権の意思表示、これによりレフェリーが試合をストップ。
レイモント・ローチ、8RTKO勝利!
凱旋試合、ということで圧倒的に勝ち切る姿を地元で見せることができたレイモント・ローチ。
もともと実力差のあるマッチメイクだとは思っていたので、この結果は想定通りでもあり、それでも展開的にはもっと早いストップ勝ちができたのではないでしょうか。
やはりローチは判定型のボクサーで、その決定力には疑問が残ります。
ただ、近い距離でのディフェンスもよく、崩しにくいボクサーでもありますね。
今のスタイルではなかなか大手のプロモーターからお声がかかることはないと思われるので、(円の力は弱いですが、それを差し置いても)もしかするとこの階級で日本に呼べる、数少ない王者かもしれませんね。
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